COMPONENT BUILT-IN SUBSTRATE AND METHOD FOR MANUFACTURING SAME
本発明は、電子部品を内蔵した部品内蔵基板およびその製造方法に関する。
電子機器の小型化、高機能化に伴って、機器に組み込まれる電子部品の小型化も進んでいる。電子部品を実装するプリント配線板においても、高密度化、多層化、高速伝送特性の向上が求められている。これらの要求に応える技術として、EWLP(Embedded Wafer Level Package)というパッケージ技術がある。
電子部品を内蔵する両面配線板の両面側に、それぞれ片面配線板を積層した部品内蔵基板が知られている(特許文献1を参照)。
図14および図15は、両面配線板A102の絶縁樹脂層3に開口部6を形成する工程を示している。これら図に示すように、開口部6は、例えば、個片化前の複数の両面配線板A102の絶縁樹脂層3に、レーザ加工やドリル加工などにより形成する。
しかしながら、上記部品内蔵基板では、開口部6の形成位置がずれて電子部品2の内蔵に支障が生じるおそれがあるため、前記ずれを考慮して開口部6を大きく形成する必要がある。この点に関し、部品内蔵基板の小型化を図るうえで改善が要望されていた。
本発明の一態様に係る部品内蔵基板は、第1面及び第2面を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の第2面に形成された第1導電層と、前記第1絶縁層を貫通し前記第1導電層に接続され前記第1絶縁層の第1面から突出する層間導通部と、を有する第1の基板と;前記層間導通部と接続される電子部品と;第1面、第2面、及び前記電子部品を内蔵する開口部を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層の第1面及び第2面のうちの少なくとも一方に形成された第2導電層と、を有する第2の基板と;を備え、前記第2導電層が、平面視において枠状の枠状部を有し、前記開口部は、前記枠状部の内側領域全域において前記第2絶縁層をその厚さ方向に貫通するように形成されている。
本発明の一態様に係る部品内蔵基板の製造方法は、前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側領域にレーザ光を照射することにより、前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側に位置する前記第2絶縁層をその厚さ方向に貫通して前記開口部を形成する工程を含み、前記開口部を形成する工程において、前記レーザ光を、少なくとも前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内周縁を含む領域に照射する。
本発明の態様によれば、開口部が、第2導電層の枠状部の内側領域に形成されているので、第2導電層(導電回路)に対する開口部の位置はずれない。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、部品内蔵基板10は、例えば電子部品2を内蔵した積層プリント配線板である。電子部品2を内蔵した両面配線板2Aの一方および他方の面に、それぞれ片面配線板である配線板1A、3Aが積層されている。
上層配線板1A(第3の基板)では、絶縁樹脂層3(3a)(第3絶縁層)の第一面3a1(図1における上面)に導電層4(4a1)(第3導電層)が形成されている。絶縁樹脂層3(3a)には、絶縁樹脂層3を貫通して導電層4(4a1)に接続され第二面3a2(図1における下面)から突出する、層間導通部1(1a1)が形成されている。図1の例では、複数の層間導通部1(1a1)が形成されているが、少なくとも1つの層間導通部が形成されていればよい。
両面配線板2A(第2の基板)では、絶縁樹脂層3(3b)(第2絶縁層)の第一面3b1(上面)に導電層4(4b1)(第2導電層)が形成され、第二面3b2(下面)に導電層4(4b2)(第2導電層)が形成されている。
図1および図2に示すように、絶縁樹脂層3(3b)の第一面3b1(上面)に形成された導電層4(4b1)は、平面視において枠状の枠状部7b1(第一面の枠状部)を有する。
平面視における枠状部7b1の内側領域8b1の形状(枠状部7b1の内周縁7b1aがなす形状)は、電子部品2の形状に応じて決定され、例えば矩形(正方形、長方形)、円形、不定形などであってよい。図示例の内側領域8b1は矩形(正方形)である。枠状部7b1は、たとえば、一定の幅を有する矩形の枠とすることができる。
絶縁樹脂層3(3b)では、枠状部7b1の内側領域8b1に、平面視において内側領域8b1と同じ形状を有する開口部6が形成されている。開口部6は、内側領域8b1全域において絶縁樹脂層3(3b)をその厚さ方向に貫通するように形成されている。
絶縁樹脂層3(3b)の第二面3b2(下面)に形成された導電層4(4b2)は、平面視において枠状の枠状部7b2(第二面の枠状部)を有する。
図2に示すように、絶縁樹脂層3(3b)の第二面3b2(図1における下面)に形成された枠状部7b2の内側領域8b2の面積は、第一面3b1(図1の上面)に形成された枠状部7b1の内側領域8b1の面積よりも大きく、かつ平面視において内側領域8b2が内側領域8b1を包含することが望ましい。
