COMBINE

02-10-2014 дата публикации
Номер:
WO2014156387A1
Принадлежит: 株式会社クボタ
Контакты:
Номер заявки: JP40-05-201425
Дата заявки: 20-02-2014

コンバイン
[1]

 本発明は、穀粒を貯留する穀粒タンクが備えられているコンバインに関する。

[2]

 [背景技術1]
 従来のコンバインの一例が例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に示されたコンバインには、穀粒タンク(特許文献1では「グレンタンク」)に貯留された穀粒の重量測定を行う重量測定部(特許文献1では「ロードセル」)が備えられている。

[3]

 [背景技術2]
 従来のコンバインの一例が例えば特許文献2に記載されている。特許文献2に示されたコンバインには、穀粒タンク(特許文献2では「グレンタンク」)内における穀粒の溜り具合を検知する高さの異なる複数段の貯留レベルを検出できるレベルセンサ(特許文献2では「籾センサ」)が備えられている。このようなコンバインでは、例えば、最上段の計測センサが穀粒を検知した際に、穀粒タンク内の穀粒が一定量に達した旨、例えば満量である旨の報知を運転者へ行うことができる。

[4]

 [背景技術3]
 従来のコンバインの一例が例えば特許文献3に記載されている。特許文献3に示されたコンバインは、穀粒タンク(特許文献3では「グレンタンク」)内に設けられた穀粒供給口から流入する穀粒を圧砕して、圧砕された穀粒の品質を計測できるように構成されている。

[5]

日本国特開平10-164967号公報(JP10-164967A)(段落番号[0009]、[0010]、[図1])日本国特許第5098277号公報(JP5098277B2)日本国特開2006-246831号公報(JP2006-246831A)

[6]

 上記[背景技術1]に対応する[課題1]は、以下のとおりである。
 従来のコンバインでは、コンバインが作業状態にあるときでも穀粒タンクに貯留された穀粒の重量測定を行えるようになっている。しかし、測定する際に、作業が行われていると、作業によって穀粒タンクが振動し、重量測定の結果にバラツキが生じるおそれがある。

[7]

 このような実情に鑑み、穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を精度よく測定できるコンバインの提供が望まれていた。

[8]

 また、上記[背景技術2]に対応する[課題2]は、以下のとおりである。
 従来の技術では、穀粒タンク内において検出可能な穀粒の貯留体積量は、レベルセンサが配置される高さで決まるため、報知を行うための穀粒タンク内の穀粒の貯留体積量の閾値は固定されていた。このため、例えば、容量が決まっているコンテナや穀粒袋等に丁度収納できる量の穀粒が貯留されたことを報知するというような柔軟な刈取作業は行えなかった。

[9]

 このような実情に鑑み、穀粒タンク内に所定量の穀粒が貯留されたことを報知することが可能であり、かつ、その所定量を任意に変更できるコンバインの提供が望まれている。

[10]

 また、上記[背景技術3]に対応する[課題3]は、以下のとおりである。
 従来のコンバインにおける穀粒の品質計測とは異なり、穀粒タンク内に開閉制御が可能なシャッターを備えて、シャッター上に穀粒を一時的に貯留して穀粒の品質計測を行う手法が考えられている。このようなシャッターを用いて穀粒の品質計測を行う手法においては、穀粒タンク内の穀粒が増加してくると、穀粒にシャッターの開閉動作が妨げられるおそれがあった。

[11]

 このような実情に鑑み、穀粒の品質計測のために穀粒を一時的に貯留可能なシャッターの開閉を穀粒に妨げられることなく好適に行うことができるコンバインの提供が望まれていた。

[12]

 上記[課題1]に対応する解決手段は、以下のとおりである。
 すなわち、本発明に係るコンバインは、走行機体を支持する走行装置と、
 植立穀稈を刈取る刈取部と、
 刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置と、
 前記脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、
 前記穀粒タンクに貯留された穀粒の重量測定を行う重量測定部と、
 重量測定信号を出力する測定指示部と、
 前記走行装置、前記刈取部、及び前記脱穀装置の状態から、作業状態であるか非作業状態であるかの作業状態判定を行う作業状態判定部と、
 前記重量測定信号に基づいて前記重量測定部に前記重量測定を指令する制御部と、が備えられ、
 前記測定指示部から前記重量測定信号が出力されると、前記制御部は、前記作業状態判定部に前記作業状態判定を指令し、前記作業状態であることが判定されると、前記重量測定部に前記重量測定を指令しないものである。

[13]

 本発明によると、穀粒タンクに貯留された穀粒の重量測定を行うために、測定支持部から重量測定信号が出力されると、走行装置、刈取部、及び脱穀装置の状態から、作業状態であるか非作業状態であるかの作業状態判定が行われる。そして、作業状態であると判定されると、重量測定部による穀粒タンクに貯留された穀粒の重量測定は行われない。つまり、本発明によれば、穀粒タンクに振動が生じている作業状態のときには、重量測定部による穀粒タンクに貯留された穀粒の重量測定は行われないので、穀粒タンク内の穀粒の重量として正確性に欠く値が測定されてしまう可能性が排除され、結果として、穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を精度よく測定できる。

[14]

 上記構成において、前記走行機体の傾きを検出する姿勢検出部と、
 前記走行機体の傾きが所定の傾斜許容範囲内にあるか否かの姿勢判定を行う姿勢検出部と、が備えられ、
 前記作業状態判定部によって前記非作業状態であることが判定されると、前記制御部は、前記姿勢検出部に前記姿勢判定を指令し、前記走行機体の傾きが所定の傾斜許容範囲内にあることが判定された場合、前記重量測定部に前記重量測定を指令し、前記走行機体の傾きが前記傾斜許容範囲内にないことが判定された場合、前記重量測定部に前記重量測定を指令しないと好適である。

[15]

 走行機体が傾くことにより穀粒タンクも傾くので、走行機体が傾いた状態で測定される重量は正確でないおそれがある。しかし、本構成によれば、非作業状態であると判定された後に、さらに、走行機体の傾きが所定の傾斜許容範囲内にあると判定されてから重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量の測定が行われる。そして、走行機体の傾きが傾斜許容範囲内にないと判定されると重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量の測定が行われない。したがって、穀粒タンク内の穀粒の重量として正確性に欠く値が測定されてしまう可能性が排除され、結果として、穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を精度よく測定できる。

[16]

 上記構成において、前記走行機体の左右傾斜姿勢を変更する左右姿勢変更部が備えられ、
 前記姿勢検出部として、前記走行機体の左右傾斜角度を検出する左右傾斜角度検出部が備えられ、
 前記姿勢検出部によって前記左右の傾きが所定の左右傾斜許容範囲内にないことが判定された場合、前記制御部は、前記重量測定部に前記重量測定を指令せずに、前記左右傾斜角度が前記左右傾斜許容範囲内になるように前記左右姿勢変更部を制御し、前記左右傾斜角度が前記左右傾斜許容範囲内になった後に、前記重量測定部に前記重量測定を指令すると好適である。

[17]

 本構成によれば、走行機体の左右傾斜角度を検出する左右傾斜角度検出部が備えられており、左右の傾きが所定の左右傾斜許容範囲内にないと判定されると、まず、左右傾斜角度が左右傾斜許容範囲内になるように左右姿勢変更部が制御される。そして、左右傾斜角度が左右傾斜許容範囲内になってから、重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量の測定が行われる。このように、本構成であれば、走行機体の左右傾斜角度が大きなときは、自動的に左右傾斜角度の調整が行われるので、重量測定部による正確な重量測定をスムーズに実行できる。

[18]

 上記構成において、前記走行機体の前後傾斜姿勢を変更する前後姿勢変更部が備えられ、
 前記姿勢検出部として、前記走行機体の前後傾斜角度を検出する前後傾斜角度検出部が備えられ、
 前記姿勢検出部によって前記前後傾斜角度が所定の前後傾斜許容範囲内にないことが判定された場合、前記制御部は、前記重量測定部に前記重量測定を指令しないと共に、前記前後傾斜角度が前記前後傾斜許容範囲内になるように前記前後姿勢変更部を制御し、前記前後傾斜角度が前記前後傾斜許容範囲内になった後に、前記重量測定部に前記重量測定を指令すると好適である。

[19]

 本構成によれば、走行機体の前後傾斜角度を検出する前後傾斜角度検出部が備えられており、前後の傾きが所定の前後傾斜許容範囲内にないと判定されると、まず、前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内になるように前後姿勢変更部が制御される。そして、前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内になってから、重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量の測定が行われる。このように、本構成であれば、走行機体の前後傾斜角度が大きなときは、自動的に前後傾斜角度の調整が行われるので、重量測定部による正確な重量測定をスムーズに実行できる。

[20]

 上記構成において、前記走行装置の走行速度を検出する車速センサが備えられ、
 前記作業状態判定部は、少なくとも前記走行速度がゼロであることを条件に、前記非作業状態であると判定すると好適である。

[21]

 走行装置の走行速度がゼロ以外のとき、すなわち走行中は、穀粒タンクの振動が大きくなるため重量測定の誤差が大きくなるおそれがある。しかし、本構成によれば、車速センサにより検出される走行装置の走行速度がゼロ以外のときは、非作業状態とは判定されず、重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量の測定が行われない。したがって、穀粒タンク内の穀粒の重量として正確性に欠く値が測定されてしまう可能性が排除され、結果として、穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を精度よく測定できる。

[22]

 上記構成において、前記脱穀装置へ動力伝達を入り切りする脱穀クラッチが備えられ、
 前記作業状態判定部は、少なくとも前記脱穀クラッチが切り状態であることを条件に、前記非作業状態であると判定すると好適である。

[23]

 脱穀クラッチが入り状態のときは脱穀装置の作動により穀粒タンクへ振動が伝達される状態となるため重量測定の誤差が大きくなるおそれがある。しかし、本構成によれば、脱穀装置へ動力伝達を入り切りする脱穀クラッチが切り状態でないとき、すなわち脱穀クラッチが入り状態のときには、非作業状態とは判定されず、重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量の測定が行われない。したがって、穀粒タンク内の穀粒の重量として正確性に欠く値が測定されてしまう可能性が排除され、結果として、穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を精度よく測定できる。

[24]

 上記構成において、前記刈取部に設けられて刈取穀稈の存在を検出する穀稈センサが備えられ、
 前記作業状態判定部は、少なくとも前記刈取部に刈取穀稈が存在していないことを条件に、前記非作業状態であると判定すると好適である。

[25]

 刈取部に穀稈が存在しており穀稈センサによって刈取穀稈が検出されている状態のとき、つまり、刈取部が作動しているときは、作動する刈取部から穀粒タンクへ振動が伝達され、重量測定の誤差が大きくなるおそれがある。しかし、本構成によれば、少なくとも刈取部に刈取穀稈が存在していないことを非作業状態であると判定する条件としているので、穀粒タンク内の穀粒の重量として正確性に欠く値が測定されてしまう可能性が排除され、結果として、穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を精度よく測定できる。

[26]

 上記構成において、前記刈取部は前記走行機体に上下昇降可能に支持され、
 前記刈取部の上下位置を検出する刈取高さセンサが備えられ、
 前記作業状態判定部によって前記非作業状態であることが判定されても、前記上下位置が所定の高さよりも低い場合、前記制御部は、前記重量測定部に前記重量測定を指令しないと好適である。

[27]

 本構成によれば、非作業状態であって、刈取部の上下位置が、所定の高さよりも高い場合に、重量測定部による穀粒タンクに貯留された穀粒の重量測定が行われる。これにより、例えば、重量測定が行われる前に走行機体を水平化する制御が行われて走行機体が下降するような場合に、刈取部の先端等が不測に圃場に接触してしまうというような不都合を回避できる。

[28]

 上記構成において、前記穀粒タンクに接続された縦オーガ、及び、前記縦オーガに接続されて前記穀粒タンクに貯留された穀粒を一端から外部へ排出可能であると共に、上下揺動可能かつ収納位置と作業位置との間で旋回可能な横オーガを有するアンローダと、
 前記横オーガを前記収納位置に支持するオーガ受けと、
 前記横オーガが前記オーガ受けに収納されている収納状態であるか否かを検出する収納検出部と、が備えられ、
 前記作業状態判定部によって前記非作業状態であることが判定されると、前記制御部は、前記収納検出部の検出結果を確認し、前記収納状態が検出されている場合は、前記重量測定部に前記重量測定を指令し、前記収納状態が検出されていない場合は、前記重量測定部に前記重量測定を指令しないと好適である。

[29]

 アンローダの横オーガは縦オーガに片持ち支持されているものであり、横オーガがオーガ受けに適正に収納されている状態と、横オーガがオーガ受けに適正に収納されていない状態とでは、穀粒タンクにおける重心位置が変化して、重量測定の結果が異なるおそれがある。本構成によれば、非作業状態であると判定されてから、横オーガがオーガ受けに適正に収納されていると判定されると、重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量測定は行われる。しかし、非作業状態であると判定されたとしても、横オーガがオーガ受けに適正に収納されていないと判定されると、重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量測定は行われない。このように、横オーガがオーガ受けに適正に収納された安定状態のときに、重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量測定を行うので、正確性の高い重量の値を得ることができる。

[30]

 上記構成において、前記横オーガを上下揺動させる上下揺動駆動部と、
 前記横オーガを旋回させる旋回駆動部と、が備えられ、
 前記収納検出部によって前記収納状態が検出されていない場合、前記制御部は、前記重量測定部に前記重量測定を指令しないと共に、前記収納状態となるように前記上下揺動駆動部及び前記旋回駆動部を制御し、前記収納状態になった後に、前記重量測定部に前記重量測定を指令すると好適である。

[31]

 本構成によれば、横オーガが収納位置のオーガ受けに適正に収納されていない場合、横オーガがオーガ受けに適正に収納されてから重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量の測定が行われる。このように、本構成であれば、自動的に横オーガが正しくオーガ受けに収納されて重量測定が行われるので、重量測定部による正確な重量測定をスムーズに実行できる。

[32]

 上記構成において、前記穀粒タンクに接続された縦オーガ、及び、前記縦オーガに接続されて前記穀粒タンクに貯留された穀粒を一端から外部へ排出可能であると共に、上下揺動可能かつ収納位置と作業位置との間で旋回可能な横オーガを有するアンローダと、
 前記横オーガを上下揺動させる上下揺動駆動部と、
 前記横オーガを前記収納位置に支持するオーガ受けと、が備えられ、
 前記作業状態判定部によって前記非作業状態であることが判定されると、前記制御部は、前記上下揺動駆動部を制御して前記横オーガを所定時間下降させた後に、前記重量測定部に前記重量測定を指令すると好適である。

[33]

 アンローダの横オーガは、旋回位置がずれるよりも、走行時の振動等によって上下位置がずれることの方が多い傾向にある。本構成によれば、横オーガが収納位置のオーガ受けに適正に収納されていない場合、横オーガを所定時間下降させてから重量測定部による穀粒タンク内の穀粒の重量の測定が行われる。このような場合には、横オーガを所定時間下降させれば、横オーガはオーガ受けに適正に収納される。このように、本構成であれば、自動的に横オーガが正しくオーガ受けに収納されて重量測定が行われるので、重量測定部による正確な重量測定をスムーズに実行できる。

[34]

 上記構成において、前記制御部は、前記重量測定部に前記重量測定を指令しない場合は、運転者に、測定に関する情報を報知すると好適である。

[35]

 本構成によれば、重量測定部に重量測定を指令しない場合には、測定に関する情報、例えば、重量測定を行うことができない旨の情報を運転者に報知できる。これにより、運転者は、重量測定ができないことを速やかに確認でき、種々の対応をとり得る。

[36]

 上記[課題2]に対応する解決手段は、以下のとおりである。
 すなわち、本発明に係るコンバインは、植立穀稈を刈取る刈取部と、
 刈取穀稈を脱穀処理する脱穀部と、
 前記脱穀部によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、
 前記穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積量を計測する計測センサと、
 前記計測センサによって計測された前記貯留体積量が、予め設定された閾値を超えたか否かを判定する判定部と、
 前記判定部によって前記貯留体積量が前記閾値を超えたと判定されると、運転者に、前記穀粒の量が前記閾値を超えたことに関する情報を報知する報知部と、
 前記閾値を変更可能な変更部と、が備えられているものである。

