IMAGING DEVICE AND IMAGING METHOD
本発明は画像撮像装置及び画像撮像方法に関する。
免疫染色により複数の蛍光色素が結合された細胞を観察するため、蛍光顕微鏡等が画像撮像装置として使用されている。
特許文献1には、レーザ光源の光をマイクロレンズにより集光し、ダイクロイックミラーにより任意の波長の光を励起光として透過させ、ピンホールを介して励起光を試料に照射し、試料からの蛍光をCCD(charge-coupled device)カメラで撮像することが記載されている。
また、特許文献2には、試料から発光される複数種類の蛍光を、透過光の波長帯域が可変である波長可変液晶分光フィルターを透過させ、検出器により撮像することが記載されている。
ところで、試料から発光される蛍光を撮像する画像撮像装置には、時間を短縮する観点から1回の撮影により異なる波長の蛍光を撮像することが求められている。
しかしながら、特許文献1には、蛍光を撮像するための撮像素子の具体的な構成を開示していない。また、特許文献2では、波長可変液晶分光フィルターを透過光の波長域を可変させながら、撮像しており、1回の撮影で異なる波長の蛍光を撮像することも1回の撮影で異なる波長の蛍光を撮像する撮像素子の具体的な構成も開示していない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、1回の撮影により、細胞からの複数の蛍光を撮像することのできる画像撮像装置、及び画像撮像方法を提供することを目的とする。また、1回の撮影により、細胞からの複数の蛍光と細胞からの透過光を撮像することのできる画像撮像装置、及び画像撮像方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によると、画像撮像装置は、異なる波長の蛍光を発光する複数種の蛍光色素で染色された細胞を平坦な保持面で保持して収納する少なくとも一つの収納部と、複数の波長の光を同時に発光する第1光源と、第1光源から発光される複数の波長の光のうち複数種の蛍光色素を励起する複数の波長の励起光を選択的に透過させる第1マルチバンドパスフィルターと、第1マルチバンドパスフィルターを透過した複数の波長の励起光を細胞に向けて照射させ複数の波長の励起光により細胞から発光される異なる波長の蛍光を透過させるダイクロイックミラーと、ダイクロイックミラーを透過した異なる波長の蛍光を透過させる第2マルチバンドパスフィルターと、を含むフィルター群と、複数の波長の励起光を集光し異なる波長の蛍光を拡大させる対物レンズと、第2マルチバンドパスフィルターを透過した異なる波長の蛍光を撮像する1画素に複数の副画素を有する撮像素子と、を有する。
好ましくは、撮像素子がカラー撮像素子である。
好ましくは、カラー撮像素子が、赤色フィルター、緑色フィルター、及び青色フィルターを有する単板式の撮像素子である。
好ましくは、第1光源と、フィルター群と、撮像素子とが、収納部に対して保持面とは反対の側に配置される。
好ましくは、第1マルチバンドパスフィルター、及び第2マルチバンドパスフィルターは、トリプルバンドパスフィルターで構成される。
好ましくは、第1光源は、複数の光源により構成される。
好ましくは、複数の光源の光量を、それぞれ独立に制御する制御部を有する。
好ましくは、第1光源が、少なくとも緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードを含む光源である。
好ましくは、収納部は、複数の収納部を有する容器の一つの収納部である。
本発明の別の態様によると、画像撮像装置は、異なる波長の蛍光を発光する複数種の蛍光色素で染色された細胞を平坦な保持面で保持して収納する少なくとも一つの収納部と、複数の波長の光を同時に発光する第1光源と、収納部に対して第1光源とは反対の側に配置された、一つの波長の透過光を発光する第2光源と、第1光源から発光される複数の波長の光のうち複数種の蛍光色素を励起する複数の波長の励起光を選択的に透過させる第1マルチバンドパスフィルターと、第1マルチバンドパスフィルターを透過した複数の波長の励起光を細胞に向けて照射させ複数の波長の励起光により細胞から発光される複数の異なる波長の蛍光を透過させかつ第2光源から発光される一つの波長の透過光を透過させるダイクロイックミラーと、ダイクロイックミラーを透過した異なる波長の蛍光及び一つの波長の透過光を透過させる第2マルチバンドパスフィルターと、を含むフィルター群と、複数の波長の励起光を集光し異なる波長の蛍光及び透過光を拡大させる対物レンズと、第2マルチバンドパスフィルターを透過した異なる波長の蛍光と一つの波長の透過光を撮像する1画素に複数の副画素を有する撮像素子と、を有する。
好ましくは、第1光源が、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードの群から選択される2つの発光ダイオードを含む。
本発明の別の態様によると、画像撮像方法は、異なる波長の蛍光を発光する複数種の蛍光色素で染色された細胞を平坦な表面に保持する保持面を有する少なくとも一つの収納部に収納するステップと、第1光源から複数の波長の光を同時に発光するステップと、第1光源から発光される複数の波長の光のうち複数種の蛍光色素を励起する複数の波長の励起光を第1マルチバンドパスフィルターに選択的に透過させ、ダイクロイックミラーにより第1マルチバンドパスフィルターを透過した複数の波長の励起光を細胞に向けて照射させ、複数の波長の励起光により細胞から発光される異なる波長の蛍光を第1マルチバンドパスフィルターを透過させ、第1マルチバンドパスフィルターを透過した異なる波長の蛍光を第2マルチバンドパスフィルターを透過させるステップと、第2マルチバンドパスフィルターを透過した異なる波長の蛍光を1画素に複数の副画素を有する撮像素子により撮像するステップと、を有する。
本発明の別の態様によると、画像撮像方法は、異なる波長の蛍光を発光する複数種の蛍光色素で染色された細胞を平坦な表面に保持する保持面を有する少なくとも一つの収納部に収納するステップと、第1光源から複数の波長の光を同時に発光し、収納部に対して第1光源と反対の側に配置される第2光源から一つの波長の透過光を発光するステップと、第1光源から発光される複数の波長の光のうち複数種の蛍光色素を励起するの複数の波長の励起光を第1マルチバンドパスフィルターに選択的に透過し、ダイクロイックミラーにより第1マルチバンドパスフィルターを透過した複数の波長の励起光を細胞に向けて照射させ、複数の波長の励起光により細胞から発光される異なる波長の蛍光と第2光源から発光される一つの波長の透過光とをダイクロイックミラーを透過させ、ダイクロイックミラーを透過した異なる波長の蛍光と第2光源から発光される一つの波長の透過光とを第2マルチバンドパスフィルターを透過させるステップと、第2マルチバンドパスフィルターを透過した異なる波長の蛍光と第2光源から発光される一つの波長の透過光とを1画素に複数の副画素を有する撮像素子により撮像するステップと、を有する。
