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25-02-2016 дата публикации
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WO2016027661A1
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Номер заявки: JP21-07-201529
Дата заявки: 04-08-2015

基地局装置
[1]

 本発明は移動体通信の基地局となる基地局装置に関し、特に、複数のセクタに分割されたセルを有する基地局装置に関する。

[2]

 近年、複数のセクタに分割されたセルを有し、セクタ毎にアンテナを備えた基地局装置が開発されている。

[3]

 例えば、特許文献1には、1つの無線セルを複数のセクタに分割し、各セクタに存在する移動局と情報の送受信を行う前記セクタの数に対応した複数の送受信手段を有する基地局装置であって、前記情報の送受信を行う為の複数のアンテナと、前記複数の送受信手段に接続する前記アンテナを所定の条件に基づいて選択する選択手段とを備え、基地局装置を停止することなく、セクタの数を変更することができる基地局装置が記載されている。

[4]

日本国公開特許公報「特開2003-299142号公報(2003年10月17日公開)」

[5]

 しかし、特許文献1に記載の基地局装置では、特定のセクタにおいて多くの通信を行おうとしたときに、そのセクタに対する送受信部の処理能力を超過し、十分な通信速度を保てなくなるおそれがある。

[6]

 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数のセクタに分割されたセルを有する基地局装置において、優先度の高いセクタに対する処理能力を強化するための技術を提供することを主たる目的とする。

[7]

 上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る基地局装置は、複数のセクタに分割されたセルを有する基地局装置であって、セクタ毎に設けられた、同一のセクタを指向する複数の指向性アンテナからなるアンテナ群と、セクタ数以上の無線回路部と、各セクタの優先度を判定し、優先度が高いセクタに対応するアンテナ群ほど、無線回路部に接続された指向性アンテナの数が多くなるように、無線回路部と指向性アンテナとの間の接続を制御する接続制御部と、を備えている。

[8]

 本発明の一態様によれば、複数のセクタに分割されたセルを有する基地局装置において、優先度の高いセクタに対する処理能力を強化することができる。

[9]

(a)は、本発明の一実施形態に係る基地局装置のセクタの例を説明する図であり、(b)は、当該基地局装置の概略構成例を示すブロック図である。本発明の一実施形態に係る基地局装置の動作例を説明するフローチャートである。(a)は、本発明の一実施形態に係る基地局装置が、一つの局面において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図であり、(b)は、当該局面における指向性アンテナと無線回路部との接続例を示す図である。(a)は、本発明の一実施形態に係る基地局装置が、一つの局面において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図であり、(b)は、当該局面における指向性アンテナと無線回路部との接続例を示す図である。(a)は、本発明の一実施形態に係る基地局装置が、一つの局面において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図であり、(b)は、当該局面における指向性アンテナと無線回路部との接続例を示す図である。(a)および(b)は共に、本発明の一実施形態に係る基地局装置が、一つの局面において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図である。(a)~(c)は共に、本発明の一実施形態に係る基地局装置が、一つの局面において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図である。本発明の一実施形態に係る基地局装置に設けられた指向性アンテナの例を説明する斜視図である。本発明の一実施形態に係る基地局装置の切替部の構成例を示す図である。(a)は、本発明の一実施形態に係る基地局装置に設けられた指向性アンテナの例を説明する斜視図であり、(b)は、当該基地局装置のセクタの例を説明する図であり、(c)は、当該基地局装置の概略構成例を示すブロック図である。(a)は、本発明の一実施形態に係る基地局装置が、一つの局面において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図であり、(b)は、当該局面における指向性アンテナと無線回路部との接続の例を示す図であり、(c)は、当該局面における指向性アンテナと無線回路部との接続の他の例を示す図である。(a)は、本発明の一実施形態に係る基地局装置が、一つの局面において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図であり、(b)は、当該局面における指向性アンテナと無線回路部との接続の例を示す図であり、(c)は、当該局面における指向性アンテナと無線回路部との接続の他の例を示す図である。本発明の一実施形態に係る基地局装置の切替部の構成例を示す図である。

[10]

 〔実施形態1〕
 以下、本発明の一実施形態(実施形態1)について、図1~7を参照して説明する。

[11]

 (基地局装置の概略構成)
 図1の(a)は、本実施形態に係る基地局装置1のセクタの例を説明する図であり、図1の(b)は、基地局装置1の概略構成例を示すブロック図である。

[12]

 基地局装置1が有するセル(通信エリア)は、セクタA~セクタDの四つのセクタに分割されている。なお、本発明に係る基地局装置が有するセルは、四つのセクタに分割されている構成に限定されず、二つのセクタ、三つのセクタ、五つ以上のセクタ等、複数のセクタに分割されているものであればよい。

[13]