[37]

 本発明によると、判定部と報知部とが備えられているので、所定量の穀粒が貯留されたことを運転者が知ることができる。さらに、本発明であると、変更部が備えられているので、排出先の容器等の容量に応じた報知が可能となる。

[38]

 上記構成において、前記計測センサは、前記穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を計測する重量センサであると好適である。

[39]

 本構成によれば、計測センサが、穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を計測する重量センサであるので、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積量を得る際に、高さの固定されたレベルセンサよりも、より細かな値を得ることが可能となる。このため、変更部による閾値の変更も細かく行うことが可能となり、閾値の変更を柔軟に行うことができる。

[40]

 上記構成において、前記穀粒タンクに貯留された穀粒の少なくとも水分値を計測する品質センサと、
 前記品質センサにより検出された穀粒の水分値、および、前記重量センサにより計測された前記穀粒タンクに貯留された穀粒の重量、に基づいて前記貯留体積量を演算する演算部と、が備えられ、
 前記閾値は、体積単位で設定されると好適である。

[41]

 本構成によれば、品質センサにより検出された穀粒の水分値、および、重量センサにより計測された穀粒タンクに貯留された穀粒の重量、に基づいて貯留体積量が演算されるので、穀粒の実際の品質が考慮された精度のよい貯留体積量を演算できる。例えば、品質センサによって穀粒タンクに貯留された穀粒の少なくとも水分値を計測することにより、穀粒のおおよその比重が分かるので、重量センサにより計測された穀粒タンクに貯留された穀粒の重量から、穀粒タンクに貯留された実際の穀粒の性状に合致する正確な貯留体積量を得ることが可能となり、演算された貯留体積量と体積単位で設定される閾値とを比較できる。また、体積単位で閾値を設定できるので、例えば、重量単位で設定するのに比較して貯留度合をイメージし易く閾値の設定が行い易くなる。

[42]

 上記構成において、前記穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留レベルを計測するレベルセンサが備えられ、
 前記閾値は、体積単位で設定されると好適である。

[43]

 本構成によれば、運転者に報知を行う基準となる、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積量の閾値を任意に変更できる。この場合、レベルセンサによって穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留レベルが計測され、計測された貯留レベルが閾値に達したかどうかが判定される。レベルセンサには、例えば、下から順に配置された高さの異なる第1センサ、第2センサ、第3センサ、第4センサが備えられているとする。例えば、第4センサが穀粒を検知する、という閾値が予め設定されている場合、変更部によって、第4センサよりも配置された高さの低い第3センサが穀粒を検知する、という新たな閾値に変更できる。このようにして、報知を行う穀粒タンク内の穀粒の貯留体積量を任意に変更できる。また、体積単位で閾値を設定できるので、例えば、重量単位で設定するのに比較して貯留度合をイメージし易く閾値の設定が行い易くなる。

[44]

 上記構成において、外部サーバとの通信を行う通信部が備えられ、
 前記変更部は、前記外部サーバから受信したデータに基づいて前記閾値を変更可能に構成されていると好適である。

[45]

 本構成によれば、例えば、遠隔の管理センタ等に配置された外部サーバから閾値を変更することができ、外部からの貯留体積量の管理が可能となる。

[46]

 上記構成において、外部サーバとの通信を行う通信部が備えられ、
 前記通信部は、前記変更部によって前記閾値が変更された場合、変更結果を前記外部サーバへ送信するように構成されていると好適である。

[47]

 本構成によれば、変更部によって閾値が変更された場合、変更結果が通信部を介して外部サーバに送信できる。これにより、例えば、運転者が誤って閾値を変更した場合でも、外部サーバにおいて、閾値の変更結果を確認できるので、種々の不都合を回避できる。一例を挙げると、管理センタ等における穀粒の乾燥機等の受け入れ可能な容量が決まっている場合、閾値の変更が望ましくない場合もあり、このような場合に、外部サーバにおいて運転者が閾値を変更した変更結果を確認できるので、閾値の再変更を促す等の適切な対処をとることができる。また、外部サーバによって、閾値を一括管理している場合等に、古いデータを新しいデータに自動的に書き換えることも可能となる。

[48]

 上記構成において、前記判定部は、複数の前記閾値を設定可能に構成されていると好適である。

[49]

 本構成によれば、判定部は、複数の閾値が設定可能とされているので、穀粒タンク内における穀粒の貯留体積量について、複数段階で運転者に報知を行うことが可能となる。つまり、例えば、判定部において、所望量の第1閾値と、第1閾値よりも小さな第2閾値を設定しておいたとすると、第2閾値に貯留体積量が達すると、もうすぐ所望量の貯留がなされる旨の予備報知を運転者に行い、その後、第1閾値に貯留体積量が達すると、所望量の貯留がなされた旨の本報知を運転者に行うといったことができる。このため、運転者にとっては穀粒の貯留状況の把握が行い易くなる。

[50]

 上記構成において、前記貯留体積量を表示する表示部と、
 前記穀粒タンクの底部に設けられ、前記穀粒タンクに貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガと、が備えられ、
 前記排出オーガが作動されてから次の刈取作業が行われるまでの間、前記排出オーガの始動前における前記貯留体積量が前記表示部に表示され続けるようになっていると好適である。

[51]

 本構成によれば、運転者が前回の貯留量を忘れてしまった場合等に次の刈取作業を行うまでは簡単に前回の貯留量を確認できる。

[52]

 上記[課題3]に対応する解決手段は、以下のとおりである。
 すなわち、本発明に係るコンバインは、脱穀装置から搬送されてきた穀粒を貯留する穀粒タンクと、
 前記穀粒タンクの底部に設けられ、前記穀粒タンクに貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガと、
 前記穀粒タンク内に設けられると共に取込口が形成され、前記脱穀装置から搬送されてきた穀粒の一部を前記取込口から取り込んで一時的に貯留する一時貯留部と、
 前記一時貯留部に貯留された穀粒の品質を検出する品質計測部と、
 前記一時貯留部に形成されて貯留された穀粒を前記穀粒タンクに排出可能な排出口と、
 前記排出口を開放する開位置と前記排出口を閉塞する閉位置とに位置変更可能なシャッターと、
 前記品質計測部による計測が終了されると、前記シャッターを前記開位置にし、かつ、前記一時貯留部の穀粒の全てが前記穀粒タンクに排出されると、前記シャッターを前記閉位置にする開閉制御を行う制御部と、
 前記穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積が所定値を超えたか否かを判定する判定部と、が備えられ、
 前記判定部によって前記貯留体積が所定値を超えたことが判定されると、前記制御部は前記開閉制御を停止するものである。

[53]

 本発明によると、取込口から取り込まれた穀粒が、閉位置となったシャッター上に形成される一時貯留部に一時的に貯留され、一時貯留部に貯留された穀粒について品質計測部による品質計測が行われ、品質計測が終了すると、シャッターが開位置となって品質計測の終了した穀粒が排出口から排出される。本発明によると、このようなシャッター開閉制御が基本的に行われて、穀粒の品質計測が行われる。そして、本発明では、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積が所定値を超えると、シャッターの開閉制御が停止される。シャッターの開閉動作に穀粒の干渉が生じるおそれのある所定値に設定すると、貯留された穀粒によってシャッターの開閉動作が妨げられることがないので、穀粒の品質計測を支障なく行える。このように、本発明によれば、穀粒の品質計測のために穀粒を一時的に貯留可能なシャッターの開閉を穀粒に妨げられることなく好適に行うことができる。

[54]

 上記構成において、前記判定部によって前記貯留体積が所定値を超えたことが判定されると、前記制御部は、前記品質計測部による計測が終了しても、前記シャッターを前記開位置にする制御を行わないと好適である。

[55]

 穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積が所定値を超えていると、貯留された穀粒によってシャッターの開動作が妨げられる可能性がある。本構成であれば、このような場合は、品質計測部による計測が終了しても、シャッターを開位置にする制御を行わない。これにより、シャッターが開かないという不都合を回避できる。

[56]

 上記構成において、前記排出口を介して前記一時貯留部と連通し、かつ、側部が前記穀粒タンクの内部空間と区画されると共に下部が前記内部空間と連通する排出回数確保部が、前記シャッターの下方に隣接して備えられていると好適である。

[57]

 本構成によれば、排出回数確保部は、その下部において内部空間と連通するものの、内部空間と区画されているので、内部空間に貯留された穀粒の貯留レベルが上昇してきても、排出回数確保部の下部よりも上方では、内部空間に貯留された穀粒の影響を受けない。つまり、排出回数確保部における貯留レベルの上昇は、一時貯留部から排出された穀粒の量に大きく依存することとなる。したがって、本構成であると、排出回数確保部の大きさ等をうまく設定することにより、品質計測の回数と、内部空間への貯留度合いとのバランスをとることができる。

[58]

 上記構成において、前記貯留体積を検出する体積計測部が備えられ、
 前記体積計測部によって前記貯留体積が前記所定値よりも低い値である予備値を超えたことが検出され、かつ、その検出後に前記シャッターが開放された回数が所定回数を超えたときに、前記判定部は、前記貯留体積が前記所定値を超えたと判定すると好適である。

[59]

 本構成によれば、シャッターの開閉動作に穀粒の干渉が生じるおそれのある所定値よりも低い予備値を体積計測部によって検出できる。このため、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積が予備値を超えると、排出回数確保部において残された体積の余裕がある程度限られた状態にあることがわかる。したがって、本構成であれば、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積が予備値を超えてから、シャッターが開放された回数が所定回数を超えたときに、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積が所定値を超えたとみなして、シャッターの開閉動作に穀粒が干渉する前にシャッターの開閉制御を停止できる。

[60]

 上記構成において、前記貯留体積を検出する体積計測部が備えられ、
 前記体積計測部によって前記貯留体積が前記所定値よりも低い値である予備値を超えたことが検出され、かつ、その検出後から所定時間が経過したときに、前記判定部は、前記貯留体積が前記所定値を超えたと判定すると好適である。

[61]

 本構成によれば、シャッターの開閉動作に穀粒の干渉が生じるおそれのある所定値よりも低い予備値を体積計測部により検出できる。このため、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積が予備値を超えると、排出回数確保部において残された体積の余裕がある程度限られた状態にあることがわかる。したがって、本構成であれば、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積が予備値を超えてから、例えばシャッターが所定回数だけ開放動作して排出回数確保部における体積の余裕がなくなる所定時間が経過したときに、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積が所定値を超えたとみなして、シャッターの開閉動作に穀粒が干渉する前にシャッターの開閉制御を停止できる。

[62]

 上記構成において、前記排出オーガへの駆動力伝達を入り切りする排出クラッチが備えられ、
 前記開閉制御が停止された後、前記排出クラッチが入り状態になると、前記制御部は、前記開閉制御を再開すると好適である。

[63]

 本構成によれば、排出クラッチが入り状態になると、排出オーガが作動して穀粒タンク内の穀粒が減少してゆき、シャッターの下方に存在する穀粒も減少してゆく。このため、シャッターの開閉動作を再開しても、シャッターの開閉動作に穀粒が干渉しなくなる。よって、排出クラッチが入り状態になったことをもって、シャッターの開閉制御を再開することで、穀粒の品質計測を迅速に再開できる。

[64]

 上記構成において、前記品質計測部による計測に必要な量の穀粒が前記一時貯留部に貯留されているか否かを検知する必要量測定部が備えられ、
 前記制御部は、前記開閉制御において、前記シャッターを前記開位置にした後に、前記品質計測部に必要な量の穀粒が前記一時貯留部に貯留されていない状態が所定時間継続したときに、前記シャッターを前記閉位置にする制御を行うと好適である。

[65]

 本構成によれば、シャッターが開位置にされた後に、必要量測定部の検知に基づいて品質計測部に必要な量の穀粒が前記一時貯留部に貯留されていない状態が確認されると、シャッターが閉位置に制御される。よって、シャッターを開位置にしたことにより一時貯留部から穀粒が確実に排出されたことを確認してからシャッターの閉制御が行われるので、穀粒の品質計測の信頼性を向上できる。

[66]

 上記構成において、前記貯留体積を検出する体積計測部として、前記穀粒タンク内における穀粒の貯留レベルを検出するレベル計測装置が備えられ、
 前記レベル計測装置の検出結果に基づいて、前記貯留体積が確定されると好適である。

[67]

 本構成によれば、例えば、簡素な接触式センサ等によってレベル計測装置を用いれば、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積の検出を安価に行うことが可能になり、レベル計測装置による検出結果をシャッターの開閉制御に好適に利用できる。

[68]

 上記構成において、前記貯留体積を検出する体積計測部として、前記穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を計測する重量計測装置が備えられ、
 前記重量計測装置の検出結果に基づいて、前記貯留体積が確定されると好適である。

[69]

 本構成によれば、重量計測装置の計測結果に基づいて穀粒タンクに貯留された穀粒の重量から穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積を演算できる。例えば、穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を精度良く計測できる重量計測装置を用いれば、穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積を細かく求めることが可能になり、重量計測装置による検出結果をシャッターの開閉制御に好適に利用できる。

[70]

 上記構成において、前記穀粒タンクに貯留された穀粒は、前記排出オーガによって前記穀粒タンクの後部から排出され、
 前記一時貯留部は、前記穀粒タンクの前部に設けられていると好適である。

[71]

 本構成によれば、排出オーガによって穀粒タンクの後部から貯留された穀粒が排出される際、穀粒タンクの前部における穀粒の貯留レベルが比較的早く低下する傾向にある。このため、穀粒タンクの前部に一時貯留部が設けられていることにより、排出オーガが作動されると、一時貯留部の下方の穀粒の貯留レベルが速やかに低下され、シャッターの開閉制御を迅速に再開できる。

[72]

 また、本発明に係るコンバインは、脱穀装置から搬送されてきた穀粒を貯留する穀粒タンクと、
 前記穀粒タンクの底部に設けられ、前記穀粒タンクに貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガと、
 前記穀粒タンク内に設けられると共に取込口が形成され、前記脱穀装置から搬送されてきた穀粒の一部を前記取込口から取り込んで一時的に貯留する一時貯留部と、
 前記一時貯留部に貯留された穀粒の品質を検出する品質計測部と、
 前記一時貯留部に形成されて貯留された穀粒を前記穀粒タンクに排出可能な排出口と、
 前記排出口を開放する開位置と前記排出口を閉塞する閉位置とに位置変更可能なシャッターと、
 前記品質計測部による計測が終了されると、前記シャッターを前記開位置にし、かつ、前記一時貯留部の穀粒の全てが前記穀粒タンクに排出されると、前記シャッターを前記閉位置にする開閉制御を行う制御部と、
 前記排出オーガへの駆動力伝達を入り切りする排出クラッチと、が備えられ、
 前記排出クラッチが入り状態になると、前記制御部は、前記シャッターを前記開位置にする制御を行う。

[73]

 本発明によると、取込口から取り込まれた穀粒が閉位置となったシャッター上に形成される一時貯留部に一時的に貯留され、一時貯留部に貯留された穀粒について品質計測部による品質計測が行われ、品質計測が終了すると、シャッターが開位置となって品質計測の終了した穀粒が排出口から排出される。本発明によると、このようなシャッターの開閉制御が基本的に行われて、穀粒の品質計測が行われる。そして、本発明では、排出クラッチが入り状態となって排出オーガが駆動されて穀粒タンク内の穀粒が全て外部へ排出される際は、シャッターが開位置に制御されて、一時貯留部の穀粒が内部空間へ排出される。また、本発明であれば、一時貯留部に穀粒が残存することを防止できる。このように、本発明によれば、穀粒の品質計測のために穀粒を一時的に貯留可能なシャッターの開閉を穀粒に妨げられることなく好適に行うことができる。

[74]