本発明の一態様によれば、1回の撮影により、細胞からの複数の蛍光を撮像することができ、試料から発光される蛍光を撮像する時間を短縮できる。
また、本発明の別の態様によれば、1回の撮影により、細胞からの複数の蛍光と細胞の透過光とを撮像することができ、試料から発光される蛍光を撮像する時間を短縮できる。
以下、添付図面にしたがって本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施形態により説明される。本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、実施形態以外の他の実施形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が請求の範囲に含まれる。
ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本明細書中で、数値範囲を“ ~ ”を用いて表す場合は、“ ~ ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
(第1実施形態)
画像撮像装置10は、細胞Cに結合された蛍光色素を励起するための第1光源12と、細胞Cを収納する収納部42を有する容器40と、容器40を載置するためのテーブル14と、フィルター群24と、細胞Cとフィルター群24との間に配置された対物レンズ16と、細胞Cから発光される蛍光を撮像するための撮像素子26と、を備える。フィルター群24は、第1マルチバンドパスフィルター18、ダイクロイックミラー20及び第2マルチバンドパスフィルター22を含む。また、収納部42は、容器40の表面に形成される。また、図1の例では、容器40は、3つの収納部42を有する。ただし、収納部42の数は3つに限らず、2つ以下でも良いし、4つ以上でも良い。
制御部28は、画像撮像装置10による撮像を制御する。制御部28は、テーブル14、第1光源12及び撮像素子26と電気的に接続されている。制御部28は、テーブル14、第1光源12及び撮像素子26の動作を制御する。
本実施形態においては、第1光源12と、フィルター群24と、撮像素子26とは、容器40の裏面側に配置される。したがって、撮像装置10は、細胞Cから発光される異なる波長の蛍光を、容器40の裏面側から撮像することが可能である。
但し、これに限定されることなく、第1光源12と、フィルター群24と、撮像素子26とは、容器40の表面側に配置されても良い。この場合、撮像装置10は、細胞Cから発光される複数の蛍光を、容器40の表面側から撮像することが可能である。
画像撮像装置10により撮像される細胞Cは、抗原抗体反応により免疫染色されている。抗原抗体反応とは、抗体が相補的な構造を持つ抗原と特異的に結合することを意味する。免疫染色とは、細胞に存在する抗原に、蛍光色素を連結した抗体を結合させることを意味する。
蛍光色素は、励起光により励起され蛍光を発光する。なお、励起光により発光する蛍光は、励起光の波長帯域に比べてより長波長側の波長帯域を有する。
本実施形態においては、細胞Cは、免疫染色により、少なくとも複数種の蛍光色素が結合されている。複数種の蛍光色素は、それぞれ異なる波長帯域の励起光により励起され、それぞれ異なる波長の蛍光を発光する。
免疫染色には、直接法と間接法とがある。直接法は、蛍光色素を直接抗体に結合し、抗原と反応させる方法である。一方、間接法は、検出すべき抗原に特異的に結合できる抗体(1次抗体)には蛍光色素を結合せず、その1次抗体に特異的に結合できる抗体(2次抗体)に蛍光色素を結合して検出する方法である。
上述したように、細胞Cは、抗原抗体反応により免疫染色される。例えば、抗ヒトCD抗体として、抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD14抗体、抗CD25抗体、抗CD127抗体等を例示することができる。蛍光色素として、4’,6-ジアミジン-2’-フェニルインドールジハイドロクロライド(DAPI:4‘,6-diamidino-2-phenylindole)、ヨウ化プロピジウム(PI:PropidiumIodide)、ピロニンY(Pyronin Y)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC:fluoresceinisothiocyanate)、フィコエリスリン(PE:phycoerythrin)、アロフィコシアニン(APC:allophicocyanin)、テキサスレッド(TR(登録商標))、Hoechst33342、7-アミノ-アクチノマイシンD(7-AAD)、Cy3(2‘-Deoxycytidine 5’-triphosphoric acid)、Cy5(Sulfoindocyanine succinimidyl ester)、DRAQ5(登録商標)(Biostatus社製)、Brilliant Violet 570、及びBrilliant Violet 421等を挙げることができる。
細胞Cは、複数の収納部42を有する容器40の少なくとも一つの収納部42に収納され保持される。収納部42は、容器40を凹設して形成されている。収納部42は、開口44と側面46と平坦な保持面48を有している。平坦な保持面48は、細胞Cを保持する。収納部42の側面46は、保持面48から開口44に向かって広がる傾斜構造である。側面46を傾斜構造とすることにより、細胞Cを収納部42内に容易に収納させることができる。なお、保持面48は、細胞Cを保持する箇所が平坦であれば良い。
収納部42の細胞Cの保持面48が平坦であるので、細胞Cを撮像する際に、細胞全体に焦点を合わせることが容易となり、細胞Cの撮像を確実に行うことが可能となる。
容器40に用いられる材料としては、ポリメチルメタクリレートなどのポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ABS(Acrylonitrile、Butadiene、Styrene共重合剛性樹脂)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィンなどの各種ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ乳酸、ポリパーフルオロアルコキシ樹脂のような熱可塑性剛性樹脂、ポリジメチルシロキサンなどの熱硬化性剛性樹脂、及びポリテトラフルオロエチレン等を用いることが可能である。
