DEVELOPING APPARATUS

31-07-2014 дата публикации
Номер:
WO2014115833A1
Принадлежит: ブラザー工業株式会社
Контакты:
Номер заявки: JP14-05-201484
Дата заявки: 24-01-2014

現像装置
[1]

 本発明は、ブラシローラを備える現像装置に関する。

[2]

 従来、電子写真方式の画像形成装置に備えられる現像装置には、現像剤を収容し、当該現像剤をブラシローラによって感光体へ供給するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。

[3]

 この現像装置では、ブラシローラに現像剤を供給するための供給部と、供給部の上方で供給部により供給されたブラシローラのブラシ層に保持される現像剤を掻き取る掻取部材(ブレード)とを備えている。ブレードによってブラシローラに担持される現像剤の量を規制するようになっている。

[4]

 また特許文献3記載の現像装置によれば、区画壁によって区画され、区画壁に隣接する供給口によって連通する現像部と現像剤収容部を有するフレームと、現像部に収容された現像ローラと、現像剤収容部に設けられた搬送部材と、を備え、搬送部材が区画壁に摺接しながら回転し、区画壁から離れたときに現像剤収容部内の現像剤を供給口から現像部に供給する。そして、このような現像装置には、区画壁の搬送部材の回転軸線方向における複数箇所から供給口へ向けて延び、供給口の一部を遮る複数の柱を設けたものがある。この現像装置では、複数の柱によって、回転する搬送部材が区画壁から離れたときに跳ね上がるのが抑制されるため、現像剤が勢いよく現像部へ供給されて、現像ローラの周方向における一部に過剰にトナーが供給されるのを低減することが可能となっている。

[5]

特開昭57-109965号公報実開昭57-100753号公報特開平7-239608号公報

[6]

 しかしながら、特許文献1に記載した技術においては、供給部における現像剤の水位が高くなって、掻取部材がブラシローラに接触する位置が現像剤で埋まるなど現像剤が過剰に存在する状態になると、掻取部材によってブラシ層に保持される現像剤を十分に掻き取ることができないおそれがあった。

[7]

 また、特許文献2に記載された現像装置では、ブラシローラ上の現像剤をブレードで十分に掻き取れるようにするために、ブレードをブラシローラに強く当てた場合、負荷が大きくなってしまい、ブラシローラが回転しにくくなってしまったり、ブレードが破損してしまったりするおそれがある。ここで、ブラシローラに担持された現像剤は、静電潜像が形成された感光ドラムに供給されるが、ブレードによる現像剤の掻き取りが不十分で、ブラシローラに過剰の現像剤が載っていると、感光ドラムの露光されていない部分に現像剤が載ってしまう、いわゆる「かぶり」が生じることがある。

[8]

 また、また、特許文献3に記載された現像装置では、現像部内の現像剤は複数の柱の間から現像剤収容部へ戻ることが可能であるが、複数の柱の現像部側に溜まった現像剤は、柱に遮られて滞留してしまう。このように一部に現像剤が滞留してしまうと、滞留した現像剤が現像ローラに載ったときに、印字不良が生じるおそれがあった。

[9]

 そこで、本発明は、ブラシローラのブラシ層に保持される現像剤を掻取部材により良好に掻き取ることができる現像装置を提供することを第1の目的とする。

[10]

 また本発明は、ブレード(掻取部材)をブラシローラに強く当てなくてもブラシローラに載っている現像剤を十分に掻き取ることができる現像装置を提供することを第2の目的とする。

[11]

 また本発明は、現像部と現像剤収容部を連通する供給口の一部を遮る規制部(柱)が設けられた現像装置において、規制部の現像部側で現像剤が滞留するのを低減することができる現像装置を提供することを第3の目的とする。

[12]

 前記した第1の目的を達成するため、本発明の現像装置は、現像剤を貯留可能な供給部を有する筐体と、ローラ本体と、当該ローラ本体の外周面に繊維が植設されてなるブラシ層とを有し、供給部内の現像剤に接触するように筐体に支持されるブラシローラと、ブラシローラに対し、ブラシローラが供給部内の現像剤と対面する位置よりも上で接触し、ブラシ層に保持される現像剤を掻き取るように構成される掻取部材と、を備えている。

[13]

 そして、筐体は、掻取部材がブラシローラに接触する位置よりも下でブラシローラと対面して配置され、供給部内のブラシローラ近傍における現像剤の水位を抑制可能な壁を有している。

[14]

 ここで、現像剤の水位とは、供給部に貯留されている現像剤の上面の高さ位置である。

[15]

 このように構成された現像装置によれば、掻取部材がブラシローラに接触する位置が現像剤で埋まったり、掻取部材が接触する位置でブラシローラに現像剤が過剰に載った状態になったりするのを抑制することができる。これにより、掻取部材によってブラシ層が保持する現像剤を良好に掻き取ることができる。

[16]

 そして、前記した現像装置において、壁は、ブラシ層との間に隙間をあけた状態でブラシローラに近接していることが望ましい。

[17]

 このように構成された現像装置によれば、ブラシローラに過剰に現像剤が載っていた場合、この過剰な現像剤が壁に接触してブラシローラから落ちるので、掻取部材が接触する前に、ブラシローラ上の現像剤をある程度減らすことができる。これにより、掻取部材によってブラシ層が保持する現像剤を良好に掻き取ることができる。

[18]

 また、前記した現像装置において、筐体は、掻取部材が掻き取った現像剤を供給部へ戻すように構成される戻し経路を有していることが望ましい。

[19]

 このように構成された現像装置によれば、掻取部材によって掻き取られた現像剤がブラシローラの近傍に滞留するのを低減することができる。

[20]

 そして、前記した戻し経路を有する現像装置において、筐体は、供給部に供給する現像剤を収容可能な現像剤収容部を有し、戻し経路は、現像剤収容部を経由していることが望ましい。

[21]

 このように構成された現像装置によれば、現像剤を筐体内で循環させることができるとともに、掻取部材によって掻き取られた現像剤を現像剤収容部内の現像剤と混ぜることができる。

[22]

 また、前記した現像剤収容部を経由する戻し経路を有する現像装置は、掻取部材の近傍に設けられ、掻取部材が掻き取った現像剤を戻し経路に向けて搬送する戻し搬送部材を備えていることが望ましい。

[23]

 このように構成された現像装置によれば、掻取部材によって掻き取られた現像剤が戻し経路に向けて移動しやすくなる。

[24]

 そして、前記した現像装置において、供給部には、供給部内の現像剤を撹拌するように構成される撹拌部材が設けられていることが望ましい。

[25]

 このように構成された現像装置によれば、ブラシローラに不均一に現像剤が供給されるのを抑制することができる。

[26]

 本発明によれば、掻取部材がブラシローラに接触する位置が現像剤で埋まったり、掻取部材が接触する位置でブラシローラに現像剤が過剰に載った状態になったりするのを抑制することができる。これにより、掻取部材によってブラシ層が保持する現像剤を良好に掻き取ることができる。

[27]

 また第2の目的を達成するため、本発明の現像装置は、筐体と、ローラ本体と、当該ローラ本体の外周面に繊維が植設されてなるブラシ層とを有するブラシローラと、現像剤をブラシローラの表面に供給するように構成された供給手段と、ブラシローラに対し、供給手段による供給位置よりもブラシローラの回転方向下流側で接触し、ブラシ層に保持される現像剤を掻き取るように構成される第1掻取部材と、第2掻取部材と、第1掻取部材と第2掻取部材が設けられた筐体と、を備える。

[28]

 第2掻取部材は、ブラシローラに対し、供給位置よりも前記回転方向下流側、かつ、第1掻取部材よりも前記回転方向上流側で接触して現像剤を掻き取るように構成される。

[29]

 このように構成された現像装置によれば、掻取部材を1つだけ設ける場合に比べて、ブラシローラに載っている余分な現像剤を十分に掻き取ることができる。これにより、ブラシローラ上の現像剤の掻き取りが不十分なときに生じるかぶりを低減することができる。

[30]

 また、前記した現像装置は、供給手段によってブラシローラに供給される現像剤を収容するための現像剤収容部を備え、第1掻取部材に掻き取られた現像剤が現像剤収容部に戻るように構成されていることが望ましい。

[31]

 このように構成された現像装置によれば、第1掻取部材と第2掻取部材との間に第1掻取部材が掻き取った現像剤が溜まらないので、第1掻取部材が掻き取った現像剤がブラシローラに再付着するのを抑制することができる。これにより、ブラシローラへの現像剤の供給過剰を抑制することができる。

[32]

 そして、前記した現像装置において、第2掻取部材によるブラシローラ上の現像剤の掻取能力は、第1掻取部材によるブラシローラ上の現像剤の掻取能力よりも小さいことが望ましい。

[33]

 このように構成された現像装置によれば、最初に掻取能力の小さい第2掻取部材でブラシローラ上の現像剤をある程度掻き取った状態で、第1掻取部材で掻き取ることができるため、ブラシローラにかかる負荷を大きくすることなく、十分にブラシローラ上の現像剤を掻き取ることができる。

[34]

 また、この場合、第1掻取部材は、第2掻取部材よりもブラシ層に深く進入していることが望ましい。

[35]

 このように構成された現像装置によれば、第1掻取部材によるブラシローラ上の現像剤の掻取能力を第2掻取部材によるブラシローラ上の現像剤の掻取能力よりも大きくするための構成を簡単にすることができる。

[36]

 そして、前記した現像装置におけるブラシローラの回転軸線に直交する断面において、第2掻取部材のブラシ層に進入している部分のうち現像剤を掻き取る側の面は、第1掻取部材のブラシ層に進入している部分のうち現像剤を掻き取る側の面よりも、ブラシローラの回転方向に対する角度が大きい構成としてもよい。

[37]

 これによれば、第2掻取部材によるブラシローラ上の現像剤の掻取能力を第1掻取部材によるブラシローラ上の現像剤の掻取能力よりも小さくすることができる。

[38]

 また、前記した現像装置におけるブラシローラの回転軸線に直交する断面において、第2掻取部材の前記繊維に接触する部分の曲率は、第1掻取部材の前記繊維に接触する部分の曲率よりも小さくなる構成としてもよい。

[39]

 これによれば、第2掻取部材によるブラシローラ上の現像剤の掻取能力を第1掻取部材によるブラシローラ上の現像剤の掻取能力よりも小さくすることができる。

[40]

 そして、前記した現像装置において、第2掻取部材は、ブラシローラの軸線方向に沿って延び、筐体に支持される本体部と、本体部の前記軸線方向における複数箇所からブラシローラに向けて突出し、ブラシ層に進入する複数の突出部とを有することが望ましい。

[41]

 このように構成された現像装置によれば、複数の突出部によって、繊維間に詰まった現像剤を掻き出すことができるので、ブラシ層での現像剤の詰まりを低減することができる。

[42]

 また、前記した現像装置において、第2掻取部材は、筐体の壁面からブラシローラに向けて突出する突起であることが望ましい。

[43]

 このように構成された現像装置によれば、筐体と別個に第2掻取部材を設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。

[44]

 そして、前記した現像装置において、第1掻取部材は、板状の部材であって、筐体に支持され、先端がブラシローラの回転方向とは反対側を向くように設けられた掻取部材本体部と、掻取部材本体部の先端からブラシローラの回転軸側に突出することでブラシ層内に進入するように設けられた規制部とを備える構成としてもよい。 このように構成された現像装置によれば、第1掻取部材の規制部がブラシ層に良好に食い込むので、第1掻取部材によってブラシローラ上のトナーを良好に掻き取ることができる。

[45]

 この場合、第1掻取部材は、ブラシローラの回転軸線に直交する断面において、薄板状に形成されていて、規制部は、掻取部材本体部の先端からブラシローラに向かって屈曲するように設けられていてもよい。 また、前記した掻取部材本体部と規制部とは、継ぎ目なく一体に接続されていてもよい。

[46]

 この場合、第1掻取部材には、掻取部材本体部の先端から規制部にかけて、曲げ加工がなされていてもよい。

[47]

 これによれば、ブラシローラの回転に伴ってブラシ層が移動することでブラシローラと第1掻取部材との接触部分で回転抵抗が発生したときに、規制部がブラシ層により一層進入するような力が第1掻取部材に作用する。これにより、第1掻取部材によってブラシローラ上のトナーを良好に掻き取ることができる。

[48]

 本発明によれば、掻取部材を1つだけ設ける場合に比べて、ブラシローラに載っている余分な現像剤を十分に掻き取ることができる。これにより、ブラシローラ上の現像剤の掻き取りが不十分なときに生じるかぶりを低減することができる。

[49]