 上記構成において、前記制御部が前記シャッターを前記開位置にする制御を行った後、前記排出クラッチが切り状態になると、前記制御部は、前記シャッターを前記閉位置にする制御を行うと好適である。

[75]

 本構成によれば、排出クラッチが切り状態となって排出オーガが停止されるということは、穀粒タンク内の穀粒の排出が完了したことを意味する。このため、穀粒に干渉することなくシャッターを閉位置に制御することができる。

[76]

 上記構成において、前記制御部が前記シャッターを前記開位置にする制御を行った後、所定時間が経過すると、前記制御部は、前記シャッターを前記閉位置にする制御を行うと好適である。

[77]

 本構成によれば、仮に、シャッターを開位置にした際に、シャッターが穀粒に埋もれた状態になったとしても、排出クラッチが入り状態になっているので、シャッターを開位置にしてから所定時間が経過すると、穀粒の貯留レベルが低下し、シャッターが穀粒に埋もれていない状態になる。このため、排出クラッチが入り状態になってからシャッターを開位置にしてから所定時間が経過してからシャッターを閉位置に制御することで、穀粒との干渉を回避してシャッターを閉位置に制御できる。

[78]

第1実施形態におけるコンバインの全体側面図である。第1実施形態におけるコンバインの全体平面図である。第1実施形態における制御構成を示すブロック図である。第1実施形態における制御の概略を示すフローチャートである。第1実施形態における制御の概略を示すフローチャートである。第1実施形態におけるリモコンの説明図である。第1実施形態におけるディスプレイへの表示例を示す説明図である。第1実施形態の別実施形態におけるフローチャートである。第1実施形態の別実施形態におけるフローチャートである。第2実施形態におけるコンバインの全体側面図である。第2実施形態におけるコンバインの全体平面図である。第2実施形態における制御構成を示すブロック図である。第2実施形態の別実施形態における制御構成を示すブロック図である。第3実施形態のうちの第1実施例におけるコンバインの全体側面図である。第3実施形態のうちの第1実施例におけるコンバインの全体平面図である。第3実施形態のうちの第1実施例における穀粒タンクの前部を示す横断平面図である。第3実施形態のうちの第1実施例における穀粒タンク内のレベルセンサの配置を示す説明図である。第3実施形態のうちの第1実施例におけるシャッターが閉位置のときのサンプリング部を示す縦断側面図である。第3実施形態のうちの第1実施例におけるシャッターが開位置のときのサンプリング部を示す縦断側面図である。第3実施形態のうちの第1実施例における穀粒タンクへの品質計測装置の取り付けを説明する説明図である。第3実施形態のうちの第1実施例における品質計測装置の概略構造を示す一部切欠き背面断面図である。第3実施形態のうちの第1実施例における品質計測装置の概略構造を示す一部切欠き平面断面図である。第3実施形態のうちの第1実施例における制御構成を示すブロック図である。第3実施形態のうちの第1実施例における制御の概略を示すフローチャートである。第3実施形態のうちの第2実施例における制御の概略を示すフローチャートである。第3実施形態のうちの第3実施例における制御の概略を示すフローチャートである。第3実施形態のうちの第4実施例における制御構成を示すブロック図である。第3実施形態のうちのその他の実施例における品質計測装置の概略構造を示す一部切欠き背面断面図である。第3実施形態のうちのその他の実施例における品質計測装置の概略構造を示す一部切欠き平面断面図である。

[79]

 [第1実施形態]
 以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
 [コンバインの概略構成]
 コンバイン10は、クローラ走行式の自脱型コンバインであり、図1~図3に示すように、コンバイン10には、走行機体11と、走行機体11を支持する左右一対のクローラ走行装置12と、植立穀稈を刈取る刈取部13と、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置14と、脱穀装置14によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンク15と、穀粒タンク15内の穀粒を外部に排出するアンローダ16と、運転者が搭乗する運転操縦部17と、が備えられている。

[80]

 走行機体11には、走行機体11の傾きを検出する姿勢検出部として、図3に示すように、左右傾斜センサ19(「左右傾斜角度検出部」に相当)と、前後傾斜センサ20(「前後傾斜角度検出部」に相当)と、が備えられている。左右傾斜センサ19は、走行機体11の左右傾斜角度を検出するように構成されている。前後傾斜センサ20は、走行機体11の前後傾斜角度を検出するように構成されている。

[81]

 図1、図2に示すように、右側のクローラ走行装置12には、走行機体11に対して昇降自在なトラックフレーム21が備えられている。トラックフレーム21の前部側には、前リンク機構22の一端が横軸芯周りに回動自在に連結されている。前リンク機構22の他端には、第1油圧シリンダ23の一端が横軸心周りに回動自在に連結されている。第1油圧シリンダ23の他端は、走行機体11の一部に連結されている。第1油圧シリンダ23を伸長させると、走行機体11の右前部側が下降し、第1油圧シリンダ23を縮退させると、走行機体11の右前部側が上昇するように構成されている。トラックフレーム21の後部側には、後リンク機構25の一端が横軸芯回りに回動自在に連結されている。後リンク機構25の他端には、第2油圧シリンダ27の一端が横軸心周りに回動自在に連結されている。第2油圧シリンダ27の他端は、第1油圧シリンダ23が連結された部位とは異なる走行機体11の一部に連結されている。第2油圧シリンダ27を伸長させると、走行機体11の右後部側が上昇し、第2油圧シリンダ27を縮退させると、走行機体11の右後部側が下降するように構成されている。

[82]

 詳しく図示はしないが左側のクローラ走行装置12についても、右側のクローラ走行装置12と左右対称の構造になっている。ただし、左側のクローラ走行装置12には、第3油圧シリンダ29と、第4油圧シリンダ31と、が備えられている。第3油圧シリンダ29を伸長させると、走行機体11の左前部側が下降し、第3油圧シリンダ29を縮退させると、走行機体11の左前部側が上昇するように構成されている。第4油圧シリンダ31を伸長させると、走行機体11の左後部側が上昇し、第4油圧シリンダ31を縮退させると、走行機体11の左後部側が下降するように構成されている。

[83]

 第1油圧シリンダ23、第2油圧シリンダ27、第3油圧シリンダ29、第4油圧シリンダ31によって、走行機体11の前後傾斜姿勢を変更する「前後姿勢変更部」が構成されている。また、第1油圧シリンダ23、第2油圧シリンダ27、第3油圧シリンダ29、第4油圧シリンダ31によって、走行機体11の左右傾斜姿勢を変更する「左右姿勢変更部」が構成されている。

[84]

 また、コンバイン10には、走行速度を検出する車速センサ33が備えられている(図3参照)。

[85]

 図1、図2に示すように、刈取部13は、走行機体11に支持され、昇降シリンダ34によって走行機体11の横軸P周りに上下昇降可能とされている。刈取部13には、株元センサ35(「穀稈センサ」に相当)が設けられている(図3参照)。株元センサ35は、刈取部13に取り込まれた刈取穀稈の株元を検出して、刈取部13における刈取穀稈の存在を検出するように構成されている。また、刈取部13には、刈取部13の上下位置を検出するように構成されている刈取高さセンサ36が備えられている(図3参照)。

[86]

 図1、図2に示すように、脱穀装置14は、刈取部13の後方に配置されており、脱穀クラッチ37(図3参照)により動力伝達の入り切りが行われる。つまり、脱穀クラッチ37が入り状態にされると脱穀装置14が作動され、脱穀クラッチ37が切り状態にされると脱穀装置14は停止される。

[87]

 図1、図2に示すように、穀粒タンク15は、脱穀装置14の横側に備えられており、脱穀装置14から流入される脱穀された穀粒が貯留される。穀粒タンク15の底部には、穀粒タンク15内に貯留された穀粒をアンローダ16へ送って外部へ排出するための排出オーガ38が備えられている。排出オーガ38は、不図示の排出クラッチを入り状態にすると作動して穀粒タンク15内に貯留された穀粒をアンローダ16へ送って外部へ排出し、不図示の排出クラッチを切り状態にすると停止される。穀粒タンク15の近傍には、ロードセル39(「重量測定部」に相当)が備えられている。ロードセル39は、穀粒タンク15の下方に配置されており、穀粒タンク15に貯留された穀粒の重量測定を行うことが可能に構成されている。

[88]

 図1、図2に示すように、アンローダ16には、縦オーガ40と、横オーガ41と、が備えられている。縦オーガ40は、穀粒タンク15に接続されている。横オーガ41は、縦オーガ40に接続されて縦オーガ40に片持ち支持されており、穀粒タンク15に貯留された穀粒を一端から外部へ排出可能に構成されている。そして、横オーガ41は、上下揺動可能かつ収納位置と作業位置との間で旋回可能に構成されている。横オーガ41を収納する収納位置には、横オーガ41を受け止め支持するオーガ受け42が備えられている。アンローダ16には、図3に示すように、第1ポテンショメータ43と、第2ポテンショメータ44と、が備えられている。第1ポテンショメータ43は、横オーガ41の上下揺動角度を検出するように構成されている。第2ポテンショメータ44は、横オーガ41の旋回角度を検出するように構成されている。

[89]

 図1、図2に示すように、横オーガ41を旋回させるモータ46(「旋回駆動部」に相当)と、横オーガ41を上下揺動させる揺動シリンダ47(「上下揺動駆動部」に相当)が備えられている。

[90]

 図1、図2に示すように、運転操縦部17には、運転者が着座する運転座席48と、アンローダ16の操作等に用いられるリモコン49と、各種情報を表示可能なディスプレイ50と、音声を出力可能なスピーカ51等が備えられている。

[91]

 [リモコン]
 図6に示すように、リモコン49には、自動左旋回スイッチ55、自動右旋回スイッチ56、自動後旋回スイッチ57、自動収納スイッチ58、排出スイッチ59、停止スイッチ60、上昇スイッチ62、下降スイッチ63、手動左旋回スイッチ64、手動右旋回スイッチ65、測定スイッチ66(「測定指示部」に相当)が備えられている。

[92]

 自動左旋回スイッチ55が押操作されると、横オーガ41が所定の左側排出位置まで自動で左旋回される。自動右旋回スイッチ56が押操作されると、横オーガ41が所定の右側排出位置まで自動で右旋回される。自動後旋回スイッチ57が押操作されると、横オーガ41が所定の後側排出位置まで自動で旋回される。自動収納スイッチ58が押操作されると、横オーガ41が自動的に旋回、上下揺動され、オーガ受け42に収納される。排出スイッチ59が押操作されると、排出クラッチが入り状態となり、排出オーガ38が作動されて穀粒タンク15からアンローダ16を介して穀粒が外部へ排出される。停止スイッチ60が押操作されると、排出オーガ38が停止されて、穀粒タンク15からの穀粒の排出が停止される。

[93]

 上昇スイッチ62が押操作されている間、横オーガ41は上昇する。下降スイッチ63が押操作されている間、横オーガ41は下降する。手動左旋回スイッチ64が押操作されている間、横オーガ41は左旋回する。手動右旋回スイッチ65が押操作されている間、横オーガ41は右旋回する。

[94]

 測定スイッチ66は、押操作されると、ロードセル39による穀粒タンク15内の穀粒の重量の測定を指示する『重量測定信号』を出力する。アンローダ16の姿勢変更や排出オーガ38の入り切りを指示するリモコン49上に、重量測定を指示する測定スイッチ66が備えられているので、同じ穀粒タンク15に関係する機器に対して指示を行うスイッチを集約配置でき、操作性が向上される。

[95]

 [ECU]
 コンバイン10には、図3に示すように、重量測定の制御等を行うECU18が備えられている。ECU18には、作業状態判定部71と、姿勢判定部72と、収納検出部73と、刈取高さ検出部74と、重量測定決定部75(「制御部」に相当)と、重量取得部76と、演算記憶部77と、報知指令部78と、が備えられている。

[96]

 作業状態判定部71は、車速センサ33、株元センサ35、脱穀クラッチ37、重量測定決定部75、に接続されている。作業状態判定部71は、重量測定決定部75から作業状態判定の指令を入力すると、クローラ走行装置12、刈取部13、及び脱穀装置14の状態から、作業状態であるか非作業状態であるかの作業状態判定を行うように構成されている。

[97]

 作業状態判定部71は、重量測定決定部75から作業状態判定の指令を入力すると、車速センサ33により検出された走行速度がゼロ、脱穀クラッチ37が切り状態、株元センサ35が非検出状態、の全ての条件を満たすときに、非作業状態であると判定して、重量測定決定部75に『非作業信号』を出力する。一方、作業状態判定部71は、重量測定決定部75から作業状態判定の指令を入力しても、車速センサ33による検出された走行速度がゼロ、脱穀クラッチ37が切り状態、株元センサ35が非検出状態、の何れかの条件が満たされていないときは、作業状態であると判定して、重量測定決定部75に『非作業信号』を出力しない。

[98]

 姿勢判定部72は、前後傾斜センサ20と、左右傾斜センサ19と、重量測定決定部75と、に接続されている。姿勢判定部72は、重量測定決定部75から姿勢判定の指令を入力すると、左右傾斜センサ19から入力される左右傾斜角度および前後傾斜センサ20から入力される前後傾斜角度に基づいて、走行機体11の傾きが所定の傾斜許容範囲内にあるか否かの姿勢判定を行うように構成されている。

[99]

 姿勢判定部72は、重量測定決定部75から姿勢判定の指令を入力した際に、左右傾斜センサ19から入力される左右傾斜角度が左右傾斜許容範囲内にあり、かつ、前後傾斜センサ20から入力される前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内にある場合は、走行機体11の姿勢が適正であると判定して、重量測定決定部75に『姿勢適正信号』を出力する。また、姿勢判定部72は、重量測定決定部75に『姿勢適正信号』を出力するときに、走行機体11の姿勢が適正であると判定した時の左右傾斜センサ19から入力された左右傾斜角度、前後傾斜センサ20から入力された前後傾斜角度も併せて重量測定決定部75に出力する。

[100]

 一方、姿勢判定部72は、重量測定決定部75から姿勢判定の指令を入力した際に、左右傾斜センサ19から入力される左右傾斜角度が左右傾斜許容範囲内にない場合は、左右傾斜角度が不適切であると判定する。さらに、この場合、姿勢判定部72は、左右傾斜角度が左右傾斜許容範囲内に調整可能な範囲内にあるか否かを判定する。姿勢判定部72は、左右傾斜角度が調整可能な範囲内にない場合、重量測定決定部75に『調整不可信号』を出力する。一方、姿勢判定部72は、重量測定決定部75から姿勢判定の指令を入力した際に、左右傾斜角度が調整可能な範囲内にあるときは、第1油圧シリンダ23、第2油圧シリンダ27、第3油圧シリンダ29、第4油圧シリンダ31を駆動して、走行機体11の左右傾斜角度を左右傾斜許容範囲内に収める制御をするように重量測定決定部75に『左右傾斜調整信号』を出力する。

[101]

 そして、姿勢判定部72は、重量測定決定部75から姿勢判定の指令を入力した際に、前後傾斜センサ20から入力される前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内にない場合は、前後傾斜角度が不適切であると判定する。さらに、この場合、姿勢判定部72は、前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内に調整可能な範囲内にあるか否かを判定する。姿勢判定部72は、前後傾斜角度が調整可能な範囲内にない場合、重量測定決定部75に『調整不可信号』を出力する。一方、姿勢判定部72は、重量測定決定部75から姿勢判定の指令を入力した際に、前後傾斜角度が調整可能な範囲内にあるときは、第1油圧シリンダ23、第2油圧シリンダ27、第3油圧シリンダ29、第4油圧シリンダ31を駆動して、走行機体11の前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内収める制御をするように重量測定決定部75に『前後傾斜調整信号』を出力する。

[102]

 収納検出部73は、第1ポテンショメータ43と、第2ポテンショメータ44とに接続されている。収納検出部73は、重量測定決定部75から収納判定の指令を入力すると、第1ポテンショメータ43から入力される揺動角度と、第2ポテンショメータ44から入力される旋回角度と、に基づいて、横オーガ41がオーガ受け42に適正に収納されたか否かを判定する。