本実施形態の画像撮像装置10は、容器40を任意の位置に移動(例えば、X方向、Y方向、及びZ方向)させるため、テーブル14と駆動装置(不図示)とを備えていることが好ましい。テーブル14と駆動装置とにより、容器40の細胞Cを収納する収納部42を、観察位置に移動させることができる。駆動装置は、テーブル14を、X方向、Y方向、及びZ方向に移動できることが好ましい。
第1光源12は、複数の波長の光を同時に発光することができる。第1光源12は、複数の波長の光を同時に発光することができれば、その構造、方式等は特に限定されない。第1光源12は、1個の光源により構成され、1個の光源から複数の波長の光が発光されても良い。第1光源12が波長の異なる光を発光する複数の光源により構成され、複数の光源から複数の波長の光が発光されても良い。また、同時とは、細胞Cを撮像する際に、複数の波長の光が含まれていることを意味し、複数の波長の光が同時に発光されても、別々に発光されても良い。
第1光源12として、特に限定されないが、例えば、高圧水銀ランプ、高圧キセノンランプ、発光ダイオード、レーザダイオード、タングステンランプ、ハロゲンランプ、及び白色発光ダイオード等を用いることができる。第1光源12が複数の波長の光を同時に発光することができるので、細胞Cの複数種の蛍光色素を励起する複数の波長の励起光を選択的に発光することが可能となる。
フィルター群24は、第1マルチバンドパスフィルター18、ダイクロイックミラー20及び第2マルチバンドパスフィルター22を含んでいる。
第1マルチバンドパスフィルター18は、第1光源12の発光側に対向する位置において、第1光源12からの光の進行方向に対して約90°傾けられて配置される。第1マルチバンドパスフィルター18は、励起フィルターとして機能する。励起フィルターは、第1光源12から発光される複数の波長の光のうち蛍光色素を励起する波長の光を選択的に透過させ、その他の波長の光をカットする光学部材である。
励起フィルターを構成する第1マルチバンドパスフィルター18は、第1光源12から発光される複数の波長の光の中から、細胞Cに結合された蛍光色素を励起する複数の波長の励起光(少なくとも2以上の波長の励起光)のみを選択的に透過するよう構成される。第1マルチバンドパスフィルター18は、例えば、ガラス基板と、屈折率の異なる誘電体の多層膜とにより構成することが可能である。
ダイクロイックミラー20は、第1マルチバンドパスフィルター18を透過した複数の波長の励起光の進行方向に対して約45°傾けられて配置される。ダイクロイックミラー20は、複数の波長の励起光を反射し、細胞Cに向けて照射するよう構成される。また、ダイクロイックミラー20は、複数の波長の励起光により励起された細胞Cに結合された複数種の蛍光色素が発光する異なる波長の蛍光を透過するよう構成される。すなわち、ダイクロイックミラー20は、励起光と蛍光とを分離するための光学部材である。
励起光により発光する蛍光は、励起光の波長帯域に比べて、長波長側の波長帯域を有するので、ダイクロイックミラー20を使用することにより、蛍光のみを透過させることが可能となる。ダイクロイックミラー20は、例えば、ガラス基板と、屈折率の異なる誘電体の多層膜とにより構成することが可能である。
第2マルチバンドパスフィルター22は、ダイクロイックミラー20を透過した異なる波長の蛍光の進行方向に対して約90°に傾けられて配置される。第2マルチバンドパスフィルター22は、蛍光フィルターとして機能する。蛍光フィルターは、細胞Cから発光される異なる波長の蛍光から必要な波長帯域の蛍光のみを透過し、その他の光をカットする光学部材である。
蛍光フィルターを構成する第2マルチバンドパスフィルター22は、励起光を透過させず、細胞Cから発光される異なる波長の蛍光のみを透過させることが可能である。第2マルチバンドパスフィルター22は、例えば、ガラス基板と、屈折率の異なる誘電体の多層膜とにより構成することが可能である。
対物レンズ16は、ダイクロイックミラー20から反射される励起光を集光し、かつ細胞Cから発光される蛍光を拡大させるため、フィルター群24と細胞Cとの間に配置される。対物レンズ16として、光学測定に使用されるレンズを用いることができる。
撮像素子26は、第2マルチバンドパスフィルター22を透過した異なる波長の蛍光を撮像する。撮像素子26は、ダイクロイックミラー20を透過する異なる波長の蛍光の進行方向に対して約90°傾けられて配置される。撮像素子26は、受光した光を電気信号に変換する電子デバイスである。
図2は、撮像素子26の部分拡大図である。撮像素子26は、図2に示されるように、複数の画素260を含んでいる。1個の画素260は、複数の副画素261、262、263、及び264を有している。すなわち、複数の副画素261、262、263、及び264により1個の画素260が構成される。
本実施形態では、複数の副画素261、262、263、及び264の大きさが同じ大きさである場合を例示したが、複数の副画素261、262、263、及び264の大きさを適宜変更することができる。また、本実施形態では、1個の画素260は、4つの副画素261、262、263、及び264を有する場合を例示したが、1個の画素260は、3つの副画素を有しても良いし、5つ以上の副画素を有しても良い。
撮像素子26の複数の副画素261、262、263、及び264により得られた蛍光の強度は、制御部28により演算処理され、1個の画素260としての蛍光の強度が算出される。
例えば、撮像素子26を単板式のカラー撮像素子として機能させる場合、1個の画素260の上に赤色フィルター、緑色フィルター、及び青色フィルターを配列することにより、1個の画素260に複数の副画素261、262、263、及び264を含ませることができる。赤色フィルター、緑色フィルター、及び青色フィルターは、それぞれの色のみを透過させる光学フィルターである。単板式のカラー撮像素子とは、赤色フィルター、緑色フィルター、及び青色フィルターを設けた1個の撮像素子において、カラー画像を取得する撮像素子である。
赤色フィルター、緑色フィルター、及び青色フィルターを配列する際、例えば、副画素261、及び264に緑色フィルターを配列し、副画素262に青色フィルターを配列し、副画素263に赤色フィルターを配列することが好ましい。但し、これに限定されず、配列は適宜変更が可能である。
