LUMEN PASSAGE CONFIRMATION DEVICE
本発明は、被検者の体内に導入されるカプセル型医療装置の管腔通過性を確認する管腔通過確認装置に関する。
近年、内視鏡の分野において、撮像機能と無線通信機能とを備えたカプセル型内視鏡が登場している。カプセル型内視鏡は、臓器内部を観察(検査)するために患者等の被検者の口から飲込まれた後、この被検者から自然排出されるまでの間、胃や小腸等の臓器の内部を蠕動運動等によって移動しつつ、この被検者の臓器内部の画像(以下、体内画像という場合がある)を例えば0.5秒間隔で順次撮像する。カプセル型内視鏡は、このように撮像した体内画像をこの被検者が携帯する受信装置に対して順次無線送信する。
かかるカプセル型内視鏡によって無線送信された体内画像は、受信装置によって順次受信され、この受信装置の記憶媒体内に順次蓄積される。画像表示装置は、受信装置の記憶媒体を媒介して被検者の体内画像群を取得し、かかる被検者の体内画像群をディスプレイ上に表示する。医師または看護師等は、かかる画像表示装置に表示させた体内画像を観察して、この被検者の診断を行う。
ところで、このようなカプセル型内視鏡は、被検者の臓器内部(管腔内部)に狭窄部が存在する場合、この狭窄部において滞留するおそれがある。このため、医師または看護師等は、被検者に対してカプセル型内視鏡検査を行う前に、この被検者に摂取させるカプセル型内視鏡の管腔通過性を確認する必要がある。そこで、管腔通過性を確認したいカプセル型内視鏡とほぼ同等の外径を有する管腔通過確認装置を被検者に摂取させ、管腔通過確認装置が体外に排出されたか否か、あるいは、狭窄部を有する臓器を超えた所望の臓器に到達したか否かをもとに、検査で用いるカプセル型内視鏡が管腔を通過可能であるか否かを判断する。たとえば、この管腔通過確認装置として、生体内で容易に溶解する材料で構成されたカプセル型の本体部表面を、被検者の体内で一定の耐久性を有するように低溶解性材料でほぼ一様にコーティングした管腔通過確認装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された管腔通過確認装置が狭窄部で滞留すると、コーティング層の厚さのバラツキによってコーティング層の厚さの薄い部分が溶解し、コーティング層が溶解した部分から内部の本体部の一部が露出して本体部全体は容易に溶解する。しかしながら、コーティング層は、溶解するまでに時間がかかり、コーティング層のみがカプセル形状を保持したまま長時間残存してしまう場合が考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、コーティング層が被検者の体内に残存した場合であっても、コーティング層がカプセル形状のまま長時間残存しない管腔通過確認装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる管腔通過確認装置は、被検者の消化管内に導入されるカプセル型医療装置が消化管を通過できるか否かを確認する管腔通過確認装置であって、前記消化管に存在する物質によって溶解する材料から成る本体部と、前記本体部の表面を被覆し、前記カプセル型医療装置の短手方向の外径と略同等の外径を有し、前記消化管に存在する物質によって溶解する材料から成る溶解層と、を備え、前記溶解層は、当該管腔通過確認装置の長軸と交わる面の一周にわたって周回するパターンが少なくとも二つ形成されており、前記パターンの少なくとも一部の前記溶解層の厚さが、他の部分の前記溶解層の厚さよりも薄いことを特徴とする。
また、本発明にかかる管腔通過確認装置は、前記本体部は、円柱形を成し、前記溶解層は、前記円柱形である前記本体部の底面と側面との境界を被覆した部分の厚さは、前記円柱形である前記本体部の底面および側面を被覆する部分の厚さよりも薄いことを特徴とする。
また、本発明にかかる管腔通過確認装置は、前記本体部は、当該管腔通過確認装置の長軸と交わる前記本体部の面の一周に沿って形成された一以上の凸部を表面に有し、前記溶解層は、前記本体部の凸部を被覆した部分の厚さが、前記本体部の他の部分を被覆した部分の厚さよりも薄いことを特徴とする。
また、本発明にかかる管腔通過確認装置は、前記溶解層は、当該管腔通過確認装置の長軸と交わる前記溶解層の面の一周に沿って形成された一以上の凹部を表面に有することを特徴とする。
また、本発明にかかる管腔通過確認装置は、前記溶解層は、異なる識別物質をそれぞれ含む二層で形成されることを特徴とする。
また、本発明にかかる管腔通過確認装置は、前記識別物質は、造影剤であることを特徴とする。
また、本発明にかかる管腔通過確認装置は、前記二層の溶解層に含まれる造影剤は、それぞれ濃度、厚さ、および、粒径のいずれか一つが、層ごとに異なることを特徴とする。
また、本発明にかかる管腔通過確認装置は、前記識別物質は、色素であることを特徴とする。
また、本発明にかかる管腔通過確認装置は、前記溶解層は、前記本体部を被覆する内側の溶解層と、該内側の溶解層を被覆する外側の溶解層との二層によって形成され、前記外側の溶解層の溶解速度は、前記内側の溶解層の溶解速度よりも速いことを特徴とする。
また、本発明にかかる管腔通過確認装置は、前記本体部の溶解速度は、前記溶解層の溶解速度よりも速いことを特徴とする。