 また第3の目的を達成するため、本発明の現像装置は、現像ローラと、現像ローラを収容する現像部と現像剤を収容する現像剤収容部とを区画する区画壁と、区画壁に隣接し、現像部と現像剤収容部とを連通させる供給口と、を有するフレームと、現像剤収容部に設けられ、先端が区画壁に摺接しながら区画壁および供給口をこの順で通過するように回転し、供給口から現像部へ現像剤を供給するように構成される搬送部材と、搬送部材の回転軸線方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の規制部を有する可動部材と、を備える。

[50]

 そして、可動部材は、複数の規制部が供給口の一部を遮る第1位置と、第1位置に配置されているときに複数の規制部の現像部側に溜まった現像剤が動かされる第2位置とに移動可能である。

[51]

 このように構成された現像装置によれば、複数の規制部が第1位置から第2位置に移動することにより、各規制部の現像部側に溜まった現像剤が動かされるので、各規制部の現像部側に現像剤が滞留するのを低減することができる。

[52]

 そして、前記した現像装置は、搬送部材の回転動作によって、規制部が第1位置と第2位置とに移動するように構成されていることが望ましい。

[53]

 このように構成された現像装置によれば、搬送部材の先端の位置に合わせて規制部を移動させることができる。

[54]

 また、この場合、規制部は、搬送部材の先端が区画壁から離れるときには第1位置に位置し、搬送部材の先端が供給口よりも搬送部材の回転方向下流側へ移動した後に、第2位置に移動するように構成されていることが望ましい。

[55]

 このように構成された現像装置によれば、搬送部材が現像剤収容部内の現像剤を供給口から現像部へ供給するタイミングでは、規制部を第1位置に位置させて、現像剤の供給を規制することができる。そして、搬送部材が現像部へ現像剤を供給していないタイミングで、規制部を第2位置に位置させて、各規制部の現像部側に溜まった現像剤を動かすことができる。

[56]

 前記した現像装置において、可動部材は、フレームの上壁に支持されるとともに、各規制部が、供給口と搬送部材の回転軸線の間に配置され、揺動することで先端が区画壁に近接・離間する方向に移動可能であり、規制部の先端は、第1位置に位置するとき、区画壁に接触し、第2位置に位置するとき、区画壁から前記現像剤収容部の内側へ離間していてもよい。

[57]

 この場合、規制部は、回転する搬送部材によって区画壁に向けて押されることで、第2位置から第1位置に移動することができる。

[58]

 また、前記した現像装置において、可動部材は、各規制部が区画壁に対して回動可能となるように設けられ、規制部は、第1位置に位置するとき、区画壁から供給口に向けて突出し、第2位置に位置するとき、第1位置よりも現像剤収容部の内側へ倒れていてもよい。

[59]

 この場合、規制部は、第1位置から第2位置に向けて常時付勢され、回転する搬送部材によって供給口に向けて押されることで第2位置から第1位置に移動することができる。

[60]

 そして、前記した現像装置において、区画壁は、供給口に向けて開口する穴を有し、各規制部は、穴から供給口側に突出する第1位置と、第1位置と比較して穴の中へ入り込んだ第2位置との間を移動可能に構成されていてもよい。

[61]

 この場合、現像装置は、搬送部材の回転に連動して規制部を第1位置と第2位置に移動させる連動機構をさらに備えていてもよい。

[62]

 また、前記した現像装置において、フレームの供給口を挟んで区画壁の先端と対向する壁には、供給口に向けて開口する穴を有し、各規制部は、穴から供給口側に突出する第1位置と、第1位置と比較して穴の中へ入り込んだ第2位置との間を移動可能に構成されていてもよい。

[63]

 この場合、搬送部材の回転に連動して規制部を第1位置と第2位置に移動させる連動機構をさらに備えていてもよい。

[64]

 本発明によれば、複数の規制部が第1位置から第2位置に移動することにより、各規制部の現像部側に溜まった現像剤が動かされるので、各規制部の現像部側に現像剤が滞留するのを低減することができる。

[65]

本発明の第1実施形態に係る現像カートリッジを備えるレーザプリンタの概略構成を示す図である。現像カートリッジを示す断面図である。(a)は図2におけるIIIa-IIIa断面図であり、(b)は、III-III断面図(b)である。第1実施形態の第1の変形例に係る現像カートリッジの戻し経路を示す断面図である。(a)は第1実施形態の第2の変形例に係る現像カートリッジを示す断面図であり、(b)は(a)のV-V断面図である。(a)は第2実施形態に係る現像カートリッジを示す断面図であり、(b)は(a)のVI-VI断面図である。本発明の第3実施形態に係る現像カートリッジを備えるカラープリンタの概略構成を示す図である。感光ドラムと現像カートリッジを示す断面図である。ブラシローラ、第1ブレードおよび第2ブレードを示す拡大図である。(a)は、第3実施形態の第1の変形例に係る第2掻取部材を示す図であり、(b)は、第3実施形態の第2の変形例に係る第2掻取部材を示す図であり、(c)は第3実施形態の第3の変形例に係る第2ブレードを示す図である。(a)は第3の変形例に係る第1ブレードの先端を示す拡大図であり、(b)は第3の変形例に係る第2ブレードの先端を示す拡大図である。第3実施形態の第4の変形例に係る第2ブレードを示す図である。第3実施形態の第5の変形例に係る第2掻取部材を示す図である。実験結果を示すグラフである。本発明の第4実施形態に係る現像カートリッジを備えるレーザプリンタの概略構成を示す図である。(a)は、シート部材と区画壁を示す斜視図であって、シート部材が第2位置に位置する状態を示す図であり、(b)はシート部材が第1位置に位置する状態を示す図である。現像カートリッジを示す断面図であって、(a)はシート部材が第1位置に位置する状態を示す図であり、(b)はシート部材が第2位置に位置する状態を示す図である。第5実施形態に係る現像カートリッジを示す断面図であって、(a)は、可動部材が第1位置に位置する状態を示す図であり、(b)は可動部材が第2位置に位置する状態を示す図である。第5実施形態における可動部材と区画壁を示す斜視図であって、(a)は可動部材が第1位置に位置する状態を示す図であり、(b)は可動部材が第2位置に位置する状態を示す図である。第6実施形態に係る現像カートリッジを示す断面図であって、(a)は可動部材が第1位置に位置する状態を示す図であり、(b)は可動部材が第2位置に位置する状態を示す図である。第6実施形態における可動部材と区画壁を示す斜視図である。第6実施形態の変形例に係る現像カートリッジを示す断面図であって、(a)は可動部材が第1位置に位置する状態を示す図であり、(b)は可動部材が第2位置に位置する状態を示す図である。

[66]

 [第1実施形態]

[67]

 次に、本発明の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、実施形態に係る現像装置の一例としての現像カートリッジ10が着脱されるレーザプリンタ1の概略構成について説明した後、本発明の特徴部分に係る現像カートリッジ10の詳細な構成について説明する。

[68]

 また、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。

[69]

 <レーザプリンタの概略構成>

[70]

 図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、用紙Sを供給する給紙部3と、露光装置12と、用紙S上にトナー像を転写するプロセスカートリッジ8と、用紙S上のトナー像を熱定着する定着装置21とを主に備えている。

[71]

 給紙部3は、本体ケーシング2内の下部に設けられ、給紙トレイ4と、用紙押圧板5と、給紙機構6とを主に備えている。給紙トレイ4に収容された用紙Sは、用紙押圧板5によって上方にある給紙機構6に寄せられ、給紙機構6によってプロセスカートリッジ8(感光体ドラム11と転写ローラ14との間)に向けて供給される。

[72]

 露光装置12は、本体ケーシング2内の上部に配置され、図示されないレーザ発光部や符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。この露光装置12では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)が、感光体ドラム11の表面で高速走査されることで、感光体ドラム11の表面を露光する。

[73]

 プロセスカートリッジ8は、露光装置12の下方に配置され、本体ケーシング2に設けられたフロントカバー2Aを開いたときにできる開口から本体ケーシング2に対して着脱可能に装着される構成となっている。このプロセスカートリッジ8は、ドラムユニット9と、現像カートリッジ10とから構成されている。

[74]

 ドラムユニット9は、感光体ドラム11と、帯電器13と、転写ローラ14とを主に備えている。

[75]

 現像カートリッジ10は、ドラムユニット9に対して着脱自在となっており、ドラムユニット9に装着された状態、すなわち、プロセスカートリッジ8として本体ケーシング2に対し着脱可能に装着されるように構成されている。この現像カートリッジ10は、ブラシローラ31と、掻取部材の一例としてのブレード35と、筐体54とを主に備えている。筐体54は、現像剤の一例としてのトナーTを収容するトナー収容部71と、トナー収容部71の後側に配置され、ブラシローラ31やブレード35が設けられる現像部70とを有している。なお、現像カートリッジ10の構成については、後で詳述する。

[76]

 プロセスカートリッジ8では、感光体ドラム11の表面が、帯電器13により一様に帯電された後、露光装置12からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム11上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、現像カートリッジ10のトナー収容部71内のトナーTは、ブラシローラ31に供給される。そして、ブラシローラ31の回転に伴って、ブレード35がブラシローラ31上の余分なトナーTを掻き取り、ブラシローラ31に担持されるトナー量が規制される。

[77]

 ブラシローラ31上に担持されたトナーTは、ブラシローラ31から感光体ドラム11上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム11と転写ローラ14の間を用紙Sが搬送されることで感光体ドラム11上のトナー像が用紙S上に転写される。

[78]

 定着装置8は、プロセスカートリッジ8の後方に配置され、加熱ローラ22と、この加熱ローラ22を押圧する加圧ローラ23とを主に備えている。この定着装置8では、用紙S上に転写されたトナー像を、用紙Sが加熱ローラ22と加圧ローラ23との間を通過する間に熱定着させている。トナー像が熱定着された用紙Sは、排紙ローラ25によって排紙トレイ24上に排出される。

[79]

 そして、プロセスカートリッジ8が本体ケーシング2に装着された状態において、定着装置8、感光体ドラム11、ブラシローラ31およびトナー収容部71は、本体ケーシング2の奥側からこの順で並び、略同じ高さに配置されている。このように各部材を配置することにより、本体ケーシング2の高さ方向の大きさを抑えることが可能となっている。

[80]

 <現像カートリッジの詳細構成>

[81]

 次に、現像カートリッジ10の構成について詳しく説明する。

[82]

 図2に示すように、現像カートリッジ10の筐体54は、後方に開口を有する容器として形成され、前述したトナー収容部71と、現像部70とを有している。

[83]

 そして、現像カートリッジ10は、トナー収容部71に第1搬送部材41および第2搬送部材45を備え、現像部70にブラシローラ31、ブレード35、撹拌部材の一例としてのオーガ50および戻し搬送部材51を備えている。

[84]

 トナー収容部71は、略円筒状に形成された第1トナー収容部72と、略円筒状に形成された第2トナー収容部73とが連なって形成されている。具体的に、第2トナー収容部73は、第1トナー収容部72の後側に配置され、第1トナー収容部72と略同じ高さに設けられている。そして、第1トナー収容部72と第2トナー収容部73は、それぞれの下壁同士と上壁同士が繋がっており、内部が連通している。

[85]

 現像部70は、トナー収容部71の下壁55の後端から連続して後方へ延びる底壁86と、第2トナー収容部73の上方においてトナー収容部71の上壁62の上面から後斜め上方へ延びる固定壁66とを有している。この現像部70は、前部が、第2トナー収容部73の後部を構成する区画壁58により構成されている。つまり、区画壁58により、トナー収容部71と現像部70が区画されている。

[86]

 区画壁58は、トナー収容部71の上壁62と下壁55を繋ぐように形成され、後方に凸となる円弧形状を有している。

[87]

 区画壁58には、上下方向における略中央部から後方へ延びる壁の一例としての仕切り61が設けられている。これにより、現像部70の区画壁58寄りの空間が仕切り61によって区切られ、仕切り61と底壁86の間が供給部67、仕切り61と固定壁66の間が回収部68となっている。

[88]

 仕切り61は、先端が根元部分よりも高い位置に配置され、区画壁58に近づくにつれて上面が下方に位置するように水平面に対して傾斜している。

[89]

 第1搬送部材41は、第1トナー収容部72に設けられている。第1搬送部材41は、筐体54に回転可能に支持される第1ベース部43と、第1ベース部43に固定された可撓性を有する第1シート部材44とから構成されている。

[90]

 この第1搬送部材41は、第1ベース部43が図2における時計回りに回転することで、第1シート部材44の先端が第1トナー収容部72の内面に摺接可能となっている。これにより、第1搬送部材41によって、第1トナー収容部72内のトナーTが撹拌されるとともに、第1トナー収容部72内のトナーTが第2トナー収容部73に搬送されるようになっている。