副画素を構成する例として光学フィルターを示したが、これに限定されない。例えば、位相差画像を撮像するため、少しずつずらした回折格子を4個の副画素を1画素とする位相差カメラであっても良い。
次に、上述のように構成された画像撮像装置10による画像撮像方法について、第1光源12が、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードから構成される場合を例に説明する。
まず、細胞Cは、免疫染色により異なる波長の蛍光を発光する複数種の蛍光色素で染色される。次に、収納するステップでは、細胞Cは、平坦な表面に保持面48を有する複数の収納部42を有する容器40の少なくとも1個の収納部42の保持面48に収納される。
次に、発光するステップでは、第1光源12を構成する緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードを同時に発光させる。これにより、第1光源12から複数の波長の光を同時に発光させる。
図3は、相対出力(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、第1光源12から同時に発光される複数の波長の光のスペクトルのグラフである。緑色発光ダイオードは490nm以上560nm以下の範囲にピーク波長を有する緑色光Gを発光する。また、青色発光ダイオードは430nm以上490nm以下の範囲にピーク波長を有する青色光Bを発光する。また、紫色発光ダイオードは380nm以上430nm以下の範囲にピーク波長を有する紫色光Vを発光する。
第1光源12から同時に発光される複数の波長の光は、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードから発光される各色の光に限定されない。第1光源12から同時に発光される複数の波長の光は、細胞Cに結合される蛍光色素に対する励起光に応じて適宜選択することが可能である。
本実施形態では、緑色光G、青色光B、及び紫色光Vの相対出力は、一定とされているが、限定されない。例えば、制御部28は、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードの光量を、それぞれ独立に制御する。これにより、画像撮像装置10は、撮像対象である細胞Cから発光される蛍光の強度を変更でき、細胞Cから発光される蛍光をより精度良く撮像できる。
次に、第1光源12から発光される複数の波長の光のうち細胞Cに結合される蛍光色素を励起する複数の波長の励起光は、第1マルチバンドパスフィルター18を透過する。図4は、透過率(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、第1マルチバンドパスフィルター18の分光スペクトルを示すグラフである。図4に示されるように、第1マルチバンドパスフィルター18は、緑色光G、青色光B、及び紫色光Vそれぞれの波長帯域より狭い波長帯域のみを透過させるF1G、F1B、及びF1Vの分光スペクトルを備え、トリプルバンドパスフィルターとして構成することができる。
第1マルチバンドパスフィルター18は、第1光源12から発光される複数の波長の光の中から、3つの波長の励起光を透過する。図5は、相対出力(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、3つの励起光のスペクトルのグラフである。第1マルチバンドパスフィルター18は、緑色発光ダイオードから照射される緑色光Gより狭帯域の励起光EGを透過させる。また、第1マルチバンドパスフィルター18は、青色発光ダイオードから照射される青色光Bより狭帯域の励起光EBを透過させる。また、第1マルチバンドパスフィルター18は、紫色発光ダイオードから照射される紫色光Vより狭帯域の励起光EVを透過させる。
図6は、透過率(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、ダイクロイックミラー20の分光スペクトルを示すグラフである。図6に示されるように、ダイクロイックミラー20の分光特性によれば、励起光EG、EB、及びEVに対応する波長帯域の透過率が低く設定されている。このため、複数の励起光EG、EB、及びEVは、ダイクロイックミラー20により反射され、細胞Cに向けて照射される。
複数の励起光EG、EB、及びEVが、細胞Cに結合された複数種の蛍光色素を励起することにより、細胞Cに結合された複数種の蛍光色素が異なる波長の蛍光を発光する。図7は、相対出力(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、3つの励起光EG、EB及びEVにより励起された複数種の蛍光色素から発光される3つの蛍光λ1G、λ1B及びλ1Vのスペクトルのグラフである。図7に示されるように、蛍光λ1G、λ1B及びλ1Vは、それぞれ、励起光EG、EB及びEVより長波長側の波長帯域を有する。
蛍光λ1G、λ1B及びλ1Vは、対物レンズ16、及び図6に示される分光特性を有するダイクロイックミラー20を透過し、第2マルチバンドパスフィルター22に到達する。ここで、図6に示されるとおり、ダイクロイックミラー20の分光特性によれば、蛍光λ1G、λ1B及びλ1Vの波長帯域の透過率が高い。したがって、蛍光λ1G、λ1B及びλ1Vは、ダイクロイックミラー20を透過する。図8は、透過率(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、第2マルチバンドパスフィルター22の分光スペクトルを示すグラフである。図8に示されるように、第2マルチバンドパスフィルター22は、蛍光λ1G、λ1B及びλ1Vの波長帯域より狭い波長帯域の光を透過させるF2G、F2B及びF2Vの分光スペクトルを備え、トリプルバンドパスフィルターとして構成することができる。