図1に示すように、下層配線板3A(第1の基板)では、絶縁樹脂層3(3c)(第1絶縁層)の第二面3c2(下面)に導電層4(4c1)(第1導電層)が形成されている。絶縁樹脂層3(3c)には、絶縁樹脂層3を貫通して導電層4(4c1)に接続され第一面3c1(上面)から突出する、層間導通部1(1c1、1c2)が形成されている。図1の例では、複数の層間導通部1(1c1、1c2)が形成されているが、少なくとも1つの層間導通部が形成されていればよい。
電子部品2は、抵抗やコンデンサ等の受動部品であってもよいし、IC、ダイオード、トランジスタ等の能動部品であってもよい。また、電子部品2は、半導体素子を有する半導体(ベア)チップやWLCSPであってもよい。
接着層5には、プリント配線板の製造分野において公知の各種接着材を使用できる。例えばポリイミド系接着材、エポキシ系接着材などが好適である。
次に、本実施形態に係る部品内蔵基板の製造方法の一例を具体的に説明する。
次いで、図7に示すように、レーザ加工により枠状部7b1の内側領域8b1の絶縁樹脂層3(3b)を除去することにより、内側領域8b1と同形状(平面視における形状)を有する開口部6を形成する。
図9(B)および図10(A)に示すように、レーザ光L1は、少なくとも枠状部7b1の内周縁7b1aを含む領域にも照射することが好ましい。この例では、レーザ光L1の一部が内周縁7b1aを含む枠状部7b1に照射され、その他は内側領域8b1の周縁部8b1aを含む絶縁樹脂層3(3b)に照射される。
図9(C)および図9(D)に示すように、内周縁7b1aに沿ってレーザ加工を行うことで切り出された絶縁樹脂層3の切出し部分13を除去する。
図8に示すように、上層配線板1A、両面配線板2A、下層配線板3Aおよび電子部品2を互いに位置合わせして配置し、配線板1A~3Aおよび電子部品2を一括積層法により積層することによって、図1に示す部品内蔵基板10が得られる。図8の例では、電子部品2の導電層4(4d1)が下層配線板3Aに対向するように電子部品2が両面配線板2Aの開口部6に導入され、導電層4(4d1)が下層配線板3Aの層間導通部1(1c2)に接続される。
部品内蔵基板10では、開口部6が、導電層4(4b1)の枠状部7b1の内側領域8b1に形成されているので、導電層4(4b1,導電回路12)に対する開口部6の位置はずれない。
上記製造方法ではレーザ加工によって開口部6を形成したが、開口部6は、他の方法によって形成することもできる。以下、ウェットエッチングによって開口部6を形成する方法の一例を説明する。
この方法では、エッチングによって、枠状部7b1の内側の絶縁樹脂層3(3b)を除去することによって開口部6を形成できるので、開口部6を容易に且つ精度よく形成することができる。
次に、ウェットエッチングによって開口部6を形成する方法の他の例を、図12を参照して説明する。
なお、図1等に示す部品内蔵基板10では、配線板1A~3Aが積層されているが、本発明に係る部品内蔵基板は、これら以外の他の配線板を含んでいてもよい。
電子部品を内蔵するための開口部を小さくできる部品内蔵基板およびその製造方法を提供することができる。
1,1c2 層間導通部 A component built-in substrate comprising: a first substrate having a first insulating layer having a first surface and a second surface, a first electroconductive layer formed on the first surface of the first insulating layer, and an interlayer conduction part passing through the first insulating layer, connected to the first electroconductive layer, and protruding from the second surface of the first insulating layer; an electronic component connected with the interlayer conduction part; and a second substrate having a second insulating layer having a first surface, a second surface, and an opening in which the electronic component is built in, and a second electroconductive layer formed on the first surface and/or the second surface of the second insulating layer; the second electroconductive layer having a frame part that is frame-shaped in a plan view, and the opening being formed so as to pass through the second insulating layer in the thickness direction in the entire inside area of the frame part.