本発明にかかる管腔通過確認装置によれば、消化管に存在する物質によって溶解する材料から成る本体部と、本体部の表面を被覆し、カプセル型医療装置の短手方向の外径と略同等の外径を有し、消化管に存在する物質によって溶解する材料から成る溶解層と、を備え、溶解層は、当該管腔通過確認装置の長軸と交わる面の一周にわたって周回するパターンが少なくとも二つ形成されており、パターンの少なくとも一部の溶解層の厚さを、他の部分の溶解層の厚さよりも薄くして早く溶解させることによって、溶解層を所望の部分で分断できるようにし、溶解層が被検者の体内に残存した場合であっても、溶解層がカプセル形状のまま長時間残存しないようにしている。
以下、図面を参照して、本発明にかかる管腔通過確認装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、本発明にかかる管腔通過確認装置の一例としてカプセル形状の装置について説明する。また、この実施の形態により、この発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図2は、図1に示す管腔通過確認装置1を、管腔通過確認装置1の長軸Laを含み長軸Laに平行な平面で切断した場合の断面図である。図2に示すように、管腔通過確認装置1は、円柱形を成す本体部11と、本体部11の外表面をコーティング(被覆)するコーティング層(溶解層)12とによって構成される。
本体部11は、カプセル型医療装置の通過確認対象の臓器である消化管に存在する物質によって溶解する材料で形成され、コーティング層12よりも容易に溶解する材料から成り、本体部11の溶解速度は、後述するコーティング層12の溶解速度よりも速い。本体部11は、円柱形を有するため、底面と側面との境界である円周部11e(図2参照)が、円柱の二つの底面の各外周に沿ってそれぞれ周回する。小腸の腸管を通過可能であるかを検査する場合には、管腔通過確認装置1の到達目的の臓器は大腸となり、本体部11は、小腸および大腸の腸管に存在する液体(腸液または消化液)によって短時間で溶解する腸溶性材料から成る。
コーティング層12は、導入対象のカプセル型医療装置の短手方向の外径と略同等の外径を有し、通過確認対象の消化管に存在する物質によって溶解する材料から成る。コーティング層12は、円柱形の本体部11を内包するため、両端が閉じた略円筒形を成す。コーティング層12は、少なくともカプセル型医療装置の通過確認対象の消化管に存在する液体(腸液または消化液)によって溶解する材料から成る。小腸の腸管を通過可能であるかを検査する場合には管腔通過確認装置1の到達目的の臓器は大腸となり、コーティング層12は、小腸および大腸の腸管に存在する液体によって時間とともに溶解していく腸溶性材料から成る。たとえば、コーティング層12は、小腸内および大腸内のいずれにおいても徐々に溶解するゼラチン等の一般的な腸溶性材料によって形成される。なお、腸溶性材料は、腸内にある消化液等によって溶解する。また、コーティング層12は、たとえば、腸溶性材料などを本体部11に吹き付けあるいは蒸着することによって形成される。
コーティング層12では、領域Seに示す本体部11の円周部11eをコーティングした部分の厚さTeは、本体部11の側面および底面をコーティングした部分の厚さTfよりも薄い。言い換えると、コーティング層12では、管腔通過確認装置1の長軸Laと交わる底面の外周に沿って周回する、本体部11の円周部11eをコーティングした部分の厚さTeは、他の部分の厚さTfよりも薄い。
このような構成を有する管腔通過確認装置1は、例えば図3に示すように、カプセル型医療装置を体内に導入する(具体的には経口摂取する)前の被検者Kに経口摂取される。この被検者Kに経口摂取された管腔通過確認装置1は、被検者Kの管腔内部を蠕動運動等によって進行する。管腔通過確認装置1は、被検者Kの管腔内部に狭窄部がない場合、到達目的の大腸に到達する、あるいは、体外に排出される。
一方、管腔通過確認装置1は、被検者Kの管腔内部に狭窄部がある場合、この狭窄部において滞留する。なお、管腔通過確認装置1は、小腸に到達するまでは、コーティング層12によって形状を保持する。管腔通過確認装置1は、小腸の狭窄部で滞留すると、時間とともに溶解する。
図4は、管腔通過確認装置1が小腸の腸管で溶解していく様子を説明する図である。図4の(1)のように、小腸の狭窄部Pで管腔通過確認装置1が滞留すると、図4の(2)のように、コーティング層12では、領域Se内の二つの円周部11eをコーティングする厚さが薄い部分が、他の部分よりも先に溶解する。この結果、コーティング層12は、本体部11の底面を覆う部分12b,12dと、本体部11の側面を覆う円筒部分12a,12cに分断され、各部分12a~12dの隙間から本体部11の円周部11eの表面が露出する。図4の(2)の矢印のように、露出した本体部11の円周部11eから、小腸内に存在する液体が浸入し、図4の(3)のように、本体部11全体が溶解する。この結果、分断されたコーティング層12のうち、本体部11の底面を覆っていた部分12b,12dは、本体部11の側面を覆っていた円筒部分12a,12cの内部などに倒れ、コーティング層12は、少なくとも円筒形状の両端が挿通した状態で残る。したがって、管腔通過確認装置1が狭窄部Pで滞留しコーティング層12が残存した場合であっても、図4の(3)の矢印のように、コーティング層12内部を腸液などが通過できる。