細胞Cから発光されダイクロイックミラー20を透過した蛍光λ1Gは、第2マルチバンドパスフィルター22を透過することにより、必要ない波長帯域の光がカットされる。細胞Cから発光されダイクロイックミラー20を透過した蛍光λ1Bは、第2マルチバンドパスフィルター22を透過することにより、必要ない波長帯域の光がカットされる。細胞Cから発光されダイクロイックミラー20を透過した蛍光λ1Vは、第2マルチバンドパスフィルター22を透過することにより、必要ない波長帯域の光がカットされる。図9は、相対出力(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、第2マルチバンドパスフィルター22を透過した蛍光λ2G、λ2B及びλ2Vのスペクトルのグラフである。蛍光λ1Gは、第2マルチバンドパスフィルター22により不要な波長帯域がカットされ、蛍光λ1Gより波長帯域が狭い蛍光λ2Gが第2マルチバンドパスフィルター22から出力される。また、蛍光λ1Bは、第2マルチバンドパスフィルター22により不要な波長帯域がカットされ、蛍光λ1Bより波長帯域が狭い蛍光λ2Bが第2マルチバンドパスフィルター22から出力される。また、蛍光λ1Vは、第2マルチバンドパスフィルター22により不要な波長帯域がカットされ、蛍光λ1Vより波長帯域が狭い蛍光λ2Vが第2マルチバンドパスフィルター22から出力される。
次に、撮像するステップでは、第2マルチバンドパスフィルター22を透過した蛍光λ2G、λ2B及びλ2Vは、1画素に複数の副画素を有する撮像素子26により撮像される。本実施形態では、撮像素子26は、赤色フィルター、緑色フィルター及び青色フィルターにより副画素を構成する単板式のカラー撮像素子を用いることができる。図10は、相対出力(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、副画素を構成する赤色フィルター、緑色フィルター及び青色フィルターを有する撮像素子26の感度特性のグラフである。例えば、赤色フィルターは555nm以上700nm以下の波長帯域の光を透過し、緑色フィルターは470nm以上605nm以下の波長帯域の光を透過し、青色フィルターは375nm以上510nm以下の波長帯域の光を透過する。但し、赤色フィルター、緑色フィルター及び青色フィルターが透過する波長帯域は、適宜選択することができる。
撮像素子26により撮像された蛍光の強度が、例えば、制御部28に入力され、記憶される。制御部28により蛍光の強度が演算処理され、カラーの画像が取得される。
図11は、撮像素子26により取得された蛍光の強度に基づいて制御部28により取得された細胞Cから発光された蛍光の画像の概念図である。例えば、白血球60と、有核赤血球70と、赤血球80が表示されている。白血球60においては、その表面62は蛍光色素により青色に発光し、内部の核64は蛍光色素により赤色に発光している。有核赤血球70においては、その表面72は蛍光色素により緑色に発光し、内部の核74は蛍光色素により赤色に発光している。赤血球(幼弱)80においては、その表面82は蛍光色素により緑色に発光している。一方、内部の核を有していないので、赤血球80は赤色に発光していない。
本実施形態では、上述した、細胞Cから発光される異なる波長の蛍光を1回の撮影により、同時に撮像することができるので、細胞Cの撮像時間を短縮することができる。
(第2実施形態)
画像撮像装置10は、細胞Cに結合された蛍光色素を励起するための第1光源12と、細胞Cを収納する収納部42を有する容器40と、容器40を載置するためのテーブル14と、フィルター群24と、細胞Cとフィルター群24との間に配置された対物レンズ16と、細胞Cを透過する透過光を細胞Cに照射する第2光源50と、細胞Cから発光される蛍光及び細胞Cを透過した透過光を撮像するための撮像素子26と、を備える。本実施形態においても、実施形態1と同様に、フィルター群24は、第1マルチバンドパスフィルター18、ダイクロイックミラー20及び第2マルチバンドパスフィルター22を含む。また、収納部42は、容器40の表面に形成される。また、図12の例では、容器40は、3つの収納部42を有する。ただし、収納部42の数は3つに限らず、2つ以下でも良いし、4つ以上でも良い。また、第2光源50は、容器40の表面側に配置され、第1光源12は、容器40の裏面側に配置される。すなわち、第2光源50は、容器40に形成される収納部42に対して第1光源とは反対側に配置される。
制御部28は、画像撮像装置10による撮像を制御する。制御部28は、テーブル14、第1光源12、撮像素子26及び第2光源50と電気的に接続されている。制御部28はテーブル14、第1光源12、撮像素子26及び第2光源50の動作を制御する。
本実施形態では、第1実施形態と同様に異なる波長の蛍光を、容器40の裏面側から撮像することが可能である。さらに、明視野像も容器40の裏面側から撮像することが可能である。但し、これに限定されることなく、細胞Cから発光される異なる波長の蛍光、及び細胞Cの明視野像を、容器40の表面側から撮像することが可能である。
第1実施形態と同様に、第1光源12は、複数の波長の光を同時に発光することができる。第1光源12は、複数の波長の光を同時に発光することができれば、その構造、方式等は特に限定されない。
第1光源12は、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードの群から選択される2つの発光ダイオードを含むことが好ましい。2つの発光ダイオードから波長の異なる光を発光することにより、細胞Cに結合された蛍光色素から異なる2つの波長の蛍光を発光させることができる。
第2光源50は、細胞Cの蛍光色素を励起させる励起光、及び蛍光色素から発光される蛍光と異なる波長の光を発光することができれば、その構造、方式等は特に限定されない。第2光源50として、特に限定されないが、例えば、高圧水銀ランプ、高圧キセノンランプ、発光ダイオード、レーザダイオード、タングステンランプ、ハロゲンランプ、白色発光ダイオード等を用いることができる。第2光源50から発光される光の波長帯域が細胞Cの蛍光色素を励起する励起光または蛍光色素から発光される蛍光と同じ波長を含む場合、細胞Cと第2光源50との間にバンドパスフィルター(不図示)を設けることにより、細胞Cの蛍光色素を励起する励起光及び蛍光色素から発光される蛍光と異なる波長の光を細胞Cに照射することができる。
第1実施形態と同様に、フィルター群24は、第1マルチバンドパスフィルター18、ダイクロイックミラー20及び第2マルチバンドパスフィルター22を含んでいる。
第1マルチバンドパスフィルター18は光学部材である励起フィルターとして機能し、ダイクロイックミラー20は、励起光と蛍光を分離するための光学部材として機能し、第2マルチバンドパスフィルター22は光学部材である蛍光フィルターとして機能する。
