GRAVITY FILTRATION DEVICE
本願は、日本国特願2013-065132号の優先権を主張し、該出願が引用によって本願明細書の記載に組み込まれる。
本発明は、重力式濾過装置に関する。
従来、重力式濾過装置としては、様々なものが知られており、例えば、外部から供給される原水を貯める原水室と、該原水室の下側に配され該原水室の原水を重力によって下方へ透過させて濾過する濾過部と、該濾過部の下側に配され該濾過部を透過した濾過水を貯める濾過水室と、濾過部をサイフォン作用によって逆洗するよう構成された逆洗管とを有する濾過逆洗ユニットを備えたものが知られている。
この種の重力式濾過装置においては、逆洗管が原水室から上方へ延び最上部から下方へ延びるように形成されている。
この種の重力式濾過装置としては、例えば、逆洗のための濾過水を貯めるべく、濾過水室と連通した逆洗用水槽をさらに備えたものが知られている(特許文献1)。
斯かる重力式濾過装置は、該装置の設置面積をできるだけ小さくするために、逆洗用水槽が濾過逆洗ユニットの上側に配されている。また、濾過水室の濾過水が逆洗用水槽に供給され、逆洗するための濾過水が逆洗用水槽に貯まるように構成されている。
しかしながら、斯かる重力式濾過装置は、濾過逆洗ユニットの上側に逆洗用水槽が配されていることにより設置面積が比較的小さくされているものの、逆洗用水槽内の濾過水のみによって濾過部を逆洗するように構成されている。従って、斯かる重力式濾過装置は、逆洗用の濾過水量が必ずしも十分でないことから、必ずしも十分に濾過部を逆洗できないという問題を有する。
本発明は、上記の問題点等に鑑み、設置面積が比較的小さくされており、しかも濾過部を十分に逆洗できる重力式濾過装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る重力式濾過装置は、
以下、本発明に係る重力式濾過装置の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の重力式濾過装置の概略図である。
本実施形態の重力式濾過装置1は、図1に示すように、外部から供給される原水を貯める原水室11a、12aと、該原水室11a、12aの下側に配され該原水室11a、12aの原水を重力によって下方へ透過させて濾過する濾過部11b、12bと、該濾過部11b、12bの下側に配され該濾過部11b、12bを透過した濾過水を貯める濾過水室11c、12cと、前記濾過部11b、12bをサイフォン作用によって逆洗するよう構成された逆洗管11d、12dとを有する濾過逆洗ユニット11、12を複数備える。さらに、本実施形態の重力式濾過装置1は、逆洗のための濾過水を貯めるべく前記濾過水室11c、12cと連通した逆洗用水槽5を備えている。また、前記逆洗管11d、12dが前記原水室11a、12aから上方へ延び最上部からさらに下方へ延びるように形成されている。
上記構成からなる重力式濾過装置によれば、複数の濾過逆洗ユニット11、12のうちの一の濾過逆洗ユニットにおいて濾過部を逆洗するときに、逆洗されるユニットの濾過水室へ、連通部7を経由して逆洗用水槽5から濾過水を供給することができる。さらに、逆洗されるユニットの濾過水室へ、連通部7を経由して他の濾過逆洗ユニットの濾過水室からも濾過水を供給することができる。従って、一の濾過逆洗ユニットにおける濾過部の逆洗を十分に行うことができる。
前記重力式濾過装置1は、具体的には、例えば図1に示すように、濾過部が上下方向に配列された2つの濾過逆洗ユニット11、12を備えている。即ち、重力式濾過装置1は、例えば、上側の濾過逆洗ユニット11と下側の濾過逆洗ユニット12とを備えている。濾過逆洗ユニット11、12は、それぞれ濾過水を回収するように互いに並列に構成されている。
前記重力式濾過装置1は、最も上方の濾過逆洗ユニット11の原水室11aよりも上側に配された1つの逆洗用水槽5と、該逆洗用水槽5と各濾過逆洗ユニット11、12の濾過水室11c、12cとを互いにそれぞれ連通させる連通部7とを備えている。
前記重力式濾過装置1は、各原水室11a、12aに原水を供給するように構成された原水供給部21、22と、逆洗を止めるべくサイフォン作用を停止するように構成されたサイフォン作用停止部41、42と、濾過水を外部へ排出するように構成された濾過水排出部6とを備えている。
前記重力式濾過装置1においては、逆洗用水槽5と各濾過水室11c、12cとが連通管7を介して連通している。そして、前記重力式濾過装置1は、連通管7を経た濾過水を、濾過水排出部6を介して装置外へ排出して、回収するように構成されている。