 基地局装置1は、セクタ毎に設けられた、同一のセクタを指向する複数の指向性アンテナからなるアンテナ群を備えている。詳細には、セクタAを指向する指向性アンテナant1-1~ant1-4からなるアンテナ群ant1、セクタBを指向する指向性アンテナant2-1~ant2-4からなるアンテナ群ant2、セクタCを指向する指向性アンテナant3-1~ant3-4からなるアンテナ群ant3、およびセクタDを指向する指向性アンテナant4-1~ant4-4からなるアンテナ群ant4を備えている。

[14]

 各アンテナ群がそれぞれ備える指向性アンテナ数Mは、複数であれば特に限定されないが、基地局装置1のセクタ数N以上であることがより好ましい。この理由については後述する。なお、本実施形態では、セクタ数Nは4であり、各アンテナ群がそれぞれ備える指向性アンテナ数Mも4となっている。

[15]

 また、各指向性アンテナの指向性は、各セクタの正面方向を向いていることがより好ましく、これにより、セクタ間の干渉をより低減することができる。また、各指向性アンテナは、該当セクタに対して指向するように構成されていれば、指向性を付与する方法は特に限定されず、例えば、アンテナ単体で指向性を有していてもよいし、無指向性のアンテナに対し、反射器等を組み合わせることによって該当セクタに対して指向するように制御してもよい。

[16]

 基地局装置1はまた、無線回路部RF1~RF4を備えている。基地局装置1が備える無線回路部数Lは、基地局装置1のセクタ数N以上であることが好ましく、これにより、全セクタに少なくとも一つの無線回路部を割当て、全セクタに対して同時に通信を行うことができる。なお、本実施形態では、セクタ数Nは4であり、無線回路部数Lも4となっている。

[17]

 基地局装置1はまた、指向性アンテナと無線回路部との間の接続を切り替える切替部2と、切替部2を制御する制御部(接続制御部)3とを備えている。切替部2は、例えば、公知の高周波スイッチを組み合わせて構成される。なお、本実施形態では、切替部2は、指向性アンテナと無線回路部と一対一の対応で接続する構成であるが、特にこの構成に限定されない。例えば、一つの無線回路に複数のアンテナを接続する構成や、周波数の異なる複数の無線回路を一つのアンテナに接続する構成等を取り入れてもよい。

[18]

 制御部3は、各セクタの優先度を判定し、優先度が高いセクタに対応するアンテナ群ほど、無線回路部に接続された指向性アンテナの数が多くなるように、切替部2を制御する。これにより、優先度が高いセクタに対応するアンテナ群における、無線回路部に接続された指向性アンテナの数を増加させることができる。従って、優先度が高いセクタに在圏する移動体通信装置(移動局)との通信に用いることができる指向性アンテナおよび無線回路部の数を増加させることができる。これにより、複数の移動体通信装置との間で首尾よく通信することや、一つの移動体通信装置との間でMIMO技術(空間分割多重通信)を用いた通信や、ビームフォーミング技術を用いた通信等の複数アンテナを用いた通信等を行うことができる。このように、基地局装置1は、優先度の高いセクタに対する処理能力を強化することができる。

[19]

 基地局装置1は、その他、適宜、電源部、記憶部等を備えていてもよい。

[20]

 なお、基地局装置1が通信する移動体通信装置は特に限定されず、携帯電話端末、スマートフォン端末、タブレット端末等であり得る。

[21]

 (基地局装置の動作)
 図2は、基地局装置1の動作例を説明するフローチャートである。

[22]

 ステップS1において、制御部3は、各セクタの優先度を判定する。制御部は、例えば、各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合い、各セクタに在圏する移動体通信装置の数、および、各セクタに在圏する移動体通信装置との通信量、の少なくとも一方を基準に、各セクタの上記優先度を判定することが好ましい。

[23]

 制御部3が、他の基地局との間の干渉の度合いが小さいセクタを優先度が高いと判定する場合、基地局装置1では、他の基地局との間の干渉の度合いが小さいセクタに対する通信の処理能力が強化され、他の基地局との間の干渉の度合いが大きいセクタに対する通信の処理能力が低下することになる。その結果、他の基地局との間で干渉を生じさせることなく、良好な無線性能を得ることができる。

[24]

 制御部3が、各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合いを参照する方法は特に限定されないが、例えば以下の方法を用いることができる。

[25]

 (i)基地局装置1の設置時に、他の基地局の配置データに基づいて計算された各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合いを示すデータが、基地局装置1に予め入力される。制御部3は、入力された当該データを、図示しない記憶部に記憶し、ステップS1を実行するときに、当該記憶部から上記データを読み出すことによって、各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合いを参照する。

[26]

 (ii)基地局装置1が接続されたネットワークを介して、他の基地局の配置データに基づいて計算された各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合いを示すデータが基地局装置1に入力される。制御部3は、入力された当該データを、図示しない記憶部に記憶し、ステップS1を実行するときに、当該記憶部から上記データを読み出すことによって、各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合いを参照する。

[27]