さらに、第2実施形態では、ダイクロイックミラー20、及び第2マルチバンドパスフィルター22は、第2光源50から照射され細胞Cを透過した透過光を透過する。細胞Cを透過した第2光源50からの透過光が明視野像を構成する。また、透過光光源である第2光源50の直前に位相差用コンデンサ(ドーナツ型スリット)を配置し、対物レンズに位相リングを追加した位相差観察用レンズに変更して、明視野像を位相差像として取得することもできる。
対物レンズ16は、ダイクロイックミラー20から照射される励起光を集光し、かつ細胞Cから発光される蛍光、及び透過光を拡大させるため、フィルター群24と細胞Cとの間に配置される。対物レンズ16として、光学測定に使用されるレンズを用いることができる。
撮像素子26は、第2マルチバンドパスフィルター22を透過した異なる波長の蛍光と一つの波長の透過光とを撮像する。撮像素子26は、第1実施形態と同様の構成にすることができ、図2に示されるように、複数の画素260を含んでいる。1個の画素260は、複数の副画素261、262、263、及び264を有している。すなわち、複数の副画素261、262、263、及び264により1個の画素260が構成される。なお、本実施形態にあっても、第1実施形態と同様に、複数の副画素261、262、263、及び264の大きさを適宜変更しても良い。また、1個の画素260は、3つの副画素を有しても良いし、5つ以上の副画素を有しても良い。
次に、上述のように構成された画像撮像装置10による画像撮像方法について、第1光源12が、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードを含む光源であり、第2光源50が赤色発光ダイオードである場合を例に説明する。まず、細胞Cは、蛍光色素で染色され、保持面48に保持される。
発光するステップでは、第1光源12を構成する青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードを同時に発光させることにより、第1光源12から複数の波長の光を同時に発光させる。
図13は、相対出力(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、第1光源12から同時に発光される複数の波長の光のスペクトルのグラフである。青色発光ダイオードは470nmのピーク波長を有する青色光Bを発光する。また、紫色発光ダイオードは405nmのピーク波長を有する紫色光Vを発光する。
第1光源12から同時に発光される複数の波長の光は、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードから発光される各色の光に限定されない。細胞Cに結合される蛍光色素に対する励起光に応じて適宜選択することが可能である。
第1実施形態と同様に、制御部28は、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードの光量を、それぞれ独立に制御することが可能である。
次に、第1光源12から発光される複数の波長の光のうち細胞Cに結合される蛍光色素を励起する複数の波長帯域の励起光は、第1マルチバンドパスフィルター18を透過する。図14は、透過率(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、第1マルチバンドパスフィルター18の分光スペクトルを示すグラフである。図14に示されるように、第1マルチバンドパスフィルター18は、青色光B、及び紫色光Vそれぞれの波長帯域より狭い波長帯域のみを透過させるF1B、及びF1Vの分光スペクトルを備え、デュアルバンドパスフィルターとして構成することができる。なお、後述の透過光のスペクトルと重なることがなければ図4のように緑光F1Gの分光スペクトルがあっても良い。
第1マルチバンドパスフィルター18は、第1光源12から発光される複数の波長の光の中から、2つの波長の励起光を透過させる。図15は、相対出力(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、2つの励起光のスペクトルのグラフである。第1マルチバンドパスフィルター18は、青色発光ダイオードから照射される青色光Bより狭帯域の励起光EBを透過させる。また、第1マルチバンドパスフィルター18は、紫色発光ダイオードから照射される紫色光Vより狭帯域の励起光EVを透過させる。
図16は、透過率(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、ダイクロイックミラー20の分光スペクトルを示すグラフである。図16に示されるように、ダイクロイックミラー20の分光特性によれば、励起光EB、及びEVに対応する波長帯域の透過率が低く設定されているので、複数の励起光EB、及びEVはダイクロイックミラー20により反射され、細胞Cに向けて照射される。なお、後述の透過光のスペクトルと重なることがなければ図6のように520nm~550nmに透過しない領域があっても良い。
複数の励起光EB、及びEVが、細胞Cに結合された複数種の蛍光色素を励起することにより、細胞Cに結合された複数種の蛍光色素が異なる波長の蛍光を発光する。図17は、相対出力(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、2つの励起光EB、及びEVにより励起された複数種の蛍光色素から発光される蛍光λ1B及びλ1Vと、第2光源50からの透過光Rのスペクトルのグラフである。図17に示されるように、蛍光λ1B及びλ1Vは、それぞれ、励起光EB及びEVより長波長側の波長帯域を有する。さらに、第2光源50からの透過光Rは、蛍光λ1B及びλ1Vとは異なる波長帯域を有することが理解できる。透過光R、蛍光1λB及びλ1Vが異なる波長帯域を有しているので、後述するように、撮像素子26において、2つの蛍光と1つの透過光を撮像することができる。
蛍光λ1B及びλ1V、透過光Rは、対物レンズ16、及び図16に示される分光特性を有するダイクロイックミラー20を透過し、第2マルチバンドパスフィルター22に到達する。ここで、図16に示されるとおり、ダイクロイックミラー20の分光特性よれば、蛍光λ1B、λ1V及び透過光Rの波長帯域の透過率が高い。したがって、蛍光λ1B、λ1V及び透過光Rは、ダイクロイックミラー20を透過する。図18は、透過率(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、第2マルチバンドパスフィルター22の分光スペクトルを示すグラフである。図18に示されるように、第2マルチバンドパスフィルター22は、蛍光λ1B及びλ1Vと透過光Rの波長帯域より狭い波長帯域のみを透過させるF2B、F2V及びFRの分光スペクトルを備え、トリプルバンドパスフィルターとして構成することができる。