前記原水供給部21、22は、各原水室11a、12aへ送る原水を貯めるための原水タンク21a、22aと、該原水タンク21a、22aから下方に延び供給される原水を収容する管状のループシールタンク21b、22bと、該ループシールタンク21b、22bの底部から各原水室11a、12aへ原水を送る管状の原水供給管21c、22cとを備え、各原水室11a、12aへ原水をそれぞれ送るように構成されている。
前記複数の濾過逆洗ユニット11、12は、図1に示すように、それぞれの濾過部11b、12bが上下方向に並ぶように配列されている。従って、前記重力式濾過装置1は、複数の濾過逆洗ユニットを横方向に並べたものよりも、設置面積を小さくできる。また、前記重力式濾過装置1は、1つの濾過逆洗ユニットを備えたものよりも、濾過処理の能力に優れている。
前記濾過逆洗ユニット11、12は、図1に示すように、原水供給管21c、22cから送られる原水を貯める原水室11a、12aと、該原水室11a、12aの下側に配された濾過部11b、12bと、該濾過部11b、12bの下側に配された濾過水室11c、12cとを有し、重力によって原水室11a、12aの原水が濾過部11b、12bを透過し、濾過部11b、12bを透過した濾過水が濾過水室11c、12cに貯まるように構成されている。
前記原水室11a、12aは、所定量の原水を貯めることができるように内部が中空に形成されている。原水室11a、12aの形状は、特に限定されず、該形状としては、例えば、横方向に扁平な中空直方体状又は中空円柱状などが挙げられる。
前記濾過部11b、12bは、粒状の濾材を含み、例えば、該濾材によって横方向に扁平な直方体状又は円柱状に形成されている。
前記濾過部11b、12bの縦方向の厚みは、特に限定されず、例えば、60cm~80cmである。
前記粒状の濾材としては、例えば、水道用基準濾砂が挙げられ、より具体的には、アンスラサイト、マンガン砂、活性炭などが挙げられる。
前記濾過部11b、12bは、下方側に配され前記濾材を支持する板状の支持板9と、該支持板9の上側に配され支持板9の上側と下側との間を通水する複数の通水部材8とを備えている。
前記通水部材8は、円盤状に形成されたディスクストレーナを複数枚備えている。ディスクストレーナは、上下方向に水が通るように構成されている。また、複数のディスクストレーナは、通常、上下方向に積み重ねられている。複数のディスクストレーナの枚数は、例えば、8~15枚である。積み重ねられた複数のディスクストレーナは、互いの隙間から粒状の濾材が通過せず、水が通過するように構成されている。
前記濾過水室11c、12cは、濾過部11b、12bを透過した濾過水を貯めることができるように内部が中空に形成されている。濾過水室11c、12cの形状は、特に限定されず、該形状としては、例えば、横方向に扁平な中空直方体状又は中空円柱状などが挙げられる。
前記逆洗管(サイフォン管)11d、12dは、図1に示すように、略逆U字状に形成されている。また、前記逆洗管11d、12dの一端は、原水室11a、12aにつながり、逆洗管11d、12dの他端は、原水室11a、12aの外側に配されている。また、逆洗管11d、12dの他端は、最も下側の濾過部12bよりも下方に配されている。そして、逆洗管11d、12dは、濾過部11b、12bを透過して濾過部11b、12bを逆洗した水を、原水室11a、12aから排出するように構成されている。即ち、前記逆洗管11d、12dは、逆洗によって、濾過水室11c、12cから濾過部11b、12bを経て原水室11a、12aへ移動した逆洗後の水を、原水室11a、12aから排出するように構成されている。
詳しくは、前記逆洗管11d、12d内においては、図2に示すように、原水の濾過により濾過部11b、12bの濾過抵抗が上昇することに伴って原水の水面が上昇する。その後、原水が逆洗管11d、12dの最上部まで到達し、該最上部から原水が外方へ向かいさらに下降して排出されることにより、サイフォン作用が生じる。このように、逆洗管11d、12dは、原水を排出することにより、内部でサイフォン作用を起こすように構成されている。
前記逆洗用水槽5は、例えば図1に示すように、上方が開口した中空直方体状又は中空円柱状に形成されている。
前記逆洗用水槽5は、上下方向に配列された複数の濾過逆洗ユニット11、12の最も上側の原水室11aよりも上側に配されている。
前記逆洗用水槽5の上方は、開口していてもよい。また、前記逆洗用水槽5は、上方に向く開口を覆うように構成されていてもよい。