[103]

 収納検出部73は、重量測定決定部75から収納判定の指令を入力した際に、横オーガ41が収納位置にある場合は、収納適正であると判定し、重量測定決定部75に、『収納適正信号』を出力する。一方、収納検出部73は、重量測定決定部75から収納判定の指令を入力した際に、横オーガ41が収納位置にない場合は、重量測定決定部75に、モータ46および揺動シリンダ47を駆動して、横オーガ41がオーガ受け42に適正に収納されるように制御を行うように指令する『収納調整信号』を出力する。

[104]

 刈取高さ検出部74は、刈取高さセンサ36と、重量測定決定部75とに接続されている。刈取高さ検出部74は、重量測定決定部75から刈取高さ判定の指令を入力すると、刈取部13の上下位置が所定の高さよりも低くないか否かを判定する。

[105]

 刈取高さ検出部74は、重量測定決定部75から刈取高さ判定の指令を入力した際に、刈取高さセンサ36から入力される刈取高さが所定の高さよりも低くない場合は、刈取高さが適正であると判定し、重量測定決定部75に『刈取高さ適正信号』を出力する。一方、刈取高さ検出部74は、重量測定決定部75から刈取高さ判定の指令を入力した際に、刈取高さセンサ36から入力される刈取高さが所定の高さよりも低い場合は、刈取高さが不適であると判定し、重量測定決定部75に『刈取高さ適正信号』を出力しない。

[106]

 重量測定決定部75は、測定スイッチ66、作業状態判定部71、姿勢判定部72、収納検出部73、刈取高さ検出部74、ロードセル39、演算記憶部77、報知指令部78、第1油圧シリンダ23、第2油圧シリンダ27、第3油圧シリンダ29、第4油圧シリンダ31、モータ46、揺動シリンダ47、に接続されている。重量測定決定部75は、ロードセル39による重量測定の許否決定、走行機体11の姿勢調整、アンローダ16の位置調整、報知の指令を行う。

[107]

 重量測定決定部75は、測定スイッチ66から『重量測定信号』が入力されると、作業状態判定部71に作業状態の判定を要求する指令を出力し、『非作業信号』が応答されるか否かを確認する。重量測定決定部75は、『非作業信号』が応答されないと、報知指令部78に『作業中信号』を出力する。重量測定決定部75は、『非作業信号』が応答されたことを確認すると、次に、刈取高さ検出部74に刈取高さ判定を要求する指令を出力し、『刈取高さ信号』が応答されるか否かを確認する。

[108]

 重量測定決定部75は、『刈取高さ信号』が応答されないと、報知指令部78に『刈取高さ不正信号』を出力する。一方、重量測定決定部75は、『刈取高さ信号』が応答されたことを確認すると、次に、姿勢判定部72に姿勢の判定を要求する指令を出力し、応答を確認する。重量測定決定部75は、姿勢判定部72から『姿勢適正信号』と、左右傾斜角度及び前後傾斜角度が応答されたことを確認すると、演算記憶部77に左右傾斜角度及び前後傾斜角度を出力し、次に、収納検出部73に、収納判定の指令を入力し、応答を確認する。

[109]

 一方、重量測定決定部75は、姿勢判定部72から『調整不可信号』が応答されたことを確認すると、『非水平信号』を報知指令部78に出力する。

[110]

 また、重量測定決定部75は、姿勢判定部72から『左右傾斜調整信号』あるいは『前後傾斜調整信号』が応答されたことを確認すると、第1油圧シリンダ23、第2油圧シリンダ27、第3油圧シリンダ29、第4油圧シリンダ31を駆動して、走行機体11の左右傾斜角度あるいは前後傾斜角度が水平に近づくように制御する。

[111]

 重量測定決定部75は、収納検出部73から『収納適正信号』が応答されたことを確認すると、ロードセル39に重量を測定して所定時間の間、重量取得部76へ出力するよう指令すると共に、報知指令部78に『正常測定信号』を出力する。一方、重量測定決定部75は、収納検出部73から『収納調整信号』が応答されたことを確認すると、ロードセル39による重量測定を指令しないと共に、モータ46および揺動シリンダ47を駆動して、横オーガ41が収納位置に正しく姿勢変更されるように制御を行い、横オーガ41を収納位置に位置調整する。

[112]

 重量取得部76は、ロードセル39、演算記憶部77、に接続されている。重量取得部76は、ロードセル39から穀粒タンク15の重量を取得すると、所定時間の間、その穀粒タンク15の重量を取得して平均処理された測定データを演算し、その測定データを演算記憶部77に出力する。

[113]

 演算記憶部77は、重量測定決定部75、重量取得部76、報知指令部78、に接続されている。演算記憶部77は、重量取得部76から入力された測定データから穀粒タンク15の風袋重量を減算して、穀粒タンク15内の穀粒の概算重量値を取得する。そして、演算記憶部77は、さらに、概算重量値を、重量測定決定部75から入力された走行機体11の左右傾斜角度及び前後傾斜角度に基づいて、補正して補正重量値を演算し、その補正重量値を記憶する。

[114]

 報知指令部78は、重量測定決定部75、演算記憶部77、ディスプレイ50、スピーカ51に接続されている。報知指令部78は、重量測定決定部75から『作業中信号』を入力すると、例えば、ディスプレイ50やスピーカ51等に、「作業中のため重量を測定できません。」等の表示や音声の出力をさせて、運転者への報知を行う。また、報知指令部78は、重量測定決定部75から『刈取高さ不正信号』を入力すると、ディスプレイ50やスピーカ51等に、「刈取高さが低すぎるため重量を測定できません。」等の表示や音声の出力をさせて、運転者への報知を行う。また、報知指令部78は、重量測定決定部75から『調整不可信号』を入力すると、ディスプレイ50やスピーカ51等に、「水平な場所で重量を測定して下さい。」等の表示や音声の出力をさせて、運転者への報知を行う。

[115]

 また、報知指令部78は、重量測定を行う時間の経過後、演算記憶部77に記憶された補正重量値を読み出して、ディスプレイ50やスピーカ51等に、「補正重量値」、すなわち、「穀粒タンク15内の穀粒の重量」を表示や音声の出力を行わせて、運転者への報知を行う。

[116]

 [フローチャート]
 上記のようなECU18によって実現される、穀粒タンク15内の穀粒の重量測定の手順を、図4、図5で合せて示すフローチャートを用いて説明する。
 まず、測定スイッチ66が操作入力されたか否かが確認される(ステップ♯1)。ステップ♯1において、測定スイッチ66が操作入力されていないと(♯1:No)、ステップ♯1へ戻る。ステップ♯1において、測定スイッチ66が操作入力されたことが確認されると(♯1:Yes)、次に、走行機体11の走行速度がゼロか否かが判定される(ステップ♯2)。ステップ♯2において、走行機体11の走行速度がゼロでないと判定されると(♯2:No)、測定不可の報知がなされ(ステップ♯3)、終了となる。一方、ステップ♯2において、走行機体11の走行速度がゼロであると判定されると(ステップ♯2:Yes)、次に、脱穀クラッチ37が切り状態か否かが判定される(ステップ♯4)。ステップ♯4において、脱穀クラッチ37が切り状態でないと判定されると(♯4:No)、ステップ♯3へ移行する。一方、ステップ♯4において、脱穀クラッチ37が切り状態である判定されると(♯4:Yes)、次に、株元センサ35が非検出状態である否かが判定される(ステップ♯5)。ステップ♯5において、株元センサ35が非検出状態でないと判定されると(♯5:No)、ステップ♯3へ移行する。一方、ステップ♯5において、株元センサ35が非検出状態であると判定されると(♯5:Yes)、次に、刈取部13が所定の高さより低くないか否かが判定される(ステップ♯6)。

[117]

 ステップ♯6において、刈取部13が所定の高さより高くないと判定されると(♯6:No)、ステップ♯3へ移行する。一方、ステップ♯6において、刈取部13が所定の高さより高いと判定されると(♯6:Yes)、次に、走行機体11の左右傾斜角度が左右傾斜許容範囲内であるか否かが判定される(ステップ♯7)。

[118]

 ステップ♯7において、走行機体11の左右傾斜角度が左右傾斜許容範囲内でないと判定されると(♯7:No)、次に、走行機体11の左右傾斜角度を調整可能か否かが判定される(ステップ♯8)。ステップ♯8において、走行機体11の左右傾斜角度が調整不可と判定されると(♯8:No)、調整不可の報知がなされる(ステップ♯9)。ステップ♯9では、例えば、図7に示すように、ディスプレイ50に「水平な場所で測定して下さい」等のメッセージを表示したり、スピーカ51により音声を出力する等して、運転手に対応を促す報知がなされる。ステップ♯8において、走行機体11の左右傾斜角度が調整可能と判定されると(♯8:Yes)、走行機体11の左右傾斜角度が調整され(ステップ♯10)、ステップ♯7へ戻る。

[119]

 ステップ♯7において、走行機体11の左右傾斜角度が左右傾斜許容範囲内であると判定されると(♯7:Yes)、次に、走行機体11の前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内であるか否かが判定される(ステップ♯11)。ステップ♯11において、走行機体11の前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内でないと判定されると(♯11:No)、次に、走行機体11の前後傾斜角度を調整可能か否かが判定される(ステップ♯12)。ステップ♯12において、走行機体11の前後傾斜角度が調整不可と判定されると(♯12:No)、ステップ♯9へ移行する。ステップ♯12において、走行機体11の前後傾斜角度が調整可能と判定されると(♯12:Yes)、走行機体11の前後傾斜角度が調整され(ステップ♯13)、ステップ♯11へ戻る。

[120]

 ステップ♯11において、走行機体11の前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内であると判定されると(♯11:Yes)、次に、横オーガ41が適正な収納位置にあるか否かが判定される(ステップ♯14)。

[121]

 ステップ♯14において、横オーガ41が適正な収納位置にないと判定されると(♯14:No)、横オーガ41を適正な収納位置へ移動させる制御が行われ(ステップ♯15)、ステップ♯14へ移行する。ステップ♯14において、横オーガ41が適正な収納位置にあると判定されると(♯14:Yes)、次に、ロードセル39による重量測定が実行される(ステップ♯16)。ステップ♯16の次に、測定された重量が補正された補正値を演算する重量補正が実行される(ステップ♯17)。ステップ♯17の次に、ディスプレイ等による報知がなされ(ステップ♯18)、終了となる。

[122]

 [第1実施形態の別実施形態]
 (1-1)上記第1実施形態では、車速センサ33により検出された走行速度がゼロ、脱穀クラッチ37が切り状態、株元センサ35が非検出状態、の全ての条件を満たすときに、非作業状態であるとの判定を行うものを一例に示したが、これに限られない。例えば、車速センサ33から入力される走行速度がゼロ、脱穀クラッチ37が切り状態、株元センサ35が非検出状態、のうち少なくとも何れか1つ、または、2つの条件を満たすときに、非作業状態との判定を行うものであってもよい。

[123]

 (1-2)上記第1実施形態では、刈取高さが所定の高さよりも低くないか否かの判定を行うものを一例に示したが、これに限られず、刈取高さについての判定を行われなくてもよい。

[124]

 (1-3)上記第1実施形態では、前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内であるか否かの判定を行うものを一例に挙げたが、これに限られず、前後傾斜角度が前後傾斜許容範囲内であるか否かの判定を行われなくてもよい。

[125]

 (1-4)上記第1実施形態では、左右傾斜角度が左右傾斜許容範囲内であるか否かの判定を行うものを一例に挙げたが、これに限られず、左右傾斜角度が左右傾斜範囲内であるか否かの判定を行われなくてもよい。

[126]

 (1-5)上記第1実施形態では、横オーガ41が収納位置にないと判定されたとき、横オーガ41を収納位置へ移動させる制御をするようにしている例を示したが、これに限られない。例えば、横オーガ41の旋回位置が自動的に正しい位置へ制御されるような構成であるときは、横オーガ41の上下方向の位置のみが正しくない位置となる。つまり、重量測定決定部75は、作業状態判定部71によって非作業状態であることが判定されると、モータ46を制御して横オーガ41を所定時間下降させた後に、ロードセル39に重量測定を指令する。図8、図9で合せて示すように、フローチャートにおいては、図4、図5におけるステップ♯14、ステップ♯15に代えて、横オーガ41を所定時間下降させるようにする(ステップ♯♯15)。また上記実施形態では、横オーガ41が適正に収納されているか否かの判定を行うものを一例に挙げたが、これに限られず、横オーガ41が適正に収納されているか否かの判定を行われなくてもよい。

[127]

 (1-6)上記第1実施形態では、ロードセル39による重量測定を行わない場合は、運転者に、測定に関する情報を報知するものを一例に示したが、これに限られず、ロードセル39による重量測定を行わない場合であっても、運転者に、測定に関する情報の報知が行われないものでもよい。

[128]

 (1-7)上記第1実施形態では、クローラ走行式の自脱型コンバインを1例に示したが、これに限られず、ホイール走行式の自脱型コンバインや、全稈投入型コンバイン等の他のコンバインであってもよい。

[129]

 [第2実施形態]
 以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
 [コンバインの概略構成]
 コンバイン110は、クローラ走行式の自脱型コンバインであり、図10~図12に示すように、コンバイン110には、エンジン111によって回転駆動される走行機構としての左右一対のクローラ走行装置112と、クローラ走行装置112によって自走するように構成された走行機体と、植立穀稈を刈取る刈取部113と、刈取部113により刈り取られた刈取穀稈を脱穀処理する脱穀部114と、脱穀部114によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンク115と、穀粒タンク115に貯留された穀粒を外部へ排出可能なアンローダ116と、運転者が操縦を行う運転操縦部118と、制御装置であるECU119と、外部との通信が可能な通信ユニット120と、が備えられている。

[130]

 クローラ走行装置112の近傍には、クローラ走行装置112における不図示の回転軸の回転を検出する回転センサ123(図12参照)が備えられている。回転センサ123は、走行速度の検出に利用される。

[131]

 図10、図11に示すように、刈取部113は、走行機体の機体フレーム125の前部に上下昇降自在に支持されている。刈取部113により刈り取られた刈取穀稈は、脱穀部114へと送り込まれる。刈取部113はエンジン111の動力によって作動される。刈取部113には、穀稈センサとして、刈取部113に存在する刈取穀稈の株元を検出するように構成されている株元センサ126(図12参照)が備えられている。株元センサ126により穀稈の株元が検出されることは、刈取部113が作動していることを意味する。

[132]

 図10、図11に示すように、脱穀部114は、機体フレーム125の後部に支持されている。脱穀部114は、刈取部113により刈り取られた刈取穀稈から穀粒を脱穀し、脱穀された穀粒を穀粒タンク115へと送り込む。脱穀部114はエンジン111の動力によって作動される。

[133]

 図10、図11に示すように、穀粒タンク115は、機体フレーム125のうちの脱穀部114に対して機体右横側に位置しており、エンジン111の後方に配置されている。穀粒タンク115内の前部側には、穀粒タンク115に貯留された穀粒の水分値、タンパク値等を計測可能な品質センサ127が配置されている。品質センサ127は、脱穀部114から穀粒タンク115に送り込まれた穀粒の一部につき、水分値、タンパク値等の品質(食味)の測定を行うものである。また、穀粒タンク115の下部には、重量センサ128(「計測センサ」の一例)が備えられている。重量センサ128は、穀粒が貯留された穀粒タンク115の重量を計測できるように構成されている。つまり、重量センサ128は、穀粒タンク115に貯留された穀粒の重量を計測するために用いられ、重量センサ128による測定に基づく穀粒タンク115に貯留された穀粒の重量は、穀粒タンク115に貯留された穀粒の『貯留体積量』の演算に用いられる。

[134]

 また、穀粒タンク115内には、穀粒タンク115内に貯留された穀粒の貯留レベルを計測可能なレベルセンサ135が備えられている。レベルセンサ135は、1つ、または、配置高さの異なる複数の接触式センサから構成されている。例えば、レベルセンサ135として、下方から上方に向けて、第1センサ136、第2センサ137、第3センサ138、第4センサ139が順に異なる高さに配置されている。第1センサ136は、穀粒タンク115内の後側内面に設けられている。第2センサ137、第3センサ138、第4センサ139は、穀粒タンク115内の前側内面側に設けられている。