細胞Cから発光されダイクロイックミラー20を透過した蛍光λ1Bは、第2マルチバンドパスフィルター22を透過することにより、必要ない波長帯域の光がカットされる。細胞Cから発光されダイクロイックミラー20を透過した蛍光λ1Vは、第2マルチバンドパスフィルター22を透過することにより、必要ない波長帯域の光がカットされる。細胞C及びダイクロイックミラー20を透過した透過光Rは、第2マルチバンドパスフィルター22を透過することにより、必要ない波長帯域の光がカットされる。図19は、相対出力(%)を縦軸、波長(nm)を横軸とする、第2マルチバンドパスフィルター22を透過した蛍光及び透過光のスペクトルのグラフである。蛍光λ1Bは、第2マルチバンドパスフィルター22により不要な波長帯域がカットされ、蛍光λ1Bより波長帯域が狭い蛍光λ2Bが第2マルチバンドパスフィルター22から出力される。また、蛍光λ1Vは、第2マルチバンドパスフィルター22により不要な波長帯域がカットされ、蛍光λ1Vより波長帯域が狭い蛍光λ2Vが第2マルチバンドパスフィルター22から出力される。また、透過光Rは、第2マルチバンドパスフィルター22により不要な波長帯域がカットされ、透過光Rより波長帯域が狭い透過光λRが第2マルチバンドパスフィルター22から出力される。
撮像するステップでは、第2マルチバンドパスフィルター22を透過した蛍光λ2B及びλ2Vと、透過光λRは、1画素に複数の副画素を有する撮像素子26により撮像される。撮像素子26として、第1実施形態と同様の赤色フィルター、緑色フィルター及び青色フィルターとを有する単板式のカラー撮像素子を用いることができる。
撮像素子26により撮像された蛍光の強度と透過光の強度とが、例えば、制御部28に入力され、記憶される。制御部28により蛍光の強度と透過光の強度とが演算処理され、カラーの画像が取得される。
図20は、撮像素子26により取得された蛍光の強度に基づいて制御部28により取得された細胞Cから発光された蛍光と位相差像の画像の概念図である。図20には、有核赤血球70が表示されている。有核赤血球70では、幼弱な赤血球の蛍光は赤血球全体に均一に蛍光しないで局所的に蛍光する場合がある。この場合、蛍光では有核赤血球70の形状を把握することができない。このような場合に明視野像を撮影し重ねることで形状も知ることができる。明視野像はさらに位相差像を得ることでより形状の把握が明瞭になるので好ましい。
図20においては、有核赤血球70の内の核74が、例えば、蛍光色素により青色に発光し、有核赤血球70の内のHbF76(胎児ヘモグロビン)が、蛍光色素により緑色に発光している。有核赤血球70の外形形状79については、透過光を利用して位相差像が撮像されている。
本実施形態では、上述した、細胞Cから発光される異なる波長の蛍光と第2光源からの透過光を1回の撮影により、同時に撮像することができるので、細胞Cの撮像時間を短縮することができる。
10 画像撮像装置 Provided are an imaging device and imaging method with which the time for imaging a plurality of fluorescences emitted from a cell can be shortened. This imaging device has: at least one housing part that holds and houses, on a flat holding surface, a cell that has been stained with a plurality of types of fluorescent dyes that emit fluorescences of different wavelengths; a first light source that simultaneously emits lights having a plurality of wavelengths; a filter group that includes a first multi-bandpass filter, which transmits excitation lights having a plurality of wavelengths that excite the plurality of types of fluorescent dyes from among the lights having a plurality of wavelengths emitted from the first light source, a dichroic mirror, which radiates, toward the cell, the excitation lights having a plurality of wavelengths that have been transmitted through the first multi-bandpass filter and transmits fluorescences of different wavelengths emitted from the cell due to the excitation lights having a plurality of wavelengths, and a second multi-bandpass filter, which transmits the fluorescences of different wavelengths that have been transmitted through the dichroic mirror; an objective lens that condenses the excitation lights having a plurality of wavelengths and amplifies the fluorescences of different wavelengths; and an imaging element that has a plurality of sub-pixels for each pixel that images the fluorescences of different wavelengths that have been transmitted through the second multi-bandpass filter.