前記逆洗用水槽5によれば、濾過時に、濾過水室11c、12cから供給される濾過水を連通管7を経て内部に取り込み、濾過部11b、12bを逆洗するための濾過水を貯めることができる。また、前記逆洗用水槽5によれば、逆洗時に、いずれかの濾過逆洗ユニット11、12の濾過部11b、12bを逆洗すべく、貯まった濾過水を連通管7を経ていずれかの濾過水室11c、12cへ供給することができる。
前記連通部7(連通管)は、例えば図1に示すように、最も下側の濾過水室12cと逆洗用水槽5とをつなぐように形成された配管と、該配管の途中と他の濾過水室11cとをつなぐように形成された配管とを備えている。
前記連通部7によれば、濾過時に、上記の各配管を通して各濾過水室11c、12cの濾過水を逆洗用水槽5に供給することができる。また、逆洗時に、上記の各配管を通して逆洗用水槽5に貯まった濾過水を各濾過水室11c、12cに供給することができる。
従って、前記重力式濾過装置1においては、逆洗用水槽5から逆洗のための濾過水が供給されるだけでなく、逆洗されていない濾過逆洗ユニットからも逆洗のための濾過水が供給される。従って、前記重力式濾過装置1においては、逆洗用の濾過水が逆洗用水槽のみから供給されるように構成された濾過装置と比べて、連通部7を備えた分、逆洗における濾過水の量がより多くなり、濾過水の流速がより速くなる。これにより、本実施形態の重力式濾過装置1によれば、濾過部11b、12bを十分に逆洗できる。
また、本実施形態の重力式濾過装置1によれば、濾過部11b、12bを十分に逆洗できることから、逆洗される濾過部11b、12bの汚れをより十分に取り除ける。従って、逆洗後の濾過逆洗ユニットにおける濾過部11b、12bの濾過がより効率的なものとなり、重力式濾過装置1の濾過効率が優れたものとなり得る。
具体的には、本実施形態の重力式濾過装置1では、逆洗時に、逆洗用水槽5のみから濾過水を供給する重力式濾過装置と比べて、例えば、逆洗に使用される水量、又は、逆洗時の流速が、約1.2倍となり得る。従って、本実施形態の重力式濾過装置1は、逆洗用水槽5のみから濾過水を供給する重力式濾過装置と比べて、濾過部11b、12bに溜まった濁質を確実に除去することができる。
なお、本実施形態の重力式濾過装置1においては、下側の濾過逆洗ユニット12の濾過部12bが逆洗されるときも、同様に、上側の濾過逆洗ユニット11の濾過水室11cから、下側の濾過逆洗ユニット12の濾過水室12cへ濾過水が供給される。
前記サイフォン作用停止部は、図1に示すように、サイフォン作用を停止するための管状のサイフォン停止管41、42を備えている。
前記サイフォン作用停止部によれば、図4に示すように、逆洗の進行に伴って逆洗用水槽5における濾過水の水位が低下し、該水位がサイフォン停止管41、42の一端の位置まで低下すると、サイフォン停止管41、42の一端の開口から空気を入り込ませることができる。また、サイフォン作用停止部によれば、サイフォン停止管41、42を経て逆洗管11d、12d内に空気を流入させ、逆洗中に逆洗管11d、12d内で起こっていたサイフォン作用を停止させることができる。
前記サイフォン作用停止部によって逆洗管11d、12d内におけるサイフォン作用が停止されると、逆洗が止まる。そして、濾過逆洗ユニット11、12において原水室11a、12aから逆洗管11d、12dへの水の流れが止まり、原水室11a、12a内の原水が重力によって下方へ流れ、原水が濾過部11b、12bによって濾過され始める。
前記サイフォン作用停止部は、各逆洗管11d、12dにおけるサイフォン作用がそれぞれ独立して停止できるように、各逆洗管11d、12dにそれぞれ取り付けられたサイフォン停止管41、42を備えている。
なお、逆洗が始まってからサイフォン作用停止部によって逆洗が停止するまでの時間は、濾過部11b、12bを構成する濾材の種類や逆洗用水槽5中の水量などによって決まり、例えば、5分程度である。
前記濾過水排出部6は、各濾過水室11c、12cの濾過水を装置外へ排出するように構成されている。なお、上述したように、逆洗用水槽5に貯まる濾過水の最上面の位置は、濾過水排出部6における濾過水の排出位置によって決まる。
前記濾過水排出部6は、例えば、図1に示すように、濾過水を所定高さから外部へ排出するように構成された管状の濾過水排出管6を備えている。
前記濾過水排出管6は、下端が連通管7の途中に取り付けられ上方に延びる縦管6aと、縦管6aの途中に取り付けられ横方向に延びる分岐管6bとを有する。