 (iii)制御部3は、ステップS1を実行するときに、まず切替部2を制御して、瞬間的に、図3に示すような全てのセクタに対して送受信が可能な状態に切り替える。そして、制御部3は、無線回路部RF1~RF4を介して、各セクタを指向する指向性アンテナが、基地局装置1が使用する通信チャンネルと同一または隣接するチャンネルの無線信号を他の基地局から受信するか否かを判定する。そして、制御部3は、当該判定結果を、各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合いとして用いる。

[28]

 また、制御部3が、在圏する移動体通信装置の数が多いセクタを優先度が高いと判定する場合、在圏する移動体通信装置との間の通信のための処理能力が強化され、在圏する移動体通信装置が多数であり、通信量が多くなっても首尾よく通信を行うことができる。

[29]

 制御部3が、各セクタに在圏する移動体通信装置の数を参照する方法は特に限定されないが、例えば以下の方法を用いることができる。

[30]

 (i)制御部3は、ステップS1を実行するときに、まず切替部2を制御して、瞬間的に、図3に示すような全てのセクタに対して送受信が可能な状態に切り替える。そして、制御部3は、無線回路部RF1~RF4を介して、各セクタを指向する指向性アンテナを介して受信した移動体通信装置からの信号に基づいて、各セクタに在圏する移動体通信装置の数を判定する。

[31]

 (ii)制御部3は、他の基地局のセルから基地局装置1のセルへの移動体通信装置の移動の情報を、基地局装置1が接続されたネットワークを介して、当該他の基地局から取得する。制御部3は、この情報を用いて、各セクタに在圏する移動体通信装置の数を推定してもよい。

[32]

 (iii)制御部3は、セクタ間の移動体通信装置の移動を、無線回路部RF1~RF4を介して検知する。制御部3は、この検知結果を用いて、各セクタに在圏する移動体通信装置の数を推定してもよい。

[33]

 制御部3が、各セクタに在圏する移動体通信装置との通信量を参照する方法は特に限定されず、公知の方法を用いればよい。

[34]

 このように、制御部3が、各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合い、各セクタに在圏する移動体通信装置の数、および、各セクタに在圏する移動体通信装置との通信量、の少なくとも一方を基準に、各セクタの上記優先度を判定することにより、良好な無線性能を得ることができる。

[35]

 その他、制御部3は、遮蔽物等の周辺環境等を基準に各セクタの優先度を判定してもよい。

[36]

 ステップS2において、制御部3は、優先度が高いセクタに対応するアンテナ群ほど、無線回路部に接続された指向性アンテナの数が多くなるように、切替部2を制御する。以下、幾つかの局面について具体例を挙げて説明する。

[37]

 (局面1)
 図3の(a)は、基地局装置1が、一つの局面(局面1)において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図であり、(b)は、局面1における指向性アンテナと無線回路部との接続例を示す図である。

[38]

 局面1は、何れのセクタにおいても他の基地局との干渉がなく、移動体通信装置の分布の偏りも無い状態を意図している。このような状態において、制御部3は、ステップS1において、各セクタの優先度を同一と判定する。

[39]

 このとき、制御部3は、ステップS2において、全てのセクタに対応するアンテナ群において、無線回路部に接続された指向性アンテナが少なくとも一つ含まれるように切替部2を制御する。

[40]

 例えば、図3の(b)に示すように、制御部3は、無線回路部RF1が指向性アンテナant1-1に、無線回路部RF2が指向性アンテナant2-2に、無線回路部RF3が指向性アンテナant3-3に、無線回路部RF4が指向性アンテナant4-4に接続されるように、切替部2を制御する。その結果、図3の(a)に示すように、セクタA~Dに対して、それぞれ一本ずつの指向性アンテナを使用する状態となる(矢印が、各セクタに対応するアンテナ群に含まれる、無線回路部に接続された指向性アンテナの数を示す。以下同様。)。

[41]

 これにより、基地局装置1は、全方向に干渉無く通信を行うことができ、良好な特性を得ることができる。

[42]

 (局面2)
 図4の(a)は、基地局装置1が、一つの局面(局面2)において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図であり、(b)は、局面2における指向性アンテナと無線回路部との接続例を示す図である。

[43]

 局面2は、セクタCおよびDにおいて、他の基地局との干渉、および、移動体通信装置の不在の何れかが生じている状態を意図している。このような状態において、制御部3は、ステップS1において、セクタAおよびBの方が、セクタCおよびDよりも優先度が高いと判定する。

[44]

 このとき、制御部3は、ステップS2において、セクタAおよびBに対応するアンテナ群の方が、セクタCおよびDに対応するアンテナ群よりも、無線回路部に接続された指向性アンテナの数が多くなるように切替部2を制御する。

[45]