[91]

 第2搬送部材45は、第2トナー収容部73に設けられている。第2搬送部材45は、筐体54に回転可能に支持される第2ベース部46と、第2ベース部46に固定された可撓性を有する第2シート部材47とから構成されている。

[92]

 この第2搬送部材45は、第2ベース部46が図2における時計回りに回転することで、第2シート部材47の先端が第2トナー収容部73の内面に摺接可能となっている。また、第2搬送部材45は、回転することにより、第2トナー収容部73内のトナーTを右側から左側へ向けて搬送するように構成されている(図3(a)参照)。これにより、第2搬送部材45によって、第2トナー収容部73内のトナーTが撹拌されるとともに、第2トナー収容部73内のトナーTを左側に寄せて後述する163から現像部70へ供給するようになっている。

[93]

 ブラシローラ31は、円柱状に形成されたローラ本体32と、ローラ本体32の外周面に繊維が植設されてなるブラシ層33とを有している。このブラシローラ31は、後部が筐体54の開口を通して筐体54の外側に露出するように配置され、筐体54に回転可能に支持されている。このように設けられたブラシローラ31は、筐体54から露出している部分が感光体ドラム11に接触可能となっている。

[94]

 そして、ブラシローラ31は、下部が供給部67内のトナーTに接触している。具体的に、ブラシローラ31は、仕切り61の後側に設けられ、ブラシ層33が、供給部67や回収部68に臨むように設けられている。仕切り61は、ブラシ層33との間に隙間をあけた状態でブラシローラ31に近接している。

[95]

 なお、仕切り61とブラシ層33の間隔は、例えば、ブラシローラ31の繊維が1mmである場合、仕切り61の先端と、この先端と対向する繊維の先端との距離が0~3mm、より望ましくは、0~1mmとなるように設定されている。

[96]

 ブレード35は、ブラシローラ31の軸線方向に沿って延びる板状に形成されている。ブレード35は、ブラシローラ31の上方で固定壁66に固定されており、この固定された位置から下方に延びて、先端が、ブラシローラ31の前側に位置している。そして、ブレード35は、先端がブラシローラ31側へ屈曲し、ブラシ層33内に進入している。

[97]

 具体的に、ブレード35の先端は、ブラシローラ31に対し、回収部68内、つまり、ブラシローラ31が供給部67内のトナーTと対面する位置よりも上で接触している。そして、仕切り61は、ブレード35がブラシローラ31に接触する位置よりも下に配置されている。

[98]

 オーガ50は、供給部67内に設けられ、ブラシローラ31の表面や後述する供給口74に対面するように配置されている。オーガ50は、回転することで、供給部67内のトナーTを撹拌しながら、左方から右方へ移動させて、ブラシローラ31に均一に供給するように構成されている。

[99]

 戻し搬送部材51は、ブレード35の近傍、つまり、回収部68内に設けられている。戻し搬送部材51は、筐体54に回転可能に支持される第3ベース部52と、第3ベース部52に固定された可撓性を有する第3シート部材53とから構成されている。

[100]

 この戻し搬送部材51は、第3ベース部52が図2における反時計回りに回転することで、第3シート部材53が先端を仕切り61や区画壁58に摺接させながら移動可能となっている。これにより、戻し搬送部材51によって、ブレード35が掻き取ったトナーTが後述する第2戻し口65から第2トナー収容部73に向けて搬送されるようになっている。

[101]

 図3(a)に示すように、区画壁58には、供給部67に対面する位置に、第2トナー収容部73と供給部67を連通させる供給口74と第1戻し口75が形成されている。

[102]

 供給口74は、区画壁58の左端部に設けられている。また、第1戻し口75は、区画壁58の右端部に設けられている。

[103]

 そして、第2搬送部材45の第2シート部材47は、左右方向に並ぶ複数の第1シート48と第2シート49とを有している。複数の第1シート48は、第2搬送部材45が回転したときに、トナーTを右方から左方へ搬送可能なように、先端が第2搬送部材45の回転軸に対して傾斜している。そして、第2シート49は、左右方向において供給口74に対応する位置に配置されている。第2シート49は、第2トナー収容部73内のトナーTを供給口74に向けて真っ直ぐに搬送できるように、先端が第2搬送部材45の回転軸と略平行になっている。

[104]

 また、区画壁58には、図3(b)に示すように、回収部68に対面する位置に、第2トナー収容部73と回収部68を連通させる第2戻し口65が形成されている。第2戻し口65は、区画壁58の左端部から右端部にわたって設けられている。この第2戻し口65は、図2に示すように、下端縁が仕切り61の根元部分付近に形成されている。

[105]

 そして、このような第2戻し口65を設けることにより、筐体54に第2戻し口65から第2トナー収容部73を経由して供給口74へ繋がる戻し経路69が形成されている。

[106]

 以上のように構成された現像カートリッジ10の作用および効果について説明する。

[107]

 図3(a)に示すように、第1搬送部材41および第2搬送部材45が回転すると、トナー収容部71内のトナーTが供給口74側へ寄せられて、供給口74から現像部70の供給部67へ供給される。

[108]

 供給部67に供給されたトナーTは、オーガ50の回転にともなって、供給部67内を左方から右方へ移動し、供給部67全体に広がる。なお、ブラシ層33に供給されなかったトナーTは、供給部67の右端まで移動した後、第1戻し口75から第2トナー収容部73へ戻される。

[109]

 供給部67内に第2トナー収容部73から大量のトナーTが供給された場合、図2に示すように、仕切り61により供給部67内のブラシローラ31近傍におけるトナーTの水位を抑制することができる。これにより、供給部67内のトナーTが回収部68内に進入し、ブレード35のブラシローラ31に接触している部分周辺が、トナーTで埋まってしまうのを抑制することができる。

[110]

 ブラシローラ31が回転すると、供給部67内のトナーTに対面したときに、ブラシ層33にトナーTが供給される。供給部67内のトナーTは、オーガ50によって供給部67全体に広がっているので、左右方向において、ブラシローラ31に略均一にトナーTが供給される。

[111]

 そして、トナーTを保持したブラシ層33は、仕切り61の先端に対面する。このとき、ブラシ層33上に過剰なトナーTが載っていた場合、この過剰なトナーTが仕切り61に接触してある程度掻き落とされる。

[112]

 ブラシローラ31がさらに回転すると、仕切り61の先端と対面する位置を通過したブラシ層33にブレード35が接触し、ブラシ層33に保持される余分なトナーTが、ブレード35によって掻き取られる。

[113]

 このとき、本実施形態では、前述したように、供給部67と回収部68の間に仕切り61が設けられていることにより、ブラシローラ31とブレード35の接触部分がトナーTで埋まらず、また、ブレード35によってブラシ層33のトナーTを掻き取る前に、仕切り61によってある程度のトナーTが掻き落とされている。これにより、ブラシローラ31とブレード35の接触部分近傍にトナーTが過剰に存在していないので、ブレード35によって、ブラシ層33が保持する余分なトナーTを良好に掻き取ることができる。

[114]

 そして、ブレード35に掻き取られたトナーTは、仕切り61の上に落下する。仕切り61の上に落ちたトナーTは、第2戻し口65から第2トナー収容部73に戻され、第2トナー収容部73内のトナーTと混ぜ合わされる。つまり、ブレード35によって掻き取られたトナーTは、直接供給部67へ戻らず、トナー収容部71を経由する戻し経路69を通って、再び供給部67に供給される。これにより、掻き取られたトナーTがブレード35の近傍や現像部70内で滞留せず、トナーTを筐体54内で循環させることができる。

[115]

 また、回収部68には、戻し搬送部材51が設けられているので、ブレード35に掻き取られたトナーTを戻し経路69に向けて移動させやすい。そして、仕切り61の上面が第2戻し口65に向けて下るように傾斜しているので、仕切り61のトナーTを第2戻し口65へ向けて移動させやすい。

[116]

 ところで、前記した第1実施形態においては、供給口74が区画壁58の左端部に設けられ、第1戻し口75が区画壁58の右端部に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、供給口74が区画壁58の右端部に設けられ、第1戻し口75が区画壁58の左端部に設けられていてもよい。

[117]

 また、例えば、図4に示すように、供給口74は、区画壁58の左右方向における略中央部に設け、第1戻し口75は、区画壁58の左右両端部に設けてもよい。

[118]

 この場合、第2搬送部材45は、第2トナー収容部73内のトナーTを左右方向両端部から中央部へ搬送するように構成されている。そして、第2搬送部材45の第2シート部材47の左右方向において供給口74に対応する部分は、中央部に集められたトナーTを供給口74へ向けて搬送可能に形成されている。

[119]

 そして、前記した第1実施形態においては、第2トナー収容部73と現像部70の供給部67を連通させる開口として、供給口74と第1戻し口75とを設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、区画壁58の供給部67に対応する位置には、1つの大きな連通口76が設けられていてもよい。

[120]

 具体的には、連通口76は、区画壁58の左端部から右端部にわたって設けられている。そして、第2搬送部材45は、第2トナー収容部73内のトナーTを左右方向におけるどの位置においても、供給部67へ向けて真っ直ぐに搬送可能なように構成されている。

[121]

 また、この場合、供給部67には、前記した第1実施形態におけるオーガ50のようなトナーTの左右方向への搬送を行う構成を有していない撹拌部材77が設けられていてもよい。撹拌部材77は、回転軸線から径方向へずれた位置に配置されるバー78を有している。バー78は、ブラシローラ31の軸線方向に沿って長く形成されている。そして、撹拌部材77が回転することで、バー78が回転軸線を中心に供給部67内を図5(a)における時計回りに旋回し、供給部67内のトナーTを撹拌するようになっている。

[122]

 そして、前記した第1実施形態では、仕切り61(壁)が板状に形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、壁は、区画壁58または現像部70の左右の側壁から延びる複数の棒状部材がわずかな隙間をあけて並べられることにより構成されていてもよい。

[123]

 [第2実施形態]

[124]

 次に、本発明の第2実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。第2実施形態においては、供給部と回収部を仕切る壁が、トナー収容部と現像部を区画する壁により構成されている。なお、本実施形態では、前記した第1実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付して、その説明を省略することとする。

[125]

 図6に示すように、現像カートリッジ10Aの筐体80は、トナー収容部81と、トナー収容部81の後側に設けられる現像部82とを有している。そして、トナー収容部81内には、搬送部材92が設けられ、現像部82内には、ブラシローラ31、ブレード35およびオーガ50が設けられている。

[126]

 トナー収容部81は、略円筒状に形成されている。そして、トナー収容部81の後部を構成する壁は、トナー収容部81と現像部82を区画する区画壁83となっている。区画壁83は、現像部82側へ突出した形状を有しており、現像部82の区画壁83寄りの空間を、供給部84と、供給部84の上に配置される回収部85とに分けている。

[127]

 具体的には、現像部82は、トナー収容部81の下部から後方へ延出する底壁86と、トナー収容部81の上部から後方へ延出する固定壁87とを有している。そして、供給部84は、略円筒状に形成されており、前部がトナー収容部81に入り込んでいる。つまり、区画壁83は、下部が前方へ凸となる円弧状になっており、上部が後方へ凸となる円弧状になっている。そして、この2つの円弧が接続され、下側を向く面を有する角部88(壁)は、上下方向において、現像部82に設けられているブレード35とオーガ50の間に配置されている。

[128]

 また、区画壁83の角部88は、ブレード35がブラシローラ31に接触する位置よりも下でブラシローラ31と対面している。この角部88は、ブラシローラ31のブラシ層33との間に隙間をあけた状態でブラシローラ31に近接している。

[129]

 そして、区画壁83の角部88がブラシ層33との間に隙間を空けて配置されているので、区画壁83とブラシローラ31の間に、ブレード35が掻き取ったトナーTを供給部84に戻すための戻し経路89が形成されている。

[130]

 区画壁83には、供給部84に対応する位置に、供給部84とトナー収容部81とを連通させる供給口90と戻し口91とが形成されている。供給口90は、区画壁83の左端部に設けられ、上方に向けて開口している。戻し口91は、区画壁83の右端部において、供給口90より下、より詳細には、供給部84の下部に設けられている。

[131]

 搬送部材92は、筐体80に回転可能に支持されるベース部93と、ベース部93に固定された可撓性を有するシート部材94とから構成されている。

[132]