[135]

 また、穀粒タンク115の底部には、排出オーガ141が設けられている。排出オーガ141は、排出クラッチ142(図12参照)を入り状態にすると作動してアンローダ116を通じて穀粒を外部へ排出し、また、排出クラッチ142を切り状態にすると停止して穀粒の排出を行わないように構成されている。排出オーガ141はエンジン111の動力によって作動される。

[136]

 図10、図11に示すように、運転操縦部118には、運転者が着座する運転座席143と、『貯留体積量』についての『新たな閾値』を操作入力可能な入力装置144と、各種情報を表示可能なディスプレイ145(「表示部」に相当)と、各種音声を出力可能なスピーカ146等が備えられている。

[137]

 ディスプレイ145は、穀粒タンク115に貯留された穀粒の『貯留体積量』を表示する『貯留量表示モード』、エンジン111における燃料噴射量の積算値である『燃料消費量』を表示可能な『燃料消費量表示モード』等の複数の表示モードが備えられている。ディスプレイ145は、不図示の切替スイッチの短押操作によって特定の表示モードから他の表示モードへと、順繰りに切替可能に構成されている。

[138]

 [ECU、通信ユニット]
 図12に示すように、制御構成として、選択部150、演算部151、判定部152、通信部153、変更部154、表示指令部155、報知部156、が備えられている。選択部150、演算部151、判定部152、変更部154、表示指令部155、報知部156は、ECU119に備えられている。表示指令部155には、記憶部157が備えられている。通信部153は、管理センタ等に配置された外部サーバ160との間で、Wi-Fi規格等の無線通信により情報の送受信が可能とされており、通信ユニット120に備えられている。

[139]

 選択部150は、排出クラッチ142、株元センサ126、回転センサ123の各状況に応じて、『貯留量表示モード』におけるディスプレイ145に、リアルタイムの『貯留体積量』、確定された『貯留体積量』の何れを表示させるべきかを選択する。選択部150は、排出クラッチ142、株元センサ126、回転センサ123、演算部151に接続されている。選択部150は、通常、『リアルタイム表示信号』を演算部151に出力し続けている。但し、排出クラッチ142が切り状態から入り状態になったことを確認すると、『記憶指令信号』を演算部151へ出力すると共に、『リアルタイム表示信号』の代わりに『確定表示信号』を演算部151へ出力し続ける。そして、選択部150は、この状態から、株元センサ126が検出状態になり、かつ、回転センサ123が駆動軸の回転を検出している検出状態になると、再び、『確定表示信号』の代わりに『リアルタイム表示信号』を演算部151へ出力し続ける状態へ復帰する。

[140]

 演算部151は、重量センサ128および品質センサ127からの情報に基づいて穀粒タンク115内に貯留された穀粒の『貯留体積量』を演算する。演算部151は、重量センサ128、品質センサ127、判定部152、表示指令部155に接続されている。演算部151は、重量センサ128により計測された穀粒タンク115の重量から、穀粒タンク115の風袋重量を減算して、穀粒タンク115内に貯留された穀粒の『概算重量』を演算するように構成されている。そして、演算部151は、品質センサ127により測定された穀粒の水分値やタンパク値に基づいて、記憶部157に予め記憶された穀粒の水分値やタンパク値等に対応した『比重値』を読み出す。そして、演算部151は、重量センサ128による計測に基づく穀粒タンク115内に貯留された穀粒の『概算重量』と、品質センサ127により検出された穀粒の水分値やタンパク値等により決定される『比重値』と、に基づいて、穀粒タンク115内に貯留された穀粒の『貯留体積量』を演算する。演算部151は、選択部150から『リアルタイム表示信号』を入力している間は、『貯留体積量』をリアルタイムに判定部152および表示指令部155へ出力し続けるように構成されている。また、演算部151は、選択部150から『確定表示信号』を入力すると、排出クラッチ142が入り状態から切り状態になる直前、すなわち、排出オーガ141が作動される直前時に演算した貯留体積量を確定された『貯留体積量』として記憶部157に記憶させる。そして、演算部151は、選択部150から『確定表示信号』を入力している間は、表示指令部155に、『読出表示信号』を出力し続けるように構成されている。

[141]

 判定部152は、『貯留体積量』が『閾値』を超えたか否かを判定する。判定部152は、演算部151、変更部154、報知部156、に接続されている。判定部152には、体積単位で設定される『閾値』が記憶されている。判定部152は、『閾値』として、複数の『閾値』を設定可能に構成されている。例えば、『閾値』として、穀粒タンク115内に貯留されるべき所望の目標値である『第1閾値』や、所望の目標値よりも値の小さな『第2閾値』等を任意に設定できる。判定部152は、演算部151から入力される『貯留体積量』が、予め設定された『閾値』を超えたか否かを判定するように構成されている。判定部152は、演算部151から入力される『貯留体積量』と『閾値』を比較して、『貯留体積量』が『閾値』を超えると、報知部156へ『報知信号』を出力する。

[142]

 通信部153は、外部サーバ160から『新たな閾値』等を含む情報を受信すると、その『新たな閾値』を変更部154へ出力するように構成されている。また、通信部153は、変更部154によって『閾値』が変更された場合、その変更結果を外部サーバ160へ送信するように構成されている。つまり、通信部153は、入力装置144によって『閾値』が変更された事実および変更後の『新たな閾値』等が含まれた変更結果の情報を外部サーバ160へ送信するように構成されている。

[143]

 変更部154は、判定部152に設定された『閾値』を『新たな閾値』に変更する。変更部154は、入力装置144、判定部152、通信部153、に接続されている。変更部154は、入力装置144から『新たな閾値』の入力があると、判定部152において設定されている『閾値』を『新たな閾値』へ変更できるように構成されている。変更部154は、外部サーバ160から通信部153を介して入力された『新たな閾値』等の含まれた情報に基づいて『閾値』を変更可能に構成されている。つまり、変更部154は、通信部153から新たな『閾値』が入力されると、判定部152において設定されている『閾値』を『新たな閾値』へ変更できるように構成されている。変更部154は、入力装置144と通信部153とから同時に『新たな閾値』の入力があると、判定部152において設定されている『閾値』を、通信部153から入力された『新たな閾値』へ変更する。また、変更部154は、入力装置144から『新たな閾値』が入力されると、通信部153に入力装置144によって『閾値』が変更された事実および変更後の『新たな閾値』等が含まれた変更結果の情報を通信部153へ出力する。

[144]

 表示指令部155は、リアルタイムの『貯留体積量』、あるいは、確定された『貯留体積量』を、『貯留量表示モード』におけるディスプレイ145に表示させる。表示指令部155は、演算部151、ディスプレイ145、に接続されている。表示指令部155に備えられている記憶部157は、各種情報を記憶・消去可能に構成されている。記憶部157には、記憶された穀粒の水分値やタンパク値毎の『比重値』が予め記憶されている。また、記憶部157には、演算部151から入力される確定された『貯留体積量』が記憶される。また、詳細は省略するが、記憶部157には、エンジン111における燃料噴射量の積算値である『燃料消費量』がリアルタイムに記憶されるように構成されている。表示指令部155は、演算部151からリアルタイムの『貯留体積量』を入力している間は、『貯留量表示モード』におけるディスプレイ145に、そのリアルタイムの『貯留体積量』を『貯留量表示モード』におけるディスプレイ145に表示させ続ける。そして、表示指令部155は、演算部151から『読出表示信号』を入力している間は、記憶部157に記憶されている確定された『貯留体積量』を『貯留量表示モード』におけるディスプレイ145に表示させ続ける。

[145]

 報知部156は、『貯留体積量』が『閾値』を超えた際に、運転者へ報知を行う。報知部156は、判定部152、ディスプレイ145、スピーカ146に接続されている。報知部156は、判定部152から『報知信号』を入力すると、ディスプレイ145に「穀粒の量が閾値を超えたこと」に関する情報を表示させると共に、スピーカ146により、「穀粒の量が閾値を超えたこと」を示すブザー音等の音声を出力させる。つまり、報知部156は、判定部152によって穀粒タンク115内の穀粒の『貯留体積量』が『閾値』を超えたと判定されると、運転者に、穀粒タンク115内の穀粒の『貯留体積量』が『閾値』を超えたことに関する情報を報知する。報知の態様としては、例えば、「目的とする貯留体積量の収穫が完了しました。」等の文字、記号、絵をディスプレイ145に表示したり、スピーカ146にてブザー音等を鳴らしたりする等の種々の態様をとりうる。

[146]

 〔動作説明〕
 上記ECU119、通信ユニット120が備えられたコンバイン110の動作を以下に説明する。
 例えば刈取作業前や刈取作業中に、例えばコンテナや穀粒袋の容量に相当する『閾値』等の任意の『新たな閾値』を運転者が入力装置144により操作入力する。すると、判定部152における『閾値』が『新たな閾値』に変更されると共に、その変更結果が通信ユニット120の通信部153を介して外部サーバ160へ送信される。また、外部サーバ160から『新たな閾値』を含む情報が通信ユニット120の通信部153によって受信されると、判定部152における『閾値』が『新たな閾値』に変更される。

[147]

 判定部152に『新たな閾値』が設定された状態で、刈取作業を進めると、『貯留体積量モード』におけるディスプレイ145に、穀粒タンク115内における穀粒の『貯留体積量』がリアルタイムに更新されて表示され続ける。そして、穀粒タンク115内に『新たな閾値』を超える『貯留体積量』の穀粒が貯留されると、ディスプレイ145やスピーカ146により表示や音声によって運転者に穀粒タンク115に所望の『貯留体積量』の穀粒が貯留されたことが報知される。

[148]

 そして、穀粒を外部へ排出するに際し、排出オーガ141が作動されると、排出オーガ141が作動されてから、次の刈取作業が行われるまでの間は、排出オーガ141の始動前における『貯留体積量』が『貯留体積量モード』におけるディスプレイ145に表示され続ける。次の刈取作業が行われるということは、株元センサ126および回転センサ123の何れもが検出状態になったことにより判断される。次の刈取作業が行われると、『貯留体積量モード』におけるディスプレイ145は、再び、穀粒タンク115内における穀粒の『貯留体積量』がリアルタイムに更新されて表示される状態に復帰する。

[149]

 [燃料消費量のリセット]
 ディスプレイ145が、『燃料消費量モード』になっているときには、切替スイッチの短押操作よりも押し時間の長い長押操作によって、記憶部157に格納されている『燃料消費量』の値をゼロにリセットできるように構成されている。そして、リセットされた『燃料消費量』は、ゼロから再カウントされる。このように『燃料消費量』をリセット可能にしていることにより、『燃料消費量モード』におけるディスプレイ145によって、例えば刈取作業を行う圃場毎、運転者毎で、どの位燃料の消費量に違いがあったか等の判断が行い易くなる。

[150]

 [第2実施形態の別の実施形態]
 (2-1)上記第2実施形態では、『閾値』が体積単位で設定されるものを一例に示したが、これに限られず、『閾値』が重量単位で設定されていてもよい。この場合、判定部152において、重量センサ128による計測に基づく穀粒タンク115内に貯留された穀粒の『概算重量』と『閾値』が比較される。

[151]

 (2-2)上記第2実施形態では、「計測センサ」としての重量センサ128および品質センサ127に基づいて、穀粒タンク115内に貯留された穀粒の『貯留体積量』を演算する例を示したが、これに限られない。例えば、レベルセンサ135を「計測センサ」として用い、レベルセンサ135により計測される穀粒タンク115内に貯留された穀粒の貯留レベルに基づいて穀粒タンク115内に貯留された穀粒の『貯留体積量』を演算してもよい。この場合、ECU119において演算部151の代わりに、図13に示すように、レベルセンサ135により測定された貯留レベルに基づいて穀粒タンク115内に貯留された穀粒の『貯留体積量』を演算する演算部251が備えられている。演算部251には、レベルセンサ135としての第1センサ136、第2センサ137、第3センサ138、第4センサ139からの検出信号が夫々入力されている。演算部251は、第1センサ136のみから検出信号が入力されている場合、穀粒タンク115の底部から第1センサ136の位置までの体積を穀粒タンク115内における穀粒の『貯留体積量』として演算する。また、演算部251は、第1センサ136および第2センサ137から検出信号が入力されている場合、穀粒タンク115の底部から第2センサ137の位置までの体積を穀粒タンク115内における穀粒の『貯留体積量』として演算する。また、演算部251は、第1センサ136、第2センサ137、および、第3センサ138から検出信号が入力されている場合、穀粒タンク115の底部から第3センサ138の位置までの体積を穀粒タンク115内における穀粒の『貯留体積量』として演算する。また、演算部251は、第1センサ136~第4センサ139の全てから検出信号が入力されている場合、穀粒タンク115の底部から第4センサ139の位置までの体積を穀粒タンク115内における穀粒の『貯留体積量』として演算する。そして、この場合、判定部152の『閾値』としては、例えば、第1センサ136~第4センサ139に対応して4段階にて体積単位で設定可能とされ、変更部154によって判定部152における『閾値』を4段階のうちから任意に変更可能に構成されていると好適である。なお、レベルセンサ135は4つに限られず、1つ~3つ、または、5つ以上設けられていてもよい。

[152]

 (2-3)上記第2実施形態では、品質センサ127は、穀粒の水分値、タンパク質等の品質の測定を行うものを一例に示したが、これに限られず、品質センサ127は、少なくとも穀粒の水分値が測定できるものであればよい。

[153]

 (2-4)上記第2実施形態では、次の刈取作業が行われるということが、株元センサ126および回転センサ123の何れもが検出状態になったことにより判断されるようにされている例を示したが、これに限られるものではない。株元センサ126または回転センサ123が単独で検出状態になったことにより、次の刈取作業が行われるということが判断されてもよい。

[154]

 (2-5)上記第2実施形態では、判定部152において、『閾値』として、穀粒タンク115内に貯留されるべき所望の目標値である『第1閾値』や、所望の目標値よりも値の小さな『第2閾値』等を設定できる例を示したがこれに限られない。例えば、判定部152において設定可能な閾値の数は、1つまたは3つ以上であってもよい。

[155]

 (2-6)上記第2実施形態では、通信部153が通信ユニット120に備えられている例を示したが、これに限られず、ECU119に通信部153が備えられていてもよい。

[156]

 (2-7)上記第1実施形態では、クローラ走行式の自脱型コンバインを1例に示したが、これに限られず、ホイール走行式の自脱型コンバインや、全稈投入型コンバイン等の他のコンバインであってもよい。

[157]

 以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
 [第3実施形態]
 [第1実施例]
 まず、第3実施形態のうちの第1実施例について説明する。
 [コンバインの概略構成]
 コンバイン310は、クローラ走行式の自脱型コンバインであり、図14および図15に示すように、コンバイン310には、エンジン311によって駆動される左右一対のクローラ走行装置312によって自走するように構成された走行機体が備えられている。そしてコンバイン310には、走行機体の機体フレーム313の前部に支持された植立穀稈を刈取る刈取部314と、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置315と、脱穀装置315によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンク316と、穀粒タンク316内の穀粒を外部に排出するアンローダ317と、運転者が着座する運転座席318等が備えられた運転操縦部319と、が備えられている。

[158]

 [穀粒タンク]
 図14および図15に示すように、穀粒タンク316は、機体フレーム313のうち脱穀装置315に対して機体右横側に配置され、エンジン311の後方に位置する。穀粒タンク316の左横側部には、揚穀装置324が備えられている。揚穀装置324は、穀粒タンク316内の機体左横部に配置されている。図14~図16に示すように、揚穀装置324は、脱穀装置315から搬送されてきた穀粒を、揚送スクリュー326によって吐出口327まで揚送する。吐出口327まで揚送された穀粒は、揚送スクリュー326と一体に設けられて反時計まわりに回転駆動される回転羽根328によって吐出口327から跳ね飛ばされて、穀粒タンク316内に広範囲に拡散されて供給される。吐出口327から供給された穀粒のうちの殆どは穀粒タンク316内の内部空間Mに供給される(図18、図19参照)。吐出口327から供給された穀粒の一部は、穀粒タンク316の前部に配置され、穀粒タンク316内に貯留される穀粒の品質計測を行う計測ユニット330へ供給される(図18、図19参照)。このようにして、脱穀装置315から搬送されてきた穀粒が、穀粒タンク316内に貯留される。