 例えば、図4の(b)に示すように、制御部3は、無線回路部RF1が指向性アンテナant1-1に、無線回路部RF2が指向性アンテナant1-2に、無線回路部RF3が指向性アンテナant2-1に、無線回路部RF4が指向性アンテナant2-2に接続されるように、切替部2を制御する。その結果、図4の(a)に示すように、セクタAおよびBに対して、それぞれ二本ずつの指向性アンテナを使用し、セクタCおよびDに対しては、指向性アンテナを使用しない状態となる。

[46]

 これにより、基地局装置1は、優先度が高いセクタAおよびBに対して良好な通信を行うことができる。

[47]

 (局面3)
 図5の(a)は、基地局装置1が、一つの局面(局面3)において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図であり、(b)は、局面3における指向性アンテナと無線回路部との接続例を示す図である。

[48]

 局面3は、セクタB~Dにおいて、他の基地局との干渉、および、移動体通信装置の不在の何れかが生じている状態を意図している。このような状態において、制御部3は、ステップS1において、セクタAの方が、セクタB~Dの何れよりも優先度が高いと判定する。

[49]

 このとき、制御部3は、ステップS2において、セクタAに対応するアンテナ群の方が、セクタB~Dに対応する何れのアンテナ群よりも、無線回路部に接続された指向性アンテナの数が多くなるように切替部2を制御する。

[50]

 例えば、図5の(b)に示すように、制御部3は、無線回路部RF1が指向性アンテナant1-1に、無線回路部RF2が指向性アンテナant1-2に、無線回路部RF3が指向性アンテナant1-3に、無線回路部RF4が指向性アンテナant1-4に接続されるように、切替部2を制御する。その結果、図5の(a)に示すように、セクタAに対して、四本の指向性アンテナを使用し、セクタB~Dに対しては、指向性アンテナを使用しない状態となる。

[51]

 これにより、基地局装置1は、優先度が高いセクタAに対して良好な通信を行うことができる。

[52]

 なお、本実施形態のように、各セクタに対応するアンテナ群が、セクタ数以上の指向性アンテナを備えていることにより、局面3に示すように、優先度の高いセクタに対して集中して無線処理能力を割くことができる。しかしながら、各セクタに対応するアンテナ群が少なくとも2つの指向性アンテナを備えていれば、局面2に示すように優先度に応じた無線処理能力の分配は可能である。

[53]

 (その他の局面)
 なお、局面1~3はあくまでも例示である。例えば、移動体通信装置の分布によっては、(i)局面4として、図6の(a)に示すように、セクタAに対して、三本の指向性アンテナを使用し、セクタBに対して、一本の指向性アンテナを使用し、セクタBおよびDに対しては、指向性アンテナを使用しない状態としてもよいし、(ii)局面5として、図6の(b)に示すように、セクタAに対して、二本の指向性アンテナを使用し、セクタBおよびDに対して、一本ずつの指向性アンテナを使用し、セクタCに対しては、指向性アンテナを使用しない状態としてもよい。

[54]

 また、各セクタとの通信量に応じて、使用する指向性アンテナの数を調整してもよい。以下、基地局装置が、三つのセクタからなるセルを有し、六つの無線回路部を備え、各アンテナ群が六つの指向性アンテナを備えている場合について例を挙げて説明する。

[55]

 例えば、(i)局面6として、セクタAに在圏する移動体通信装置との通信量>セクタBに在圏する移動体通信装置との通信量=セクタCに在圏する移動体通信装置との通信量である場合に、図7の(a)に示すように、セクタAに対して、四本の指向性アンテナを使用し、セクタBおよびCに対して、一本ずつの指向性アンテナを使用する状態としてもよい。

[56]

 また、(ii)局面7として、セクタAに在圏する移動体通信装置との通信量>セクタBに在圏する移動体通信装置との通信量>セクタCに在圏する移動体通信装置との通信量である場合に、図7の(b)に示すように、セクタAに対して、三本の指向性アンテナを使用し、セクタBに対して、二本の指向性アンテナを使用し、セクタCに対して、一本の指向性アンテナを使用する状態としてもよい。

[57]

 また、(iii)局面8として、セクタAに在圏する移動体通信装置との通信量=セクタBに在圏する移動体通信装置との通信量=セクタCに在圏する移動体通信装置との通信量である場合に、図7の(c)に示すように、セクタA~Cに対して、それぞれ二本ずつの指向性アンテナを使用する状態としてもよい。

[58]

 以上のように、優先度が高いセクタに対しては、より多くの指向性アンテナを使用する状態となる。このとき、他の少なくとも一つのセクタよりも優先度が高いと判定された優先セクタに対して、2以上の指向性アンテナを使用する場合、(i)当該セクタに在圏する複数の移動体通信装置との間で通信を行ってもよいし(マルチユーザ)、(ii)当該セクタに在圏する一つの移動体通信装置との間で通信を行ってもよい(シングルユーザ)。また、当該セクタに在圏する一つの移動体通信装置との間で、少なくとも2つの指向性アンテナを用いた通信を行ってもよい。

[59]