異なる波長の蛍光を発光する複数種の蛍光色素で染色された細胞を平坦な保持面で保持して収納する少なくとも一つの収納部と、
前記撮像素子がカラー撮像素子である請求項1に記載の画像撮像装置。
前記カラー撮像素子が、赤色フィルター、緑色フィルター、及び青色フィルターを有する単板式の撮像素子である請求項2に記載の画像撮像装置。
前記第1光源と、前記フィルター群と、前記撮像素子とが、前記収納部に対して前記保持面とは反対の側に配置される請求項1から3の何れか一項に記載の画像撮像装置。
前記第1マルチバンドパスフィルター、及び前記第2マルチバンドパスフィルターは、トリプルバンドパスフィルターで構成される請求項1から4の何れか一項に記載の画像撮像装置。
前記第1光源は、複数の光源により構成される請求項1に記載の画像撮像装置。
前記複数の光源の光量を、それぞれ独立に制御する制御部を有する請求項6に記載の画像撮像装置。
前記第1光源が、少なくとも緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードを含む光源である請求項6または7に記載の画像撮像装置。
前記収納部は、複数の収納部を有する容器の一つの収納部である請求項1から8の何れか一項に記載の画像撮像装置。
異なる波長の蛍光を発光する複数種の蛍光色素で染色された細胞を平坦な保持面で保持して収納する少なくとも一つの収納部と、
前記撮像素子がカラー撮像素子である請求項10に記載の画像撮像装置。
前記カラー撮像素子が、赤色フィルター、緑色フィルター、及び青色フィルターを有する単板式の撮像素子である請求項11に記載の画像撮像装置。
前記第1光源が、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード、及び紫色発光ダイオードの群から選択される2つの発光ダイオードを含む光源である請求項10から12の何れか一項に記載の画像撮像装置。
異なる波長の蛍光を発光する複数種の蛍光色素で染色された細胞を平坦な表面に保持する保持面を有する少なくとも一つの収納部に収納するステップと、
異なる波長の蛍光を発光する複数種の蛍光色素で染色された細胞を平坦な表面に保持する保持面を有する少なくとも一つの収納部に収納するステップと、
第1実施形態の画像撮像装置、及び画像撮像方法について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の画像撮像装置10の構成図である。図1に示される、画像撮像装置10は、1回の撮影により、細胞から発光される異なる波長の蛍光を撮像することができるよう構成される。
図12に示される第2実施形態の画像撮像装置、及び画像撮像方法について、図面を参照して説明する。画像撮像装置10は、1回の撮影により、細胞からの複数の蛍光と明視野像を撮像することができるよう構成される。なお第1実施形態の構成と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する場合がある。
12 第1光源
14 テーブル
16 対物レンズ
18 第1マルチバンドパスフィルター
20 ダイクロイックミラー
22 第2マルチバンドパスフィルター
24 フィルター群
26 撮像素子
28 制御部
40 容器
42 収納部
44 開口
46 側面
48 保持面
50 第2光源
60 白血球
62、72、82 表面
64、74 核
70 有核赤血球
76 HbF
78 外形形状
80 赤血球
260 画素
261、262、263、264 副画素
EB、EG、EV 励起光
R、λR 透過光λ1B、λ1G、λ1V、λ2B、λ2G、λ2V 蛍光
複数の波長の光を同時に発光する第1光源と、
前記第1光源から発光される前記複数の波長の光のうち前記複数種の蛍光色素を励起する複数の波長の励起光を選択的に透過させる第1マルチバンドパスフィルターと、前記第1マルチバンドパスフィルターを透過した前記複数の波長の励起光を前記細胞に向けて照射させ前記複数の波長の励起光により前記細胞から発光される前記異なる波長の蛍光を透過させるダイクロイックミラーと、前記ダイクロイックミラーを透過した前記異なる波長の蛍光を透過させる第2マルチバンドパスフィルターと、を含むフィルター群と、
前記複数の波長の励起光を集光し前記異なる波長の蛍光を拡大させる対物レンズと、
前記第2マルチバンドパスフィルターを透過した前記異なる波長の蛍光を撮像する1画素に複数の副画素を有する撮像素子と、
を有する画像撮像装置。
複数の波長の光を同時に発光する第1光源と、
前記収納部に対して前記第1光源とは反対の側に配置された、一つの波長の透過光を発光する第2光源と、
前記第1光源から発光される前記複数の波長の光のうち前記複数種の蛍光色素を励起する複数の波長の励起光を選択的に透過させる第1マルチバンドパスフィルターと、前記第1マルチバンドパスフィルターを透過した前記複数の波長の励起光を前記細胞に向けて照射させ前記複数の波長の励起光により前記細胞から発光される前記異なる波長の蛍光を透過させかつ前記第2光源から発光される前記一つの波長の透過光を透過させるダイクロイックミラーと、前記ダイクロイックミラーを透過した前記異なる波長の蛍光及び前記一つの波長の透過光を透過させる第2マルチバンドパスフィルターと、を含むフィルター群と、
前記複数の波長の励起光を集光し前記異なる波長の蛍光及び前記一つの波長の透過光を拡大させる対物レンズと、
前記第2マルチバンドパスフィルターを透過した前記異なる波長の蛍光と前記一つの波長の透過光を撮像する1画素に複数の副画素を有する撮像素子と、
を有する画像撮像装置。
第1光源から複数の波長の光を同時に発光するステップと、
前記第1光源から発光される前記複数の波長の光のうち前記複数種の蛍光色素を励起する複数の波長の励起光を第1マルチバンドパスフィルターに選択的に透過させ、ダイクロイックミラーにより前記第1マルチバンドパスフィルターを透過した前記複数の波長の励起光を前記細胞に向けて照射させ、前記複数の波長の励起光により前記細胞から発光される前記異なる波長の蛍光を前記ダイクロイックミラーを透過させ、前記ダイクロイックミラーを透過した前記異なる波長の蛍光を第2マルチバンドパスフィルターを透過させるステップと、
前記第2マルチバンドパスフィルターを透過した前記異なる波長の蛍光を1画素に複数の副画素を有する撮像素子により撮像するステップと、
を有する画像撮像方法。
第1光源から複数の波長の光を同時に発光し、前記収納部に対して前記第1光源と反対の側に配置される第2光源から一つの波長の透過光を発光するステップと、
前記第1光源から発光される前記複数の波長の光のうち前記複数種の蛍光色素を励起する複数の波長の励起光を第1マルチバンドパスフィルターに選択的に透過し、ダイクロイックミラーにより前記第1マルチバンドパスフィルターを透過した前記複数の波長の励起光を前記細胞に向けて照射させ、前記複数の波長の励起光により前記細胞から発光される前記異なる波長の蛍光と前記第2光源から発光される前記一つの波長の透過光とを前記ダイクロイックミラーを透過させ、前記ダイクロイックミラーを透過した前記異なる波長の蛍光と前記第2光源から発光される一つの波長の透過光とを第2マルチバンドパスフィルターを透過させるステップと、
前記第2マルチバンドパスフィルターを透過した前記異なる波長の蛍光と前記第2光源から一つの波長の透過光とを1画素に複数の副画素を有する撮像素子により撮像するステップと、
を有する画像撮像方法。



