第1面及び第2面を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の第2面に形成された第1導電層と、前記第1絶縁層を貫通し前記第1導電層に接続され前記第1絶縁層の第1面から突出する層間導通部と、を有する第1の基板と;
前記枠状部は、前記第2絶縁層の第1面及び第2面にそれぞれ形成され、
前記第1の基板と前記第2の基板とは、前記第1絶縁層の第1面と前記第2絶縁層の第2面とが対向するように配置されている請求項1に記載の部品内蔵基板。
前記第2絶縁層の第2面に形成された前記枠状部の内周縁は、平面視において、全周にわたって前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内周縁よりも外方に位置し、
第1面及び第2面を有する第3絶縁層と、前記第3絶縁層の第1面に形成された第3導電層と、前記第3絶縁層を貫通し前記第3導電層に接続され前記第3絶縁層の第2面から突出する層間導通部と、を有する第3の基板をさらに備え、
前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側領域にレーザ光を照射することにより、前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側に位置する前記第2絶縁層をその厚さ方向に貫通して前記開口部を形成する工程を含み、
前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側において、前記第2絶縁層を、ウェットエッチングによりその厚さ方向に貫通して前記開口部を形成する工程を含む請求項3に記載の部品内蔵基板の製造方法。
前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側領域にレーザ光を照射することにより、前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側に位置する前記第2絶縁層をその厚さ方向に貫通して前記開口部を形成する工程を含み、
前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側において、前記第2絶縁層を、ウェットエッチングによりその厚さ方向に貫通して前記開口部を形成する工程を含む請求項4に記載の部品内蔵基板の製造方法。
EWLPは、WLCSP(Wafer Level Chip Size Package)などの半導体構成体(電子部品)をプリント配線板に内蔵する技術である。EWLPによれば、実装密度を向上させることができ、半導体素子間の配線長が短縮され、高速伝送特性の向上が可能である。
図13は、部品内蔵基板の一例である。この部品内蔵基板100は、絶縁樹脂層3の両面に導電層4が形成された両面配線板A102と、絶縁樹脂層3の外面側に導電層4が形成された片面配線板A101、A103と、を備える。両面配線板A102の一方及び他方の面に片面配線板A101、A103がそれぞれ積層されている。両面配線板A102の絶縁樹脂層3に形成された開口部6に電子部品2が内蔵されている。
配線板A101~A103は、接着層5を介して互いに接着され、層間導通部1によって互いに電気的に接続されている。
図16A及び16Bは、開口部6を形成する工程における両面配線板A102の絶縁樹脂層3の平面図である。図16Aに2点鎖線示す領域6aをレーザ加工やドリル加工などにより除去することによって、図16Bに示す開口部6を形成することができる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、電子部品を内蔵するための開口部を小さくできる部品内蔵基板およびその製造方法の提供を目的とする。
前記枠状部は、前記第2絶縁層の第1面及び第2面にそれぞれ形成され、前記第2絶縁層の第2面に形成された前記枠状部の内側領域の面積は、前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側領域の面積よりも大きく、前記第2絶縁層の第2面に形成された前記枠状部の内側領域は、平面視において、前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側領域を包含していてもよい。
前記第1の基板と前記第2の基板とは、前記第1絶縁層の第1面と前記第2絶縁層の第2面とが対向するように配置されていてもよい。