このように、実施の形態1では、コーティング層12において、分断させたい部分の厚さを、他の部分の厚さよりも薄くすることによって、コーティング層12を所望の部分で分断できるようにしている。管腔通過確認装置1では、コーティング層12において、当該管腔通過確認装置1の長軸Laと交わる断面の一周にわたって周回するパターンの厚さ、たとえば、本体部11の円周部11eをコーティングする部分の厚さを、他の部分の厚さよりも薄くすることによって、略円筒形状を成すコーティング層12の底面部が円筒部部分から分断されるようにしている。この結果、管腔通過確認装置1が狭窄部Pで滞留し、コーティング層12が腸管内に残存した場合であっても、両端が挿通した円筒形のコーティング層12内部を腸液などが通過できるため、生体への影響は低減できる。
(実施の形態1の変形例)
(実施の形態2)
図6に示すように、実施の形態2にかかる管腔通過確認装置201では、カプセル形状を成す本体部211の端部側の外表面に二つの凸部211pが形成されている。この凸部211pは、管腔通過確認装置201の長軸Lbと直交する本体部211の断面の一周にわたって周回する。このため、図7に示すように、本体部211の外表面をコーティングするコーティング層212は、領域Sp内の本体部211の凸部211pをコーティングした部分の厚さTpが、本体部211の他の部分をコーティングした部分の厚さTgよりも薄くなる。
図8は、管腔通過確認装置201が小腸の腸管で溶解していく様子を説明する図である。図8の(1)に示すように、小腸の狭窄部Pで管腔通過確認装置201が滞留すると、図8の(2)のように、コーティング層212では、領域Sp内の凸部211pをコーティングする厚さの薄い部分が、他の部分よりも先に溶解する。すなわち、コーティング層212では、凸部211pの形成箇所に対応して、管腔通過確認装置201の長軸Lbと直交する断面の一周に沿って周回した孔が開き、コーティング層212は、本体部211胴部を覆う円筒部分212a,212cと、本体部211端部を覆う部分212b,212dとに分断される。これに伴い、各部分212a~212dの隙間から本体部211の凸部211pの表面が露出する。そして、図8の(2)の矢印のように、露出した本体部211の凸部211pから、小腸内に存在する液体が浸入し、図8の(3)のように、本体部211全てが溶解すると、分断されたコーティング層212の各部分は、ばらばらになり、コーティング層212は、少なくとも円筒部分212a,212cは、両端が挿通した状態となり、矢印のように、コーティング層212内部を腸液などが通過できる。
このように、実施の形態2では、本体部211の表面に、管腔通過確認装置201の長軸Lbと直交する断面の一周にわたって周回する凸部211pを設けることによって、凸部211p上のコーティング層212の厚さを、コーティング層212の他の部分の厚さよりも薄くしている。すなわち、コーティング層212では、管腔通過確認装置201の長軸Lbと直交する二つの断面の一周にわたって周回する凸部211p上のパターンの断面の厚さを、凸部211p以外をコーティングする部分の厚さよりも薄くしている。この結果、管腔通過確認装置201では、凸部211p上のコーティング層212のパターン部分を速く溶解させて、残存したコーティング層212が、少なくとも両端が挿通した円筒部分とそれ以外の部分に分断されるようにしており、実施の形態1と同様の効果を奏する。なお、実施の形態2では、凸部211pは、管腔通過確認装置201の長軸Lbと直交する平面で切断した面の一周にわたって周回するほか、長軸Lbと交わる曲面の一周にわたって周回してもよい。
(実施の形態2の変形例1)
図9および図10に示すように、実施の形態2の変形例1にかかる管腔通過確認装置201Aは、本体部211Aに、管腔通過確認装置201Aの長軸Lcに交わる断面の一周にわたって周回する凸部211qが二つ形成される。この場合も、本体部211Aの外表面をコーティングするコーティング層212Aは、本体部211Aの凸部211q上をコーティングした部分の厚さTgが、本体部211Aの他の部分をコーティングした部分の厚さThよりも薄くなる。このため、管腔通過確認装置201Aが小腸の狭窄部で滞留した場合には、コーティング層212Aでは、凸部211qをコーティングする厚さの薄い部分が、他の部分よりも先に溶解し、図11に示すように、端部側の部分212e,212gと、円筒部分212fとに分断される。したがって、コーティング層212Aは、少なくとも円筒部分212fが、両端が挿通した状態となり、コーティング層212A内部を腸液などが通過できる。体内に残存したコーティング層を、端部側部分と円筒部分とに分断するには、必ずしも管腔通過確認装置の長軸に直交する断面に限らず、この本体部211Aに形成される凸部211qのように、管腔通過確認装置の長軸に交わる断面に対し、該断面の一周にわたって周回するように凸部を形成すれば足りる。なお、凸部211qは、管腔通過確認装置201Aの長軸Lcと交わる曲面の一周にわたって周回していてもよい。
(実施の形態2の変形例2)
図12に示すように、実施の形態2の変形例2にかかる管腔通過確認装置では、本体部211Bに対し、二つの凸部211pに加えて、長軸Ldを含む平面で本体部211Bを切断した断面の一周にわたって周回する凸部211rを形成している。この場合も、本体部211Bの外表面をコーティングするコーティング層は、本体部211Bの凸部211p,211r上をコーティングした部分の厚さが、本体部211Bの他の部分をコーティングした部分の厚さよりも薄くなる。そして、実施の形態2の変形例2にかかる管腔通過確認装置が小腸の狭窄部で滞留した場合、コーティング層では、凸部211p,211rをコーティングする厚さの薄い部分が、他の部分よりも先に溶解し、図13に示すように、端部側の部分が凸部211rの位置で分断された部分212j~212mと、円筒部分が凸部211rの位置で分断された部分212h,212iとに分断される。