上記のごとく分岐管6bの一端が所定高さにて縦管6aに取り付けられていることにより、逆洗が停止した後における濾過水室11c、12cの濾過水は、上記の最上面の高さ(分岐管6bの取り付け高さ)に達するまで、連通管7を経て逆洗用水槽5に貯められ続ける。濾過水の水位が上記の高さに達すると、分岐管6bの他端(排出口)から濾過水が排出され始めるため、逆洗用水槽5における濾過水の水面上昇が停止する。その後、濾過水は、分岐管6bから連続的に排出されることとなる。
前記濾過水排出部6は、上述した濾過水排出管6に代えて、各濾過水室11c、12cからそれぞれ前記最上面の高さまで上方に延びる複数の濾過水排出管(図示せず)を備えていてもよい。
前記重力式濾過装置1は、図1に示すように、逆洗管11d、12dの他端からから排出された水(逆洗された逆洗水)を一時的に貯める逆洗ピット10を備えている。
前記重力式濾過装置1は、逆洗管11d、12d内におけるサイフォン作用をより確実に起こすように構成された逆洗促進部31、32を備えていてもよい。
前記逆洗促進部31、32は、図1に示すように、例えば、管状体によって縦長の環状に形成された環状管31a、32aと、該環状管31a、32aと逆洗管11d、12dとをつなぐ管状の逆洗促進管31b、32bと、該逆洗促進管31b、32bの上側に配され環状管31a、32aと逆洗管11d、12dとをつなぐ管状の逆洗促進補助管31c、32cと、環状管31a、32aの最下部に取り付けられた真空ポンプ31d、32d(エジェクタ)とを備えている。
前記環状管31a、32aの上端は、逆洗管11d、12dよりも高く配され、環状管31a、32aの下端は、逆洗用水槽5に貯まる濾過水の最下面よりも低く配されている。具体的には、前記環状管31a、32aの下端は、例えば、真空ポンプ31d、32dの高さと同じ高さに配されている。
前記逆洗促進管31b、32bは、逆洗促進補助管31c、32cの下側に配されている。逆洗促進管31b、32bの一端は、逆洗管11d、12dの最上部よりも下側の部分に取り付けられている。逆洗促進管31b、32bの他端は、環状管31a、32aに取り付けられている。そして、逆洗促進管31b、32bは、略水平方向に延びている。
前記逆洗促進補助管31c、32cは、逆洗促進管31b、32bの上側に配されている。逆洗促進補助管31c、32cの一端は、逆洗管11d、12dの最上部に取り付けられ、逆洗促進補助管31c、32cの他端は、環状管31a、32aの最上部に取り付けられている。
前記逆洗促進部31、32によれば、濾過に伴って濾過部11b、12bの濾過抵抗が上昇することにより逆洗管11d、12d内の原水が逆洗促進管31b、32bの高さまで達すると、逆洗管11d、12d内の原水が逆洗促進管31b、32b内を経て環状管31a、32aに達し、環状管31a、32a内において原水を下方に落下させることができる。また、逆洗促進部31、32によれば、下方に落下した原水を感知して真空ポンプ31d、32dを作動させ、真空ポンプ31d、32dによって、環状管31a、32aと逆洗促進管31b、32bと逆洗促進補助管31c、32cとを介して逆洗管11d、12d内の気圧を下げることができる。そして、逆洗管11d、12d内において、より確実にサイフォン作用を起こすことができる。
なお、真空ポンプ31d、32dは、環状管31a、32aを落下してきた原水をさらに下方へ排出するように構成されている。前記重力式濾過装置1によれば、真空ポンプ31d、32dから排出された水を逆洗ピット10に一時的に貯めることができる。
本実施形態の重力式濾過装置1は、原水を供給することによって、原水を濾過部11b、12bで濾過して濾過水を得ること、及び、濾過部11b、12bを逆洗することを繰り返すために、好適に使用される。
本実施形態の重力式濾過装置は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の重力式濾過装置に限定されるものではない。
即ち、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更されることが可能である。また、本発明の作用効果も、上記実施形態に限定されるものではない。