[159]

 図14、図15、図17に示すように、穀粒タンク316内の底部には、穀粒タンク316に貯留された穀粒を外部に排出するように構成されている機体前後向きの排出オーガ332が設けられている。排出オーガ332は、エンジン311の駆動力により作動され、排出オーガ332への駆動力伝達を入り切りするための排出クラッチ333(図23参照)が備えられている。排出クラッチ333を入り状態にすると排出オーガ332が作動して、排出オーガ332によって、穀粒タンク316に貯留された穀粒が、穀粒タンク316の後部から排出され、図14、図15に示されるアンローダ317を通じて外部へ排出される。排出クラッチ333を切状態にすると、排出オーガ332の作動は停止される。

[160]

 図14、図15に示すように、穀粒タンク316の前部の下方位置には、穀粒タンク316内の穀粒の重量を穀粒タンク316の重量に基づいて計測するように構成されている重量センサであるロードセル335が備えられている。

[161]

 図14、図17に示すように、穀粒タンク316内には、穀粒タンク316内における穀粒の貯留レベルを検出するレベルセンサ337が備えられている。レベルセンサ337は、下方から上方に向けて、第1センサ340、第2センサ341、第3センサ342、第4センサ343が配置されている。第1センサ340、第2センサ341、第3センサ342、第4センサ343が順に異なる高さに配置されている。第1センサ340は、穀粒タンク316内の後側内面側に設けられている。第2センサ341、第3センサ342、第4センサ343は、穀粒タンク316内の前部内面側に設けられている。第3センサ342は、貯留体積を検出する「体積計測部」の一例である「レベル計測装置」として備えられている。

[162]

 [計測ユニット]
 図20に示すように、計測ユニット330は、穀粒タンク316の前壁345の取付孔345Aに、シール用の防振ゴム347を介して、嵌め込み固定されている。図14~図22に示すように、計測ユニット330には、穀粒の品質計測を行う品質センサ350(「品質計測部」に相当)が内蔵された箱状の計測室形成体352と、品質センサ350による品質計測を行う穀粒を通過させる筒状の保持部形成体353と、が備えられている。

[163]

 図21、図22に示すように、計測室形成体352には、品質センサ350を収納する筐体355が取付けられている。筐体355には、品質センサ350を収納する本体ケース356と、本体ケース356に着脱自在とされるフィルタケース357と、が備えられている。

[164]

 図21、図22に示すように、本体ケース356の上部には、空気の排気口360が形成され、本体ケース356におけるフィルタケース357側には空気の導入口361が形成されている。排気口360には、排気口360から導入された空気を先端孔362から下向きに排出するよう屈曲された案内管363が着脱自在に取り付けられている。案内管363は、先端孔362が排気口360よりも本体ケース356の中央部寄りに位置するように本体ケース356に取り付けられている。本体ケース356の排気口360には、網状に形成され、水や埃等の通過を防止する排出側網体364が着脱自在に取り付けられている。また、導入口361には、網状に形成され、水や埃等の通過を防止する吸入側網体365が着脱自在に取り付けられている。

[165]

 図20に示すように、フィルタケース357は、バックル式の連結具366によって本体ケース356に対して着脱自在に連結するように構成されている。連結具366は、本体ケース356の上端部及び下端部に夫々備えられており、フィルタケース357の上端部と下端部に夫々連結・連結解除可能に構成されている。図21、図22に示すように、フィルタケース357には、筐体355の背面側に空気を吸気する吸気口368が形成されている。フィルタケース357の内部には、本体ケース356側に対向する面をカバーするフィルタ370が配置されている。吸気口368から吸い込まれた空気は、フィルタ370によって埃等が除去され、導入口361を通過し、吸入側網体365を通過し、品質センサ350を冷却し、排出側網体364を通過し、排気口360を通過し、案内管363を通過し、先端孔362より排出される。このとき、フィルタ370の一部に目詰まりを生じても、空気が目詰まりした部分を迂回し、フィルタ370の目詰まりしていない部分を通過する。このため、フィルタ370の全領域を用いることができる。また、本体ケース356には、導入口361に吸入側網体365が取り付けられ、排気口360に排出側網体364が取り付けられているので、案内管363やフィルタケース357を取り外して、例えばコンバイン310の洗車等を行うときに、本体ケース356内に水や埃が侵入することを防止できる。

[166]

 図18、図19に示すように、保持部形成体353には、穀粒タンク316内において主として穀粒が貯留される内部空間Mとは一部分が区画され、穀粒を取り込んで穀粒の品質計測が行われるサンプリング空間Sが形成されている。サンプリング空間Sには、品質計測のために一時的に穀粒が貯留される一時貯留部Tと、一時貯留部Tの下方に形成され、品質計測の終了した穀粒を内部空間Mへ排出する排出回数確保部Eと、が含まれている。

[167]

 図18、図19に示すように、一時貯留部Tは、穀粒タンク316内の前部の内面に設けられており、脱穀装置315から搬送されてきて回転羽根328によって跳ね飛ばされた穀粒の一部を、一時的に貯留可能に構成されている。具体的には、一時貯留部Tには、穀粒を取り込む上部の取込口372と、穀粒を排出する下部の排出口373と、が形成されている。一時貯留部Tは、一時貯留部Tの上部に形成された取込口372から脱穀装置315より搬送されてきた穀粒の一部を取り込んで一時的に貯留し、一時貯留部Tの下部に形成された排出口373から一時貯留部Tに貯留された穀粒を穀粒タンク316内の内部空間Mへ排出可能なように構成されている。一時貯留部Tの上部には、保持部形成体353の内壁374に穀粒を検知する近接センサ375(「必要量測定部」に相当)が備えられている。一時貯留部Tの下部には、排出口373を閉塞または開放するシャッター376が備えられている。また、一時貯留部T内には、一時貯留部Tに貯留された穀粒の品質を検出する上記の品質センサ350と、品質センサ350による計測に必要な量の穀粒が一時貯留部Tに貯留されているか否かを検知する近接センサ375と、が備えられている。品質センサ350は、一時貯留部Tの近傍に配置されている。品質センサ350は、閉位置のシャッター376の上方、かつ、近接センサ375の検知位置の下方に位置する穀粒を検出対象としている。

[168]

 図18、図19に示すように、排出回数確保部Eは、一時貯留部Tの下方、かつ、シャッター376の下方に隣接して備えられている。つまり、排出回数確保部Eは、排出口373を介して上方の一時貯留部Tと連通している。排出回数確保部Eは、その側部が、保持部形成体353の仕切部材377によって内部空間Mと区画されると共に、仕切部材377の下端部の付近で、その下部が内部空間Mと連通されている。このため、排出回数確保部Eは、穀粒タンク316の内部空間Mとは、穀粒の溜り具合が異なる。仕切部材377の下端部と同程度の高さを、第3センサ342は穀粒の検知高さとするように配置されている。排出回数確保部Eは、シャッター376が開位置となった際の下端部から仕切部材377の下端部に至る高さ範囲を、穀粒を貯留可能な貯留可能体積として有している。排出回数確保部Eの貯留可能体積は、一時貯留部Tに貯留可能な一時貯留体積よりも大きくなるように構成されている。好ましくは、排出回数確保部Eの貯留可能体積は、シャッター376を開位置にしたときに一時貯留部Tから落下される穀粒の体積の2倍以上とされている。

[169]

 図18、図19に示すように、穀粒タンク316内に計測ユニット330が嵌め込み固定されると、品質センサ350は、穀粒タンク316内に位置するようになる。つまり、品質センサ350は、穀粒タンク316内に備えられている。品質センサ350によって、穀粒タンク316内に貯留される穀粒の品質が計測される。品質センサ350は、サンプリング空間Sの一時貯留部Tに一時的に貯留された穀粒について品質計測を行い、近接センサ375の下方位置、かつ、シャッター376の上方位置を穀粒の検出範囲としている。品質センサ350は、光学式の検知方式とされ、静止した穀粒の水分値やタンパク値等の内部の品質を非接触で計測可能に構成されている。

[170]

 図18、図19に示すように、近接センサ375は、一時貯留部Tにおいて、近接センサ375の検知高さに達した穀粒を検知するように構成されている。つまり、近接センサ375は、品質センサ350による計測に必要な量の穀粒が一時貯留部Tに貯留されているか否かを検知するように構成されている。

[171]

 [シャッター]
 図18、図19に示すように、シャッター376は、板状の揺動式に構成されている。シャッター376は、モータ378を駆動してカム等によって構成される切換機構380によって、排出口373を閉塞する閉位置と、排出口373を開放する開位置と、が切り替えられえる。つまり、シャッター376は、モータ378の駆動によって閉位置にする制御および開位置にする制御が行われる。シャッター376は、一時貯留部Tの下部付近に設けられており、排出口373を開放する開位置と、排出口373を閉塞する閉位置と、に位置変更可能に構成されている。シャッター376は、シャッター376の開閉方向と交差する横向きの支軸381周りに揺動して開位置と閉位置との間で姿勢変更可能に構成されている。支軸381は、保持部形成体353の内壁374に支持されている。シャッター376は、保持部形成体353の内壁374に支持された横向きの支軸381周りに揺動して、閉位置と開位置との間で姿勢変更されるように構成されている。シャッター376は、閉位置となった際に、横向き姿勢となって排出口373を閉塞して、横向き姿勢のシャッター376の上面に穀粒を貯めることによって、一時貯留部Tに穀粒を貯留する。シャッター376は、閉位置にあるとき、支軸381の軸方向視において上向き凸の屈曲形状となるように形成されている。そして、シャッター376は、開位置となった際に縦向き姿勢となって排出口373を開放し、一時貯留部Tに貯留された穀粒を下方へ排出できるように構成されている。シャッター376は、切換機構380によって押し上げられて開位置から閉位置に位置変更される。また、シャッター376は、切換機構380の押し上げがなくなることで、閉位置から開位置に位置変更される。

[172]

 [ECU]
 図23に示すように、コンバイン310には、シャッターの開閉制御を行うECU320が備えられている。ECU320には、判定部390と、判断部391と、制御部392と、が備えられている。

[173]

 判定部390は、穀粒タンク316内の穀粒の貯留体積が『予備値』に達したか否か、あるいは『所定値』に達したか否かが判定される。判定部390は、第3センサ342、制御部392、に接続されている。判定部390は、第3センサ342によって穀粒の貯留レベルが検出されると、穀粒タンク316内の穀粒の貯留体積が『予備値』に到達したと判定して、制御部392へ『予備値到達信号』を出力する。また、判定部390は、穀粒タンク316内の穀粒の貯留体積が『予備値』に到達したと判定した後に、制御部392から所定回数だけシャッターの開放がなされたことを入力すると、穀粒タンク316内の穀粒の貯留体積が『所定値』に到達したと判定し、制御部392へ『所定値到達信号』を出力する。つまり、判定部390は、体積計測部としてのレベルセンサ337によって貯留体積が『所定値』よりも低い値である『予備値』を超えたことが検出され、かつ、その検出後にシャッター376が開放された回数が所定回数を超えたときに、貯留体積が『所定値』を超えたと判定する。

[174]

 判断部391は、一時貯留部Tに穀粒が貯留されているか否かの判定、および、一時貯留部Tから穀粒が排出されたか否かの判定を行う。判断部391は、近接センサ375、制御部392、に接続されている。判断部391は、近接センサ375が穀粒を検出する非検出状態(OFF状態)から穀粒を検出しない検出状態(ON状態)になり、検出状態(ON状態)が所定時間だけ継続すると、制御部392へ『貯留完了信号』を出力する。また、判断部391は、近接センサ375が穀粒を検出しない検出状態(ON状態)から穀粒を検出する非検出状態(OFF状態)になり、非検出状態(OFF状態)が所定時間だけ継続すると、制御部392へ『排出完了信号』を出力する。

[175]

 制御部392は、シャッター376を動作させるモータ378の制御および品質センサ350への計測タイミングの指示を行う。制御部392は、判定部390、判断部391、排出クラッチ333、モータ378、品質センサ350、に接続されている。制御部392は、判断部391から『貯留完了信号』を入力すると、品質センサ350に穀粒の品質計測を行う指示を行い、品質センサ350による品質計測に必要な所定時間が経過すると、モータ378を駆動してシャッター376を開位置にする。そして、判断部391から『排出完了信号』を入力すると、一時貯留部Tの穀粒の全てが穀粒タンク316内の排出回数確保部Eへ排出されたとみなして、モータ378を駆動してシャッター376を閉位置にする。つまり、制御部392は、開閉制御において、シャッター376を開位置にした後に、品質センサ350による計測に必要な量の穀粒が一時貯留部に貯留されていない状態が所定時間継続したときに、シャッター376を閉位置にする制御を行う。基本的に、制御部392は、このようなシャッター376の開閉制御を実行する。

[176]

 一方、制御部392は、判定部390から『予備値到達信号』を入力すると、『予備値到達信号』を入力してからモータ378を駆動してシャッター376を開位置へ制御した回数を継続的に、判定部390へ出力する。制御部392は、判定部390によって貯留体積が『所定値』を超えたことが判定されて判定部390から『所定値到達信号』を入力されると、モータ378の駆動を停止してシャッター376の開閉制御を停止する。つまり、制御部392は、判定部390によって貯留体積が『所定値』を超えたことが判定されると、品質センサ350による計測が終了しても、シャッター376を開位置にする制御を行わない。また、制御部392は、シャッター376の開閉制御が停止された後、排出クラッチ333が入り状態になると、シャッター376の開閉制御を再開する。

[177]

 [フローチャート]
 上記のようなECU320によるシャッター376の開閉制御の手順を、図24のフローチャートを用いて説明する。

[178]

 まず、シャッター376が閉位置となった状態において、近接センサ375が所定時間だけ検出状態(ON状態)になったか否かが判定される(ステップ♯101)。ステップ♯101において、近接センサ375が所定時間だけ検出状態になっていなければ(♯101:NO)、ステップ♯101へ戻る。ステップ♯101において、近接センサ375が所定時間だけ検出状態になっていれば(♯101:Yes)、一時貯留部Tに品質センサ350による計測に必要な量の穀粒が貯留されているとわかるので、次に、品質センサ350によって所定時間をかけて一時貯留部Tに貯留された穀粒について品質計測が行われる(ステップ♯102)。ステップ♯102の次には、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えていないか否かが判定される(ステップ♯103)。ステップ♯103では、具体的には、第3センサ342により穀粒が検出されていれば、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えたとみなされる。ステップ♯103において、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えていなければ(♯103:Yes)、シャッター376を開位置に制御してもシャッター376が穀粒に干渉しないとわかるので、次に、シャッター376を開位置にする制御が行われる(ステップ♯104)。ステップ♯104の次には、近接センサ375が所定時間だけ非検出状態(OFF状態)になったか否かが判定される(ステップ♯105)。ステップ♯105において、近接センサ375が所定時間だけ非検出状態になっていなければ(♯105:No)、ステップ♯105へ戻る。ステップ♯105において、近接センサ375が所定時間だけ非検出状態になっていれば(♯105:Yes)、一時貯留部Tから品質計測の終了した穀粒が排出回数確保部Eに排出されたとわかるので、シャッター376を閉位置にする制御が行われる(ステップ♯106)。ステップ♯106が終了すると、次の品質計測を行うために、リターンする。

[179]