 この搬送部材92は、ベース部93が図6(a)における反時計回りに回転することで、シート部材94の先端がトナー収容部81の内面に摺接可能となっている。また、搬送部材92は、回転することにより、トナー収容部81内のトナーTを右方から左方へ向けて搬送するように構成されている。これにより、搬送部材92によって、トナー収容部81内のトナーTが撹拌されるとともに、トナー収容部81内のトナーTを左側へ寄せて供給口90から供給部84へ供給するようになっている。

[133]

 以上のように構成された現像カートリッジ10Aの作用および効果について説明する。

[134]

 搬送部材92が回転すると、トナー収容部81内のトナーTが供給口90から供給部84に供給される。そして、供給部84に供給されたトナーTは、オーガ50の回転にともなって供給部84内を左方から右方へ移動し、供給部84全体に広がる。そして、ブラシ層33に供給されなかったトナーTは、供給部84の右端まで移動した後、戻し口91からトナー収容部81に戻される。

[135]

 供給部84に大量のトナーTが供給された場合、供給部84のトナーTの水位は、区画壁83の角部88によって抑制される。これにより、現像部82内のトナーTが回収部85に進入し、ブレード35がブラシローラ31に接触する位置がトナーTで埋まるのを抑制することができるので、ブレード35によってブラシ層33が保持するトナーTを良好に掻き取ることができる。

[136]

 そして、ブレード35によって掻き取られたトナーTは、戻し経路89を通って供給部84に落ちる。供給部84に落ちたトナーTは、供給部84内のトナーTと混ざり、再びブラシローラ31に供給されるか、戻し口91からトナー収容部81に戻される。

[137]

 前記した第2実施形態においては、供給口90と戻し口91が別々に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、区画壁83には、左右方向に長い開口が設けられ、この開口を通してトナー収容部81のトナーTが供給部84へ供給され、供給部84のトナーTがトナー収容部81へ移動するように構成されていてもよい。

[138]

 前記実施形態において、現像カートリッジ10、10’は、トナー収容部71、81と現像部70、82とを区画する区画壁58、83を有していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像カートリッジは、筐体内の空間を分ける壁として、トナー収容部と現像部を区画する区画壁は有さず、ブラシローラ31周辺の空間を上下に分ける壁のみが設けられている構成であってもよい。

[139]

 前記実施形態において、現像カートリッジ10、10’は、トナー収容部71、81と現像部70、82は、一体になっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像カートリッジは、現像部と、現像部に対して着脱可能なトナー収容部とから構成されていてもよい。なお上述した図1~図6にかかる実施の形態により、上述した第1の目的が達成できる。

[140]

 [第3実施形態]

[141]

 次に、本発明の第3実施形態について、図7乃至図9参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、現像装置の一例としての現像カートリッジ110が備えられているカラープリンタ101の全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。

[142]

 以下の説明において、方向は、カラープリンタ101の使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図7において、紙面に向かって左側を「前側(手前側)」、紙面に向かって右側を「後側(奥側)」とし、紙面に向かって手前側を「右側」、紙面に向かって奥側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
<カラープリンタの全体構成>

[143]

 図に示すように、カラープリンタ101は、装置本体102と、用紙Pを供給する給紙部103と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部107と、画像が形成された用紙Pを排出する排出ローラ125とを主に備えている。

[144]

 装置本体102の上部には、装置本体102から排出された用紙Pが載置される排出トレイ124が設けられている。

[145]

 給紙部103は、装置本体102内の下部に設けられ、装置本体102に着脱可能に装着される給紙トレイ104と、給紙トレイ104から用紙Pを画像形成部107の転写位置(中間転写ベルト117と2次転写ローラ118との間)に搬送する給紙機構106とを備えている。給紙トレイ104内の用紙Pは、給紙機構106によって1枚ずつ分離されて転写位置に搬送される。

[146]

 画像形成部107は、4つの感光ドラム111と、図示しない帯電器と、4つの現像カートリッジ110と、4つのLEDユニット112と、転写ユニット114と、定着ユニット121とから主に構成されている。

[147]

 感光ドラム111は、後述する中間転写ベルト117の下方で、中間転写ベルト117に対向して前後方向に並列配置されている。感光ドラム111は、その上部において中間転写ベルト117を介して1次転写ローラ119と接している。

[148]

 現像カートリッジ110は、図8に示すように、ブラシローラ131を主に備え、内部に現像剤の一例としてのトナーTを収容している。図7に戻り、4つの現像カートリッジ110は、4つの感光ドラム111の下方に配置され、4つの感光ドラム111のそれぞれに対応して設けられている。なお、現像カートリッジ110の詳細構成については後述する。

[149]

 4つのLEDユニット112は、複数の感光ドラム111にそれぞれ対応して設けられている。各LEDユニット112は、対応する感光ドラム111の下方に対向して配置され、画像データに基づいて発光部を明滅させることで、感光ドラム111の表面を露光するようになっている。

[150]

 転写ユニット114は、4つの感光ドラム111と排出トレイ124との間に設けられ、駆動ローラ115と、従動ローラ116と、駆動ローラ115および従動ローラ116の間に張設された無端状の中間転写ベルト117と、中間転写ベルト117を介して感光ドラム111と対向配置された4つの1次転写ローラ119と、中間転写ベルト117を介して駆動ローラ115と対向配置された2次転写ローラ118と、中間転写ベルト117の上方に配置された中間転写ベルト117上のトナーTを除去するクリーニング部120とを備えている。

[151]

 定着ユニット121は、中間転写ベルト117の後側上方に設けられ、加熱ローラ122と、加熱ローラ122と対向配置され加熱ローラ122を押圧する加圧ローラ123とを主に備えている。

[152]

 このように構成される画像形成部107では、まず、各感光ドラム111の表面が、帯電器により一様に帯電された後、LEDユニット112により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光ドラム111上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、現像カートリッジ110内のトナーTは、ブラシローラ131に担持されている。

[153]

 そして、感光ドラム111上に形成された静電潜像に、現像カートリッジ110のブラシローラ131からトナーTが供給される。これにより、静電潜像が可視像化されて感光ドラム111上にトナー像が形成される。そして、各感光ドラム111上に形成されたトナー像は、転写バイアスが印加された各1次転写ローラ119の作用により中間転写ベルト117上に順次重ね合わせて転写される。

[154]

 中間転写ベルト117に転写されたトナー像は、画像形成部107に供給された用紙Pが中間転写ベルト117と2次転写ローラ118の間を通過するときに、転写バイアスが印加された2次転写ローラ118の作用により用紙P上に転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着ユニット121に搬送されて、加熱ローラ122と加圧ローラ123との間を通過することでトナー像が熱定着される。トナー像が熱定着された用紙Pは、排出ローラ125によって装置本体102の外部に排出されて排出トレイ124に蓄積される。

[155]

 <現像カートリッジの詳細構成>

[156]

 次に、現像カートリッジ110の詳細な構成について説明する。

[157]

 図8に示すように、現像カートリッジ110は、トナーTを収容するトナー収容部171と、トナー収容部171の上方に配置される現像部170とが設けられた筐体154を備えている。

[158]

 また、現像カートリッジ110は、トナー収容部171に設けられた第1回転部材141および第2回転部材145と、現像部170に設けられたブラシローラ131、第1掻取部材の一例としての第1ブレード135および第2掻取部材の一例としての第2ブレード139とを主に備えている。

[159]

 トナー収容部171は、下部が略円筒状に形成された第1トナー収容部172と下部と前部が略円筒状に形成された第2トナー収容部173が連なって形成されている。具体的に、第2トナー収容部173は、第1トナー収容部172の前側に配置され、第1トナー収容部172よりも高い位置に設けられている。そして、第1トナー収容部172の底を構成する円弧状の底壁155と第2トナー収容部173の底を構成する円弧状の底壁156は、繋がっている。

[160]

 第1回転部材141は、第1トナー収容部172に設けられている。第1回転部材141は、筐体154に回転可能に支持される第1ベース部143と、第1ベース部143に固定された可撓性を有する第1シート部材144とから構成されている。

[161]

 この第1回転部材141は、第1ベース部143が図8における時計回りに回転することで、第1シート部材144が先端を第1トナー収容部172の内面に摺接させながら移動可能となっている。これにより、第1回転部材141によって、第1トナー収容部172内のトナーTが撹拌されるとともに、第1トナー収容部172内のトナーTが第2トナー収容部173に搬送されるようになっている。

[162]

 第2回転部材145は、第2トナー収容部173に設けられている。第2回転部材145は、筐体154に回転可能に支持される第2ベース部146と、第2ベース部146に固定された可撓性を有する第2シート部材147とから構成されている。

[163]

 この第2回転部材145は、第2ベース部146が図8における時計回りに回転することで、第2シート部材147が先端を第2トナー収容部173の内面に摺接させながら移動可能となっている。これにより、第2回転部材145によって、第2トナー収容部173内のトナーTが撹拌されるとともに、第2トナー収容部173内のトナーTを持ち上げて、当該トナーTを後述する第1連通口163から現像部170へ供給するようになっている。

[164]

 現像部170は、トナー収容部171と現像部170を区画するとともに現像部170の底を構成する区画壁158と、第2トナー収容部173の前側壁の上端から連続して延びる前壁169と、第1トナー収容部172の後側壁の上端から連続して延びる固定壁166とを有している。

[165]

 区画壁158は、後述するブラシローラ131の下方から前斜め上に延びて、ブラシローラ131の前方まで延びている。そして、区画壁158の前端と前壁169との間が、第2トナー収容部173と現像部170を連通する第1連通口163となっている。また、区画壁158の後端と固定壁166との間が、第1トナー収容部172と現像部170を連通する第2連通口164となっている。

[166]

 そして、現像部170には、区画壁158と後述する第2ブレード139の上に、第1連通口163から供給されたトナーTが貯留されて、トナー溜まりT1が形成されている。

[167]

 ブラシローラ131は、図9に示すように、円柱状のローラ本体132と、ローラ本体132の外周面に複数の繊維134が植設されてなるブラシ層133とを有している。

[168]

 ブラシローラ131は、図8に示すように、区画壁158の上に形成されたトナー溜まりT1に接触するように配置され、筐体154に対して回転可能に支持されている。そして、ブラシローラ131は、図8における反時計回りに回転することで、ブラシ層133にトナー溜まりT1からトナーTが供給されるようになっている。

[169]

 つまり、トナー収容部171内のトナーTを現像部170に供給する第1回転部材141および第2回転部材145と、現像部170内のトナー溜まりT1とが、トナーTをブラシローラ131の表面に供給するように構成された供給手段となっている。

[170]

 また、ブラシローラ131は、現像部170の上部に形成された開口から筐体154の外に露出しており、この露出した部分が感光ドラム111に接触している。

[171]

 第1ブレード135は、ブラシローラ131の後側に設けられ、トナー溜まりT1からブラシローラ131にトナーTが供給される供給位置よりもブラシローラ131の回転方向下流側、かつ、ブラシローラ131から感光ドラム111にトナーTを供給する供給位置よりもブラシローラ131の回転方向上流側で、ブラシローラ131に接触している。そして、第1ブレード135は、ブラシローラ131のブラシ層133に保持されるトナーTを掻き取って、ブラシローラ131におけるトナーTの担持量を規制するように構成されている。

[172]

 具体的に、第1ブレード135は、図9に示すように、ブラシローラ131の回転軸線に直交する断面において、略L字状に形成された薄板状の板金であり、固定壁166に支持される掻取部材本体部の一例としてのブレード本体136と、ブレード本体136の先端からブラシローラ131に向かって屈曲するように設けられた規制部137とを有している。つまり、ブレード本体136と規制部137とは、継ぎ目なく一体に接続されている。

[173]

 また、第1ブレード135には、ブレード本体136の先端から規制部137にかけて、曲げ加工がなされている。つまり、ブレード本体136と規制部137の間の角部が曲線状に形成されている。

[174]

 ブレード本体136は、固定壁166側の基端から先端に向かう方向がブラシローラ131の回転方向とは反対側に向くように設けられている。

[175]

 規制部137は、ブレード本体136の先端からブラシローラ131の回転軸側に突出しており、ブラシ層133内に進入するように設けられている。このように規制部137が設けられることにより、規制部137がブラシ層133に食い込んで、第1ブレード135によってブラシローラ131上のトナーTを良好に掻き取ることが可能となっている。

[176]

 また、図8に示すように、第1ブレード135は、第2連通口164の上でブラシローラ131に接触している。これにより、第1ブレード135が掻き取ったトナーTが、第2連通口164から第1トナー収容部172に落ちるようになっている。

[177]

 第2ブレード139は、ブラシローラ131の下側に設けられ、トナー溜まりT1からブラシローラ131にトナーTが供給される供給位置よりもブラシローラ131の回転方向下流側、かつ、第1ブレード135よりもブラシローラ131の回転方向上流側でブラシローラ131に接触している。そして、第2ブレード139は、ブラシローラ131のブラシ層133に保持されるトナーTを掻き取るように構成されている。

