HUMIDITY SENSING ELEMENT, ITS MANUFACTURE AND HUMIDITY SENSING DEVICE USING THE SAME

01-08-1995 дата публикации
Номер:
JP0007197237A
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Номер заявки: 5353699
Дата заявки: 29-12-1993

[1]

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、SnO2薄膜を用いた感湿素子とその製法およびそれを用いた感湿装置に関する。
【0002】
【従来技術】湿度の検知には、古くから毛髪湿度計や感湿球湿度計等の物理的手段が利用されてきたが、検知機能の向上、エレクトニクスデバイスへの利用を図るために、湿度の変化を電気信号により高精度に変換して出力し、検知環境における耐久性を有する電気伝導度変化により検知を行うセラミック(多孔質セラミックス)感湿素子の研究開発が盛んになっている。特に、近年では金属酸化物系材料を用いた感湿素子の研究開発が多く、MgCr2O4-TiO2系、V2O5-TiO2系、ZnO-Cr2O3系、ZrO-V2O5系、TiO2-SnO2系等の複合酸化物による感湿素子などが挙げられる。
【0003】これらの感湿素子の電導機構には物理的吸着水中のイオン伝導によるものと、化学的吸着水による半導体の電子伝導度変化によるものとがある。また、一般に相対湿度は雰囲気温度により変化するために、前記感湿素子には、温度検出器を含んでいる。
【0004】この感湿素子の代表的な一つは、焼結型感湿素子であり、その概略は図1に示したようにMgCr2O4-TiO2系の感湿素子20および電極としては水分子を透過しやすい多孔質のRuO2電極21,22,ヒーター(カンタル)23から構成されている。また、11はベース、12は感湿素子のリード線(Pt-Ir)、13は素子固定端子、14はカードリング電極を示している。
【0005】一方、図2はスクリーン印刷により作製した厚膜型感湿素子であり、ZrO2-Y2O3系の感湿素子40をAl2O3基板41上に設け、更に前記感湿素子40上にAuくし型電極42を形成させた構造を呈している。また、15はボンディングパッド(Ag-Pd),16はリードピンである。
【0006】図1に示したものでは消費電力が大きく、また熱容量が大きいため応答性に問題があるが、図2に示したものでは、感湿素子を厚膜にすることにより消費電力、応答性等の面で改善が見られる。しかし、いずれの構造においても集積化が困難であるため、現在、薄膜化の検討が行われている。また前記の感湿素子では複数の金属酸化物を原料としているために原料コストが大きな問題となる。
【0007】
【目的】本発明は目的は、SnO2薄膜を用いた長寿命、低消費電力、更には低コストな感湿素子、その製法および感湿装置を提供する点にある。
【0008】
【構成】本発明の第一は、雰囲気中に存在する水分量の変化に対して電気伝導度が変化する金属酸化物半導体薄膜を用いた感湿素子において、前記金属酸化物半導体薄膜がSnO2微粒子薄膜および/またはSnO2超微粒子薄膜すなわち、SnO2の微粒子および/または超微粒子の集積体で構成されている薄膜よりなり、その平均粒子径が10~200nmおよび/または平均細孔半径が5~250nmであることを特徴とする薄膜感湿素子に関する。本発明でいう粒子とはSEMで観察される粒子を指すものであり、結晶構造は粒子が全体的にどのような結晶構造になっているかを示すものである。
【0009】前記SnO2微粒子薄膜および/またはSnO2超微粒子薄膜の結晶構造は正方晶以外の結晶構造を含まないものが好ましい。また、前記SnO2微粒子薄膜および/またはSnO2超微粒子薄膜は複層構造を有し、その表面層を構成するSnO2微粒子薄膜および/またはSnO2超微粒子薄膜の平均粒子径が10~50nmおよび/または平均細孔半径が5~50nmであることが好ましく、前記複層構造の膜は互いに不連続部分を有する膜形態であることが好ましい。
【0010】本発明の第二は、SnO2および/またはSnOを含むアモルファス層を製膜後、酸素の存在下に500℃以上の焼成を行い結晶化させることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の薄膜感湿素子の製法に関する。
【0011】本発明の第三は、空中に張り出して設けられた電気絶縁性材料からなる張出し部、前記張出し部上に設けられた湿度検出用の金属酸化物半導体層、それに接触する電極リードおよび前記電極リードにほぼ並置して設けられたヒーターリードを有する感湿装置において、前記金属酸化物半導体層が、請求項1,2,3または4記載の薄膜感湿素子であることを特徴とする感湿装置に関する。この発明は、本出願人の出願である特開昭61-191953号にかかるガス検知装置における検知素子を本第一発明の薄膜感湿素子に置き換えた発明である。