1:重力式濾過装置、 Provided is a gravity filtration device provided with a plurality of filtration backwashing units each having: a raw water chamber that stores raw water supplied from outside; a filtration unit that filters the raw water of the raw water chamber by causing downwards percolation by means of gravity; a filtered water chamber that stores filtered water that has percolated through the filtration unit; and a tubular backwashing tube formed in a manner so as to extend upwards from the raw water chamber and to further extend downwards from the uppermost section in a manner so as to cause a siphoning effect. Also provided is a backwashing water tank that is interconnected with the filtered water chamber in order to store filtered water for backwashing. Further provided is an interconnection unit that interconnects the backwashing water tank, the filtered water chamber of one filtration backwashing unit, and the filtered water chamber of another filtration backwashing unit. The gravity filtration device is configured in a manner so that the filtration units of the plurality of filtration backwashing units are arrayed in the vertical direction, the plurality of filtration backwashing units are configured in parallel to each other in a manner so as to recover the filtered water from each of the filtration backwashing units, the backwashing water tank is disposed above the uppermost raw water chamber of the plurality of filtration backwashing units, and the filtered water in the filtered water chambers percolates through the filtration units from the bottom of the top by means of the siphoning effect in the backwashing tube, thus backwashing the filtration units.
外部から供給される原水を貯める原水室と、該原水室の下側に配され該原水室の原水を重力によって下方へ透過させて濾過する濾過部と、該濾過部の下側に配され該濾過部を透過した濾過水を貯める濾過水室と、サイフォン作用を起こさせるべく前記原水室から上方へ延び最上部からさらに下方へ延びるように形成された管状の逆洗管とをそれぞれ有する複数の濾過逆洗ユニットと、関連出願の相互参照
そして、この種の重力式濾過装置は、サイフォン作用によって濾過水室の濾過水が濾過部を下側から上側へ透過して濾過部を逆洗し、濾過部を逆洗した水が原水室から上昇し逆洗管の最上部を経て排出されるように構成されている。
また、斯かる重力式濾過装置は、原水の濾過により濾過部の濾過抵抗が上昇することに伴って逆洗管内にて水位が上昇した原水が逆洗管の最上部を経て下降して排出され、逆洗管内でサイフォン作用が生じるように構成されている。
さらに、斯かる重力式濾過装置は、サイフォン作用が生じることによって、濾過水が濾過部を下側から上側へ透過する逆洗が起こり、逆洗後の水が逆洗管を経て排出されるとともに、逆洗のための濾過水が逆洗用水槽内から濾過水室に供給されるように構成されている。