[178]

 具体的に、第2ブレード139は、樹脂等から形成された薄板であり、区画壁158の後端に支持されている。第2ブレード139は、区画壁154側の基端から先端に向かう方向が、ブラシローラ131の回転方向下流側を向いてブラシローラ131に向かって延びており、先端がブラシ層133内に進入している。なお、第2ブレード139は、上下方向から見て、第1ブレード135と重ならない位置、すなわち、前後にずれた位置に配置されている。

[179]

 また、第2ブレード139の先端は、ブラシローラ131の軸線方向、すなわち、左右方向に一直線状に延び、左右方向においてブラシローラ131の表面に連続的に接触している。

[180]

 そして、第2ブレード139によるブラシローラ131上のトナーTの掻取能力は、第1ブレード135によるブラシローラ131上のトナーTの掻取能力よりも小さくなっている。

[181]

 具体的には、第1ブレード135の規制部137は、図9に示すように、第2ブレード139よりもブラシローラ131のブラシ層133に深く進入している。このように構成することにより、簡単な構成で第2ブレード139の掻取能力を第1ブレード135の掻取能力よりも小さくすることが可能となっている。

[182]

 また、ブラシローラ131の回転軸線に直交する断面において、第2ブレード139のブラシ層133に進入している部分のうちトナーTを掻き取る側の面140(ブラシローラ131の回転方向上流側を向く面)は、第1ブレード135の規制部137のブラシ層133に進入している部分のうちトナーTを掻き取る側の面138(ブラシローラ131の回転方向上流側を向く面)よりも、ブラシローラ131の回転方向に対する角度が大きくなっている。なおここで、回転方向に対する角度とは、ブレード135、139とブラシ層133とが交差する位置において、ブラシ層133の先端をつなぐ仮想円の接線と、ブラシに侵入しているブレード部位であってブラシローラ131の回転方向上流側を向いている面138、140とのなす角度である。

[183]

 詳細には、第2ブレード139のブラシ層133に進入している部分のうちトナーTを掻き取る側の面140と、ブラシローラ131の繊維134の先端同士を繋ぐ仮想的な円と面140とが交差する点における当該円の接線S1とのなす角のうちブラシローラ131の回転方向上流側の角度をαとする。また、第1ブレード135のブラシ層133に進入している部分のうちトナーTを掻き取る側の面138と、前記した仮想的な円と面138とが交差する点における当該円の接線S2とのなす角のうちブラシローラ131の回転方向上流側の角度をβとする。各角度の関係は、α>βとなっている。つまり、第2ブレード139は、第1ブレード135に比べて先端がブラシローラ131の回転方向下流側を向いている。

[184]

 以上のように構成された現像カートリッジ110の作用および効果について説明する。図8に示すように、第1回転部材141および第2回転部材145が回転すると、トナー収容部171内のトナーTが第1連通口163を通って現像部170に供給される。現像部170に供給されたトナーTは、ブラシローラ131に供給され、ブラシ層133に担持される。

[185]

 そして、ブラシローラ131が回転すると、ブラシ層133に担持されたトナーTが、まず第2ブレード139によって少し掻き取られた後、第1ブレード135によってさらに掻き取られる。

[186]

 このように、第1ブレード135および第2ブレード139でブラシローラ131上のトナーTを掻き取ることにより、ブラシローラ131上のトナーTを掻き取る部材を1つだけ設ける場合に比べて、ブラシローラ131に載っている余分なトナーTを十分に掻き取ることができる。これにより、ブラシローラ131上のトナーTの掻き取りが不十分なときに生じるかぶりを低減することができる。

[187]

 また、第1ブレード135は、ブレード本体136の先端部から規制部137にかけて、曲げ加工がなされているため、ブラシローラ131の回転に伴ってブラシ層133が移動することでブラシローラ131と第1ブレード135の規制部137で回転抵抗が発生したときに、規制部137がブラシ層133により一層進入するような力が第1ブレード135に作用する。これにより、第1ブレード135によってブラシローラ131上のトナーTを良好に掻き取ることができる。

[188]

 また、第2ブレード139による掻取能力を第1ブレード135による掻取能力よりも小さくしてあるので、掻取能力の小さい第2ブレード139で最初にある程度のトナーTを掻き取った状態で、第1ブレード135で掻き取ることができる。これにより、ブラシローラ131にかかる負荷を大きくすることなく、十分にトナーTを掻き取って、トナーTの担持量を規制することができる。

[189]

 そして、第2ブレード139によって掻き取られたトナーTは、トナー溜まりT1またはトナー収容部171に戻る。

[190]

 また、第1ブレード135によって掻き取られたトナーTは、第2連通口164を通ってトナー収容部171に戻される。これにより、第1ブレード135と第2ブレード139との間に第1ブレード135が掻き取ったトナーTが溜まらないので、第1ブレード135が掻き取ったトナーTがブラシローラ131に再付着するのを抑制することができる。これにより、ブラシローラ131へのトナーTの供給過剰を抑制することができる。

[191]

 そして、現像部170からトナー収容部171に戻されたトナーTは、第1回転部材141によってトナー収容部171内のトナーTと混合される。

[192]

 なお、上下方向から見て、第2ブレード139が第1ブレード135と重ならない位置に設けられているので、第1ブレード135によって掻き取られたトナーTは、第2ブレード139に載らずにトナー収容部171に落下することができる。。

[193]

 第3実施形態では、第2掻取部材として薄板状に形成された第2ブレード139を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10(a)に示すように、第2掻取部材139Aは、ブラシローラ131のブラシ層133内に進入するように設けられた円柱状の部材であってもよい。

[194]

 具体的に、第2掻取部材139Aは、第1ブレード135の規制部137よりもブラシ層133に浅く進入している。また、ブラシローラ131の回転軸線に直交する断面において、第2掻取部材139Aのブラシ層133に進入している部分のうちトナーTを掻き取る側の面140Aは、第1ブレード135の規制部137のブラシ層133に進入している部分のうちトナーTを掻き取る側の面138よりも、ブラシローラ131の回転方向に対する角度が大きくなっている。

[195]

 また、図10(b)に示すように、第2掻取部材139Bは、ブラシローラ131のブラシ層133内に進入するように設けられた三角柱状の部材であってもよい。 具体的に、第2掻取部材139Bは、1つの角部がブラシ層133内に進入するように設けられている。また、第2掻取部材139Bは、第1ブレード135の規制部137よりもブラシ層133に浅く進入している。そして、ブラシローラ131の回転軸線に直交する断面において、第2掻取部材139Bのブラシ層133に進入している部分のうちトナーTを掻き取る側の面140Bは、第1ブレード135の規制部137のブラシ層133に進入している部分のうちトナーTを掻き取る側の面138よりも、ブラシローラ131の回転方向に対する角度が大きくなっている。

[196]

 以上のような第2掻取部材139A、139Bを設けても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。

[197]

 第3実施形態では、上下方向から見て、第2ブレード139が第1ブレード135に重ならない位置に配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10(c)に示すように、第2ブレード139Cは、上下方向から見て、第1ブレード135に重なる位置に配置されていてもよい。

[198]

 具体的には、第2ブレード139Cは、略L字状に形成された板金であり、筐体154の固定壁166に支持されている。第2ブレード139Cは、基端部から第1ブレード135の下方を通ってブラシローラ131の下まで延びる第2ブレード本体139C1と、第2ブレード本体139C1の先端部からブラシローラ131に向けて延び、第1ブレード135よりもブラシローラ131の回転方向上流側でブラシ層133内に進入する第2規制部139C2とを有している。

[199]

 そして、第2ブレード本体139C1には、上下方向から見て第1ブレード135の規制部137と重なる位置に、上下方向に貫通する開口139C3が形成されている。より詳細には、規制部137のブラシローラ131との接触部の下に開口139C3が形成されている。これにより、第1ブレード135がブラシローラ131から掻き取ったトナーTが、開口139C3を通してトナー収容部171に落下することが可能となっている。

[200]

 また、図11に示すように、ブラシローラ131の回転軸線に直交する断面において、第2ブレード139Cのブラシローラ131の繊維134に接触する部分の曲率は、第1ブレード135の繊維134に接触する部分の曲率よりも小さくなっている。これにより、第2ブレード139Cによるブラシローラ131上のトナーTの掻取能力は、第1ブレード135によるブラシローラ131上のトナーTの掻取能力よりも小さくなる。

[201]

 第3実施形態では、第2ブレード139は、先端が左右方向に一直線状に延びるように形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、第2ブレード139Dは、先端が櫛歯状に形成されていてもよい。

[202]

 具体的には、第2ブレード139Dは、ブラシローラ131の軸線方向に沿って延び、筐体154(区画壁158の後端)に支持される本体部140Dと、本体部140Dの軸線方向における複数箇所からブラシローラ131に向けて突出する複数の突出部184とを有し、複数の突出部184がブラシ層133内に進入するように設けられている。

[203]

 このように第2ブレード139Dのブラシ層133内に進入する部分が櫛歯状に形成されていると、この第2ブレード139Dによって、ブラシ層133内のトナーTを掻き出すことができるので、ブラシ層133でのトナーTの詰まりを低減することができる。

[204]

 第3実施形態では、筐体154とは別体の第2ブレード139(第2掻取部材)が区画壁158に固定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2掻取部材は、図13に示すように、筐体154の区画壁158の上面(壁面)からブラシローラ131に向けて突出するように、区画壁158と一体に形成される突起139Eであってもよい。

[205]

 このように筐体154と第2掻取部材(突起139E)を一体とすることで、部品点数を削減することができる。

[206]

 第3実施形態では、トナーTをブラシローラ131の表面に供給する供給手段として、第1回転部材141、第2回転部材145およびトナー溜まりT1を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、供給手段として、現像部170に設けられ、トナー溜まりT1とブラシローラ131に接触しながら回転する供給ローラを採用してもよい。このように供給ローラが設けられている場合には、ブラシローラ131はトナー溜まりT1から離間して設けられ、供給ローラの表面に載っているトナーTがブラシ層133に供給される。

[207]

 第3実施形態では、第1ブレード135のブレード本体136と規制部137とが継ぎ目なく一体に接続されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ブレード本体と規制部が別個に形成されており、規制部がブレード本体の先端部に固定されていてもよい。

[208]

 次に、ブラシローラを備えるレーザプリンタにおいて、ブラシローラを掻き取るブレードを2枚設けることで、ブレードが1枚の場合よりもかぶり(感光ドラム表面の露光されていない白地部分にトナーが載る不具合)が低減できるか否かを確認した実験について説明する。

[209]

 1.実施例および比較例

[210]

 実施例1および比較例1は、以下の通りとした。

[211]

 なお、各ブレードは、ブラシローラへのトナー供給位置よりもブラシローラの回転方向下流側、かつ、ブラシローラから感光ドラムにトナーを供給する供給位置よりもブラシローラの回転方向上流側で、ブラシローラに接触するように設けた。
(1)実施例1

[212]

 1つのブラシローラに対して金属製のブレード1枚と樹脂製のブレード1枚を当てた。第3実施形態に基づき樹脂製のブレードは、金属製のブレードよりもブラシローラの回転方向上流側でブラシローラに当たるように配置した。
(2)比較例1

[213]

 1つのブラシローラに対して実施例1と同じ金属製のブレード1枚のみを当てた。

[214]

 2.評価方法

[215]

 かぶりの確認は、以下のように行った。
(1)実施例1および比較例1それぞれにおいて、同じ条件で、印字前に所定時間ウォーミングアップ動作をした後(印字枚数ゼロ)、および、ウォーミングアップ動作後に所定のテストパターンを500枚、1000枚、1500枚、2000枚印字した後において、感光ドラム上の白地部分に付着しているトナーを粘着テープ(スコッチエンディングテープ810-3-18、販売元:住友スリーエム株式会社)に写し取った後、この粘着テープを普通紙(品番4200、Xerox株式会社製)に貼付した。

[216]

 なお、ウォーミングアップ動作では、ブラシローラが感光ドラムに接触した状態で、感光ドラムの表面を露光せずに一様に帯電させた状態で所定回数回転させている。
(2)(1)で粘着テープを貼付した普通紙を反射濃度計(グレタグマクベス株式会社製スペクトロリノ)を用いて反射濃度を測定した。
(3)トナーを写し取っていない粘着テープを貼付した普通紙についても(2)と同様に反射濃度を測定した。
(4)(2)で測定された反射濃度と(3)で測定された反射濃度の差を、各測定時における感光ドラム上の白地部分に付着したトナーの反射濃度とした。