このように、管腔通過確認装置の長軸に交わる断面の一周にわたって周回する凸部に限らず、管腔通過確認装置の長軸を含む平面で本体部を切断した断面の一周にわたって周回する凸部を形成して、長軸を通る平面に沿って、管腔通過確認装置のコーティング層をさらに細かく分断できるようにしてもよい。
(実施の形態2の変形例3)
図14および図15に示すように、実施の形態2の変形例3にかかる管腔通過確認装置201Cでは、本体部211Cに、複数の凸部211sが、管腔通過確認装置201Cの長軸Leと交わる本体部211Cの断面の一周に沿って二組形成されている。言い換えると、図15に示すように、管腔通過確認装置201Cの本体部211Cには、管腔通過確認装置201Cの長軸Leと交わる断面の一周すべてを周回する凸部ではなく、管腔通過確認装置201Cの長軸Leと交わる断面の一周に沿って部分的に形成された複数の凸部211sが二組形成される。この場合も、本体部211Cの外表面をコーティングするコーティング層212Cは、本体部211Cの凸部211s上をコーティングした部分の厚さTjが、本体部211Cの他の部分を被覆した部分の厚さTiよりも薄くなる。
この実施の形態2の変形例3にかかる管腔通過確認装置201Cが小腸の狭窄部で滞留した場合、コーティング層212Cでは、凸部211sをコーティングする厚さの薄い部分が他の部分よりも先に溶解し、凸部211sの位置に合わせてミシン目状の孔が開くこととなり、凸部211sが形成された位置から、両端部側と円筒部分側とに分断されやすくなる。なお、凸部211sは、管腔通過確認装置201Cの長軸Leと交わる曲面の一周にわたって周回していてもよい。
(実施の形態3)
図16および図17に示すように、管腔通過確認装置301において、本体部311は、表面が滑らかなカプセル形状を成し、この本体部311を内包するコーティング層312の表面には、管腔通過確認装置301の長軸Lfと直交する断面の一周に沿って周回する凹部312dが二つ形成されている。この凹部312dは、本体部311の表面全体を、コーティング層を構成する腸溶性材料等で同じ厚さでコーティングした後に、凸部材で型押しし、あるいは、コーティング層表面に溝を切ることによって形成される。
このため、図17に示すように、コーティング層312は、領域Sd内の凹部312dにおける厚さTmが、他の部分の厚さTkよりも薄くなる。このため、管腔通過確認装置301が小腸の狭窄部で滞留した場合には、コーティング層312では、凹部312dにおける厚さの薄い部分が、他の部分よりも先に溶解し、凹部312dの形成箇所に対応して、管腔通過確認装置301の長軸Lfと直交する断面の一周に沿って周回した孔が開き、端部側の部分と円筒部分とに分断される。したがって、コーティング層312は、少なくとも円筒部分は、両端が挿通した状態となって、コーティング層312内部を腸液などが通過可能となるため、実施の形態1と同様の効果を奏する。なお、凹部312dは、管腔通過確認装置301の長軸Lfと交わる曲面の一周にわたって周回していてもよい。
(実施の形態3の変形例1)
(実施の形態3の変形例2)
(実施の形態3の変形例3)
図20および図21に示すように、実施の形態3の変形例3にかかる管腔通過確認装置301Cでは、コーティング層312Cは、管腔通過確認装置301Cの長軸Liと直交する断面の一周に沿って部分的に形成された複数の凹部312gを二組有する。この場合も、コーティング層312Cでは、凹部312gが形成された部分の厚さToが、他の部分の厚さTnよりも薄くなる。管腔通過確認装置301Cが小腸の狭窄部で滞留した場合、コーティング層312Cでは、厚さの薄い凹部312gが他の部分よりも先に溶解し、凹部312gの位置に合わせてミシン目状の孔が開くこととなり、凹部312gが形成された位置から、両端部側と円筒部分側とに分断されやすくなる。なお、凹部312gは、管腔通過確認装置301Cの長軸Liと交わる曲面の一周にわたって周回していてもよい。
(実施の形態4)
図22は、実施の形態4にかかる管腔通過確認装置を、管腔通過確認装置の長軸を含み長軸に平行な平面で切断した場合の断面図である。図22に示すように、実施の形態4にかかる管腔通過確認装置401は、実施の形態2にかかる管腔通過確認装置201と比して、コーティング層412が二層で形成された構成を有する。実施の形態2と同様に、管腔通過確認装置401が小腸の狭窄部で滞留した場合に、残存したコーティング層412が端部側部分と円筒部分とに分断されるように、コーティング層412は、領域Spaに示す本体部211の凸部211pの外表面をコーティングした部分の厚さTpaが、本体部211の他の部分をコーティングした部分の厚さTgaよりも薄くなっている。
コーティング層412は、外側の第1コーティング層413と内側の第2コーティング層414とを有する。第2コーティング層414は、本体部211表面をコーティングし、第1コーティング層413は、第2コーティング層414をコーティングする。外径A1のカプセル型内視鏡の管腔通過性を確認するために、第1コーティング層413は、外径A1のカプセル型内視鏡と同径の内径A1を有する。外径A2(<外径A1)のカプセル型内視鏡の管腔通過性を確認するために、第2コーティング層414は、外径A2のカプセル型内視鏡と同径の内径A2を有する。すなわち、実施の形態4では、本体部211の外径が、外径A2のカプセル型内視鏡と同径となる。