前記第2絶縁層の第2面に形成された前記枠状部の内周縁は、平面視において、全周にわたって前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内周縁よりも外方に位置し、前記電子部品の、前記第1の基板に対向する面に形成された導電層を介して、前記電子部品は前記層間導通部に接続されていてもよい。
上記部品内臓基板は、第1面及び第2面を有する第3絶縁層と、前記第3絶縁層の第1面に形成された第3導電層と、前記第3絶縁層を貫通し前記第3導電層に接続され前記第3絶縁層の第2面から突出する層間導通部と、を有する第3の基板をさらに備え、前記第2の基板と前記第3の基板とは、前記第3絶縁層の第2面と前記第2絶縁層の第1面とが対向するように配置されていてもよい。
本発明の一態様に係る部品内蔵基板の製造方法は、前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側において、前記第2絶縁層を、ウェットエッチングによりその厚さ方向に貫通して前記開口部を形成する工程を含む。
従って、開口部の形成位置のずれを考慮して開口部を大きく形成する必要がなく、部品内蔵基板の小型化を図ることができる。
また、開口部は、枠状部の内周縁に沿って形成されるため、開口部の形状(例えば矩形の開口部の角部の形状)はレーザ光のスポット径やドリルの径などの影響を受けない。このため、スポット径が大きいレーザ光を用いることができ、その結果、加工時間を短縮できる。
また、レーザ光のスポット径やドリルの径などを考慮する必要ないため、開口部の大きさや形状等について設計の自由度が高められ、部品内蔵基板の小型化を図る上で有利となる。
図1は、本実施形態に係る部品内蔵基板10を示す断面図である。図2は、部品内蔵基板10の枠状部7および開口部6を示す平面図である。以下、図1における上下位置に基づいて各構成の位置関係を説明することがある。
配線板1A~3Aは、例えばポリイミドなどからなる絶縁樹脂層3と、絶縁樹脂層3の一方または両方の面に形成され、銅などの導電体からなる導電層4とを備え、接着層5を介して互いに接着され、層間導通部1によって互いに電気的に接続されている。
層間導通部1(1a1)の下端は、両面配線板2Aの第一面(上面)に形成された導電層4(4b1)に達し、これによって、上層配線板1Aの導電層4(4a1)と両面配線板2Aの導電層4(4b1)とが接続されている。
上層配線板1Aとしては、例えばポリイミドなどからなる絶縁樹脂層3と、絶縁樹脂層3の一方の面に設けられ、銅などの導電体からなる導電層4とを有する片面銅張積層板(CCL)を使用できる。
絶縁樹脂層3(3b)には、電子部品2を内蔵する位置に開口部6が形成されている。
枠状部7b1は導電層4(4b1)の一部であり、例えば銅などの導電体から形成される。導電層4(4b1)の他の部分は導電回路12(配線層)を構成する。
枠状部7b1の外形(平面視における形状)は特に限定されず、例えば矩形(正方形、長方形)、円形、不定形などであってよい。図示例の枠状部7b1の外形は矩形(正方形)である。
枠状部7b2は導電層4(4b2)の一部であり、例えば銅などの導電体から形成される。導電層4(4b2)の他の部分は導電回路12(配線層)を構成する。
枠状部7b2の外形(平面視における形状)は特に限定されず、例えば矩形(正方形、長方形等)、円形、不定形などであってよい。図示例の枠状部7b2の外形は矩形(正方形)である。平面視における枠状部7b2の内側領域8b2の形状(枠状部7b2の内周縁7b2aがなす形状)は、例えば矩形(正方形、長方形)、円形、不定形などであってよい。図示例の内側領域8b2は矩形(正方形)である。枠状部7b2は、たとえば、一定の幅を有する矩形の枠とすることができる。
枠状部7b2の内周縁7b2aは、平面視において、全周にわたって枠状部7b1の内周縁7b1aよりも外方に位置していることが好ましい。内周縁7b2aは、全周にわたって内周縁7b1aに対して一定の間隔をおいて外方に位置していることが望ましい。
図示例では、内周縁7b2aの4つの辺は、それぞれ対応する内周縁7b1aの辺よりも例えば20~50μm外方に位置させることができる。内周縁7b2aの辺の長さは、対応する内周縁7b1aの辺よりも例えば30~150μm長いことが好ましい。