[217]

 3.結果

[218]

 実験結果を図14に示す。なお、反射濃度が大きいほど、感光ドラム上の白地部分にトナーが載っていた、つまり、かぶりが多く発生していることになる。

[219]

 図8に示すように、実施例1および比較例1ともに、印字枚数が増えていくごとに反射濃度も増加しているが、実施例1では、比較例1に比べて、印字枚数が増えていったときの反射濃度の増加量が少なかった。

[220]

 これにより、ブラシローラのトナーを掻き取るブレードを1枚設けるよりも2枚設ける方が、かぶりを低減することができることがわかった。なお上述した図7~図14にかかる実施の形態により、上述した第2の目的が達成できる。

[221]

 [第4実施形態]

[222]

 次に、本発明の第4実施形態について、図15乃至図17を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、実施形態に係る現像装置の一例としての現像カートリッジ210が着脱されるレーザプリンタ201の概略構成について説明した後、本発明の特徴部分に係る現像カートリッジ210の詳細な構成について説明する。

[223]

 また、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ201を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。

[224]

 <レーザプリンタの概略構成>

[225]

 図15に示すように、レーザプリンタ201は、本体ケーシング20202内に、用紙Sを供給する給紙部203と、露光装置212と、用紙S上にトナー像を転写するプロセスカートリッジ208と、用紙S上のトナー像を熱定着する定着装置221とを主に備えている。

[226]

 給紙部203は、本体ケーシング202内の下部に設けられ、給紙トレイ204と、用紙押圧板205と、給紙機構206とを主に備えている。給紙トレイ204に収容された用紙Sは、用紙押圧板205によって上方に寄せられ、給紙機構206によってプロセスカートリッジ208(感光体ドラム211と転写ローラ214との間)に向けて供給される。

[227]

 露光装置212は、本体ケーシング202内の上部に配置され、図示されないレーザ発光部やポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。この露光装置212では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)が、感光体ドラム211の表面で高速走査されることで、感光体ドラム211の表面を露光する。

[228]

 プロセスカートリッジ208は、露光装置212の下方に配置され、本体ケーシング202に設けられたフロントカバー202Aを開いたときにできる開口から本体ケーシング202に対して着脱可能に装着される構成となっている。このプロセスカートリッジ208は、ドラムユニット209と、現像カートリッジ210とから構成されている。

[229]

 ドラムユニット209は、感光体ドラム211と、帯電器213と、転写ローラ214とを主に備えている。

[230]

 現像カートリッジ210は、ドラムユニット209に対して着脱自在となっており、ドラムユニット209に装着された状態、すなわち、プロセスカートリッジ208として本体ケーシング202に対し着脱可能に装着されるように構成されている。この現像カートリッジ210は、現像ローラの一例としてのブラシローラ231と、ブレード235と、搬送部材241とを主に備え、内部に現像剤の一例としてのトナーを収容している。

[231]

 プロセスカートリッジ208では、感光体ドラム211の表面が、帯電器213により一様に帯電された後、露光装置212からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム211上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、現像カートリッジ210内のトナーは、搬送部材241によって撹拌されながら、ブラシローラ231に供給される。そして、ブラシローラ231の回転に伴って、ブレード235がブラシローラ231上のトナーを掻き取り、ブラシローラ231に担持されるトナー量が規制される。

[232]

 ブラシローラ231上に担持されたトナーは、ブラシローラ231から感光体ドラム211上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム211上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム211と転写ローラ214の間を用紙Sが搬送されることで感光体ドラム211上のトナー像が用紙S上に転写される。

[233]

 定着装置221は、プロセスカートリッジ208の後方に配置され、加熱ローラ222と、加熱ローラ222と対向配置されて加熱ローラ222を押圧する加圧ローラ223とを主に備えている。この定着装置221では、用紙S上に転写されたトナー像を、用紙Sが加熱ローラ222と加圧ローラ223との間を通過する間に熱定着させている。トナー像が熱定着された用紙Sは、排紙ローラ225によって排紙トレイ224上に排出される。

[234]

 <現像カートリッジの詳細構成>

[235]

 次に、現像カートリッジ210の詳細な構成について説明する。

[236]

 図15に示すように、現像カートリッジ210は、現像部270と、現像部270の前方に設けられ、トナーを収容する現像剤収容部の一例としてのトナー収容部271とを有するフレーム254を備えている。

[237]

 また、現像カートリッジ210は、現像部270に収容されるブラシローラ231およびブレード235と、トナー収容部271に設けられる搬送部材241および可動部材の一例としてのシート部材280とを備えている。

[238]

 フレーム254は、後壁に開口を有する箱状に形成されている。フレーム254は、図16よび図17に示すように、フレーム254の底壁の前後方向における略中央部から上方、つまり、フレーム254の内部へ向けて突出する区画壁258を有している。

[239]

 具体的に、区画壁258は、後述するトナー収容部271の底を構成する略円弧状の底壁255の後端部において後斜め上方へ延びる第1区画壁259と、後述する現像部270の底を構成する略円弧状の底壁256の前端部において前斜め上方へ延びる第2区画壁260を有している。そして、第1区画壁259の上端と第2区画壁260の上端とは繋がっている。

[240]

 このように構成されたフレーム254の内側の空間は、区画壁258により区画されており、区画壁258よりも後方が現像部270、区画壁258よりも前方がトナー収容部271となっている。つまり、現像部270とトナー収容部271とは、区画壁258により区画されている。

[241]

 また、区画壁258の先端(上端)とフレーム254の上壁262との間には、現像部270とトナー収容部271を連通させる供給口263が区画壁258に隣接して設けられている。

[242]

 そして、フレーム254は、トナー収容部271内の上壁262から下方へ突出するリブ状の固定壁266を有している。

[243]

 固定壁266は、供給口263と後述する搬送部材241の軸部242との間、より詳細には、供給口263の近くに設けられている。固定壁266の下端(先端)は、供給口263の上下方向における中央部よりも上に配置されている。即ち、区画壁258の先端とフレーム254の上壁262との間の距離において、上壁262に近い側)に配置されている。

[244]

 ブラシローラ231は、図17(a)に示すように、円柱状のローラ本体232と、ローラ本体232の外周面に繊維を複数植設してなるブラシ層233を有している。

[245]

 ブラシローラ231は、現像部270内で第2区画壁260の後方に隣接して配置され、フレーム254に回転可能に支持されている。

[246]

 ブレード235は、ブラシローラ231の軸線方向に沿って延びる板状に形成され、フレーム254の上壁262に支持されている。ブレード235は、ブラシローラ231の上からブラシローラ231の前方(ブラシローラ231と供給口263の間)に延びている。そして、ブレード235は、先端がブラシローラ231側へ屈曲し、ブラシ層233内に進入している。

[247]

 これにより、ブレード235によってブラシ層233内のトナーを掻き取り、ブラシローラ231上のトナー量を規制することが可能となっている。

[248]

 搬送部材241は、回転することでトナー収容部271内のトナーを供給口263から現像部270へ供給するように構成されている。

[249]

 具体的に、搬送部材241は、軸部242と、フィルム取付部243と、搬送フィルム244とから構成されている。

[250]

 軸部242は、ブラシローラ231の軸線方向、すなわち、左右方向に沿って延びる軸であり、トナー収容部271の左右の側壁に回転可能に支持されている。

[251]

 フィルム取付部243は、軸部242から径方向外側に延び、先端部で搬送フィルム244を固定している。

[252]

 搬送フィルム244は、例えば樹脂からなり、基端がフィルム取付部243に貼着などによって固定され、撓みながら自由端がトナー収容部271の内面(底壁255、区画壁258および上壁262)に摺接するような大きさで形成されている可撓性部材である。

[253]

 この搬送フィルム244は、軸部242が回転することで、軸部242を中心に図17における時計回りに旋回するようになっている。つまり、搬送部材241は、搬送フィルム244の先端が区画壁258等に摺接しながら区画壁258および供給口263をこの順で通過するように回転するように構成されている。

[254]

 シート部材280は、図16(a)に示すように、樹脂等からなる可撓性を有するシートであり、左右方向に長い略矩形状に形成されている。

[255]

 シート部材280は、図17(b)に示すように、上壁262のうち供給口263と搬送部材241の軸部242の間に設けられる固定壁266の前面に貼着などにより固定されることで、フレーム254の上壁262に支持されている。そして、シート部材280は、上壁262から垂れ下がるように設けられており、供給口263と搬送部材241の軸部242の間で前後に揺動可能となっている。

[256]

 図16(a)に戻り、シート部材280は、先端の左右方向における複数箇所に、上方へ凹むように形成された切欠282が設けられている。つまり、シート部材280は、固定壁266に固定される本体部230と、本体部230の先端の左右方向における複数箇所から下方へ突出する複数の規制部281とを有し、櫛歯形状となっている。そして、シート部材280の隣接する規制部281の間が切欠282となっている。

[257]

 各切欠282は、略U字状に形成され、上端が上方へ向けて凸となる曲線状になっている。これにより、上端を直線状に形成する場合に比べて、切欠282を大きくすることが可能となっている。また、複数の切欠282は、左右方向に等間隔に並んで設けられている。

[258]

 複数の規制部281は、搬送部材241の回転軸線方向、すなわち、左右方向に沿って互いに間隔をあけて配置されている。また、複数の規制部281は、供給口263と搬送部材241の軸部242(回転軸線)の間に配置されている(図17(b)参照)。

[259]

 各規制部281は、先端が区画壁258の上端よりも下方に設けられている。より詳細には、各規制部281の下端は、シート部材280が後方(供給口263側)へ揺動したときに、先端が第1区画壁259の上部に接触するように設けられている。

[260]

 そして、複数の規制部281は、シート部材280が揺動することで、先端が区画壁258に近接・離間する方向に移動可能であり、先端が区画壁258に接触し、供給口263の一部を遮る第1位置(図16(b)の位置)と、第1位置よりもトナー収容部271側へ移動した第2位置とに移動可能となっている。詳しくは、第2位置において、複数の規制部281は、先端が区画壁258からトナー収容部271の内側へ離間している。

[261]

 なお、複数の規制部281が供給口263の一部を遮ることで、左右方向において現像部270に供給されたトナーにムラが生じるのを最小限にするために、各規制部281は、できる限り細く形成されているのが望ましい。

[262]

 以上のように構成された現像カートリッジ210の作用および効果について説明する。

[263]

 搬送部材241がシート部材280に接触していないとき、シート部材280は第2位置に位置している。

[264]

 搬送部材241が回転すると、図15に示すように、搬送フィルム244の先端がトナー収容部271の内面に摺接することで、搬送フィルム244が撓んだ状態で旋回する。これにより、トナー収容部271内のトナーが撹拌される。

[265]

 そして、搬送フィルム244は、トナー収容部271の底壁255から区画壁258へ向けて移動するときに、トナーを持ち上げるとともに、先端が底壁255や区画壁258に接触することで全体が撓みながら旋回する。

[266]

 搬送フィルム244は、区画壁258に接触しながら回転していると、シート部材280の複数の規制部281の先端に接触する。これにより、複数の規制部281は、回転する搬送フィルム244によって区画壁258に向けて押され、図17(a)に示すように、第2位置から第1位置へ移動する。このように、複数の規制部281が第1位置に移動することにより、複数の規制部281の先端が区画壁258の上端に接触して、供給口263の一部を遮る(図16(b)参照)。

[267]

 そして、さらに搬送フィルム244が旋回すると、図17(a)に示すように、搬送フィルム244の先端が区画壁258から離れ、供給口263と同じ高さに移動する。

[268]

 このとき、仮に、複数の規制部281が設けられていないと、搬送フィルム244の弾性力により搬送フィルム244の先端が跳ね上がり、搬送フィルム244が持ち上げたトナーを勢いよく供給口263から現像部270へ向けて飛ばす。このように、搬送フィルム244が勢いよくトナーを飛ばすと、このトナーを飛ばしたときだけブラシローラ231に多量のトナーが供給され、ブラシローラ231が担持するトナー量がブラシローラ231の周方向において不均一になってしまう。

[269]

 ところが、本実施形態では、複数の規制部281が左右方向に並んで供給口263の一部を遮っているため、搬送フィルム244は、先端が区画壁258から離れた後は複数の規制部281に接触しながら旋回する。そして、搬送フィルム244は、シート部材280の切欠282を通して適量のトナーを押し出すように現像部270へ供給する。

[270]

 これにより、搬送フィルム244の先端が区画壁258から離れた瞬間に勢いよく現像部270にトナーが供給されないので、ブラシローラ231に担持されるトナー量がブラシローラ231の周方向において不均一になるのを低減することができる。