第1コーティング層413は、小腸および大腸において溶解し、小腸および大腸において例えば40時間程度で溶解する。第2コーティング層414は、小腸および大腸において溶解し、小腸および大腸において例えば30時間程度で溶解する。小腸および大腸において、それぞれ所望の時間で溶解するように、第1コーティング層413および第2コーティング層414は、それぞれの層の厚さが調整されている。
第1コーティング層413と第2コーティング層414は、それぞれ異なる識別物質を含む。第1コーティング層413と、第2コーティング層414は、識別物質として、異なる濃度のX線造影剤を含む。第1コーティング層413は、濃度D1のX線造影剤を含み、第2コーティング層414は、濃度D2のX線造影剤を含む。X線撮影を行った場合に第1コーティング層413と第2コーティング層414との境界が区別できるように、第2コーティング層414が含むX線造影剤の濃度D2は、第1コーティング層413が含むX線造影剤の濃度D1よりも濃くなるように設定されている。
この管腔通過確認装置401を用いた管腔通過確認検査について説明する。まず、被検者Kに管腔通過確認装置401を経口摂取させ、摂取後、たとえば、30時間前後で、開通性確認を行う。このときに管腔通過確認装置401が体外に排出されている場合には、外径A1のカプセル型内視鏡の開通が可能であると判断できる。また、管腔が細い小腸領域での開通性が確認できれば消化管全体の開通性を確認できたと考えてよい。したがって、管腔通過確認装置401が、小腸の後の臓器である大腸に到達している場合であって、第1コーティング層413が装置の全表面に残っている場合にも、外径A1のカプセル型内視鏡の開通が可能であると判断できる。この場合には、被検者Kの体内にある管腔通過確認装置401をX線撮影し、撮影結果をもとに、第1コーティング層413の残存状態を判断する。
図23は、第1コーティング層413が装置の全表面に残っている状態の管腔通過確認装置401のX線撮影画像を示す図である。内側の第2コーティング層414のX線造影剤の濃度D2は、外側の第1コーティング層413のX線造影剤の濃度D1よりも濃いため、X線画像上では、第2コーティング層414は、第1コーティング層413よりも濃く写り、第1コーティング層413と第2コーティング層414との境界を認識することができる。具体的には、図23の画像401gに示すように、第1コーティング層413が装置の全表面に残っている場合には、管腔通過確認装置401は、本体部211と第2コーティング層414とが濃いカプセル画像として濃く映し出され、第1コーティング層413は、カプセル画像の外周を囲む層として薄く映し出される。この管腔通過確認のためのX線撮影にて、図23に示すような画像401gが大腸に位置する場合には、管腔通過確認装置401が、最も外側の第1コーティング層413が装置の全表面に残っている状態で大腸まで到達できたことが把握できるため、第1コーティング層413の内径A1と同径の外径A1のカプセル型内視鏡が小腸を通過可能であると判断でき、この外径A1のカプセル型内視鏡の開通性があると評価できる。
さらに、管腔通過確認装置401の体外への排出、あるいは、大腸への到達が把握できなかった場合には、管腔通過確認装置401を摂取後、たとえば60時間前後で、再度、開通性確認を行う。この場合は、管腔通過確認装置401を摂取後、60時間が経過しているため、第1コーティング層413は、腸内で溶解しているものと判断できる。このため、この時点で管腔通過確認装置401が体外に排出されている場合には、外径A2のカプセル型内視鏡の開通が可能であると判断できる。また、管腔通過確認装置401が大腸に到達している場合であって、第1コーティング層413が溶解し、第2コーティング層414が露出した場合にも、外径A2のカプセル型内視鏡の開通が可能であると判断できる。この場合にも、被検者Kの体内にある管腔通過確認装置401をX線撮影し、撮影結果をもとに、第2コーティング層414が露出した状態であるか否かを判断する。
図24は、第1コーティング層413が溶解し、第2コーティング層414が露出した状態の管腔通過確認装置401のX線撮影画像を示す図である。摂取後すでに60時間経過しているため、最も外側の第1コーティング層413は溶解している。そして、第1コーティング層413の内側の第2コーティング層414が露出している場合には、管腔通過確認装置401は、本体部211と第2コーティング層414とが濃いカプセル画像として濃く映し出される画像401f(図24参照)が取得できる。この画像401fが大腸に位置する場合には、管腔通過確認装置401が、内側の第2コーティング層414が装置のほぼ全表面に残っている状態で大腸まで到達できたことが把握できるため、第2コーティング層414の内径A2と同径の外径A2のカプセル型内視鏡が小腸を通過可能であると判断でき、この外径A2のカプセル型内視鏡の開通性があると評価できる。これに対し、第2コーティング層414が装置表面に残っていない状態の画像を取得した場合には、被検者Kに対しては、外径A2のカプセル型内視鏡の開通性もないものと評価できる。
このように、実施の形態4では、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、コーティング層を二層にし、さらに層ごとにそれぞれのX線造影剤の濃度を変えて該二層のコーティング層をX線画像上で識別できるようにすることによって、一度の開通性評価検査において異なるサイズ(外径A1,A2)のカプセル型内視鏡に対する開通性を評価することができるという効果を奏する。