【0012】前記金属酸化物の作製方法としては本出願人が先に出願した薄膜形成装置(特公平1-53351号公報)による製膜や蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理的手法、CVD等の気相化学反応法、Sol-Gel法等の液相を利用した公知の薄膜形成法により形成する。
【0013】図7~図10に本第三発明の構造例についての概略を示した。張出し部の形状は図7、図8のような架橋構造でも図9、図10のような片持梁構造でも良く、その形状については条件により任意に設定することができる。図8は図7(A)-(A′)線断面図であり、図10は、図9(B)-(B′)線断面図である。
【0014】
【実施例】
実施例1
図3において、まずベルジャー102を開き、金属酸化物形成用の蒸発物質としてSnを蒸発源104に保持させた後、ベルジャー102を閉じ、真空排気系(図示せず)により排気して真空槽102′内の圧力を予め10-4(Pa)のオーダーにし、次に酸素ガスを真空槽102′内に導入し、その圧力を0.1(Pa)程度を保つ。この雰囲気状態で前述の金属の蒸発源104を抵抗加熱により加熱し、対電極110を零電位にし、グリッド108に100(V)の電圧を印加しフィラメント106に400(W)の電力を与える。前記抵抗加熱の投入電力を制御し、製膜速度を0.5nm/sまたは2.2nm/sでSnO2を膜厚300nmで製膜した。いずれの製膜速度の場合も得られるSnO2は、いずれもアモルファスであり、それぞれ表1のような組成になっている。
【0015】
【表1】
【0016】これらのサンプルに700℃、3時間の焼成(酸素中)を行うと、結晶化し、SnO2正方晶以外の結晶構造を含まない構造になる。前述の焼成温度よりも低い温度、例えば500℃以下では別の結晶構造(SnO2斜方晶)を含むようになり、駆動温度(200~450℃)での加熱により結晶構造が変化し、経時安定性が悪くなる。このような理由から、請求項2記載の正方晶のみを含む構造が安定であり、その構造を作製するためには焼成温度500℃以上とする必要がある。
【0017】前述の焼成条件により作製した各試料の走査型電子顕微鏡(SEM)観察結果を図4,図5に示す。図4は製膜速度0.5(nm/s)、図5は2.2(nm/s)で製膜、焼成を行った試料である。
【0018】(i)単層構造膜(請求項1,2,5に対応)
熱酸化膜〔SiO2  1.5(μm)〕付の中抵抗Siウエハ上に、前記蒸着条件により、0.5(nm/s)の製膜速度で製膜し〔膜厚300(nm)〕、酸素雰囲気中で700℃、3時間の焼成を行うと、図4に示したような形態の微粒子構造の単層構造膜が形成される。図4の試料における粒子の平均粒子径は27.1nmで比較的に細孔(ポア)が多く、その平均細孔半径は9.0nm程度である、前述したような製法により粒径分布および細孔分布の再現性が優れた製膜が可能になり、本実施例では27.1nmの平均粒子径、9.0nmの平均細孔半径の試料について示したが、その作製条件(製膜速度、焼成温度、焼成時の昇温、降温速度等)により平均粒子径が10から200nm、好ましくは10から50nmの膜で、細孔半径が5から200nm、好ましくは5から100nmの膜を作製することが可能である。
【0019】前記図4の記載の試料の感湿特性(雰囲気温度25℃)を図6(a)に示した。この試料では比較的に検知部加熱温度が低い100℃程度から感湿特性を有し、高温にするほど高感度になる。この試料の各加熱温度(100℃,200℃,300℃,400℃)での経時特性(相対湿度70%での連続加熱特性)を測定すると、加熱温度100℃、200℃では良好な経時特性を有するが、加熱温度300℃、400℃では試験時間20(日)程度でいずれも劣化してしまう。この劣化要因としては、熱応力による膜構造変化、試験雰囲気からの汚染物質による膜の汚染等が考えられるが、100℃,200℃程度の加熱温度で駆動すれば、感湿素子として長期間安定な出力特性を有する膜を提供することができる。
【0020】(ii)二層構造膜(請求項3,4に対応)
(i)と同様の基板を用い、この基板上に前記蒸着条件により、2.2(nm/s)の製膜速度で製膜し〔膜厚300(nm)〕、酸素雰囲気中で700℃、3時間の焼成を行うと、図5に示したような形態の二層構造膜が形成される。図5に示したように、平均粒子径が22.5nm、平均細孔半径が5nm程度の比較的緻密な層を表面層に形成させる。この表面層は、図5に示したように、下層と不連続部分を有するような模形態を有することが好ましいが、連続膜でも良い。また、この表面層としては平均粒子径が10~50nm、好ましくは10~30nmで平均細孔半径が5~50nm、好ましくは5~20nmであることが望ましい。
【0021】図5記載の試料の感湿特性(雰囲気温度25℃)を図6(b)に示した。この試料では、300℃以上で感湿特性を有するが、比較的低い温度100℃、200℃程度では感湿特性を持たない。しかし、経時特性を測定すると300℃,400℃のいずれの加熱温度でも1000日程度の長期安定性がある。
【0022】
【効果】本発明により、SnO2薄膜を用いた長寿命、低消費電力、更には低コストな感湿素子を提供することができる。