外部から供給される原水を貯める原水室と、該原水室の下側に配され該原水室の原水を重力によって下方へ透過させて濾過する濾過部と、該濾過部の下側に配され該濾過部を透過した濾過水を貯める濾過水室と、サイフォン作用を起こさせるべく前記原水室から上方へ延び最上部からさらに下方へ延びるように形成された管状の逆洗管とをそれぞれ有する複数の濾過逆洗ユニットと、
逆洗のための濾過水を貯めるべく前記濾過水室と連通した逆洗用水槽と、
前記逆洗用水槽と、前記複数の濾過逆洗ユニットのうちの一の濾過逆洗ユニットの濾過水室と、他の濾過逆洗ユニットの濾過水室とを連通する連通部とを備え、
前記複数の濾過逆洗ユニットの濾過部が上下方向に配列され、各濾過逆洗ユニットからそれぞれ濾過水を回収するように前記複数の濾過逆洗ユニットが互いに並列に構成され、
前記逆洗用水槽が前記複数の濾過逆洗ユニットの最も上側の原水室よりも上に配されており、
前記原水の濾過により前記濾過部の濾過抵抗が上昇することに伴って前記逆洗管内にて原水の水位が上昇し該原水が前記逆洗管の前記最上部を経て下方へ排出され前記逆洗管内でサイフォン作用が生じることによって、濾過水室内の濾過水が濾過部を下側から上側へ透過して濾過部を逆洗するように構成されていることを特徴とする。
しかも、本実施形態の重力式濾過装置1は、複数の濾過逆洗ユニット11、12のうちの一の濾過逆洗ユニットの濾過水室と、他の濾過逆洗ユニットの濾過水室と、前記逆洗用水槽5とを連通する連通部7を備えている。
本実施形態の重力式濾過装置1においては、複数の濾過逆洗ユニット11、12の濾過部11b、12bが、上下方向に配列されている。しかも、複数の濾過逆洗ユニット11、12は、各濾過逆洗ユニット11、12からそれぞれ濾過水を回収するように、互いに並列に構成されている。
また、本実施形態の重力式濾過装置1においては、前記逆洗用水槽5が、複数の濾過逆洗ユニット11、12の最も上側の原水室11aよりも上に配されている。
本実施形態の重力式濾過装置1は、前記原水の濾過により前記濾過部11b、12bの濾過抵抗が上昇することに伴って前記逆洗管11d、12d内にて原水の水位が上昇し、該原水が前記逆洗管11d、12dの前記最上部を経て下方へ排出され、前記逆洗管11d、12d内でサイフォン作用が生じるように構成されている。本実施形態の重力式濾過装置1は、サイフォン作用によって前記逆洗用水槽5から濾過水室11c、12cに供給された濾過水が、サイフォン作用によってさらに濾過部11b、12bを下側から上側へ透過して、濾過水が濾過部11b、12bを逆洗するように構成されている。
しかも、上記構成からなる重力式濾過装置によれば、複数の濾過逆洗ユニット11、12の濾過部11b、12bが上下方向に配列され、且つ、複数の濾過逆洗ユニット11、12の最も上側の原水室よりも上側に逆洗用水槽5が配されているため、装置の設置面積を比較的小さいものにすることができる。
上述の通り、本実施形態の重力式濾過装置は、設置面積が比較的小さくされており、しかも濾過部を十分に逆洗できるという効果を奏する。
前記連通部7は、例えば図1に示すように、逆洗用水槽5と、上側濾過逆洗ユニット11の濾過水室11cと、下側濾過逆洗ユニット11の濾過水室12cとを連通する管状の連通管7を有する。
また、前記重力式濾過装置1は、連通管7によって、逆洗用水槽5と濾過水室11c、12cとが連通するように構成されている。そして、前記重力式濾過装置1は、連通管7によって、一の濾過逆洗ユニットの逆洗時に、逆洗用水槽5から一のユニットの濾過水室へ濾過水が供給され、他のユニットの濾過水室からも一のユニットの濾過水室へ濾過水が供給されるように構成されている。
前記濾過水排出部6は、例えば、一端が連通管7の一部に取り付けられた濾過水排出管を有し、連通管7を経た濾過水を装置外へ排出し回収するように構成されている。
また、前記重力式濾過装置1は、濾過水排出部6が最上方の濾過逆洗ユニット11よりも上側の位置から濾過水を排出するように構成されている。そして、濾過水排出部6によって排出される濾過水と逆洗用水槽5に貯まる濾過水とが、連通管7を介して通水可能となっている。これにより、濾過水排出部6における濾過水の水位と、逆洗用水槽5に貯まる濾過水の水位とが同じとなることから、濾過水排出部6によって濾過水が排出される高さが、逆洗用水槽5に貯まる濾過水の最上面(以下、単に最上面ともいう)の高さとなる。
前記原水タンク21a、22aは、逆洗用水槽5に貯まる濾過水の前記最上面よりも上側に配されている。また、ループシールタンク21b、22bは、原水タンク21a、22aから少なくとも各濾過水室11c、12cの高さまで下方へ延びている。原水供給管21c、22cは、ループシールタンク21b、22bの底部から原水室11a、12aへ横方向から原水を送るように構成されている。