図2に示す例では、枠状部7b2の内側領域8b2の面積は、枠状部7b1の内側領域8b1の面積よりも大きく、かつ平面視において内側領域8b2が内側領域8b1を包含している。このため、枠状部7b2の平面視における位置が枠状部7b1に対してずれた場合でも開口部6の寸法に影響が及ばない。すなわち、枠状部7b2が開口部6に突出して開口部6における実質的な開口面積が小さくなることを防止できる。このため、開口部6への電子部品2の内蔵および電子部品2と層間導通部との接続を確実に行うことができる。したがって、枠状部7b2の突出により電子部品2の開口部6への収容が不完全となることによる製造歩留まりの低下を確実に防ぐことができる。
両面配線板2Aとしては、例えばポリイミドなどからなる絶縁樹脂層3と、絶縁樹脂層3の両面に設けられた導電層4とを有する両面銅張積層板(CCL)を使用できる。
図1の例では、一部の層間導通部1(1c1)の上端は、両面配線板2Aの第二面3b2(下面)の導電層4(4b2)に達し、これによって、両面配線板2Aの導電層4(4b2)と下層配線板3Aの導電層4(4c1)とが接続されている。
その他の層間導通部1(1c2)の上端は、電子部品2の導電層4(4d1)に達し、これによって、電子部品2の導電層4(4d1)と下層配線板3Aの導電層4(4c2)とが接続されている。
電子部品2の第二面2a2(下面)には導電層4(4d1)が形成されている。
電子部品2は、両面配線板2Aの開口部6内に配置されているため、上層配線板1Aと下層配線板3Aとの間に配置される。
層間導通部1は、例えばニッケル、銀、銅、錫、ビスマス、インジウム、鉛などの金属粒子を含む導電性ペーストを加熱、硬化させて形成することができる。
図3に示すように、両面に導電層4Aが形成された絶縁樹脂層3(3b)を用意する。図4に示すように、レーザ加工等により絶縁樹脂層3に貫通孔9を形成する。
図5に示すように、貫通孔9の内面に、絶縁樹脂層3の両面に形成された導電層4を互いに接続するための導電層4(4b3)を電解メッキなどにより形成する。
図6に示すように、導電層4Aにフォトリソグラフィーによるパターニングを施して導電層4を形成する。形成された導電層4は、枠状部7b1、7b2と導電回路12とを含む。
枠状部7b1、7b2は、導電回路12と同様に導電層4の一部であり、導電回路12と同時に形成される。このため、導電回路12に対する開口部6の位置はずれない。このため、電子部品2の実装位置の精度向上が可能となる。
以下、この開口部6の形成工程を、図9および図10を参照して詳しく説明する。
図9(A)および図9(B)に示すように、レーザ光L1を枠状部7b1の内側領域8b1に照射する。具体的には、レーザ光L1は少なくとも内側領域8b1の周縁部8b1a(図10(A)参照)及び内側領域8b1に位置する絶縁樹脂層3(3b)に照射される。この例では、レーザ光L1が、内周縁7b1aに沿って移動されつつ照射される。なお、レーザ光L1は内側領域8b1の全域に一度に照射されてもよい。レーザ加工に用いるレーザには、炭酸ガスレーザやエキシマレーザなどを使用できる。
レーザ光L1を枠状部7b1の内周縁7b1aを含む領域にも照射することによって、レーザ光L1を内側領域8b1の周縁部8b1aに確実に照射し、内側領域8b1と同じ形状を有する開口部6を確実に形成することができる。
レーザ光L1の出力は、絶縁樹脂層3のみが除去され、枠状部7b1が損傷を受けないように調整されることが好ましい。
レーザ光L1を内周縁7b1aに沿って全周にわたって照射することによって、絶縁樹脂層3(3b)に開口部6を形成することができる。
レーザ光L1は内側領域8b1の周縁部8b1aを含む領域の絶縁樹脂層3(3b)に照射されるため、図9(D)および図10(B)に示すように、内側領域8b1と同じ形状の開口部6を精度よく形成することができる。
開口部6の形成は、個片化した後の絶縁樹脂層3に対して行ってもよいし、個片化される前の絶縁樹脂層3に対して行ってもよい(図14および図15を参照)。
配線板1A~3Aおよび電子部品2を積層する際に、両面配線板2Aにはその厚さ方向において大きな力が加えられる。しかしながら、枠状部7b1、7b2が補強部材として機能するため、接着層5の流動の影響による絶縁樹脂層3(3b)の曲げ変形が生じることはなく、部品内蔵基板10の平坦性を確保できる。
従って、開口部6の形成位置のずれを考慮して開口部6を大きく形成する必要がなく、部品内蔵基板10の小型化を図ることができる。
また、開口部6は、枠状部7b1の内周縁7b1aに沿って形成されるため、開口部6の形状(例えば矩形の開口部6の角部の形状)は、開口部6の形成に用いられるレーザ光のスポット径やドリルの径などに依存しない。このため、スポット径が大きいレーザ光L1を用いることにより加工時間の短縮が可能となる。加工時間は、枠状部を形成しない場合に比べて例えば1/3~1/5程度とすることができる。