 一方、ステップ♯103において、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えていると(♯103:No)、次に、シャッター376が開放された回数Nが所定回数A以下か否かが判定される(ステップ♯107)。ステップ♯107において、シャッター376が開放された回数Nが所定回数A以下であると(♯107:Yes)、排出回数確保部Eに未だ体積の余裕があり、シャッター376を開位置に制御しても、シャッター376が穀粒に干渉しないことがわかるので、次に、シャッター376を開位置に制御される(ステップ♯108)。ステップ♯108では、シャッター376を1回開放した分の穀粒が排出回数確保部Eに落下されるので、ステップ♯108の次には、シャッター376が開放された回数Nに『1』が加算される(ステップ♯109)。ステップ♯109が終了すると、次の品質計測を行うために、ステップ♯105へ移行する。

[180]

 また、ステップ♯107において、シャッター376が開放された回数Nが所定回数Aを超えていると(♯107:No)、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えてからシャッター376が所定回数だけ開放されて、排出回数確保部Eに体積の余裕が無くなったとわかる。このため、シャッター376を開位置に制御すると、シャッター376が排出回数確保部Eに貯留された穀粒に干渉するおそれがあるので、シャッター376の開閉制御が一時中断され、シャッター376が閉位置のままとされて、開位置にする制御が行われない。つまり、ステップ♯107にてNoと判断されると、排出クラッチ333が入り状態(ON状態)になるまでシャッター376の開閉制御が一時中断される。そのため、ステップ♯107にてNoと判断された次には、排出クラッチ333が入り状態(ON状態)になったか否かが判定される(ステップ♯110)。ステップ♯110において、排出クラッチ333が入り状態になっていないと(♯110:No)、ステップ♯110へ戻る。ステップ♯110において、排出クラッチ333が入り状態になると(♯110:Yes)、穀粒タンク316から排出オーガ332によって穀粒が外部へ排出されて、排出回数確保部Eにおける穀粒の貯留レベルが低下することがわかる。そして、ステップ♯110においてYesと判断された次には、所定時間が経過したか否かが判定され(ステップ♯111)、所定時間が経過していないと(♯111:No)、ステップ♯111へ戻る。ステップ♯111において、所定時間が経過すると(♯111:Yes)、排出回数確保部Eにおける穀粒の貯留レベルが十分に低下したことが分かる。このため、シャッター376の開閉制御を再開しても問題ないことがわかるので、ステップ♯111においてYesと判断された次には、シャッター376が開位置に制御される(ステップ♯112)。ステップ♯112の次には、シャッター376が開放された回数Nが『0』にリセットされる(ステップ♯113)。ステップ♯113が終了すると、次の品質計測を行うために、ステップ♯105へ移行する。

[181]

 なお、上記第1実施例の手順において、ステップ♯107~ステップ♯109に代えて、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えてから所定時間が経過したか否かを判定するようにしてもよい。この場合、ステップ♯103において、『予備値』を穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えていると(♯103:No)、次に、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えてから所定時間が経過したか否かが判定される。ここで、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えてから所定時間が経過していなければ、次の品質計測を行うために、ステップ♯105へ移行する。また、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えてから所定時間が経過していれば、例えばシャッター376が所定回数だけ開放されて、排出回数確保部Eに体積の余裕が無くなっており、シャッター376を開位置に制御すると、シャッター376が貯留された穀粒に干渉するおそれがある。このため、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えてから所定時間が経過したことをもって、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『所定値』に達したことがわかる。このため、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えてから所定時間が経過していれば、シャッター376の開閉制御が一時中断され、シャッター376が閉位置のままとされて、開位置にする制御が行われない。つまり、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えてから所定時間が経過すると、排出クラッチ333が入り状態(ON状態)になるまでシャッター376の開閉制御が一時中断される。そして、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『予備値』を超えてから所定時間が経過した後には、排出クラッチ333が入り状態(ON状態)になったか否かが判定される(ステップ♯110)。この場合、判定部390は、体積計測部である第3センサ342によって貯留体積が『所定値』よりも低い値である『予備値』を超えたことが検出され、かつ、その検出後から所定時間が経過したときに、穀粒タンク316内の穀粒の貯留体積が『所定値』を超えたと判定される。

[182]

 また、上記第1実施例の手順において、ステップ♯111を省略してもよい。つまり、排出クラッチ333が入り状態(ON状態)になると、すぐにシャッター376の開閉制御を再開すべく、シャッター376を開位置にする制御(ステップ♯112)を行ってもよい。

[183]

 [第2実施例]
 次に、第3実施形態のうちの第2実施例について説明する。
 上記第1実施例では、シャッター376の開閉制御のうち、特に、シャッター376を開き位置にする制御を停止する判断を行っていた。以下の第2実施例に示すように、シャッター376の開閉制御のうち、特に、シャッター376を閉じ位置にする制御を停止する判断を行うようにしてもよい。第2実施例における制御の手順を図25のフローチャートに基づいて説明する。なお、第2実施例は、以下に説明する部分以外は、第1実施例と同一である。

[184]

 まず、シャッター376が閉位置となった状態において、近接センサ375が所定時間だけ検出状態(ON状態)になったか否かが判定される(ステップ♯201)。ステップ♯201において、近接センサ375が所定時間だけ検出状態になっていなければ(♯201:No)、ステップ♯201へ戻る。ステップ♯201において、近接センサ375が所定時間だけ検出状態になっていれば(♯201:Yes)、一時貯留部Tに品質センサ350による計測に必要な量の穀粒が貯留されているとわかるので、次に、品質センサ350によって所定時間をかけて一時貯留部Tに貯留された穀粒について品質計測が行われる(ステップ♯202)。ステップ♯202の次には、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『所定値』を超えていないか否かが判定される(ステップ♯203)。『所定値』を超えていない場合は、シャッター376を開位置に制御してもシャッター376が穀粒に干渉しない。ステップ♯203において、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『所定値』を超えていなければ(♯203:Yes)、シャッター376を開位置にする制御が行われる(ステップ♯204)。ステップ♯204の次には、近接センサ375が所定時間だけ非検出状態(OFF状態)になったか否かが判定される(ステップ♯205)。ステップ♯205において、近接センサ375が所定時間だけ非検出状態になっていなければ(♯205:No)、ステップ♯205へ戻る。ステップ♯205において、近接センサ375が所定時間だけ非検出状態になっていれば(♯205:Yes)、一時貯留部Tから品質計測の終了した穀粒が排出されたとわかる。そこで、ステップ♯205の次には、もう一度、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『所定値』を超えていないか否かが判定される(ステップ♯206)。開位置になったシャッター376が、一時貯留部Tから落下された穀粒に埋もれてしまう場合があるためである。ステップ♯206において、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『所定値』を超えていなければ(♯206:Yes)、シャッター376を閉位置にする制御を行っても、シャッター376が貯留された穀粒に干渉しないとわかるので、シャッター376を閉位置にする制御が行われる(ステップ♯207)。ステップ♯207が終了すると、次の品質計測を行うために、リターンする。

[185]

 ステップ♯206において、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『所定値』を超えていると(♯206:No)、シャッター376を閉位置に制御すると、シャッター376が排出回数確保部Eに貯留された穀粒を巻き込んで持ち上げてしまうとわかるので、シャッター376の閉制御が一時中断され、シャッター376が開位置のままとされて、閉位置にする制御が行われない。つまり、ステップ♯206にてNoと判断されると、排出クラッチ333が入り状態(ON状態)になるまでシャッター376の閉制御が一時中断される。そのため、ステップ♯206にてNoと判断された次には、排出クラッチ333が入り状態(ON状態)になったか否かが判定される(ステップ♯208)。ステップ♯208において、排出クラッチ333が入り状態になっていないと(♯208:No)、ステップ♯208へ戻る。ステップ♯208において、排出クラッチ333が入り状態になると(♯208:Yes)、穀粒タンク316から排出オーガ332によって穀粒が外部へ排出されて、排出回数確保部Eにおける穀粒の貯留レベルが低下することがわかる。そして、ステップ♯208においてYesと判断された次には、所定時間が経過したか否かが判定され(ステップ♯209)、所定時間が経過していないと(♯209:No)、ステップ♯209へ戻る。ステップ♯209において、所定時間が経過すると(♯209:Yes)、排出回数確保部Eにおける穀粒の貯留レベルが十分に低下したことが分かる。このため、シャッター376を閉位置に制御しても問題ないことがわかるので、ステップ♯209においてYesと判断された次には、シャッター376が閉位置に制御される(ステップ♯207)。ステップ♯207が終了すると、次の品質計測を行うために、リターンする。

[186]

 ステップ♯203において、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『所定値』を超えていると(♯203:No)、シャッター376を開位置に制御すると、シャッター376が排出回数確保部Eに貯留された穀粒に干渉するおそれがあるので、シャッター376の開制御が一時中断され、シャッター376が閉位置のままとされて、開位置にする制御が行われない。つまり、ステップ♯203にてNoと判断されると、排出クラッチ333が入り状態(ON状態)になるまでシャッター376の開制御が一時中断される。そのため、ステップ♯203にてNoと判断された次には、排出クラッチ333が入り状態(ON状態)になったか否かが判定される(ステップ♯210)。ステップ♯210において、排出クラッチ333が入り状態になっていないと(♯210:No)、ステップ♯210へ戻る。ステップ♯210において、排出クラッチ333が入り状態になると(♯210:Yes)、穀粒タンク316から排出オーガ332によって穀粒が外部へ排出されて、排出回数確保部Eにおける穀粒の貯留レベルが低下することがわかる。そして、ステップ♯210においてYesと判断された次には、所定時間が経過したか否かが判定され(ステップ♯211)、所定時間が経過していないと(♯211:No)、ステップ♯211へ戻る。ステップ♯211において、所定時間が経過すると(♯211:Yes)、排出回数確保部Eにおける穀粒の貯留レベルが十分に低下したことが分かる。このため、シャッター376を開位置に制御しても問題ないことがわかるので、ステップ♯211においてYesと判断された次には、シャッター376が開位置に制御される(ステップ♯212)。ステップ♯212の次には、近接センサ375が所定時間だけ非検出状態(OFF状態)になったか否かが判定される(ステップ♯213)。ステップ♯213において、近接センサ375が所定時間だけ非検出状態になっていなければ(♯213:No)、ステップ♯213へ戻る。ステップ♯213において、近接センサ375が所定時間だけ非検出状態になっていれば(♯213:Yes)、次の品質計測を行うために、ステップ♯207へ移行する。

[187]

 [第3実施例]
 次に、第3実施形態のうちの第3実施例について説明する。
 第3実施例は、第1実施例または第2実施例においてシャッター376を閉位置に制御するタイミングを変更したものである。第3実施例における制御の手順を図26のフローチャートに基づいて説明する。なお、第3実施例は、以下に説明する部分以外は、第1実施例または第2実施例と同一である。

[188]

 例えば、第1実施例におけるステップ♯107において、シャッター376が開放された回数Nが所定回数Aを超えていると(♯107:No)、あるいは、第2実施例におけるステップ♯203において、ステップ♯203において、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が『所定値』を超えていると(♯203:No)、排出クラッチ333が入り状態(ON状態)になったか否かが判定される(ステップ♯301)。ステップ♯301において、排出クラッチ333が入り状態になっていないと(♯301:No)、ステップ♯301へ戻る。ステップ♯301において、排出クラッチ333が入り状態になると(♯301:Yes)、次に、シャッター376を開位置にする制御が行われる(ステップ♯302)。そして、ステップ♯302の次には、排出クラッチ333が切り状態(OFF状態)になったか否かが判定される(ステップ♯303)。排出クラッチ333が切り状態になっていないと(♯303:No)、ステップ♯303へ戻る。ここでは、排出クラッチ333が切り状態(OFF状態)になるまでシャッター376は開位置のままとされるので、一時貯留部Tの穀粒を残存させることなく全て排出できる。ステップ♯303において、排出クラッチ333が切り状態になると(♯303:Yes)、次に、所定時間が経過したか否かが判定される(ステップ♯304)。ステップ♯304において、所定時間が経過していないと(♯304:No)、ステップ♯304へ戻る。ステップ♯304において、所定時間が経過すると(♯304:Yes)、シャッター376が閉位置に制御される(ステップ♯305)。ステップ♯305が終了すると、リターンする。

[189]

 この場合、制御部392は、排出クラッチ333が入り状態になると、モータ378を駆動してシャッター376を開位置にする制御を行い、排出オーガ332による穀粒の排出時に一時貯留部Tに穀粒が残留しないようにする。

[190]

 なお、上記第3実施例では、ステップ♯304が省略されていてもよい。この場合は、ステップ♯303において、排出クラッチ333が切り状態になると(♯303:Yes)、ステップ♯305に移行し、すぐにシャッター376を閉位置にする制御が行われる。

[191]

 また、上記第3実施例において、ステップ♯305でシャッター376を開位置にする制御を行い、続いて、シャッター376が開位置にする制御が行われてから所定時間が経過したか否かを判定してもよい。シャッター376が開位置にする制御が行われてから所定時間が経過したと判定されると、♯305に移行し、シャッター376が閉制御される。

[192]

 なお、上記第3実施例では、『予備値』や『所定値』に基づく判定を行っているが、第3実施例において、『予備値』や『所定値』に基づく判定を行わないものでもよい。

[193]

 [第4実施例]
 次に、第3実施形態のうちの第4実施例について説明する。
 第4実施例では、第1実施例~第3実施例における第3センサ342に代えて、ロードセル335が「体積計測部」の一例である「重量計測装置」として備えられている。なお、第4実施例は、以下に説明する部分以外は、第1実施例~第3実施例と同一である。

[194]

 穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積を検出する体積計測部として、穀粒タンク316に貯留された穀粒の重量を計測するロードセル335が備えられ、ロードセル335の検出結果に基づいて、穀粒タンク316内に貯留された穀粒の貯留体積が確定される。この場合、図27に示すブロック図のように、ECU320において判定部390の代わりに、演算部493と、他の判定部490と、が備えられる。演算部493は、品質センサ350、ロードセル335、に接続されている。演算部493は、品質センサ350から入力される水分値と、ロードセル335から入力される重量値と、に基づいて、穀粒タンク316内の穀粒の貯留体積を演算して判定部490へ出力するように構成されている。判定部490は、演算部493から入力された貯留体積が『予備値』、『所定値』を超えているか否かを判定する。判定部490は、演算部493と、制御部392と、に接続されている。判定部490は、演算部493から入力された貯留体積が『予備値』、『所定値』を超えると、夫々、制御部392へ『予備値到達信号』、『所定値到達信号』を出力する。

[195]

 [第3実施形態のうちのその他の実施例]
 (3-1)上記第1実施例~第4実施例では、必要量測定部として近接センサ375を一例に示したが、これに限られず、接触式のセンサ等の穀粒の検出が可能な他の必要量測定部であってもよい。

[196]

 (3-2)上記第1実施例~第4実施例では、排出側網体364を排気口360に取り付け、吸入側網体365を導入口361に取り付けているものを一例に示したがこれに限られない。例えば、図28、図29に示すように、案内管363の先端孔362に排出側網体464を取り付け、フィルタケース357の吸気口368に吸入側網体465を取り付けられていてもよい。この場合、例えば、コンバイン310の洗車等を行う際に、本体ケース356内に水や埃が侵入することが排出側網体464および吸入側網体465によって防止される。

[197]

 (3-3)上記第1実施例~第4実施例では、モータ378の駆動により切換機構380で押し上げて閉位置から閉位置に位置変更するシャッター376を一例に示したが、これに限られない。例えば、切換機構380がなく、モータ378の駆動により直接開閉制御されるシャッター376であってもよい。

[198]

 (3-4)上記第1実施例~第4実施例では、排出回数確保部Eが、シャッター376の下方に隣接して備えられているものを一例に示したが、これに限られない。例えば、排出回数確保部Eが設けられておらず、シャッター376の下方が、穀粒タンク316の内部空間Mに直接連通されていてもよい。この場合、『予備値』を設けずに、『所定値』を第3センサ342等のレベル計測装置やロードセル335等の重量計測装置等で直接計測するようにするとよい。

[199]