前記原水供給部21、22によれば、原水タンク21a、22aに貯められた原水を重力によってループシールタンク21b、22bへ落下させることができる。また、各濾過逆洗ユニット11、12よりも高い位置から送った原水を各原水室11a、12aへ横方向から流入させることができる。
なお、複数の濾過逆洗ユニット11、12は、図1に示すように、逆洗用水槽5よりも下側に配されている。
また、前記濾過逆洗ユニット11、12は、略逆U字状に形成された管状の逆洗管11d、12dを有する。該逆洗管11d、12dは、原水室11a、12aから上方へ延び、さらに、逆洗用水槽5に貯まる濾過水の最上面よりも上側まで延び、そして、最上部から最も下方の濾過水室11c、12cの高さまで下方へ延びるように配されている。なお、逆洗管11d、12dの最上部は、原水タンク21a、22aに貯まる原水の水面よりも下側に配されている。前記濾過逆洗ユニット11、12は、濾過逆洗ユニット11、12の濾過部11b、12bが上下に配列するように配置されている。
前記濾過逆洗ユニット11、12においては、図2に示すように、原水の濾過により濾過部11b、12bの濾過抵抗(濾抗 図1及び図2におけるZによっても示される)が上昇することに伴って、逆洗管11d、12d内にて原水の水位が上昇する。そして、水位が上昇した原水が逆洗管11d、12dの最上部(最も高い部分)を経由して排出され逆洗管11d、12d内でサイフォン作用を生じさせることができる。これにより、逆洗管11d、12d内の気圧が低下し、原水室11a、12aから逆洗管11d、12d内を上昇する水流が生じることから、濾過水室11c、12cの濾過水が原水室11a、12aの方へ上向きに流れる。そして、濾過水室11c、12cの濾過水が上へ流れて濾過部11b、12bを透過することにより、濾過部11b、12bを逆洗することができる。
また、前記濾過逆洗ユニット11、12によれば、逆洗を開始させるタイミングを制御する手段がなくとも、濾過部11b、12bが所定の濾過抵抗(濾抗)を有すると逆洗が開始される。従って、例えば電力を要する弁などの制御装置類を濾過装置1に設置しなくとも、濾過装置1において濾過と逆洗とを行うことができる。
前記原水室11a、12aには、側方側に原水供給管21c、22cの下流側の一端が取り付けられている。原水室11a、12aは、原水供給管21c、22cからの原水が横方向から供給され所定量の原水を貯めるように構成されている。また、原水室11a、12aには、上部に逆洗管11d、12dの一端が取り付けられている。原水室11a、12aは、濾過部11b、12bの濾過抵抗(濾抗)の上昇に伴い、原水が逆洗管11d、12dへ入り込むように構成されている。
前記支持板9には、通水部材8が配置されている部分に孔が複数形成されている。複数の孔が形成された支持板9と、該孔が形成された部分に配された複数の通水部材8とによれば、濾過及び逆洗において、濾過部11b、12bと濾過水室11c、12cとの間にて水を流通させることができる。
前記濾過水室11c、12cには、連通管7の一端が取り付けられている。濾過水室11c、12cの内部空間は、連通管7を介して逆洗用水槽5と連通している。
斯かるサイフォン作用では、他端側の逆洗管11d、12d内における気圧が下がり、原水室11a、12a内の水が上方へ移動し始める。斯かる水の移動に伴って、濾過水室11c、12c内の濾過水が濾過部11b、12bを濾過部11b、12bの下側から上側へ透過して濾過部11b、12bを逆洗する。さらに、逆洗後の水が原水室11a、12aから逆洗管11d、12dを経て排出される。
これに伴い、図3に示すように、前記逆洗用水槽5内から連通管7を経て濾過水が濾過水室11c、12cに供給される。このようにして、後述するサイフォン作用停止部によってサイフォン作用が停止されるまで、逆洗が行われる。
従って、前記重力式濾過装置1は、濾過部11b、12bが上下方向に配列された複数の濾過逆洗ユニット11、12の横に、逆洗用水槽5を並べた重力式濾過装置よりも、設置面積を小さくできる。
前記逆洗用水槽5には、該逆洗用水槽5の内部空間と各濾過水室11c、12cの内部空間とが連通するように、連通管7の一端が取り付けられている。
このように、前記逆洗用水槽5内の水面は、濾過及び逆洗によって、水面の高さ(水位)が変わる。前記逆洗用水槽5は、内部に貯める濾過水の最も高い水面(上記の最上面)が、前記逆洗管11d、12dの最上部よりも低くなるように、配されている。