なお、実施の形態4では、第1コーティング層413および第2コーティング層414を、X線画像上で区別できるように、X線造影剤の濃度、X線造影剤の粒径、あるいは、第1コーティング層413および第2コーティング層414の厚さのうちのいずれか一以上を変えればよい。
また、第1コーティング層413および第2コーティング層414のうちの外側の第1コーティング層413の溶解速度を、内側の第2コーティング層の溶解速度よりも速くしてもよい。このように調整することによって、第1コーティング層413が小腸、大腸内で完全に溶け、第2コーティング層414のみが小腸、大腸内で残存している時間を長くすることができ、例えば、小腸に外径A2とほぼ同等の管腔部位があった場合であっても、外径A2のカプセル型内視鏡に対する開通性確認を適切に行なえる。この場合、第1コーティング層413、第2コーティング層414に含まれる腸溶性材料の濃度、腸溶性材料の粒径、あるいは、第1コーティング層413および第2コーティング層414の厚さのうち少なくとも一以上を変えることによって、第1コーティング層413の溶解速度を、第2コーティング層414の溶解速度よりも速く設定する。
また、第1コーティング層413および第2コーティング層414を識別するための識別物質として、X線造影剤を例にして説明したが、他にも、色素を識別物質として用いることも可能である。この場合には、第1コーティング層413と、第2コーティング層414とに対して、それぞれ目視で区別できる異なる色の色素を含ませ、体外に排出された管腔通過確認装置の表面の色を確認すればよい。体外に排出された管腔通過確認装置の表面の色が、第1コーティング層413に含まれる色素に対応する色である場合には、第1コーティング層413が装置の全表面に残っている状態で管腔通過確認装置が体外に排出された状態であると判別できるため、外径A1のカプセル型内視鏡の開通が可能であると判断できる。体外に排出された管腔通過確認装置の表面の色が、第2コーティング層414に含まれる色素に対応する色である場合には、第1コーティング層413が溶解し第2コーティング層414が装置の全表面に残っている状態で管腔通過確認装置が体外に排出された状態であると判別できるため、外径A2のカプセル型内視鏡の開通が可能であると判断できる。なお、体外に排出された管腔通過確認装置の表面の色が、第1コーティング層413に含まれる色素に対応する色、および、第2コーティング層414に含まれる色素に対応する色のいずれでもない場合には、第1コーティング層413および第2コーティング層414の双方が溶解して表面に残存していない場合であるため、被検者Kに対しては、外径A2のカプセル型内視鏡の開通性もないものと評価できる。
また、実施の形態4を、実施の形態1に適用することも可能である。図25は、実施の形態4にかかる他の管腔通過確認装置を、該管腔通過確認装置の長軸を含み長軸に平行な平面で切断した場合の断面図である。実施の形態1にかかる管腔通過確認装置1のコーティング層12を、図25の管腔通過確認装置401Aのように、それぞれ異なる識別物質を含む第1コーティング層413A,第2コーティング層414Aの二層のコーティング層412Aとし、第1コーティング層413Aの内径A3と同径の外径を有するカプセル型内視鏡と、第2コーティング層414Aの内径A4と同径の外径を有するカプセル型内視鏡とに対する開通性確認を行えるようにしてもよい。もちろん、実施の形態1と同様に、コーティング層412Aにおいては、領域Seaに示すように、本体部11の円周部11eの外表面をコーティングした部分の厚さが、本体部11の他の部分をコーティングした部分の厚さよりも薄くなっている。
また、実施の形態4を実施の形態3に適用することも可能である。図26は、実施の形態4にかかる他の管腔通過確認装置を、該管腔通過確認装置の長軸を含み長軸に平行な平面で切断した場合の断面図である。実施の形態3にかかる管腔通過確認装置301のコーティング層312を、図26の管腔通過確認装置401Bのように、それぞれ異なる識別物質を含む第1コーティング層413B,第2コーティング層414Bの二層のコーティング層412Bとし、第1コーティング層413Bの内径A5と同径の外径を有するカプセル型内視鏡と、第2コーティング層414Bの内径A6と同径の外径を有するカプセル型内視鏡とに対する開通性確認を行えるようにしてもよい。もちろん、実施の形態3と同様に、コーティング層412Bには、二つの凹部412dが設けられている。
(実施の形態5)
図27に示すように、実施の形態5にかかる管腔通過確認装置501は、本体部311の表面に、いずれの部分も厚さがほぼ同等であるコーティング層512が形成されている。コーティング層512は、第1コーティング層513と、第2コーティング層514とによって構成され、第1コーティング層513および第2コーティング層514は、実施の形態4と同様に、それぞれ異なる識別物質を含む。
したがって、管腔通過確認装置501では、第1コーティング層513の内径A7と同径の外径を有するカプセル型内視鏡と、第2コーティング層514の内径A8と同径の外径を有するカプセル型内視鏡とに対する開通性確認を行うことができ、一度の開通性評価検査において異なるサイズ(外径A7,A8)のカプセル型内視鏡に対する開通性を評価することができる。