 一つの移動体通信装置との間で、少なくとも2つの指向性アンテナを用いる通信としては、これらに限定されないが、MIMO技術を用いた通信や、ビームフォーミング技術を用いた通信を行うことができる。MIMO技術(空間分割多重通信)を用いることにより、高い通信速度を実現することができる。また、ビームフォーミング技術を用いることにより、高い指向性を実現し、他の基地局との間の干渉を好適に抑制することができる。

[60]

 〔実施形態2〕
 なお、各指向性アンテナは、偏波を有していてもよい。これを、例を挙げて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

[61]

 図8は、本発明の他の実施形態(実施形態2)に係る基地局装置1aに設けられた指向性アンテナant1-1~ant4-2の例を説明する斜視図である。本実施形態では、実施形態1と同様にセクタ数Nは4であり、各アンテナ群がそれぞれ備える指向性アンテナ数Mは4であり、無線回路部数Lも4となっている。

[62]

 図8に記載されている各セクタにそれぞれ二つのデュアルモードパッチアンテナを設けている。図8の右部に示すように、セクタAに指向する指向性アンテナant1-1と指向性アンテナant1-2とが一つのデュアルモードパッチアンテナから構成されており、給電点xおよびyに二つの給電線路で給電することで、指向性アンテナant1-1は垂直偏波アンテナ、指向性アンテナant1-2は水平偏波アンテナとして動作する。また、セクタAに指向する指向性アンテナとして、垂直偏波アンテナである指向性アンテナant1-3と水平偏波アンテナである指向性アンテナant1-4とを構成する、もう一つのデュアルモードパッチアンテナが設けられている。また、別セクタにもそれぞれ二つのデュアルモードパッチアンテナが設けてあり、指向性アンテナantX-1およびantX-3は垂直偏波アンテナ、指向性アンテナantX-2およびantX-4は垂直偏波アンテナとなっている(Xは2~4)。

[63]

 このように、同じアンテナ群に含まれる指向性アンテナ同士の偏波を直交させることにより、同方向使用時の干渉を抑制することができる。なお、干渉を抑制すべき指向性アンテナ同士の偏波の組み合わせは、垂直偏波と水平偏波との組み合わせである必要は無く、互いに直交する偏波の組み合わせであればよい。

[64]

 また、本実施形態において用いられる指向性アンテナはデュアルモードパッチアンテナによって構成されるものに限らず、例えば垂直偏波アンテナと水平偏波アンテナとをそれぞれ設けてもよい。直交する二つの偏波を有する指向性アンテナが夫々動作するようになっていれば、構成は問わない。

[65]

 基地局装置1aにおいても、基地局装置1と同様、局面1~3のような局面を取り得る。このとき、例えば、局面1において、制御部3が、図3の(b)に示すように、無線回路部RF1が垂直偏波の指向性アンテナant1-1に、無線回路部RF2が水平偏波の指向性アンテナant2-2に、無線回路部RF3が垂直偏波の指向性アンテナant3-3に、無線回路部RF4が水平偏波の指向性アンテナant4-4に接続されるように、切替部2を制御することにより、隣接するセクタ間で異なる偏波を使用するようにして、隣接するセクタ間での干渉を抑制することができる。なお、隣接するセクタにおいて使用される偏波を全て異ならせる必要は無い。すなわち、無線回路部に接続され、隣接するセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波を互いに異ならせれば(好ましくは、直交させれば)よく、これにより、隣接するセクタ間での干渉を抑制することができる。

[66]

 また、局面2において、制御部3が、図4の(b)に示すように、無線回路部RF1が垂直偏波の指向性アンテナant1-1に、無線回路部RF2が水平偏波の指向性アンテナant1-2に、無線回路部RF3が垂直偏波の指向性アンテナant2-1に、無線回路部RF4が水平偏波の指向性アンテナant2-2に接続されるように、切替部2を制御することにより、同一セクタ内において互いに異なる偏波を使用するようにして、同一セクタ内での干渉を抑制することができる。なお、同一セクタ内において使用される偏波が全て互いに異ならせる必要は無い。すなわち、無線回路部に接続され、同一のセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波を互いに異ならせれば(好ましくは、直交させれば)よく、これにより、同一セクタ内の干渉を抑制することができる。

[67]

 また、後述する実施形態3のように、制御部3が切替部2を制御して、同一セクタ内において同一の偏波を使用するようにして、ビームフォーミング効果が得られるようにしてもよい。なお、同一セクタ内において使用される偏波が全て同一である必要は無い。すなわち、制御部3は、無線回路部に接続され、同一のセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波が同一であるよう切替部2を制御すればよく、これにより、ビームフォーミング効果を得ることができる。

[68]