[1]

PURPOSE: To provide a humidity sensing element long in service life and low in power consumption by using an SnO2 fine particle thin film having specified dimensions in average particle diameter and average pore radius as the metal oxide semiconductor thin film.

[2]

CONSTITUTION: This element is manufactured by using a metal oxide semiconductor thin film whose electric conductivity changes in accordance with the change in moisture content in the atmospheric gas. The thin film is formed by using an SnO2 fine particle thin film and/or an SnO2 superfine particle thin film whose average particle diameter and/or average pore radius are defined as 10 to 200nm and/or 5 to 250nm respectively. The crystal structures of the SnO2 of the SnO2 fine particle thin film and/or the SnO2 superfine particle thin film are defined so as not to contain the structure other than the tetragonal system.

[3]

COPYRIGHT: (C)1995,JPO



【特許請求の範囲】
【請求項1】  雰囲気中に存在する水分量の変化に対して電気伝導度が変化する金属酸化物半導体薄膜を用いた感湿素子において、前記金属酸化物半導体薄膜が、SnO2微粒子薄膜および/またはSnO2超微粒子薄膜よりなりその平均粒子径が10~200nmおよび/または平均細孔半径が5~250nmであることを特徴とする薄膜感湿素子。
【請求項2】  前記SnO2微粒子薄膜および/またはSnO2超微粒子薄膜の結晶構造が正方晶以外の結晶構造を含まないものである請求項1記載の薄膜感湿素子。
【請求項3】  前記SnO2微粒子薄膜および/またはSnO2超微粒子薄膜が複層構造を有し、その表面層を構成するSnO2微粒子薄膜および/またはSnO2超微粒子薄膜の平均粒子径が10~50nmおよび/または平均細孔半径が5~50nmである請求項1または2記載の薄膜感湿素子。
【請求項4】  前記複層構造の膜が互いに不連続部分を有する膜形態である請求項3記載の薄膜感湿素子。
【請求項5】  SnO2および/またはSnOを含むアモルファス層を製膜後、酸素の存在下に500℃以上の焼成を行い結晶化させることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の薄膜感湿素子の製法。
【請求項6】  空中に張り出して設けられた電気絶縁性材料からなる張出し部、前記張出し部上に設けられた湿度検出用の金属酸化物半導体層、それに接触する電極リードおよび前記電極リードにほぼ並置して設けられたヒーターリードを有する感湿装置において、前記金属酸化物半導体層が、請求項1,2,3または4記載の薄膜感湿素子であることを特徴とする感湿装置。