もちろん、実施の形態5においても、実施の形態4と同様に、外側の第1コーティング層513の溶解速度が、内側の第2コーティング層514の溶解速度よりも速くなるように形成してもよい。
さらに、本発明の実施の形態1~5および変形例では、カプセル型医療装置の通過確認対象の消化管を小腸とし、管腔通過確認装置の到達目的の臓器を大腸にしていたが、これに限らず、カプセル型医療装置の到達目的の臓器は、通過確認対象の消化管に対応した臓器であれば、食道から大腸に至る消化管内のいずれの臓器であってもよい。この場合、管腔通過確認装置がカプセル型医療装置の到達目的の臓器に到達したか否かを確認するための識別物質を含むコーティング層を、通過確認対象の消化管および到達目的の臓器に存在する物質によって溶解する材料を用いて形成すればよい。
1,1A,201,201A,201C,301,301A,301B,301C,401,401A,401B,501 管腔通過確認装置 A lumen passage confirmation device 1 according to the present invention is a device for confirming whether or not a capsule-type medical device to be introduced into the digestive tract in a subject can pass through the digestive tract. The lumen passage confirmation device 1 is equipped with: a main body part 11 which is made from a material that can be dissolved in a substance present in the digestive tract; and a coating layer 12 (a dissoluble layer) which covers the surface of the main body part 11, has an outer diameter that is approximately equal to that of the capsule-type medical device as measured in the direction of the width of the capsule-type medical device, and is made from a material that can be dissolved in a substance present in the digestive tract. The coating layer 12 has, formed therein, two patterns each of which runs around a surface of the coating layer 12 which intersects the longer axis of the lumen passage confirmation device 1, wherein the thickness of at least a portion, which is located in the patterns, of the coating layer 12 is smaller than that of the other portion of the coating layer 12.
被検者の消化管内に導入されるカプセル型医療装置が前記消化管を通過できるか否かを確認する管腔通過確認装置であって、
前記本体部は、円柱形を成し、
前記本体部は、当該管腔通過確認装置の長軸と交わる前記本体部の面の一周に沿って形成された一以上の凸部を表面に有し、
前記溶解層は、当該管腔通過確認装置の長軸と交わる前記溶解層の面の一周に沿って形成された一以上の凹部を表面に有することを特徴とする請求項1に記載の管腔通過確認装置。
前記溶解層は、異なる識別物質をそれぞれ含む二層で形成されることを特徴とする請求項1に記載の管腔通過確認装置。
前記識別物質は、造影剤であることを特徴とする請求項5に記載の管腔通過確認装置。
前記二層の溶解層に含まれる造影剤は、それぞれ濃度、厚さ、および、粒径のいずれか一つが、層ごとに異なることを特徴とする請求項6に記載の管腔通過確認装置。
前記識別物質は、色素であることを特徴とする請求項5に記載の管腔通過確認装置。
前記溶解層は、前記本体部を被覆する内側の溶解層と、該内側の溶解層を被覆する外側の溶解層との二層によって形成され、
前記本体部の溶解速度は、前記溶解層の溶解速度よりも速いことを特徴とする請求項1に記載の管腔通過確認装置。
図1は、実施の形態1にかかる管腔通過確認装置の斜視図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる管腔通過確認装置1は、被検者の消化管に導入されるカプセル型医療装置が通過確認対象の臓器を通過できるか否かを確認する装置である。このため、管腔通過確認装置1は、被検者の消化管に導入できるように、被検者の消化管に導入されるカプセル型医療装置と同様の外形に形成され、導入対象のカプセル型医療装置の短手方向の外径と略同等の外径寸法を有する。管腔通過確認装置1は、たとえば、略円柱形を成す。管腔通過確認装置1は、臓器の蠕動運動によって外圧が加えられた場合であっても、導入対象のカプセル型医療装置と略同等の外径寸法、さらにはカプセル型医療装置と同様の外形を維持する。