 なお、切替部2は、必ずしも全ての無線回路部と全ての指向性アンテナとが接続可能なように構成されている必要はない。例えば、指向性アンテナant1-1とant1-3のように、同じセクタに対する同じ偏波の指向性アンテナに対しては、各無線回路部は、何れか一方の指向性アンテナに接続可能なように構成されていればよい。図9に、本実施形態に係る切替部2の構成例を示す。図9に示すように、切替部2は、四個の高周波スイッチSP4T(single pole four throw)と、八個の高周波スイッチDPDT(double pole double throw)とによって構成することができる。

[69]

 〔実施形態3〕
 なお、隣接するセクタ間において、対応するアンテナ群で使用する周波数帯を異ならせてもよい。これを、例を挙げて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。

[70]

 図10の(a)~(c)に示すように、本実施形態に係る基地局装置1bは、二つのセクタAおよびBからなるセルを有し、何れもデュアルモードパッチアンテナである指向性アンテナant1-1~4および2-1~4を有している。セクタAおよびBは、基地局装置1bを挟んで反対方向に存在しており、アンテナ群ant1に含まれる指向性アンテナant1-1~4はセクタAに、アンテナ群ant2に含まれる指向性アンテナant2-1~4はセクタBに指向している。

[71]

 基地局装置1bは、また、切替部2、制御部3および無線回路部RF1~RF4を備えており、無線回路部RF1およびRF2は、周波数帯f1に対応し、無線回路部RF3およびRF4は、周波数帯f2に対応する。

[72]

 基地局装置1bでも、基地局装置1と同様、制御部3は、優先度が高いセクタに対応するアンテナ群ほど、無線回路部に接続された指向性アンテナの数が多くなるように、切替部2を制御する。以下、幾つかの局面について具体例を挙げて説明する。

[73]

 (局面1)
 図11の(a)は、基地局装置1bが、一つの局面(局面1)において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図であり、(b)は、局面1における指向性アンテナと無線回路部との接続例を示す図であり、(c)は、局面1における指向性アンテナと無線回路部との接続の他の例を示す図である。

[74]

 局面1は、何れのセクタにおいても他の基地局との干渉がなく、移動体通信装置の分布の偏りも無い状態を意図している。このような状態において、制御部3は、ステップS1において、各セクタの優先度を同一と判定し、図11の(a)に示すように、セクタA、Bに対して、それぞれ二本ずつの指向性アンテナを使用する状態となる。

[75]

 このとき、制御部3は、セクタAに指向する指向性アンテナには無線回路部RF1およびRF2が接続され、セクタBに指向する指向性アンテナには無線回路部RF3およびRF4が接続されるように、切替部2を制御することにより、使用する指向性アンテナ接続された無線回路部の使用周波数帯を夫々隣接するセクタと異ならせることができるため、セクタ間における干渉を抑制することができる。

[76]

 また、制御部3は、状況に応じてセクタ毎の各指向性アンテナの偏波が下記(1)または(2)のようになるように切替部2を制御してもよい。なお、セクタ毎に、下記(1)または(2)の対応を別々に取ってもよい。

[77]

 (1)他基地局との干渉を抑制することを優先する場合。

[78]

 図11の(b)に示すように、制御部3は、同じセクタに対して使用する指向性アンテナの偏波を同一にするように切替部2を制御してもよい。これにより、ビームフォーミング技術を利用して、ビーム方向を高精度に制御することができる。なお、上述したように同一セクタに対して使用する指向性アンテナの偏波を全て同一に制御する必要は無い。すなわち、制御部3は、無線回路部に接続され、同一のセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波が同一であるよう切替部2を制御すればよく、これにより、ビームフォーミング効果を得ることができる。

[79]

 (2)MIMO通信を行うことを優先する場合。

[80]

 図11の(c)に示すように、制御部3は、同じセクタに対して使用する指向性アンテナの偏波を互いに異ならせるように切替部2を制御してもよい。これにより、MIMO通信に使用するアンテナ間の干渉が抑制されるため、良好なMIMO通信を行うことができる。なお、同じセクタに対して使用する指向性アンテナの偏波を全て互いに異ならせる必要は無い。すなわち、無線回路部に接続され、同一のセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波を互いに異ならせれば(好ましくは、直交させれば)よく、これにより、同一セクタ内の干渉を抑制することができる。

[81]

 (局面2)
 図12の(a)は、基地局装置1bが、一つの局面(局面2)において各セクタに対して使用するアンテナ数の例を示す図であり、(b)は、局面2における指向性アンテナと無線回路部との接続例を示す図であり、(c)は、局面2における指向性アンテナと無線回路部との接続の他の例を示す図である。

[82]

 局面2は、セクタBにおいて、他の基地局との干渉、および、移動体通信装置の不在の何れかが生じている状態を意図している。このような状態において、制御部3は、セクタAの方がセクタBよりも優先度が高いと判定し、図12の(a)に示すように、セクタAに対して、四本の指向性アンテナを使用し、セクタBに対して、指向性アンテナを使用しない状態となる。

[83]