 (3-5)上記第1実施例~第4実施例では、穀粒タンク316に貯留された穀粒は、排出オーガ332によって穀粒タンク316の後部から排出されるものを一例に示したが、これに限られない。例えば、穀粒タンク316に貯留された穀粒が穀粒タンク316の側部や前部などから排出されてもよい。また、一時貯留部Tは、穀粒タンク316の前部に設けられているものを一例に示したが、一時貯留部Tが、穀粒タンク316の中央部や後部に設けられていてもよい。

[200]

 (3-6)上記第3実施形態では、自脱型のコンバインを一例に示したが、これに限られず、全稈投入型コンバイン等の他のコンバインであってもよい。上記第3実施形態では、クローラ走行式のコンバインを一例に示したが、これに限られず、ホイール走行式のコンバイン等の他のコンバインであってもよい。

[201]

[第1実施形態]
10   :コンバイン
11   :走行機体
12   :クローラ走行装置
13   :刈取部
14   :脱穀装置
15   :穀粒タンク
16   :アンローダ
19   :左右傾斜センサ(左右傾斜角度検出部)
20   :前後傾斜センサ(前後傾斜角度検出部)
23   :第1油圧シリンダ(左右姿勢変更部、前後姿勢変更部)
27   :第2油圧シリンダ(左右姿勢変更部、前後姿勢変更部)
29   :第3油圧シリンダ(左右姿勢変更部、前後姿勢変更部)
31   :第4油圧シリンダ(左右姿勢変更部、前後姿勢変更部)
33   :車速センサ
35   :株元センサ(穀稈センサ)
36   :刈取高さセンサ
37   :脱穀クラッチ
38   :排出オーガ
39   :ロードセル(重量測定部)
40   :縦オーガ
41   :横オーガ
42   :オーガ受け
46   :モータ(旋回駆動部)
47   :揺動シリンダ(上下揺動駆動部)
66   :測定スイッチ(測定指示部)
71   :作業状態判定部
72   :姿勢判定部
73   :収納検出部
75   :重量測定決定部(制御部)
[第2実施形態]
110   :コンバイン
113   :刈取部
114   :脱穀部
115   :穀粒タンク
127   :品質センサ
128   :重量センサ(計測センサ)
135   :レベルセンサ
145   :ディスプレイ(表示部)
151   :演算部
152   :判定部
153   :通信部
154   :変更部
156   :報知部
160   :外部サーバ
[第3実施形態]
310   :コンバイン
315   :脱穀装置
316   :穀粒タンク
332   :排出オーガ
333   :排出クラッチ
335   :ロードセル(重量計測装置)
342   :第3センサ(レベル計測装置)
350   :品質センサ(品質計測部)
372   :取込口
373   :排出口
375   :近接センサ(必要量測定部)
376   :シャッター
390   :判定部
392   :制御部
490  :判定部
E    :排出回数確保部
M    :内部空間
T    :一時貯留部



[1]

The present invention discloses a combine capable of accurately measuring the weight of grains retained in the grain tank. When a weight measurement signal is output from a measurement switch (66), a weight measurement-determining unit (75) sends a working state determination command to a working state-assessing unit (71) and if the combine is determined to be in a working state, no weight measurement command is sent to the load cell (39).

[2]



 走行機体を支持する走行装置と、
 植立穀稈を刈取る刈取部と、
 刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置と、
 前記脱穀装置によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、
 前記穀粒タンクに貯留された穀粒の重量測定を行う重量測定部と、
 重量測定信号を出力する測定指示部と、
 前記走行装置、前記刈取部、及び前記脱穀装置の状態から、作業状態であるか非作業状態であるかの作業状態判定を行う作業状態判定部と、
 前記重量測定信号に基づいて前記重量測定部に前記重量測定を指令する制御部と、が備えられ、
 前記測定指示部から前記重量測定信号が出力されると、前記制御部は、前記作業状態判定部に前記作業状態判定を指令し、前記作業状態であることが判定されると、前記重量測定部に前記重量測定を指令しないコンバイン。

 前記走行機体の傾きを検出する姿勢検出部と、
 前記走行機体の傾きが所定の傾斜許容範囲内にあるか否かの姿勢判定を行う姿勢検出部と、が備えられ、
 前記作業状態判定部によって前記非作業状態であることが判定されると、前記制御部は、前記姿勢検出部に前記姿勢判定を指令し、前記走行機体の傾きが所定の傾斜許容範囲内にあることが判定された場合、前記重量測定部に前記重量測定を指令し、前記走行機体の傾きが前記傾斜許容範囲内にないことが判定された場合、前記重量測定部に前記重量測定を指令しない請求項1に記載のコンバイン。

 前記走行機体の左右傾斜姿勢を変更する左右姿勢変更部が備えられ、
 前記姿勢検出部として、前記走行機体の左右傾斜角度を検出する左右傾斜角度検出部が備えられ、
 前記姿勢検出部によって前記左右の傾きが所定の左右傾斜許容範囲内にないことが判定された場合、前記制御部は、前記重量測定部に前記重量測定を指令せずに、前記左右傾斜角度が前記左右傾斜許容範囲内になるように前記左右姿勢変更部を制御し、前記左右傾斜角度が前記左右傾斜許容範囲内になった後に、前記重量測定部に前記重量測定を指令する請求項2に記載のコンバイン。

 前記走行機体の前後傾斜姿勢を変更する前後姿勢変更部が備えられ、
 前記姿勢検出部として、前記走行機体の前後傾斜角度を検出する前後傾斜角度検出部が備えられ、
 前記姿勢検出部によって前記前後傾斜角度が所定の前後傾斜許容範囲内にないことが判定された場合、前記制御部は、前記重量測定部に前記重量測定を指令しないと共に、前記前後傾斜角度が前記前後傾斜許容範囲内になるように前記前後姿勢変更部を制御し、前記前後傾斜角度が前記前後傾斜許容範囲内になった後に、前記重量測定部に前記重量測定を指令する請求項2または3に記載のコンバイン。

 前記走行装置の走行速度を検出する車速センサが備えられ、
 前記作業状態判定部は、少なくとも前記走行速度がゼロであることを条件に、前記非作業状態であると判定する請求項1から4の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記脱穀装置へ動力伝達を入り切りする脱穀クラッチが備えられ、
 前記作業状態判定部は、少なくとも前記脱穀クラッチが切り状態であることを条件に、前記非作業状態であると判定する請求項1から5の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記刈取部に設けられて刈取穀稈の存在を検出する穀稈センサが備えられ、
 前記作業状態判定部は、少なくとも前記刈取部に刈取穀稈が存在していないことを条件に、前記非作業状態であると判定する請求項1から6の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記刈取部は前記走行機体に上下昇降可能に支持され、
 前記刈取部の上下位置を検出する刈取高さセンサが備えられ、
 前記作業状態判定部によって前記非作業状態であることが判定されても、前記上下位置が所定の高さよりも低い場合、前記制御部は、前記重量測定部に前記重量測定を指令しない請求項1に記載のコンバイン。

 前記穀粒タンクに接続された縦オーガ、及び、前記縦オーガに接続されて前記穀粒タンクに貯留された穀粒を一端から外部へ排出可能であると共に、上下揺動可能かつ収納位置と作業位置との間で旋回可能な横オーガを有するアンローダと、
 前記横オーガを前記収納位置に支持するオーガ受けと、
 前記横オーガが前記オーガ受けに収納されている収納状態であるか否かを検出する収納検出部と、が備えられ、
 前記作業状態判定部によって前記非作業状態であることが判定されると、前記制御部は、前記収納検出部の検出結果を確認し、前記収納状態が検出されている場合は、前記重量測定部に前記重量測定を指令し、前記収納状態が検出されていない場合は、前記重量測定部に前記重量測定を指令しない請求項1から8の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記横オーガを上下揺動させる上下揺動駆動部と、
 前記横オーガを旋回させる旋回駆動部と、が備えられ、
 前記収納検出部によって前記収納状態が検出されていない場合、前記制御部は、前記重量測定部に前記重量測定を指令しないと共に、前記収納状態となるように前記上下揺動駆動部及び前記旋回駆動部を制御し、前記収納状態になった後に、前記重量測定部に前記重量測定を指令する請求項9に記載のコンバイン。

 前記穀粒タンクに接続された縦オーガ、及び、前記縦オーガに接続されて前記穀粒タンクに貯留された穀粒を一端から外部へ排出可能であると共に、上下揺動可能かつ収納位置と作業位置との間で旋回可能な横オーガを有するアンローダと、
 前記横オーガを上下揺動させる上下揺動駆動部と、
 前記横オーガを前記収納位置に支持するオーガ受けと、が備えられ、
 前記作業状態判定部によって前記非作業状態であることが判定されると、前記制御部は、前記上下揺動駆動部を制御して前記横オーガを所定時間下降させた後に、前記重量測定部に前記重量測定を指令する請求項1から8の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記制御部は、前記重量測定部に前記重量測定を指令しない場合は、運転者に、測定に関する情報を報知する請求項1から11の何れか一項に記載のコンバイン。

 植立穀稈を刈取る刈取部と、
 刈取穀稈を脱穀処理する脱穀部と、
 前記脱穀部によって脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、
 前記穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積量を計測する計測センサと、
 前記計測センサによって計測された前記貯留体積量が、予め設定された閾値を超えたか否かを判定する判定部と、
 前記判定部によって前記貯留体積量が前記閾値を超えたと判定されると、運転者に、前記穀粒の量が前記閾値を超えたことに関する情報を報知する報知部と、
 前記閾値を変更可能な変更部と、が備えられているコンバイン。

 前記計測センサは、前記穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を計測する重量センサである請求項13に記載のコンバイン。

 前記穀粒タンクに貯留された穀粒の少なくとも水分値を計測する品質センサと、
 前記品質センサにより検出された穀粒の水分値、および、前記重量センサにより計測された前記穀粒タンクに貯留された穀粒の重量、に基づいて前記貯留体積量を演算する演算部と、が備えられ、
 前記閾値は、体積単位で設定される請求項14に記載のコンバイン。

 前記穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留レベルを計測するレベルセンサが備えられ、
 前記閾値は、体積単位で設定される請求項13に記載のコンバイン。

 外部サーバとの通信を行う通信部が備えられ、
 前記変更部は、前記外部サーバから受信したデータに基づいて前記閾値を変更可能に構成されている請求項13から16の何れか一項に記載のコンバイン。

 外部サーバとの通信を行う通信部が備えられ、
 前記通信部は、前記変更部によって前記閾値が変更された場合、変更結果を前記外部サーバへ送信するように構成されている請求項13から17の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記判定部は、複数の前記閾値を設定可能に構成されている請求項13から18の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記貯留体積量を表示する表示部と、
 前記穀粒タンクの底部に設けられ、前記穀粒タンクに貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガと、が備えられ、
 前記排出オーガが作動されてから次の刈取作業が行われるまでの間、前記排出オーガの始動前における前記貯留体積量が前記表示部に表示され続ける請求項13から19の何れか一項に記載のコンバイン。

 脱穀装置から搬送されてきた穀粒を貯留する穀粒タンクと、
 前記穀粒タンクの底部に設けられ、前記穀粒タンクに貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガと、
 前記穀粒タンク内に設けられると共に取込口が形成され、前記脱穀装置から搬送されてきた穀粒の一部を前記取込口から取り込んで一時的に貯留する一時貯留部と、
 前記一時貯留部に貯留された穀粒の品質を検出する品質計測部と、
 前記一時貯留部に形成されて貯留された穀粒を前記穀粒タンクに排出可能な排出口と、
 前記排出口を開放する開位置と前記排出口を閉塞する閉位置とに位置変更可能なシャッターと、
 前記品質計測部による計測が終了されると、前記シャッターを前記開位置にし、かつ、前記一時貯留部の穀粒の全てが前記穀粒タンクに排出されると、前記シャッターを前記閉位置にする開閉制御を行う制御部と、
 前記穀粒タンクに貯留された穀粒の貯留体積が所定値を超えたか否かを判定する判定部と、が備えられ、
 前記判定部によって前記貯留体積が所定値を超えたことが判定されると、前記制御部は前記開閉制御を停止するコンバイン。

 前記判定部によって前記貯留体積が所定値を超えたことが判定されると、前記制御部は、前記品質計測部による計測が終了しても、前記シャッターを前記開位置にする制御を行わない請求項21に記載のコンバイン。

 前記排出口を介して前記一時貯留部と連通し、かつ、側部が前記穀粒タンクの内部空間と区画されると共に下部が前記内部空間と連通する排出回数確保部が、前記シャッターの下方に隣接して備えられている請求項21または22に記載のコンバイン。

 前記貯留体積を検出する体積計測部が備えられ、
 前記体積計測部によって前記貯留体積が前記所定値よりも低い値である予備値を超えたことが検出され、かつ、その検出後に前記シャッターが開放された回数が所定回数を超えたときに、前記判定部は、前記貯留体積が前記所定値を超えたと判定する請求項23に記載のコンバイン。

 前記貯留体積を検出する体積計測部が備えられ、
 前記体積計測部によって前記貯留体積が前記所定値よりも低い値である予備値を超えたことが検出され、かつ、その検出後から所定時間が経過したときに、前記判定部は、前記貯留体積が前記所定値を超えたと判定する請求項23に記載のコンバイン。

 前記排出オーガへの駆動力伝達を入り切りする排出クラッチが備えられ、
 前記開閉制御が停止された後、前記排出クラッチが入り状態になると、前記制御部は、前記開閉制御を再開する請求項21から25の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記品質計測部による計測に必要な量の穀粒が前記一時貯留部に貯留されているか否かを検知する必要量測定部が備えられ、
 前記制御部は、前記開閉制御において、前記シャッターを前記開位置にした後に、前記品質計測部に必要な量の穀粒が前記一時貯留部に貯留されていない状態が所定時間継続したときに、前記シャッターを前記閉位置にする制御を行う請求項21から26の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記貯留体積を検出する体積計測部として、前記穀粒タンク内における穀粒の貯留レベルを検出するレベル計測装置が備えられ、
 前記レベル計測装置の検出結果に基づいて、前記貯留体積が確定される請求項21から27の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記貯留体積を検出する体積計測部として、前記穀粒タンクに貯留された穀粒の重量を計測する重量計測装置が備えられ、
 前記重量計測装置の検出結果に基づいて、前記貯留体積が確定される請求項21から27の何れか一項に記載のコンバイン。

 前記穀粒タンクに貯留された穀粒は、前記排出オーガによって前記穀粒タンクの後部から排出され、
 前記一時貯留部は、前記穀粒タンクの前部に設けられている請求項21から29の何れか一項に記載のコンバイン。

 脱穀装置から搬送されてきた穀粒を貯留する穀粒タンクと、
 前記穀粒タンクの底部に設けられ、前記穀粒タンクに貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガと、
 前記穀粒タンク内に設けられると共に取込口が形成され、前記脱穀装置から搬送されてきた穀粒の一部を前記取込口から取り込んで一時的に貯留する一時貯留部と、
 前記一時貯留部に貯留された穀粒の品質を検出する品質計測部と、
 前記一時貯留部に形成されて貯留された穀粒を前記穀粒タンクに排出可能な排出口と、
 前記排出口を開放する開位置と前記排出口を閉塞する閉位置とに位置変更可能なシャッターと、
 前記品質計測部による計測が終了されると、前記シャッターを前記開位置にし、かつ、前記一時貯留部の穀粒の全てが前記穀粒タンクに排出されると、前記シャッターを前記閉位置にする開閉制御を行う制御部と、
 前記排出オーガへの駆動力伝達を入り切りする排出クラッチと、が備えられ、
 前記排出クラッチが入り状態になると、前記制御部は、前記シャッターを前記開位置にする制御を行うコンバイン。

 前記制御部が前記シャッターを前記開位置にする制御を行った後、前記排出クラッチが切り状態になると、前記制御部は、前記シャッターを前記閉位置にする制御を行う請求項31に記載のコンバイン。

 前記制御部が前記シャッターを前記開位置にする制御を行った後、所定時間が経過すると、前記制御部は、前記シャッターを前記閉位置にする制御を行う請求項31に記載のコンバイン。