前記連通部7は、逆洗用水槽5の内部空間、及び各濾過水室11c、12cの内部空間それぞれを互いに連通するように構成されている。
前記連通部7は、各濾過逆洗ユニット11、12の側方側に配され、各濾過逆洗ユニット11、12で得られたそれぞれの濾過水が逆洗用水槽5の最下部よりも下側で合流するように形成されている。
さらに、前記連通部7によれば、例えば図3に示すように、上側の濾過逆洗ユニット11の濾過部11bを逆洗するときに、上側の濾過逆洗ユニット11の濾過水室11cへ、下側の濾過逆洗ユニット12の濾過水室12cから濾過水を供給することができる。なお、図3における矢印は、上側の濾過逆洗ユニット11の濾過部11bが逆洗されているときの水の流れを示している。
従って、本実施形態の重力式濾過装置1では、濾過部11b、12bに溜まった濁質をより除去できる分、原水を濾過する濾過時間(濾過継続時間)が長くなる。即ち、逆洗する頻度が少なくなる。しかも、濾過部11b、12bに溜まった濁質をより十分に除去できる分、濾過時に、単位時間あたりに得られる濾過水の量が増える。
前記サイフォン停止管41、42の一端は、開口を下向きにして配され、しかも該一端は、逆洗用水槽5の底面より上側であり且つ前記最上面より下側に位置している。即ち、該一端は、逆洗用水槽5の下部に配されている。
また、前記サイフォン停止管41、42の一端は、逆洗管11d、12dの他端(逆洗水の排出側の端)よりも高い位置に配されている。
一方、サイフォン停止管41、42の他端は、逆洗管11d、12dの上部とつながっている。
なお、逆洗用水槽5における水位がサイフォン停止管41、42の一端まで低下すると、サイフォン作用が停止する。従って、該一端の高さが、逆洗用水槽5に貯まる濾過水の最下面の高さとなる。
前記分岐管6bの一端は、所定高さにて縦管6aに取り付けられている。そして、分岐管6bは、該所定高さまで濾過水の水位が上昇すると濾過水が排出され回収されるように構成されている。分岐管6bの該所定高さによって、前記最上面の位置が決まる。
前記逆洗ピット10は、上方に向けて開口した中空直方体状又は中空円柱状に形成されている。また、逆洗ピット10は、ピット10内の水面の最高位置が、最も下側にある濾過水室11c、12cの上面より低くなるように構成されている。
前記逆洗ピット10は、逆洗によって排出された水がピット10内の水面の最高位置に達すると、水がピット10外にあふれ出し、さらに、水が下方へ排出されるように構成されている。
なお、前記逆洗ピット10は、内部に貯まる水の水面が、逆洗管11d、12dの他端よりも高くなるように、配されている。また、前記逆洗ピット10は、内部に貯まる水の水面が、逆洗終了時における逆洗用水槽5内の水面よりも低くなるように、配されている。
また、一般の重力式濾過装置において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記の説明ではなく、特許請求の範囲によって示される。また、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5:逆洗用水槽、
6:濾過水排出管(濾過水排出部)、
7:連通管(連通部)、
8:通水部材、
9:支持板、
10:逆洗ピット、
11、12:濾過逆洗ユニット、
11a、12a:原水室、 11b、12b:濾過部、 11c、12c:濾過水室、
11d、12d:逆洗管、
21、22:原水供給部、
21a、22a:原水タンク、 21b、22b:ループシールタンク、
21c、22c:原水供給管、
31、32:逆洗促進部、
31a、32a:環状管、 31b、32b:逆洗促進管、
31c、32c:逆洗促進補助管、 31d、32d:真空ポンプ、
41、42:サイフォン停止管(サイフォン作用停止部)。
逆洗のための濾過水を貯めるべく前記濾過水室と連通した逆洗用水槽と、
前記逆洗用水槽と、前記複数の濾過逆洗ユニットのうちの一の濾過逆洗ユニットの濾過水室と、他の濾過逆洗ユニットの濾過水室とを連通する連通部とを備え、
前記複数の濾過逆洗ユニットの濾過部が上下方向に配列され、各濾過逆洗ユニットからそれぞれ濾過水を回収するように前記複数の濾過逆洗ユニットが互いに並列に構成され、
前記逆洗用水槽が、前記複数の濾過逆洗ユニットの最も上側の原水室よりも上に配されており、
前記原水の濾過により前記濾過部の濾過抵抗が上昇することに伴って前記逆洗管内にて原水の水位が上昇し該原水が前記逆洗管の前記最上部を経て下方へ排出され前記逆洗管内でサイフォン作用が生じることによって、濾過水室内の濾過水が濾過部を下側から上側へ透過して濾過部を逆洗するように構成されている重力式濾過装置。