図5は、実施の形態1の変形例にかかる管腔通過確認装置を管腔通過確認装置の長軸を含み長軸に平行な平面で切断した場合の断面図である。図5の管腔通過確認装置1Aに示すように、コーティング層を、本体部11の側面を覆う円筒部分121,123、および、本体部11の底面を覆う底面部分122,124に分けて生成し、円筒部分121,123と底面部分122,124とを接着剤13で接着してもよい。この場合には、円筒部分121,123と底面部分122,124との境界部分からコーティング層が溶解し、円筒部分121,123と底面部分122,124とが分断される。
次に、実施の形態2について説明する。図6は、実施の形態2にかかる管腔通過確認装置の本体部の側面図である。図7は、実施の形態2にかかる管腔通過確認装置201を、管腔通過確認装置201の長軸Lbを含み長軸Lbに平行な平面で切断した場合の断面図である。
図9は、実施の形態2の変形例1にかかる管腔通過確認装置の本体部の側面図である。図10は、実施の形態2の変形例1にかかる管腔通過確認装置201Aを、管腔通過確認装置201Aの長軸Lcを含み長軸Lcに平行な平面で切断した場合の断面図である。
図12は、実施の形態2の変形例2にかかる管腔通過確認装置の本体部の側面図である。
図14は、実施の形態2の変形例3にかかる管腔通過確認装置の本体部の側面図である。図15は、実施の形態2の変形例3にかかる管腔通過確認装置201Cを、管腔通過確認装置201Cの長軸Leに直交する平面であって本体部の凸部を通る平面で切断した場合の断面図である。
次に、実施の形態3について説明する。図16は、実施の形態3にかかる管腔通過確認装置の側面図である。図17は、実施の形態3にかかる管腔通過確認装置301を、管腔通過確認装置301の長軸Lfを含み長軸Lfに平行な平面で切断した場合の断面図である。
図18は、実施の形態3の変形例1にかかる管腔通過確認装置の側面図である。図18に示すように、実施の形態3の変形例1にかかる管腔通過確認装置301Aは、コーティング層312Aに、管腔通過確認装置301Aの長軸Lgに交わる断面の一周にわたって周回する凹部312eが二つ形成される。この管腔通過確認装置301Aのように、管腔通過確認装置301Aの長軸Lgに交わる断面に対し、該断面の一周にわたって周回する凹部312eをコーティング層312Aの表面に二つ形成した場合も、体内に残存したコーティング層を、端部側部分と円筒部分とに分断することができる。なお、凹部312eは、管腔通過確認装置301Aの長軸Lgと交わる曲面の一周にわたって周回していてもよい。
図19は、実施の形態3の変形例2にかかる管腔通過確認装置の側面図である。図19に示すように、本実施の形態3の変形例2にかかる管腔通過確認装置301Bでは、管腔通過確認装置301と比して、コーティング層312Bの表面に、管腔通過確認装置301Bの長軸Lhを含む平面で切断した断面の一周にわたって周回する凹部312fをさらに形成して、長軸Lhを通る平面に沿って、管腔通過確認装置301Bのコーティング層312Bをさらに分断できるようにしている。
図20は、実施の形態3の変形例3にかかる管腔通過確認装置の側面図である。図21は、図20のA-A線断面図である。
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4は、異なるサイズのカプセル型内視鏡に対する管腔通過確認が可能である管腔通過確認装置に関する。
次に、実施の形態5について説明する。図27は、実施の形態5にかかる管腔通過確認装置を、管腔通過確認装置の長軸を含み長軸に平行な平面で切断した場合の断面図である。
11,211,211A,211B,211C,311 本体部
11e 円周部
12,212,212A,212C,312,312A,312B,312C,412,412A,412B,512 コーティング層
13 接着剤
211p,211q,211r,211s 凸部
312d,312e,312f,312g,412d 凹部
413,413A,413B,513 第1コーティング層
414,414A,414B,514 第2コーティング層
前記消化管に存在する物質によって溶解する材料から成る本体部と、
前記本体部の表面を被覆し、前記カプセル型医療装置の短手方向の外径と略同等の外径を有し、前記消化管に存在する物質によって溶解する材料から成る溶解層と、
を備え、
前記溶解層は、当該管腔通過確認装置の長軸と交わる面の一周にわたって周回するパターンが少なくとも二つ形成されており、前記パターンの少なくとも一部の前記溶解層の厚さが、他の部分の前記溶解層の厚さよりも薄いことを特徴とする管腔通過確認装置。
前記溶解層は、前記円柱形である前記本体部の底面と側面との境界を被覆した部分の厚さは、前記円柱形である前記本体部の底面および側面を被覆する部分の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の管腔通過確認装置。
前記溶解層は、前記本体部の凸部を被覆した部分の厚さが、前記本体部の他の部分を被覆した部分の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の管腔通過確認装置。
前記外側の溶解層の溶解速度は、前記内側の溶解層の溶解速度よりも速いことを特徴とする請求項5に記載の管腔通過確認装置。


