 このとき、局面2においても、局面1と同様、制御部3は、状況に応じてセクタAに対する各指向性アンテナの偏波が下記(1)または(2)のようになるように切替部2を制御してもよい。

[84]

 (1)他基地局との干渉を抑制することを優先する場合。

[85]

 図12の(b)に示すように、制御部3は、同じ周波数帯において使用する少なくとも一対(好ましくは全て)の指向性アンテナの偏波を同一にするように切替部2を制御してもよい。これにより、ビームフォーミング技術を利用して、ビーム方向を高精度に制御することができる。

[86]

 (2)MIMO通信を行うことを優先する場合。

[87]

 図12の(c)に示すように、制御部3は、同じ周波数帯において使用する少なくとも一対(好ましくは全て)の指向性アンテナの偏波を互いに異ならせるように切替部2を制御してもよい。これにより、MIMO通信に使用するアンテナ間の干渉が抑制されるため、良好なMIMO通信を行うことができる。

[88]

 なお、切替部2は、必ずしも全ての無線回路部と全ての指向性アンテナとが接続可能なように構成されている必要はない。例えば、指向性アンテナant1-1とant1-3のように、同じセクタに対する同じ偏波の指向性アンテナに対しては、各無線回路部は、何れか一方の指向性アンテナに接続可能なように構成されていればよい。図13に、本実施形態に係る切替部2の構成例を示す。図13に示すように、切替部2は、四個の高周波スイッチSPDT(single pole double throw)と、四個の高周波スイッチDPDT(double pole double throw)とによって構成することができる。

[89]

 〔ソフトウェアによる実現例〕
 基地局装置1、1aおよび1bの制御ブロック(特に制御部3)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。

[90]

 後者の場合、基地局装置1、1aおよび1bは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。

[91]

 〔まとめ〕
 本発明の態様1に係る基地局装置(1、1a、1b)は、複数のセクタ(A~D)に分割されたセルを有する基地局装置であって、セクタ毎に設けられた、同一のセクタを指向する複数の指向性アンテナ(ant1-1~ant1-4、ant2-1~ant2-4、ant3-1~ant3-4、ant4-1~ant4-4)からなるアンテナ群(ant1~ant4)と、無線回路部(RF1~RF4)と、各セクタの優先度を判定し、優先度が高いセクタに対応するアンテナ群ほど、無線回路部に接続された指向性アンテナの数が多くなるように、無線回路部と指向性アンテナとの間の接続を制御する接続制御部(制御部3)と、を備えている。

[92]

 上記の構成によれば、優先度が高いセクタに対応するアンテナ群における、無線回路部に接続された指向性アンテナの数を増加させることができる。従って、優先度が高いセクタに在圏する移動体通信装置との通信に用いることができる指向性アンテナおよび無線回路部の数を増加させることができる。これにより、複数の移動体通信装置との間で首尾よく通信することや、一つの移動体通信装置との間でMIMO技術(空間分割多重通信)を用いた通信や、ビームフォーミング技術を用いた通信等の複数アンテナを用いた通信等を行うことができる。このように、上記の構成によれば、優先度の高いセクタに対する処理能力を強化することができる。

[93]

 本発明の態様2に係る基地局装置は、上記態様1において、セクタ数以上の上記無線回路部を備えていてもよい。

[94]

 上記の構成によれば、無線回路部の数が、セクタ数以上であるため、全セクタのアンテナ群に対して同時に少なくとも一つの無線回路部を割当てることが可能となる。これにより、必要に応じて全セクタに対して通信を行うことができる。

[95]

 本発明の態様3に係る基地局装置は、上記態様1または2において、上記接続制御部は、各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合い、各セクタに在圏する移動体通信装置の数、および、各セクタに在圏する移動体通信装置との通信量、の少なくとも一方を基準に、各セクタの上記優先度を判定する。

[96]

 他の基地局との間の干渉の度合いが小さいセクタを優先することにより、他の基地局との間で干渉を生じさせることなく、良好な無線性能を得ることができる。また、在圏する移動体通信装置の数または通信量が多いセクタを優先することにより、在圏する移動体通信装置との間の通信のための処理能力を強化し、在圏する移動体通信装置の数または通信量が多くなっても首尾よく通信を行うことができる。このように、上記の構成によれば、各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合い、および、各セクタに在圏する移動体通信装置の数、の少なくとも一方を基準に、各セクタの上記優先度を判定することにより、良好な無線性能を得ることができる。

[97]

 本発明の態様4に係る基地局装置は、上記態様1~3において、上記接続制御部が他の少なくとも一つの上記セクタよりも優先度が高いと判定した優先セクタであって、当該優先セクタに対応するアンテナ群に上記無線回路部に接続されている2以上の指向性アンテナが含まれている優先セクタ、に在圏する一つの移動体通信装置に対して、当該2以上の指向性アンテナのうち少なくとも2つの指向性アンテナを用いた通信を行ってもよい。

[98]