また、レーザ光のスポット径やドリルの径などを考慮する必要がないことから、開口部6の大きさや形状について設計の自由度が高められ、部品内蔵基板10の小型化を図る上で有利となる。
図3~図6に示す工程図に従って、導電層4を有する絶縁樹脂層3(3b)(以下、配線板2Bという)を作製する。
図11(A)および図11(B)に示すように、枠状部7b1、7b2の内周縁7b1a、7b2aを含む部分(内周部分14b1、14b2)および内側領域8b1、8b2を残して、絶縁樹脂層3(3b)の第一面3b1、第二面3b2、及び導電層4(4b1、4b2)を保護用の被覆樹脂11で覆う。
図11(C)に示すように、配線板2Bを、例えば水酸化カリウムなどを主成分とするエッチング液に接触させることによって、枠状部7b1の内側領域8b1の絶縁樹脂層3(3b)を除去して開口部6を形成する。次いで、図11(D)に示すように、被覆樹脂11を除去する。
エッチングによる開口部6の形成は、個片化される前の絶縁樹脂層3に対して行ってもよい(図14および図15を参照)。個片化の前の絶縁樹脂層3に対して開口部6を形成することによって、複数の開口部6を一度に形成することができ、製造効率を高めることができる。
図12は、開口部6を形成する前の配線板2Bを示す図であり、(A)は断面図であり、(B)は平面図である。
この方法では、導電層4A(図5参照)にパターニングを施して導電層4を形成する際に、内側領域8b1、8b2の導電層を全て除去するのではなく、図12に示すように、内側領域8b1、8b2の周縁部の導電層のみを除去する。すなわち、内側領域8b1、8b2の中央部分に導電層4B1、4B2を残す。その後、図11(B)~図11(D)に示す工程に従って、開口部6を形成する。
この方法では、導電層4B1、4B2が補強部材として機能するため、絶縁樹脂層3(3b)に変形が生じにくい。このため、開口部6を精度よく形成することができる。
2 電子部品
1A 配線板(第3の基板)
2A 両面配線板(第2の基板)
3 絶縁樹脂層(絶縁層)
3a 絶縁樹脂層(第3絶縁層)
4a1 導電層(第3導電層)
3b 絶縁樹脂層(第2絶縁層)
3c 絶縁樹脂層(第1絶縁層)
3A 下層配線板(第1の基板)
4 導電層
4b1,4b2 導電層(第2導電層)
4c1 導電層(第1導電層)
6 開口部
7b1 枠状部(第一面の枠状部)
7b1a 内周縁
7b2 枠状部(第二面の枠状部)
8,8b1,8b2 内側領域
10 部品内蔵基板。
前記層間導通部と接続される電子部品と;
第1面、第2面、及び前記電子部品を内蔵する開口部を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層の第1面及び第2面のうちの少なくとも一方に形成された第2導電層と、を有する第2の基板と;
を備えた部品内蔵基板であって、
前記第2導電層が、平面視において枠状の枠状部を有し、
前記開口部は、前記枠状部の内側領域全域において前記第2絶縁層をその厚さ方向に貫通するように形成されていることを特徴とする部品内蔵基板。
前記第2絶縁層の第2面に形成された前記枠状部の内側領域の面積は、前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側領域の面積よりも大きく、
前記第2絶縁層の第2面に形成された前記枠状部の内側領域は、平面視において、前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内側領域を包含する請求項1に記載の部品内蔵基板。
前記電子部品の、前記第1の基板に対向する面に形成された導電層を介して、前記電子部品は前記層間導通部に接続されている請求項2に記載の部品内蔵基板。
前記第2の基板と前記第3の基板とは、前記第3絶縁層の第2面と前記第2絶縁層の第1面とが対向するように配置されている請求項3に記載の部品内蔵基板。
前記開口部を形成する工程において、前記レーザ光を、少なくとも前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内周縁を含む領域に照射する請求項3に記載の部品内蔵基板の製造方法。
前記開口部を形成する工程において、前記レーザ光を、少なくとも前記第2絶縁層の第1面に形成された前記枠状部の内周縁を含む領域に照射する請求項4に記載の部品内蔵基板の製造方法。
