[271]

 なお、切欠282を通して現像部270へ供給されたトナーは、各規制部281の現像部270側へも回り込み、左右方向全体に広がる。

[272]

 そして、搬送フィルム244の先端が複数の規制部281を通り過ぎると、切欠282が開放されて、現像部270内の区画壁258よりも上に溜まったトナーが切欠282からトナー収容部271へ戻る。このとき、複数の規制部281の現像部270側に溜まっていたトナーの一部は、規制部281に遮られてトナー収容部271に戻らず、規制部281の現像部270側に溜まったままである。

[273]

 そして、搬送部材241がさらに回転すると、図17(b)に示すように、搬送フィルム244の先端は、シート部材280から離れて、トナー収容部271の上壁262に接触する。

[274]

 このように、搬送フィルム244の先端がシート部材280から離れると、シート部材280がトナー収容部271の内側に移動して、複数の規制部281が第2位置に移動する。つまり、各規制部281の先端が区画壁258からトナー収容部271の内側へ離間する。

[275]

 これにより、複数の規制部281が第1位置に位置するときに複数の規制部281の現像部270側に溜まったトナーが、複数の規制部281の移動により動かされてトナー収容部271へ戻ることができるようになる。

[276]

 以上のように、現像カートリッジ210では、複数の規制部281が第1位置から第2位置に移動することで、複数の規制部281の現像部270側に溜まったトナーもトナー収容部271へ戻されるので、複数の規制部281の現像部270側にトナーが滞留するのを低減することができる。これにより、現像部270の一部にトナーが滞留することで生じる印字不良を低減することができる。

[277]

 そして、搬送部材241の回転動作により、複数の規制部281が第1位置と第2位置とに移動するように構成されているので、搬送フィルム244の先端の位置に合わせて複数の規制部281を移動させることができる。

[278]

 具体的には、複数の規制部281は、搬送フィルム244の先端が区画壁258から離れるときには、第1位置に位置し、搬送フィルム244の先端が供給口263を通過して供給口263よりも搬送部材241の回転方向下流側へ移動したときに、第2位置に移動する。これにより、搬送部材241がトナー収容部271内のトナーを供給口263から現像部270に供給するタイミングでは、複数の規制部281によりトナーの供給を規制することができる。また、搬送フィルム244の先端がトナー収容部271の内壁に摺接する間、すなわち、搬送部材241がトナーを現像部270に供給していないタイミングでは、各規制部281の現像部270側に溜まったトナーを動かすことができる。

[279]

 [第5実施形態]

[280]

 次に、本発明の第5実施形態について、図18、図19を参照しながら詳細に説明する。第4実施形態における現像カートリッジ210Aでは、可動部材290が区画壁258に回動可能に設けられている。なお、本実施形態では、前記した第4実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付して、その説明を省略することとする。

[281]

 可動部材290は、軸部291と、軸部291から突出する複数の規制部292とを有している。

[282]

 軸部291は、左右方向に延びる円柱状に形成されている。軸部291は、区画壁258の先端に隣接するように、区画壁258の上に配置され、フレーム254に回動可能に支持されている。

[283]

 複数の規制部292は、軸部291の左右方向における複数箇所から径方向外側に向けて突出している。この複数の規制部292は、左右方向において一直線上に並べられ、左右方向に沿って互いに間隔をあけて配置されている。また、各規制部292は、図18(a)に示すように、後述する第1位置に位置するときに、先端が、ブラシローラ231とブレード235の接触位置と略同じ高さに設けられるような長さで形成されている。

[284]

 また、可動部材290は、フレーム254に設けられた図示しないストッパによって、図18(a)に示すような、規制部292が垂直姿勢よりも少し前方に傾いた位置と、図18(b)に示すような、規制部292がトナー収容部271の内側へ略水平に倒れた位置との間でのみ移動するように、回動が規制されている。

[285]

 このように構成された可動部材290は、各規制部292が区画壁258に対して回動することで、複数の規制部292は、区画壁258から供給口263に向けて突出し、供給口263の一部を遮る第1位置(図19(a)の位置)と、第1位置よりもトナー収容部271の内側へ倒れた第2位置(図19(b)の位置)とに移動可能となっている。

[286]

 また、可動部材290は、第1位置において各規制部292がトナー収容部271の内側へ倒れた姿勢となるため、規制部292の自重により、複数の規制部292が第1位置から第2位置に向けて常時付勢された状態となっている。

[287]

 次に、このように構成された現像カートリッジ210Aの動作について説明する。

[288]

 図18(a)に示すように、回転する搬送部材241の搬送フィルム244が区画壁258から供給口263へ向けて移動しているとき、搬送フィルム244が複数の規制部292に接触する。

[289]

 これにより、複数の規制部292は、回転する搬送フィルム244によって供給口263に向けて押され、第2位置から第1位置に移動する。このように、複数の規制部292が第1位置に移動すると、複数の規制部292が区画壁258の上端から供給口263へ突出した状態となり、供給口263の一部が複数の規制部292によって遮られる。

[290]

 この状態で、搬送フィルム244が区画壁258から離間すると、搬送フィルム244は跳ね上がらずに、複数の規制部292に摺接しながら移動する。そして、このとき、隣り合う規制部292の間から、現像部270へ搬送フィルム244上のトナーが供給される。

[291]

 搬送フィルム244が複数の規制部292から離間すると、図18(b)に示すように、搬送フィルム244は跳ね上がって、上壁262に衝突する。

[292]

 このときには、搬送フィルム244によって持ち上げられたトナーのほとんどは、すでに隣り合う規制部292の間から現像部270へ供給された後であるため、搬送フィルム244が跳ね上がることで現像部270へ飛ばされるトナーは少ない。また、現像部270の上部で搬送フィルム244が跳ね上がるので、トナーがブレード235の上部に飛ばされる。これにより、搬送フィルム244が複数の規制部292から離れて跳ね上がっても、ブラシローラ231に過剰にトナーが供給されるのを抑制することができる。

[293]

 そして、搬送フィルム244の先端が複数の規制部292から離間すると、複数の規制部292は、自重によって、第1位置から第2位置へ戻るので、複数の規制部292の現像部270側に溜まっていたトナーが動かされて、トナー収容部271へ戻される。

[294]

 以上より、第5実施形態においても、第4実施形態と同様に、複数の規制部292の現像部270側にトナーが滞留するのを低減することができる。

[295]

 [第6実施形態]

[296]

 次に、本発明の第6実施形態について、図20及び図21を参照しながら詳細に説明する。第6実施形態における現像カートリッジ210Bでは、規制部301が区画壁258の上端から突出したり、フレーム254の外側へ退避したりするように構成されている。なお、本実施形態では、前記した第4実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付して、その説明を省略することとする。

[297]

 フレーム254は、区画壁258の上端、つまり、第1区画壁259と第2区画壁260を連結している部分に、供給口263に向けて開口する複数の穴308が形成されている。

[298]

 穴308は、上下方向に貫通しており、区画壁258の上端の左右方向における複数箇所に設けられている。

[299]

 可動部材295は、連結部300と、連結部300から突出する複数の規制部301とを有している。

[300]

 連結部300は、左右方向に延びる円柱状に形成されており、左端がフレーム254の左側壁よりも外側まで延びている。

[301]

 複数の規制部301は、連結部300の左右方向における複数箇所から径方向外側に向けて突出している。そして、複数の規制部301は、左右方向において一直線上に設けられ、左右方向に沿って互いに間隔をあけて配置されている。つまり、左右方向に並ぶ複数の規制部301は、連結部300によって連結されている。

[302]

 そして、可動部材295は、連結部300が、第1区画壁259と第2区画壁260の間(第1区画壁259と第2区画壁260の連結部の下)に配置され、複数の規制部301が穴308内に配置されるようにフレーム254に設けられている。また、可動部材295は、フレーム254に対して上下動可能となるように支持されている。

[303]

 このように可動部材295が構成されることにより、各規制部301は、穴308から供給口263側に最も突出する第1位置(図20(a)に示す位置)と、第1位置と比較して穴308の中へ入り込んだ第2位置(図20(b)に示す位置)との間を移動可能となっている。具体的に、第2位置においては、複数の規制部301は、先端が穴308に収納され、区画壁258から突出していない。

[304]

 そして、現像カートリッジ210Bは、図20に示すように、搬送部材241の回転に連動して規制部301を第1位置と第2位置に移動させる連動機構302をさらに備えている。

[305]

 連動機構302は、搬送部材241の軸部242に固定された第1ギヤ303と、第1ギヤ303と噛合する第2ギヤ304と、第2ギヤ304の回転軸に固定され、第2ギヤ304とともに回転するカム305とを備えている。

[306]

 第2ギヤ304は、第1ギヤ303と略同じ径で形成されたギヤであり、フレーム254の側壁に回転可能に支持されている。なお、第1ギヤ303と第2ギヤ304の径は異なっていてもよいが、その場合は、第1ギヤ303と第2ギヤ304を、アイドルギヤを介して連結し、第1ギヤ303と第2ギヤ304の回転周期が同じになるように構成されているのが望ましい。

[307]

 カム305は、回転軸から径方向に突出した形状を有しており、可動部材290の連結部300の左端部の下に配置されている。そして、カム305は、周面に回転軸から最も離れた位置に配置されている第1面306と、第1面306よりも回転軸に近い第2面307とを有している。

[308]

 より詳細には、カム305は、連結部300が第1面306に載っているとき、複数の規制部301を第1位置に位置させ、連結部300が第2面307に載っているとき、複数の規制部301を第2位置に位置させるように形成されている。

[309]

 そして、カム305は、少なくとも回転する搬送部材241の搬送フィルム244が、区画壁258から離間するときには、複数の規制部301が穴308から供給口263側に突出しているような姿勢で設けられている。具体的には、カム305は、搬送フィルム244が区画壁258から離間するときに、第1面306が最も区画壁258の上端に近い位置に位置し、複数の規制部301を第1位置に移動させるように設けられている。

[310]

 次に、以上のように構成された現像カートリッジ210Bの動作について説明する。

[311]

 回転する搬送部材241の搬送フィルム244が、底壁255から区画壁258に向けて移動するとき、可動部材295の連結部300が連動機構302のカム305に押し上げられて、複数の規制部301が穴308から供給口263側へ徐々に出てくる。

[312]

 そして、図20(a)に示すように、回転する搬送フィルム244が区画壁258から離間するとき、複数の規制部301は、連動機構302(カム305)によって第1位置に位置し、供給口263の一部を遮っている。

[313]

 これにより、区画壁258から離間した搬送フィルム244は、跳ね上がらずに、複数の規制部301に摺接しながら移動する。このとき、隣り合う規制部301の間から、現像部270へトナーが供給される。

[314]

 さらに搬送部材241が回転すると、図20(b)に示すように、カム305も回転し、カム305の最も区画壁258の上端に近い位置に位置する面が第2面307に切り替わる。これにより、可動部材295の連結部300が次第に下がっていき、複数の規制部301が第1位置から第2位置へ向けて移動する。つまり、複数の規制部301は、次第に穴308の中に入り込んでいく。そして、複数の規制部301は、搬送フィルム244がフレーム254の内壁に摺接しているときに、第2位置へ移動する。

[315]

 このように複数の規制部301が第1位置から第2位置へ移動することにより、複数の規制部301の現像部270側に溜まっていたトナーが動かされて、トナー収容部271へ戻る。

[316]

 以上より、第6実施形態においても、第4実施形態と同様に、複数の規制部301の現像部270側にトナーが滞留するのを低減することができる。

[317]

 前記した第6実施形態では、可動部材290は、複数の規制部301が区画壁258の上端から供給口263に向けて突出するように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、可動部材は、複数の規制部がフレーム254の上壁262から供給口263に向けて突出するように構成されていてもよい。

[318]

 具体的には、図22(a)に示すように、現像カートリッジ210Cに設けられる可動部材310は、フレーム254の上壁262の上で左右方向に延びる連結部311と、連結部311の周面から下方へ突出する複数の規制部312とを有している。上壁262の供給口263を挟んで区画壁258の先端と対向する位置には、供給口263に向けて開口する図示しない穴が設けられており、各規制部312は、この穴を通ってフレーム254内に突出している。

[319]

 そして、複数の規制部312は、先端が区画壁258の先端に当接可能な長さに形成されている。

[320]

 このように構成された可動部材310は、複数の規制部312が上壁262の穴から供給口263に向けて突出し、先端が区画壁258の先端に当接した第1位置(図22(a)の位置)と、複数の規制部312が第1位置と比較して穴の中に入り込み、先端が区画壁258から離間する第2位置(図22(b)の位置)とに移動可能となるようにフレーム254に支持されている。また、可動部材310は、第6実施形態と同様の構成を有する連動機構302により、搬送部材241の回転に連動して第1位置と第2位置に移動するようになっている。