 上記の構成によれば、無線回路部が接続された指向性アンテナ、すなわち、通信に使用する指向性アンテナが増加されたアンテナ群に対応する優先セクタにおいて、MIMO、ビームフォーミング等の単一の移動体通信装置に対して複数のアンテナを用いた通信を行うことができる。これにより、他の少なくとも一つのセクタよりも優先度が高い優先セクタにおいて、MIMO技術(空間分割多重通信)を用いた高い通信速度の通信や、ビームフォーミング技術を用いた高い指向性の通信等の望ましい態様の通信を行うことができる。

[99]

 本発明の態様5に係る無線回路は、上記態様1~4において、上記接続制御部は、(i)無線回路部に接続され、隣接するセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波が直交するか、(ii)無線回路部に接続され、同一のセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波が直交するか、(iii)無線回路部に接続され、同一のセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波が同一になるように、無線回路部と指向性アンテナとの間の接続を制御してもよい。

[100]

 上記の構成によれば、(i)無線回路部に接続され、隣接するセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波を直交させることにより、隣接セクタ間での干渉を抑制することができる。また、(ii)無線回路部に接続され、同一のセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波を直交させることにより、同一セクタ内の干渉を抑制することができる。また、(iii)無線回路部に接続され、同一のセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波を同一にさせることにより、ビームフォーミング効果を得ることができる。

[101]

 本発明の態様6に係る無線回路は、上記態様1~5において、上記接続制御部は、各セクタに対応するアンテナ群に含まれる指向性アンテナに接続された無線回路部の使用周波数帯が夫々隣接するセクタと異なるように、無線回路部と指向性アンテナとの間の接続を制御してもよい。

[102]

 上記の構成によれば、使用する指向性アンテナに接続された無線回路部の使用周波数帯を夫々隣接するセクタと異ならせることができるため、セクタ間における干渉を抑制することができる。

[103]

 本発明の各態様に係る基地局装置の接続制御部は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記基地局装置の接続制御部として動作させることにより上記接続制御部をコンピュータにて実現させる基地局装置の接続制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。

[104]

 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。

[105]

 本発明は、移動体通信システムにおいて利用可能である。

[106]

 1、1a、1b  基地局装置
 2  切替部
 3  制御部(接続制御部)
 A~D  セクタ
 ant1-1~ant1-4、
 ant2-1~ant2-4、
 ant3-1~ant3-4、
 ant4-1~ant4-4  指向性アンテナ
 ant1~ant4  アンテナ群
 RF1~RF4  無線回路部
 x、y  給電点
 SP4T、DPDT、SPDT  高周波スイッチ



[1]

A base station device having a cell divided into a plurality of sectors, wherein processing capability with respect to high-priority sectors is increased. A control unit (3) determines the priority of each sector (A to D), and controls the connection between wireless circuit units (RF1 to RF4) and directional antennas (ant1-1 to ant4-4) so that the number of the directional antennas (ant1-1 to ant4-4) connected to the wireless circuit units (RF1 to RF4) is increased for a group of antennas (ant1 to ant4) corresponding to the high-priority sectors.

[2]



 複数のセクタに分割されたセルを有する基地局装置であって、
 セクタ毎に設けられた、同一のセクタを指向する複数の指向性アンテナからなるアンテナ群と、
 無線回路部と、
 各セクタの優先度を判定し、優先度が高いセクタに対応するアンテナ群ほど、無線回路部に接続された指向性アンテナの数が多くなるように、無線回路部と指向性アンテナとの間の接続を制御する接続制御部と、を備えていることを特徴とする基地局装置。

 上記接続制御部は、各セクタにおける他の基地局との間の干渉の度合い、各セクタに在圏する移動体通信装置の数、および、各セクタに在圏する移動体通信装置との通信量の少なくとも一方を基準に、各セクタの上記優先度を判定することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。

 上記接続制御部が他の少なくとも一つの上記セクタよりも優先度が高いと判定した優先セクタであって、当該優先セクタに対応するアンテナ群に上記無線回路部に接続されている2以上の指向性アンテナが含まれている優先セクタ、に在圏する一つの移動体通信装置に対して、当該2以上の指向性アンテナのうち少なくとも2つの指向性アンテナを用いた通信を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の基地局装置。

 上記接続制御部は、
(i)無線回路部に接続され、隣接するセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波が直交するか、
(ii)無線回路部に接続され、同一のセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波が直交するか、
(iii)無線回路部に接続され、同一のセクタを指向する少なくとも一対の指向性アンテナの偏波が同一になるように、無線回路部と指向性アンテナとの間の接続を制御することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の基地局装置。

 上記接続制御部は、各セクタに対応するアンテナ群に含まれる指向性アンテナに接続された無線回路部の使用周波数帯が夫々隣接するセクタと異なるように、無線回路部と指向性アンテナとの間の接続を制御することを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の基地局装置。