[321]

 具体的には、回転する搬送部材241の搬送フィルム244の先端が区画壁258から離間するとき、カム305の最も区画壁258の上端から遠い位置に位置する面が第2面307となり、可動部材310の連結部311が、最も区画壁258の上端に近い位置に移動して、複数の規制部312が第1位置に移動する。これにより、区画壁258から離間した搬送フィルム244は、跳ね上がらずに、複数の規制部301に摺接しながら移動する。

[322]

 そして、図22(b)に示すように、搬送フィルム244の先端が複数の規制部312から離間して供給口263とは異なる部分に摺接しているとき、カム305の最も区画壁258の上端から遠い位置に位置する面が第1面306となり、可動部材310の連結部311が最も区画壁258の上端から遠い位置に移動して、複数の規制部312が第2位置に移動する。これにより、複数の規制部312が第1位置に位置するときに複数の規制部312の現像部270側に溜まったトナーが動かされる。

[323]

 第4実施形態では、現像ローラとしてブラシローラ231を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像ローラは、円柱状の本体の周面にゴムを被覆したローラであってもよい。また、このような現像ローラを採用する場合には、現像ローラと第2区画壁260の間に、現像ローラと接触しながら回転する供給ローラを設け、現像部270のトナーを、供給ローラを介して現像ローラに供給するように構成されていてもよい。

[324]

 前記した第5実施形態では、複数の規制部292が回転する搬送フィルム244に直接押されて第2位置から第1位置に移動するように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、搬送部材241の軸部242の一端に径方向へ突出する押圧部を設け、可動部材290の軸部291に当該押圧部に当接可能な突起を設けてもよい。これにより、搬送部材241が回転することによって、可動部材290の突起が搬送部材241の押圧部に押し上げられて、複数の規制部292が第2位置から第1位置へ移動することができる。

[325]

 前記した第5実施形態では、複数の規制部292は、自重により、常時第1位置から第2位置へ向けて付勢されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像カートリッジ210Aに、複数の規制部292を第1位置から第2位置に向けて付勢するバネを設けてもよい。

[326]

 前記した第4実施形態では、シート部材280が供給口263と搬送部材241の軸部242の間に設けられる固定壁266に固定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シート部材280は、供給口263を横切るように設けられ、上端が供給口263よりも後方、つまり、現像部270内の上壁262に固定され、下端がトナー収容部271内の供給口263と搬送部材241の軸部242の間に配置されていてもよい。なお上述した図15~図22にかかる実施の形態により、上述した第3の目的が達成できる。

[327]

 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。

[328]

 10、10’、110、210  現像カートリッジ
 31、131、231  ブラシローラ
 32、132 ローラ本体
 33、133 ブラシ層
 35  ブレード
 50  オーガ
 51  戻し搬送部材
 54、154 筐体
 63、263 供給口
 65 第2戻し口
 71 トナー収容部
 67 供給部
 89 戻し経路
 80 筐体
 88 角部
 81 トナー収容部
 84 供給部
 89 戻し経路
 T   トナー
 134 繊維
 135 第1ブレード
 136 ブレード本体
 137 規制部
 139 第2ブレード
 139D 第2ブレード
 139E 突起
 140D 本体部
 141 第1回転部材
 145 第2回転部材
 184 突出部
 241 搬送部材
 254 フレーム(筐体)
 258 区画壁
 270 現像部
 271 トナー収容部
 280 シート部材
 281 規制部
 290 可動部材
 292 規制部
 400 可動部材
 301 規制部
 302 連動機構
 308 穴
 310 可動部材
 312 規制部



[1]

[Problem] To provide a developing apparatus capable of effectively scraping off developing agent retained in the brush layer of a brush roller using a scraping member. A developing apparatus has: a housing (54) having a supply unit (67) capable of storing toner (T) (developing agent); a roller body (32); and a brush layer (33) obtained by implanting fibers in the outer peripheral surface of the roller body (32), the apparatus being provided with: a brush roller (31) supported by the housing (54) so as to contact the toner (T) inside the supply unit (67); and a blade (35) (scraping member) contacting the brush roller (31) above the position where the brush roller (31) faces the toner (T) inside the supply unit (67), the blade (35) being configured so as to scrape the toner (T) retained in the brush layer (33). The housing (54) has a partition (61) disposed facing the brush roller (31) below the position where the blade (35) contacts the brush roller (31), the partition being capable of suppressing the level of the toner (T) in the supply unit (67) near the brush roller (31).

[2]



 現像剤を貯留可能な供給部を有する筐体と、
 ローラ本体と、当該ローラ本体の外周面に繊維が植設されてなるブラシ層とを有し、前記供給部内の現像剤に接触するように前記筐体に支持されるブラシローラと、
 前記ブラシローラに対し、前記ブラシローラが前記供給部内の現像剤と対面する位置よりも上で接触し、前記ブラシ層に保持される現像剤を掻き取るように構成される掻取部材と、を備え、
 前記筐体は、前記掻取部材が前記ブラシローラに接触する位置よりも下で前記ブラシローラと対面して配置され、前記供給部内の前記ブラシローラ近傍における現像剤の水位を抑制可能な壁を有していることを特徴とする現像装置。

 前記壁は、前記ブラシ層との間に隙間をあけた状態で前記ブラシローラに近接していることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。

 前記筐体は、前記掻取部材が掻き取った現像剤を前記供給部へ戻すように構成される戻し経路を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像装置。

 前記筐体は、前記供給部に供給する現像剤を収容可能な現像剤収容部を有し、
 前記戻し経路は、前記現像剤収容部を経由していることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。

 前記掻取部材の近傍に設けられ、前記掻取部材が掻き取った現像剤を前記戻し経路に向けて搬送する戻し搬送部材を備えていることを特徴とする請求項4に記載の現像装置。

 前記供給部には、前記供給部内の現像剤を撹拌するように構成される撹拌部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の現像装置。

 ローラ本体と、当該ローラ本体の外周面に繊維が植設されてなるブラシ層とを有するブラシローラと、
 現像剤を前記ブラシローラの表面に供給するように構成された供給手段と、
 前記ブラシローラに対し、前記供給手段による供給位置よりも前記ブラシローラの回転方向下流側で接触し、前記ブラシ層に保持される現像剤を掻き取るように構成される第1掻取部材と、
 前記ブラシローラに対し、前記供給位置よりも前記回転方向下流側、かつ、前記第1掻取部材よりも前記回転方向上流側で接触して現像剤を掻き取るように構成される第2掻取部材と、
 前記第1掻取部材と前記第2掻取部材が設けられた筐体と、を備えることを特徴とする現像装置。

 前記供給手段によって前記ブラシローラに供給される現像剤を収容するための現像剤収容部を備え、
 前記第1掻取部材に掻き取られた現像剤が前記現像剤収容部に戻るように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の現像装置。

 前記第2掻取部材による前記ブラシローラ上の現像剤の掻取能力は、前記第1掻取部材による前記ブラシローラ上の現像剤の掻取能力よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項8に記載の現像装置。

 前記第1掻取部材は、前記第2掻取部材よりも前記ブラシ層に深く進入していることを特徴とする請求項9に記載の現像装置。

 前記ブラシローラの回転軸線に直交する断面において、前記第2掻取部材の前記ブラシ層に進入している部分のうち現像剤を掻き取る側の面は、前記第1掻取部材の前記ブラシ層に進入している部分のうち現像剤を掻き取る側の面よりも、前記ブラシローラの回転方向に対する角度が大きいことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の現像装置。

 前記ブラシローラの回転軸線に直交する断面において、前記第2掻取部材の前記繊維に接触する部分の曲率は、前記第1掻取部材の前記繊維に接触する部分の曲率よりも小さいことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の現像装置。

 前記第2掻取部材は、前記ブラシローラの軸線方向に沿って延び、前記筐体に支持される本体部と、前記本体部の前記軸線方向における複数箇所から前記ブラシローラに向けて突出し、前記ブラシ層に進入する複数の突出部とを有することを特徴とする請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の現像装置。

 前記第2掻取部材は、前記筐体の壁面から前記ブラシローラに向けて突出する突起であることを特徴とする請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の現像装置。

 前記第1掻取部材は、板状の部材であって、前記筐体に支持され、先端が前記ブラシローラの回転方向とは反対側を向くように設けられた掻取部材本体部と、前記掻取部材本体部の先端から前記ブラシローラの回転軸側に突出することで前記ブラシ層内に進入するように設けられた規制部とを備えることを特徴とする請求項7から請求項14のいずれか1項に記載の現像装置。

 前記第1掻取部材は、前記ブラシローラの回転軸線に直交する断面において、薄板状に形成されていて、
 前記規制部は、前記掻取部材本体部の前記先端から前記ブラシローラに向かって屈曲するように設けられたことを特徴とする請求項15に記載の現像装置。

 前記掻取部材本体部と前記規制部とは、継ぎ目なく一体に接続されていることを特徴とする請求項15または請求項16のいずれか1項に記載の現像装置。

 前記第1掻取部材には、前記掻取部材本体部の前記先端から前記規制部にかけて、曲げ加工がなされていることを特徴とする請求項17に記載の現像装置。

 現像ローラと、
 前記現像ローラを収容する現像部と現像剤を収容する現像剤収容部とを区画する区画壁と、前記区画壁に隣接し、前記現像部と前記現像剤収容部とを連通させる供給口と、を有するフレームと、
 前記現像剤収容部に設けられ、先端が前記区画壁に摺接しながら前記区画壁および前記供給口をこの順で通過するように回転し、前記供給口から前記現像部へ現像剤を供給するように構成される搬送部材と、
 前記搬送部材の回転軸線方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の規制部を有し、前記複数の規制部が前記供給口の一部を遮る第1位置と、前記第1位置に配置されているときに前記複数の規制部の前記現像部側に溜まった現像剤が動かされる第2位置とに移動可能な可動部材と、を備えることを特徴とする現像装置。

 前記搬送部材の回転動作によって、前記規制部が前記第1位置と前記第2位置とに移動するように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の現像装置。

 前記規制部は、前記搬送部材の先端が前記区画壁から離れるときには前記第1位置に位置し、前記搬送部材の先端が前記供給口よりも前記搬送部材の回転方向下流側へ移動した後に、前記第2位置に移動するように構成されていることを特徴とする請求項20に記載の現像装置。

 前記可動部材は、前記フレームの上壁に支持されるとともに、各前記規制部が、前記供給口と前記搬送部材の回転軸線の間に配置され、揺動することで先端が前記区画壁に近接・離間する方向に移動可能であり、
 前記規制部の先端は、前記第1位置に位置するとき、前記区画壁に接触し、前記第2位置に位置するとき、前記区画壁から前記現像剤収容部の内側へ離間しており、
 前記規制部は、回転する前記搬送部材によって前記区画壁に向けて押されることで、前記第2位置から前記第1位置に移動することを特徴とする請求項19から請求項21のいずれか1項に記載の現像装置。

 前記可動部材は、各前記規制部が前記区画壁に対して回動可能となるように設けられ、
 前記規制部は、前記第1位置に位置するとき、前記区画壁から前記供給口に向けて突出し、前記第2位置に位置するとき、前記第1位置よりも前記現像剤収容部の内側へ倒れており、
 前記規制部は、前記第1位置から前記第2位置に向けて常時付勢され、回転する前記搬送部材によって前記供給口に向けて押されることで前記第2位置から前記第1位置に移動することを特徴とする請求項19から請求項21のいずれか1項に記載の現像装置。

 前記区画壁は、前記供給口に向けて開口する穴を有し、
 各前記規制部は、前記穴から前記供給口側に突出する前記第1位置と、前記第1位置と比較して前記穴の中へ入り込んだ前記第2位置との間を移動可能に構成され、
 前記搬送部材の回転に連動して前記規制部を前記第1位置と前記第2位置に移動させる連動機構をさらに備えていることを特徴とする請求項19から請求項21のいずれか1項に記載の現像装置。

 前記フレームの前記供給口を挟んで前記区画壁の先端と対向する壁には、前記供給口に向けて開口する穴を有し、
 各前記規制部は、前記穴から前記供給口側に突出する前記第1位置と、前記第1位置と比較して前記穴の中へ入り込んだ前記第2位置との間を移動可能に構成され、
 前記搬送部材の回転に連動して前記規制部を前記第1位置と前記第2位置に移動させる連動機構をさらに備えていることを特徴とする請求項19から請求項21のいずれか1項に記載の現像装置。